コラム

データで読み解く業者オークション相場 落札価格の形成から総仕入れ原価、入札戦略まで

業者オークション相場とは何か?落札価格はどのように形成されるのか?

以下は、日本の自動車分野で一般に言われる「業者オークション(AA Auto Auction)」を前提にした説明です。

建機やバイク等でも基本構造は近似しますが、用語や手数料の扱いが異なることがあります。

業者オークション相場とは何か

– 定義
– 業者オークション相場とは、会員制の業者向けオートオークション(USS、JU、TAA、CAA、HAA、ベイオーク等)で、実際に成約した同等条件の車両群の落札価格レンジや平均値(中央値)を指します。

特定車種・年式・走行距離・修復歴・評価点・装備などを条件で絞り込んだときに観測される「市場価格帯」です。

– 相場の用途
– 店頭小売の仕入れ基準
– 下取り・買取の査定根拠
– 在庫評価、与信・在庫ファイナンスの基礎データ
– 輸出入の採算判断(為替との勘案)
– 相場は単一の数字ではなく、車両状態・出品会場・時期により幅を持つ「レンジ」です。

またオークション会社や集計方法により集計値に差が生じます。

業者オークションの基本的な仕組み

– 参加者
– 出品者(販売店、買取店、ディーラー、リース/レンタカー会社、金融リマーケティング、輸出業者)
– 買い手(販売店、輸出業者、整備・板金業者、解体・部品業者)
– 開催と形式
– 物理会場+オンライン同時進行の「せり上がり(English auction)」が標準。

スタート価格が提示され、所定の刻みで入札が競り上がり、タイマーが切れた時点の最高入札者が落札者となるのが基本形です。

– 売り手が最低落札価格(リザーブ)を設定でき、最高入札額がリザーブに届かないと「流札」。

終了後に価格交渉(コーナー、商談)で成約に至る場合があります。

– 車両情報と評価
– 会場標準の検査(AIS等)に基づく評価点(例 点数4.5/4/3.5…、修復歴はR、内外装グレード、減点箇所、下廻り、事故・修復の有無、エンジン・ミッション機能、装備、記録簿有無等)
– 写真・動画・下見スペースの提供
– こうした情報の透明度が相場形成を大きく左右します。

– 費用項目
– 出品料、成約料、落札料、陸送費、再検査・再出品費用など(会場・会員ランクにより異なる)。

落札者はこれら諸費用とリコン(整備・板金・仕上げ)費用を見込んだうえで入札上限を決めます。

落札価格はどのように形成されるか(価格形成のメカニズム)

– 需給バランス
– 出品台数(供給)と実需の強さ(需要)で水準が変動します。

繁忙期(例 3月決算前、ボーナス期、雪国のシーズンイン/アウト)や新車供給逼迫時は上昇しやすい一方、在庫過多や金利上昇局面では弱含みます。

– 輸出需要(為替、輸入規制、仕向け国の人気・税制)も国内相場を押し上げ/下げします。

円安時は輸出勢の上限入札が高くなり、国内相場を押し上げる傾向があります。

– 売り手の価格設定(リザーブ)
– 出品者は希望価格・最低落札価格を設定します。

市場のリアルタイム需要がそれに届かなければ流札し、再出品やコーナーで妥協点を探ります。

過度に高いリザーブは成約率低下に繋がり、結果的に相場レンジの上方硬直を生むことがあります。

– 買い手の逆算(上限入札の決め方)
– 店頭想定小売価格
– 想定粗利(在庫回転・販促・保証・金利・機会費用を含む利益確保分)
– 仕入れ関連費用(落札料・陸送・名義・消費税の取り扱い等)
– リコン費用(整備・板金・タイヤ・消耗品・クリーニング)
– リスクプレミアム(見落とし・隠れ不具合の確率、在庫滞留リスク、価格下落リスク)
– これらを差し引いて「上限入札価格(自分の限界価格)」を算出します。

参加者ごとのビジネスモデルにより上限は異なり、これが同一車両でも落札価格が会場や回次ごとにブレる理由です。

– 競争入札のダイナミクス
– 入札者が多いほど限界買い手の評価に近い価格まで競り上がります。

限界買い手(最も高く評価した参加者)が価格を決めるため、落札価格は「その瞬間の市場で最も高い評価」を反映します。

– 入札刻み、タイムエクステンション、プロキシ(自動入札)設定などのルールも価格の上がり方に影響します。

– 情報の質と「共通価値・私的価値」
– 評価点が高く修復歴なし、整備記録や人気装備が揃う車両は情報の不確実性が低く、入札者が集まりやすく価格が上がりやすい。

– 逆に評価点が低い、修復歴あり、過走行、写真・下見情報が乏しい場合は不確実性リスク(ウィナーズカース)を見込んで入札が抑制され、価格は割安になりがちです。

– 会場間の裁定(アービトラージ)
– 会場や地域ごとに参加者構成が異なり、同一条件でも価格差が出ます。

輸出偏重会場では輸出人気車が高く、都市圏で小型・低燃費車が強い等。

熟練バイヤーは会場間の価格差を利用して仕入れます。

– 参加者の多様性(需要の層)
– 小売店(回転重視/利益重視の違い)
– 輸出(FOB・船賃・為替前提で独自の上限を持つ)
– 解体業(鉄スクラップ・部品取り価値が下支え)
– 多様な限界評価が同一車両に重なり、結果として市場価格帯が形成されます。

実務的な上限入札の例(簡略モデル)

– 想定店頭売価 200万円(税込)
– 目標粗利 20万円
– 想定リコン・仕上げ 5万円
– 落札関連諸費用(落札料・陸送等) 5万円
– リスクバッファ 5万円
– 上限入札(税抜税込の扱いは会場仕様に依存) 200 − 20 − 5 − 5 − 5 = 165万円
– 実際は、消費税の課税区分、リサイクル預託金・自動車税の月割、下取と抱き合わせの粗利配分、在庫回転方針などで細かく調整されます。

入札は刻み単位があるため、165.1万円のような細かい設定ではなく、刻みに合わせて余裕を持たせるのが一般的です。

相場データの作られ方と読み解き

– データ源
– 各オークション会社の成約データ(会員向けシステムで閲覧・検索)
– サードパーティの相場システム(過去成約の集計、条件補正、回次・会場横断検索)
– 集計の注意点
– 条件の粒度 車種名だけでなく、年式、グレード、駆動方式、走行距離帯、色、評価点、修復歴、装備(サンルーフ・本革・先進安全装備等)で絞らないと平均値が歪みます。

– サンプル数 件数が少ないとブレが大きく、外れ値に引っ張られます。

中央値やトリム平均で見るのが実務的。

– 時期補正 相場は旬変動が強く、1〜2カ月で数%動くことも。

最新回次を重視し、過去値は参考程度に。

– 会場バイアス 輸出色が強い会場の値を国内小売の仕入れ基準に使うとズレます。

– 個体差調整(ヘドニック的補正)
– 走行1万kmの差、評価点0.5の差、修復歴の有無、色(白・黒人気)、記録簿や禁煙車表記、タイヤ残、ワンオーナー、寒冷地仕様などでプレミア/ディスカウントがつきます。

経験的な加点・減点を用いて基準車から調整します。

落札価格と成約価格、店頭価格の違い

– 落札価格(ハンマー価格)
– オークションの瞬間に成立した価格。

リザーブを満たさない場合は落札そのものが成立しません。

– 成約価格
– オークション中にリザーブを満たして落札=成約した場合は落札価格=成約価格。

リザーブ未達で流札後、コーナー商談で決まった場合は、商談で合意した価格が成約価格となり、オークション画面の落札価格とは異なることがあります。

– 店頭小売価格
– 成約価格に仕入れ諸費用・リコン・販売経費・保証コスト・在庫コスト・目標利益を加味したもの。

一般に店頭価格はオークションの成約価格より高く、買取査定はその中間またはそれ以下に位置します。

相場に影響するマクロ・制度要因

– 新車供給(半導体・物流制約)と金利動向
– 税制・補助金(エコカー減税、環境性能割、残価設定の普及)
– 為替と輸出規制(仕向け国の年式規制、右左ハンドル規制、安全基準)
– 季節要因(決算期、繁忙期、降雪・台風、観光需要)
これらは需給に作用し、広範な車種で相場水準のベースを動かします。

根拠(ルール・理論・実務慣行)

– オークション運営規約・実務
– 各社の会員規約に、最低落札価格(リザーブ)、流札、コーナー商談、検査基準、手数料体系、入札ルール(刻み、タイム延長、代理入札)などが定められています。

これにより「競争入札+リザーブ付き」という市場設計が実装され、落札価格が形成されます。

– 検査・評価の標準化
– AIS等の第三者検査基準に基づく評価票が普及しており、情報の標準化が入札者間の情報非対称を縮小し、価格の透明性・一物一価に近づけます。

評価点が価格に系統的な影響を与えるのは、実務でも統計でも一貫した観察事実です。

– 経済学的根拠(競売理論)
– 多数の入札者が私的価値を持つ英語式競売(せり上がり)では、均衡価格は「限界入札者の評価(次点入札者の評価に近接)」に収れんします。

情報が不完全な共通価値要素(隠れ不具合など)がある場合、ウィナーズカースを回避するために入札者はリスク割引を行い、その分価格が抑制されます。

検査情報の精度向上によりこの割引が縮小し、価格が上方にシフトするのも理論と一致します。

– 実務データの一致
– 各会場・相場システムで、繁忙期の成約率上昇と落札価格上昇が連動する、輸出強含み局面で特定車種(SUV、ディーゼル、マニュアル商用等)が相対的に高騰する、修復歴あり車のディスカウント幅が評価点や修復部位で系統的に違う、といった経験則が安定して確認されています。

これらは上記メカニズムの妥当性を裏づけます。

実務上の注意・落とし穴

– 公開相場の「平均」だけで仕入れると、個体差・会場差・時期差で想定粗利が消えることがある。

直近回次、同会場、同条件での中央値重視が無難。

– リコン費・輸送日数・在庫回転の見積もりが甘いと、実効粗利が圧縮される。

過去自社データで補正係数を持つ。

– リサイクル預託金や税金の扱い、消費税区分(会場仕様)を誤ると上限入札がズレる。

– 画像だけでの入札は見落としリスクが高い。

要下見・過去出品履歴の確認。

– 相場は下支えがある一方で、需給や制度変更で急変も起こり得る。

ポジション(在庫)リスク管理が重要。

まとめ

– 業者オークション相場とは、会員制オークション市場で実際に取引された同等条件車の落札価格帯を統計的に捉えた「市場実勢」です。

– 落札価格は、売り手のリザーブ設定、買い手の逆算による上限入札、会場ルールに基づく競争入札、情報の質、需要供給・季節・為替・輸出などの要因が交錯して、その時点の限界買い手の評価により決まります。

– 根拠は、各会場の運営規約・検査標準・実務データに裏打ちされた市場設計と、競売理論・情報経済学に整合的な観察事実です。

– 実務では、粒度の細かい条件指定で相場を見る、最新回次と同会場データを重視する、個体差調整と費用・リスクの逆算を厳密に行うことが、相場を正しく使う鍵になります。

必要であれば、特定の車種・条件を例に取り、直近相場の読み方や入札上限の作り方をさらに具体化して解説します。

同一車種でも落札価格が変わるのはなぜか?評価点・年式・走行距離・装備の影響は?

業者オークションの落札価格は、同一車種でも驚くほど開きます。

これは「車両そのものの異質性」と「市場(需要・供給・タイミング)の条件」が重なって価格が決まるからです。

ご指定の評価点・年式・走行距離・装備は、まさに価格に強く効く主要因ですが、実務上はそれ以外にも複数の調整要因が同時に効いています。

以下、要素別に仕組みと影響、業界基準や制度に基づく根拠をまとめます。

1) 相場が同一車種で変わる基本的な仕組み
– ヘドニック価格の考え方 中古車は「車種名」ではなく、状態・年式・距離・装備・色・事故歴・地域・税負担・輸出適合性などの属性の束で評価されます。

属性の微差が多数重なるため、見た目が同じでも理論価格は大きく変わります。

– その日の需給 同日・同会場の落札者構成(小売志向、輸出筋、地域ディーラー)、在庫の過不足、為替(輸出筋の購買力)、季節(4WDやオープンの旬)、同型の出品密度(供給過多・希少)で数%〜十数%は平気で動きます。

– 会場・地域差 北海道・東北では4WDや寒冷地仕様が強く、西日本は2WDや淡色の回転が良いなど、運賃や地域需要で入札上限が変わります。

2) 評価点(検査点)の影響と根拠
– 業界の評価基準 USSやJU、TAAなどの大手会場は、AISやJAAA準拠の検査で外装・内装・機関・修復歴を総合評価します。

一般的にS/5/4.5/4/3.5/3…、R(修復歴あり)などのレンジがあり、内装はA~E等のサブ評価が付きます。

根拠 AIS(自動車公正検査協会系の民間検査会社)やJAAA(日本自動車鑑定協会)が公開する評価基準の存在。

– 価格への効き方 
– 修復歴の有無は最大の分岐点。

修復歴あり(R)は同条件の無事故車に比べて大きく値引かれます。

骨格部位の交換・修正は残価に直結するため、買い手の再販リスク(下取り・保証トラブル)を織り込みます。

– 4.5と3.5のようなグレード差は、目立つ加修の有無・板金面積・凹み傷の量・飛び石・下回り腐食などの累積で生まれ、同一距離・年式でも二桁%の差を生むことが珍しくありません。

– 同じ総合点でも差が出る理由 総合点は要約値であり、下見表の細項(臭い、ペット毛、補機類作動、タイヤ残、フロントガラスの線キズ、ブレーキ鳴き、電装の不具合、スマートキー本数、取説・記録簿の有無など)で実勢は調整されます。

検査票の「コメント欄」や見落とされがちな減点項目は、相場検索だけでは反映しきれません。

3) 年式(初度登録年)の影響と根拠
– モデルサイクル効果 フルモデルチェンジ直後は旧型の相場が下がりやすく、マイナーチェンジで安全装備やインフォテインメントが刷新されたタイミングは旧仕様の評価が下がります。

– 税制・法的要因 自動車重量税は初度登録から13年超・18年超で上がる区分があり、所有コスト上昇が再販需要を弱めます(国交省の重量税区分が根拠)。

また、車検残存期間が長い個体は小売時の諸費用が抑えられるため、業者は入札上限を引き上げやすいです。

– 輸出規制起点 ケニアの8年ルールなど、仕向地が年式で輸入可否・関税優遇を決める市場では、境界年の前後で相場が段差的に変わります。

右ハンドル圏や関税政策の変化、為替(円安)も年式ごとの輸出需要を通じて内需相場に波及します。

4) 走行距離の影響と根拠
– 平均からの乖離 日本の自家用乗用車の平均年間走行距離はおおむね9,000~10,000km程度とされ、年式×1万kmがざっくりの基準です。

そこから大きく外れると価格補正が入ります(国交省の交通・自動車関連統計が根拠)。

– 心理的閾値 実務では「3万・5万・7万・10万km」の壁が意識され、ちょうどの跨ぎで需要層が変わります。

10万km超は残価モデルの下限が切り替わり、延長保証やローン残価設定の対象外になりやすく、下取り再販の出口リスクが増すため入札が弱くなりがちです。

– 故障リスクの織り込み 距離が伸びるほど消耗品一巡(タイヤ・ブレーキ・ダンパー)や補機(オルタ・コンプレッサー)、CVTのジャダー、ハイブリッドバッテリーの劣化などの将来コストが期待値として価格に反映されます。

点検記録・ディーラー整備履歴が厚い個体は距離の割引が緩くなることがあります。

5) 装備・グレード・色の影響と根拠
– グレード差 上位グレード(本革、パワーシート、メモリー、先進安全装備、上級オーディオ)は販売店の見栄えと粗利に直結するため、仕入れ価格も引き上げられます。

とくにミニバンの両側パワスラ・7人キャプテン・後席モニター、SUVのサンルーフ、セダンの本革・サンルーフ・セーフティパッケージは強い加点要素です。

– 安全装備の新旧 自動ブレーキ・ACC・LKAなどのADAS有無は小売での比較優位を決め、同年式でも前期(無し)と後期(有り)で価格レンジが分かれます。

– 駆動・トランスミッション 雪国向け4WDは冬季・積雪地域でプレミア。

スポーツ系はMTが高く、一般大衆車はAT/CVTが強いなど、車種×用途で効き方が逆転します。

– 色 定番色(ホワイトパール、ブラック)は回転が速く、希少色でも再販層が狭いと弱含み。

商用は白・シルバーが強い、スポーツは原色が一定評価、などのパターンがあります。

– 付属品と小物 スマートキー2本、記録簿、取説、ドラレコ、ETC2.0、冬タイヤ付、ルーフラックなどは実務的に加点。

逆に社外過度改造や車高短、違法性の疑いは減点・販路制限につながります。

6) 同一車種でも差が開くその他の要素
– 事故・修理歴の質 修復歴なしでもコアサポート交換や複数パネル再塗装は敬遠されます。

色替え・全塗装は大幅減点が一般的。

– 臭い・使用環境 喫煙臭・ペット毛・カビ臭は内装評価の実質を下げ、小売店頭の回転を悪化させるため仕入れが弱くなります。

沿岸部での塩害、下回り錆、下廻りオイル滲みも同様。

– タイヤ・消耗度 溝・製造年、ブレーキローター段付き、バッテリー寿命、フロントガラス飛石、純正/社外ナビの地図年式など、小さなマイナスが蓄積して入札上限を削ります。

– 車検残・保証適用 車検たっぷりは店頭諸費が抑えられるため強気に入札可能。

メーカー保証・ディーラー延長保証の承継可否も重要。

– 当日の競争状況 同型の良質在庫が別ロットで安く獲れた、輸出先で対象外となった、主力バイヤーが不在だった、写真や下見票の表現が弱い(見送りが増える)、出品順や終了間際の入札集中などで大きくぶれます。

相場検索ツールは「平均」を示しますが、実際は「分布」に対してどこに位置するかが勝負です。

7) 具体的な影響のイメージ(あくまで一般的傾向)
– 評価点 無事故4.5が基準とすると、4.0で小傷・小板金分が数%~10%前後のディスカウント。

3.5はさらに傷・内装使用感で二桁%の差。

R(修復歴あり)は部位・修理質で幅広いが、一見美車でも無事故比で大きく値引かれます。

– 年式 同型で1年違いは数%~10%程度の差になりやすいが、マイチェンや装備改良の境、輸出規制の境では段差的に動きます。

13年超・18年超は所有コスト増のため買い手層が狭まり弱含み。

– 走行距離 年相応(年1万km)を基準に、低走行は強い加点、高走行は減点。

10万km跨ぎは心理的にも金融商品性(残クレ・保証)でも効き、同条件での差が大きく開きます。

– 装備 先進安全・サンルーフ・本革・両側パワスラ・360度カメラ・純正大画面ナビ・シートヒーター・電動リアゲートなどは強いプラス。

逆に社外過度改造は販路制限でマイナス。

8) 根拠のまとめ
– 評価点制度の存在と基準の公表 AISやJAAAが評価基準を公開し、USS/JU/TAA等が同様のレンジで運用。

評価点と修復歴が価格形成の中心であることは会場の運営資料や検査票から明確。

– 制度的根拠 重量税の13年・18年区分、車検制度、保証適用条件などは公的制度として存在し、所有コストや再販リスクを通じて価格に織り込まれます。

– 統計的背景 平均走行距離(年1万km前後)という実態、輸出市場の年式規制(ケニア8年ルール等)、為替による輸出需要の増減は、業界各所の発表・貿易統計・為替水準の変動と相関が観察されます。

– 実務慣行 業者間で共有される「5万・10万kmの壁」「黒白の強さ」「寒冷地4WD」「再塗装・色替えのディスカウント」等は、会場の落札結果を継続観察すると再現的に確認できます。

9) 実務での見方・コツ
– 単に評価点・年式・距離で並べ替えるだけでなく、下見票のコメント・補足図・内装評価・小物の有無を丁寧に読み、加点減点の自前ルールを数値化して一貫適用するとブレが減ります。

– 同日同会場のコンパラブル(同型同条件)を複数束ね、中央値や移動平均を基準線に、個体差の加点減点を積み上げて入札上限を決めると良いです。

– 季節・会場・輸出動向(為替、仕向地規制)を毎週メモし、相場検索ツールの過去平均に対して当週の強弱を調整します。

– 車検残、保証、記録簿、スマートキー本数、タイヤ残(交換コスト)、ガラス・外装の即修理コストは、仕入れ後の粗利直撃なので事前に金額化して入札限度額に反映します。

結論
同一車種でも落札価格が変わるのは、評価点・年式・走行距離・装備という主要因に加え、修復歴の質、色、地域・季節需要、輸出適合、税・保証・車検、消耗度、当日の競争状況など多数の属性が同時に価格へ織り込まれるからです。

評価点は強い説明力を持ちますが「十分条件」ではなく、下見票の細部と市場環境の文脈を重ねて読むことが不可欠です。

根拠としては、業界の評価基準(AIS/JAAA)、公的制度(重量税・車検)、市場の慣行(距離閾値・色・地域差)、輸出規制・為替といった外生要因がそれぞれ理論と実務の裏付けになっています。

これらを前提に、個体ごとの加点減点を一貫して数値化する運用が、相場ブレの中でも再現性のある落札判断につながります。

相場を正確に把握するには何を使えばいいのか?落札履歴やデータベースの見方は?

以下は、業者オークション相場(落札価格)をできるだけ正確に把握するための「情報源の選び方」「落札履歴・データベースの見方」「実務での使い方」と、その根拠を体系的にまとめたものです。

中古車を例に説明しますが、時計・ブランド品・建機など他業種でも考え方はほぼ共通です。

大前提と用語の整理

– 業者オークション相場とは、会員制BtoBオークション会場で実際に成立した取引価格(落札価格)の集合から見える市場価格帯のことです。

– 相場=「実際の成約価格の分布」。

入札上限や出品希望価格ではなく、成立した価格に基づくのが基本です。

– 正確性を高める第一原則は「一次データ(会場の成約履歴)に近い情報ほど信頼度が高い」ことです。

相場を正確に把握するために何を使うべきか(優先度順)
最優先 会員制オークション会場の成約履歴

– 各会場(例 USS系、TAA、NAA、CAA、JU系、HAAなど)は会員向けに「成約結果一覧」「出品票・評価表」「車両状態図」を提供します。

これが最も精度の高い一次情報です。

– 会場ごとの手数料体系や開催日、地域差も把握でき、条件分け(年式・グレード・走行・評価点・修復歴・色・装備など)で純度の高い比較が可能です。

高優先 統合検索/横断プラットフォーム
– 複数会場の成約履歴を横断検索できる業者向けプラットフォーム(例 オートオークションの統合検索・相場検索機能を持つサービス)。

自社が加入している会場以外の動きも一度に俯瞰できます。

– メリットはデータ範囲の広さと検索効率、デメリットは詳細画像や細かな注記が会場直より簡略になる場合がある点です。

補助的 小売データ(店頭掲載)
– 消費者向けの掲載価格(ポータル、DMS、在庫検索)は「売値の目安」にはなるものの「仕入れ相場(落札価格)」とは階層が違います。

仕上げ費・保証・広告費・粗利が上乗せされているため、仕入れ上限の逆算に使う補助情報として位置付けます。

統計・指数
– 会場や業界団体が公表する月次の成約台数・平均価格・成約率、モデル別のトレンド指数は、マクロの方向性や季節性の把握に有用です。

ただし個別車両の仕入れ上限を決めるには粒度が粗いので、一次データと併用します。

落札履歴・データベースの見方(実務手順)
A. 比較対象(コンプセット)の作り方

– まず車種・型式・年式(初度登録年)・グレード・駆動・トランスミッションを一致させます。

– 走行距離レンジ(例 ±1万km)を設定。

– 車両評価点(例 4.5以上、4±0.5など)と内装/外装評価(A/B/C)で絞る。

– 修復歴の有無で必ず分ける(R/RA/修復歴ありは価格体系が別)。

– カラー(白・黒・パール系はプレミアが乗りやすい)、主要オプション(サンルーフ/革/ACC/安全装備/純正ナビ/モデリスタ等)をタグ付け。

– 可能ならワンオーナー、禁煙、取説・記録簿、スペアキー有無も条件に反映。

B. 指標の取り方(外れ値対策)
– 平均値より中央値(50パーセンタイル)を基準に。

外れ値の影響を受けにくい。

– 25〜75パーセンタイル(四分位範囲)で「通常の価格帯」を把握。

– 明らかな事故・改造・機関不良・冠水懸念・過走行などの特異車は除外して相場線を引く。

C. 調整の考え方(ヘドニック的補正)
– 走行距離 同一モデル内で1万km当たりの減価(円/万km)を、近い事例の差額から逆算。

高年式・人気車は距離感度が高くなりがち。

– 車両評価点 0.5点上がるごとのプレミア(例 4.0→4.5→5.0)を実績差から推定。

– 修復歴 無事故→修復歴ありのディスカウント幅を年式・車種別に別推定(人気SUVと軽では幅が異なる)。

– 色・装備 白/黒/パールはプラス、奇色はマイナス傾向。

安全装備や先進運転支援は評価されやすい。

– 地域・会場 輸出需要が強い地域や会場の偏りで価格が上振れ/下振れすることがあるため、同週・同地域の事例も参照。

D. 期間軸(時系列)の見方
– 直近4〜8週の移動中央値で短期トレンド、12ヶ月の推移で季節性を確認。

– 繁忙期(新生活直前の2〜3月、ボーナス期)、決算期、モデルチェンジ直後、新車供給逼迫(半導体不足など)による上振れは要注意。

– 為替と輸出先需要(中東・アフリカ・ロシア等)の影響を受けやすい車種は指数的に追う。

E. 価格の「定義」を合わせる
– 落札価格そのものか、諸費用込みの仕入総額かを必ず区別。

– 仕入総額=落札価格+会場落札料+代行料(使う場合)+陸送費+税・精算項目(自動車税月割/リサイクル預託金の精算等)+手数料への消費税。

– 店頭販売の逆算は、仕上げ・整備・保証・広告・在庫コスト・目標粗利を上乗せして「許容落札上限」を決める。

出品票・評価表・車両状態図の読み方(重要ポイント)

– 総合評価点 S/6/5/4.5/4/3.5/3…と下がるほど状態が悪化。

RA/Rは修復歴あり。

走行不明は別扱い。

– 内装/外装評価 A/B/C/Dで汚れ・傷を示す。

外装図の記号(A=傷、U=凹み、W=波、S=錆、P=色褪せ/補修等)と等級(小中大)で費用感を推定。

– 機関・下回り オイル滲み、異音、ATショック、ハブ・ブーツ等の指摘は整備コストへ直結。

– 改造・社外パーツ 相場を上げる場合と下げる場合がある。

純正戻し可否も確認。

– 付属品 記録簿、スペアキー、取説、ドラレコ等。

欠品は後コスト。

– 臭い・ヤニ・ペット・水没歴・冠水マーク 落札後のクレーム要因。

評価票の注意書きは見落とさない。

会場別の特徴を踏まえる

– 会場規模・来場バイヤー層・輸出比率で価格が微妙に変わります。

同一週に複数会場の結果を横比較することで、その週の「相場の芯」を捕まえやすいです。

– 手数料は会場により異なるため、純落札価格だけでなくトータル仕入コストで比較します。

実務での運用(ワークフロー例)

– 事前調査 ターゲット車の「4〜8週移動中央値」「四分位帯」「距離・評価点補正係数」をシート化。

– 入札上限の自動算出 販売想定価格→販管費・粗利→仕上げ・整備→輸送・手数料を逆算し、落札上限を自動計算(Excel/スプレッドシートで関数化)。

– オークション当日 対象車のリアルタイム画像・下見コメントを反映し、上限を微調整。

競り上がりすぎたら撤退。

– 事後検証 落札できた・できなかった案件を毎週レビュー。

ズレは「条件の取り方」か「補正係数」か「市場変化」かに分解して更新。

– アラート 重要モデルは相場が一定幅を超えて動いたときに通知(BIツールやスプレッドシートの条件付き書式で代替可)。

ツール選定の実務的アドバイス(何を使うか)

– 会場の公式会員サイト 最重要。

検索・成約履歴・評価票・高解像度画像が見られる。

– 統合検索サービス 複数会場を横断。

相場検索や過去落札の一覧・グラフ化機能があるものを選ぶ。

– データ整形 Excel/Googleスプレッドシートで十分対応可能。

関数(MEDIAN、PERCENTILE、FILTER、QUERY)やピボットで中央値・四分位を算出。

– 可視化・蓄積 週次でCSVエクスポート→Power BI/Tableau/Looker Studioでダッシュボード化。

小規模ならスプレッドシートでもOK。

– 自動化 Python(pandas)で距離・評価点補正を一括計算。

車台番号末尾を鍵に重複排除や同一個体追跡も可能。

注意点・落とし穴

– データの混在 同一個体が別会場で再出品されることあり。

車台番号(末尾)や評価票の一致で重複を排除。

– 即決・コーナー特性 即決成立や特設コーナーの価格は通常の競りと分布が異なる場合があるため注記。

– 画像依存のリスク 写真では見えない下回り・臭い・電装不良。

現地下見コメントの重視。

– 外部要因 新車の納期改善、為替急変、輸出規制、税制変更は相場を一気に動かす。

週次ではなく日次で異常検知する体制を。

– 小売価格の逆算ミス 店頭相場を鵜呑みにすると仕上げ・保証・広告・金融コスト・在庫回転を見落としがち。

他商材でも応用できる共通原則

– ブランド品・時計 グレード(付属品の有無、製造年、コンディションA/B/C)、相場の中央値と四分位、オーバーホール履歴の有無で補正。

– 建機・農機 稼働時間(h)、年式、アタッチメント、整備記録、輸出需要、運送費の比率が大きい点に留意。

– いずれも「一次の成約履歴→条件で純化→補正→中央値」という流れは共通です。

根拠(なぜこの方法が正確なのか)

– 市場メカニズムの観点 オークションは多数の買い手と売り手が同時に対峙し、最も支払意思の高い者が落札する仕組み。

成立価格はその時点の需給均衡点に最も近い観測値であり、同条件の事例を多数集めた中央値は「ノイズに強い相場の芯」になります。

– 取引記録の公信力 会員制オークションは評価制度(総合評価点・内外装点・修復歴判定・状態図)と詳細な成約記録(開催日・会場・ロット・価格)を継続的に蓄積します。

これは参加者間の共通言語として機能し、実務での価格決定の基礎になっています。

– 実務事例の再現性 距離・評価点・修復歴・色・装備といった属性で条件を揃え、外れ値を除いた中央値を基準に入札上限を逆算する方法は、多くのバイヤーが採用する標準的手順で、時系列での相場線(移動中央値)と併用することで過不足の少ない仕入れ判断が再現できます。

– 誤差の源泉を管理できる 会場差、手数料体系、季節性、輸出動向などの要因を変数として明示的に管理・補正できるため、思い込みではなくデータ駆動で相場を運用できます。

すぐ始められる実践チェックリスト

– 会場の成約履歴を直近8週分ダウンロード(車種別に)。

– 条件を揃えてコンプセットを作成(年式・グレード・距離・評価点・修復歴)。

– 中央値と25/75パーセンタイルを算出、距離・評価点の補正係数を推定。

– 仕入上限の逆算シートを作成(販売想定→落札上限)。

– 毎週レビューして補正係数と相場線を更新、異常変動にアラート設定。

まとめ
– 最も正確な相場把握は「会場の成約履歴(一次データ)」に基づくこと。

– データは「条件統一→外れ値除去→中央値基準→必要な補正」という手順で読む。

– 仕入の意思決定は「相場線+自社の原価構造」で落札上限を逆算する。

– 季節性・輸出・為替など外部要因で相場は動くため、週次でアップデートする。

この枠組みに沿えば、単発の「高い/安い」ではなく、再現性のある相場観を自社標準として持てるようになります。

落札価格から総仕入れ原価はいくらになるのか?手数料・陸送・整備費をどう見込む?

ご質問の「業者オークション相場(落札価格)から総仕入れ原価はいくらになるのか」「手数料・陸送・整備費をどう見込むか」について、実務で使える見積り手順と相場感、そして根拠をまとめます。

結論から言うと、総仕入れ原価は「落札価格」に「オークション手数料等」「税・法定項目の清算」「陸送(回送)費」「名義・書類関係費」「初期整備・仕上げ(リコンディション)費」を積み上げた金額です。

個々の金額は会場・車種・距離・車両状態で大きく変わるため、平均的なレンジと、見込みの立て方(係数化・チェックポイント)を以下に示します。

1) 総仕入れ原価=何を足し込むか(内訳の全体像)
– 落札価格(ハンマー価格)
– オークション側の費用
– 落札手数料(成約料)
– システム利用料・出庫料・保管料(発生時)
– 書類代行・名義関連の事務手数料(自社でやらない場合)
– 上記手数料等にかかる消費税(10%)
– 税・法定項目の精算
– リサイクル預託金(預託済の移転精算)
– 自動車税の未経過相当額(月割精算・該当する場合)
– 自賠責保険の未経過相当額(車検付で残存がある場合)
– 消費税の取り扱い(課税/非課税/対象外は出品者のインボイス区分で異なるため確認)
– ロジ費用
– 陸送費(会場→店舗)
– 回送(自走)の仮ナンバー等の実費・人件
– 初期整備・仕上げ(リコンディション)費
– 法定点検相当の整備・消耗品交換
– 内外装美装、磨き、簡易板金・塗装、診断
– 必要に応じて予備検取得費(販売設計による)
– その他
– 落札代行手数料(代行会社を使う場合)
– 振込手数料、在庫金利(資金コスト)、広告写真撮影・車両回送の付随費用など

2) オークション手数料の相場感(目安)
会場・会員種別で幅がありますが、概ね以下のレンジが一般的です。

– 落札手数料(成約料) 8,800〜27,500円/台
– システム利用料・出庫料 1,100〜3,300円/台
– 書類代行・名義関連(会場の事務代行を使う場合) 5,500〜16,500円
– 書類送料・印紙などの実費 1,000〜2,000円
– 保管料(無料期間超過時) 300〜1,000円/日
– 代行落札手数料(代行業者経由) 20,000〜50,000円
– 上記に対する消費税 10%
会場別に細かい違いはありますが、単純化すると「手数料等の小計で概ね1.5万〜3万円+消費税」が多いです。

代行業者を使う場合はここに「2〜5万円」を上乗せ。

3) 税・法定項目の精算の考え方
– リサイクル預託金
– オークションでは原則「預託済み額を買い手が出品者に立替精算」します。

車種で差がありますが概ね5,000〜20,000円。

出品票に「リサイクル預託金額」が明記されるため、見積もりはそれを転記するのが正確です(販売時にはエンドユーザーから回収できる前提)。

– 自動車税(種別割)の未経過相当額
– 普通車は月割精算を行う運用が一般的。

年税額は排気量で変動(例 〜1.0L 25,000円、1.0〜1.5L 30,500円、1.5〜2.0L 36,000円、…3.5〜4.0L 65,500円 等。

初度登録の古い車は重課がかかる場合あり)。

残月数に応じて数千〜数万円の精算が発生。

– 軽自動車税は制度上の月割がないため、多くの会場で精算なし(会場ルール要確認)。

– 出品形態が「一時抹消」の場合は発生しません。

– 自賠責保険の未経過相当額
– 車検付きで自賠責が残っている場合に月割精算。

普通乗用で月600〜800円目安、軽で月500〜700円程度。

抹消出品は対象外。

– 消費税の取り扱い(重要)
– オークションでは「出品者(売り手)が適格請求書発行事業者かどうか」「課税・非課税・対象外の区分」により、落札価格に対する消費税の課税関係が異なります。

会場の出品票・落札明細の「税区分」欄を必ず確認してください。

– 実務上は「落札価格は税抜表示で、課税対象なら別途10%」というケースと、「対象外(課税なし)」のケースが混在します。

インボイス対応後は会場明細に明示されるため、ここを見誤らないことが総原価精度の要です。

4) 陸送費(回送費)の見込み方
– 陸送会社(例 ZERO、ロジテック等)の一般相場は距離・車格・ルートで変動。

– 同一地方圏内(〜200km) 10,000〜20,000円
– 地方間(200〜600km) 20,000〜40,000円
– 長距離(600km〜) 30,000〜60,000円(離島・フェリー経由は別途)
– 車高が低い・大型(3ナンバー大型・ミニバン・SUV)は+2,000〜10,000円
– 密閉車両(クローズドキャリア)指定 +5,000〜20,000円
– 自走回送(仮ナンバー)なら実費は抑えられますが、燃料・人件・機会損失を含めて1.5万〜2.5万円程度で見込むと現実的です。

5) 整備・仕上げ(リコン)費の見込み方
評価点・外装図・整備記録の有無で「バケット(見込み枠)」を設定すると精度が上がります。

– 評価5点、内外装A〜B、修復歴なし、記録簿あり 軽整備・美装 20,000〜50,000円
– 評価4〜4.5点、内外装B、軽い小傷あり 消耗品+美装 50,000〜120,000円
– 評価3.5〜4点、内外装B〜C、小板金複数 消耗品+軽板金 100,000〜250,000円
– 修復歴あり・低年式輸入車・過走行 部品・故障リスク込みで落札価格の5〜20%を予備費として上乗せ
– 典型的メニューの相場
– オイル・エレメント・ワイパー・バッテリー等 15,000〜50,000円
– タイヤ4本(軽〜普通) 40,000〜100,000円
– ブレーキ一式(パッド・ローター一部) 30,000〜120,000円
– ベルト・プラグ・冷却系消耗 20,000〜80,000円
– 内装クリーニング 10,000〜30,000円
– 外装磨き・簡易コーティング 20,000〜80,000円
– 板金塗装(小傷1面) 10,000〜30,000円、バンパー1本 20,000〜40,000円
販売方針(現状渡し/納車前整備コミ/保証付)でここは大きく変わります。

保証を付ける場合や通販対応は高めに見ておく方が無難です。

6) ざっくり係数(早見)の作り方
会場手数料・リサイクル・税精算・近距離陸送を平均化すると、次の係数が実務でよく使われます。

– 抹消出品・近距離・軽整備 総原価 ≒ 落札価格 × 1.03〜1.07 + 10,000〜30,000円(固定費)
– 車検付・税精算あり・中距離 総原価 ≒ 落札価格 × 1.05〜1.12 + 陸送費(距離別)+ 整備見込み
– 低年式輸入・高額車 総原価 ≒ 落札価格 × 1.08〜1.20 + 陸送費 + 落札価格の5〜15%(リスク・整備予備費)
なお、「消費税(落札価格に対する)」が別途かかる区分の場合は、この係数とは別に確実に10%を足す必要があります(税区分要確認)。

7) 事例で見る積み上げ
ケースA 抹消出品の軽、ハンマー300,000円、会場から150km、軽整備・美装のみ
– 手数料小計 落札料11,000+システム/出庫2,200+書類送料1,200=14,400円(消費税込みで約15,840円とする会場も)
– リサイクル預託金 8,000円(出品票記載)
– 税精算 軽は月割精算なし、抹消出品で自賠責なし=0円
– 陸送 15,000円
– 整備・美装 20,000円
– 総仕入れ原価概算 300,000+15,840+8,000+15,000+20,000=358,840円

ケースB 普通車1.5L、ハンマー800,000円、車検残12か月、遠距離400km、内外装Bで軽板金あり
– 手数料小計 22,000円+消費税2,200円=24,200円
– リサイクル預託金 10,000円
– 自動車税未経過 1.0〜1.5L年30,500円、残12か月として約30,500円(会場ルールに準拠)
– 自賠責未経過 普通乗用 月700円×12か月=約8,400円
– 陸送 40,000円
– 整備・美装・軽板金 80,000円
– 消費税の扱い(2パターン)
– 課税(外税)車両の場合 落札価格の10%=80,000円を加算
– 非課税/対象外の場合 加算なし
– 総仕入れ原価(課税の場合) 800,000+80,000+24,200+10,000+30,500+8,400+40,000+80,000=1,073,100円
– 総仕入れ原価(非課税の場合) 80,000を除外=993,100円
→ 実務では出品票の税区分を見てどちらかを採用

ケースC 3.5L大型セダン、ハンマー3,000,000円、修復歴なしだがタイヤ・ブレーキ要交換、輸送長距離800km
– 手数料 27,500円+消費税2,750円=30,250円
– リサイクル 12,000円
– 自動車税未経過(3.5〜4.0L 年65,500円、残10か月) 約54,600円
– 自賠責未経過 月800円×10=8,000円
– 陸送(長距離+大型加算) 60,000円
– 整備(タイヤ10万+ブレーキ8万+消耗4万+美装4万) 260,000円
– 消費税(落札課税と仮定) 300,000円
– 総仕入れ原価 3,000,000+300,000+30,250+12,000+54,600+8,000+60,000+260,000=3,724,850円
→ 高額車は「落札×1.10〜1.15」に加え、整備でさらに+20〜30万円という感覚が現実的

8) 実務でのチェックリスト(見落とし防止)
– 出品票の税区分(課税/非課税/対象外/インボイス可否)
– 書類状態(現状渡し・抹消・名変期限・記録簿有無)
– リサイクル預託金額(預託状況)
– 車検残・自賠責残、普通車か軽か(税精算の有無)
– 評価点・外装図・追記事項(警告灯・白煙・異音などは整備費を厚め)
– 会場と自店の距離、車格(陸送費に直接影響)
– 会場の保管無料期間と出庫締切(保管料回避)
– 代行利用の有無(代行手数料の忘れ防止)
– 高額部品(タイヤ/ブレーキ/ダンパー/バッテリー)の寿命残
– 輸入車・低年式の電子系リスク(診断・予備費を厚めに)

9) 根拠・背景
– オークション手数料水準は、USS・TAA・JU・HAA等の会員規約や手数料表、各会員の公開情報・代行業者の提示価格帯(多くが1万〜3万円+税)に収れんしています。

会員種別・稼働実績で微差はありますが、提示レンジは実勢に合致します。

– リサイクル預託金は自動車リサイクル法(環境省/経産省管轄)の制度に基づき、預託済額を流通段階で移転精算する実務運用です。

金額は車種・エアバッグ数・フロン等で変わるため、出品票記載額が一次情報になります。

– 自動車税(種別割)の年税額は各都道府県税の標準税率(排気量区分)によるもので、オークションでは業界ルールに基づく月割精算を行う会場が大半です。

軽自動車税は制度上月割がないため、原則精算なしという取り扱いが一般的です。

– 自賠責保険料は金融庁公表の料率に基づくもので、残期間の月割精算は会場運用に準じます(抹消出品は対象外)。

– 陸送費の相場は大手陸送会社の公表レンジ・見積傾向や業者相場(距離・車格・ルートでの階段料)に整合します。

– 整備・仕上げ費は整備工場の標準工賃・部品価格(国内メジャーブランド部品の実勢)と板金塗装の一般相場に基づくレンジです。

評価点が下がるほど費用は指数的に増えがちで、輸入車・低年式は部品単価と診断工数の上振れが多いため、落札額比での予備費設定が合理的です。

– 消費税の扱いは2023年10月のインボイス制度導入以降、出品者の適格請求書発行事業者か否かで仕入税額控除の可否・税区分表示が明確化しており、会場明細の税区分が一次情報です。

10) まとめ(使える簡易式)
– まず税区分を確認(落札に10%が乗るか否かで総原価が大きく変動)
– 抹消・軽・近距離・評価高めなら
総原価 ≒ 落札 × 1.03〜1.07 + 1〜3万円(固定費)+ 陸送 + 整備2〜5万円
– 車検付・普通車・中距離なら
総原価 ≒ 落札 × 1.05〜1.12 +(課税なら+10%)+ 陸送2〜4万円 + 整備5〜12万円
– 輸入車・高額車・評価低めなら
総原価 ≒ 落札 × 1.08〜1.20 +(課税なら+10%)+ 陸送3〜6万円 + リスク予備5〜15%

上記の手順で積み上げれば、落札前の概算見立てと、落札後の原価確定の両方でブレを最小化できます。

特に「税区分」「リサイクル金額」「評価点と外装図」「距離・車格による陸送」の4点を落札前に押さえることで、原価読みの的中率が大きく上がります。

相場の変動にどう備えるべきか?季節要因・為替・新車動向を踏まえた入札戦略は?

以下は、業者オークション(AA)相場=落札価格の変動にどう備えるか、特に季節要因・為替・新車動向を踏まえた入札戦略と、その根拠を整理した実務的なガイドです。

国内小売中心の業者にも、輸出比率の高い業者にも応用できるよう、相場メカニズム・指標・具体アクションに落とし込んで解説します。

1) 相場を動かす主要因と観察すべき指標
– 需給バランス
– 出品台数と成約率(例 USSや各AAの週次レポート)。

成約率が高い週は相場強含み、成約率が低いと弱含みが基本。

経験則では、成約率70%超で強い、市況軟化時は50〜60%台に低下しやすい。

– 落札単価の推移(前週・前月比、前年同週比)でトレンド把握。

– 為替(主に対米ドル)
– 円安は輸出勢の購買意欲を強め、輸出適合車(SUV・ピックアップ・ハイブリッド・小排気量AT・右ハンドルの人気モデルなど)のAA相場を押し上げる。

円高は逆。

– 実務では、USD/JPYが5円動くと、輸出向きセグメントで概ね数%〜1割弱の価格インパクトが出る局面が多い(為替感応度は商品・デスティネーションで差)。

– 季節要因
– 1〜3月は年度末・異動需要・卒入学に伴い小売が強く、AA相場も上がりやすい。

特に2月後半〜3月中旬は強い週が多い。

– ゴールデンウィーク前後は一服、6月のボーナス商戦でやや持ち直し、7〜8月は夏枯れ傾向、9月の中間決算・登録駆け込みで再び強含み、10〜11月は平常、12月はボーナスと冬季商材(4WD/スタッドレス)の需要が立つ。

– 地域・天候要因(降雪・台風)も短期的に影響。

– 新車動向・供給制約
– 新車の生産・納期改善や新型投入は、1〜2四半期のラグを伴って中古供給に波及。

モデルチェンジ・マイナーチェンジ直後は旧型の相場が緩むことが多い。

– 半導体供給などの制約が緩むと、フリート・リース上がりの放出が増え、一定期間AA出品が増えて相場を押し下げる傾向。

– 金利・燃料価格・規制
– 金利上昇は小売ローンの通りと月々負担に影響、燃料高は低燃費・HV/軽へシフト。

規制・補助(HV/EV減税・補助金)は残価を左右。

根拠の要点
– 多くのAAで公表される成約率・平均単価・出品台数は需給の先行指標として機能。

– 円安時に輸出勢が積極化し、特定モデルのAA相場が先に上がるのは業界の反復事象。

– 3月・9月にかけての需要増は、日本の年度・半期決算慣行、異動・学校スケジュールと合致。

– 新車供給の回復→中古放出増→相場調整は、フリート・リースの返却サイクルから説明可能。

2) 季節要因に基づく入札・在庫戦略
– 1〜3月(繁忙・高値期)
– 仕入は前倒し 1月中旬〜2月前半に積み増し、3月直前の高騰帯は無理をしない。

– セグメント別 ファミリー向けミニバン・コンパクト・軽自動車は競り合いが激化。

高回転グレード(人気色・低走行・評価点4以上)は入札上限を平時より2〜3%引き上げ可。

ただし粗利率目標は維持し、回転率重視で早売りする。

– 目利き 評価点3.5でも修復軽微・実車良好の個体を狙うと価格対品質の妙味。

出品店のクセをデータ蓄積し“狙い筋”を持つ。

– 4〜5月(踊り場)
– 落ち着いた価格帯で良質車を拾いやすい。

高額帯は指し値厳格化(上限▲2〜3%)。

– 在庫回転の調整月。

3月仕入れの長期化在庫は価格是正を早めに。

– 6月(ボーナス)
– 小売が動く。

軽・コンパクト・HVの回転期待が高い。

価格はやや堅調、仕入上限は平時±0〜+1%程度。

– 7〜8月(夏枯れ)
– 相場は緩みやすい。

中長期で冬物(4WD/スタッドレス付)やレジャー(SUV)を仕込む好機。

仕入上限は平時比▲2〜5%を目安に“安く買う”に徹する。

– 9月(半期決算)
– 需要戻り。

8月に仕込んだ在庫を9月頭から展開。

AAは競り合い増。

無理買いは禁物、回転見込みが高い個体に集中。

– 10〜11月(平常)
– EV/輸入車・高額帯など供給過多セグメントにバーゲンが出やすい。

モデルチェンジ前後の旧型・高年式レンタアップ放出も狙い目。

– 12月(冬・ボーナス)
– 降雪地向け4WD/スノータイヤ付・ヒーター系オプション車にプレミア。

秋に仕込んだ在庫を利益確定。

AAは年末最終枠で需給が片寄ることがあるので、出品台数・成約率を毎週確認し上限調整。

根拠
– 日本の小売ピーク・ボーナス時期・降雪期と一致する販売データが長年反復。

AAでも当該週の成約率が上振れしやすい。

– スタッドレス付や寒冷地仕様の冬季プレミア、オープンカー・スポーツの春先プレミアなど、季節性プレミアはローカル需給で説明可能。

3) 為替を織り込む入札戦略
– 輸出勢の存在感を数値化
– 自社の入札候補を「輸出適合(海外で人気・基準適合)」「国内小売向け」「境界」の3分類。

– 直近4週の落札履歴から、輸出適合車の平均落札単価と成約率を抜き出し、USD/JPYの変化率と相関をとる。

相関が強いなら価格感応度の係数(例 5円の円安で+3%)を暫定設定。

– 上限価格の動的補正
– 円安局面 輸出適合車の上限を+2〜5%許容。

ただし自社が国内で売る場合、海外勢との競合で粗利圧縮になりやすいので、回転率が出る人気グレードのみ拡大。

– 円高局面 輸出勢が引く分、国内小売用も含め全体で▲1〜3%の指し値厳格化。

輸出適合車はむしろ買い場になるので将来需要が読める国向けに確保。

– 為替ヘッジ
– 輸出主体 売上通貨(USD)と仕入通貨(JPY)のミスマッチに対し、出荷時点でUSD売りの先物・NDF、またはUSDプット/JPYコールの購入で粗利を固定。

目安は出荷見込み3〜8週間分をロールする。

– 国内主体 直接ヘッジは不要だが、円安時の輸出勢台頭=AA高騰に備え、輸出勢が入りづらい車種(修復歴軽微、評価3.5、色・装備が国内好み)へのシフトで“ナチュラル・ヘッジ”。

根拠
– 輸出マーケットがAA相場のプライスメーカーになる局面は繰り返し観測される。

特に円安・船積み前のカットオフ前週は強含みやすい。

– 金融の基本原理として、為替先物・オプションは外貨建て売上の円転リスクを平準化する手段。

4) 新車動向を織り込む戦略
– 新型・マイチェンのタイミング
– 新型発表→旧型の高年式・走行少なめが短期的に値崩れ。

供給増前の先回り買いで仕入コストを抑制し、在庫回転で稼ぐ。

– フリート・レンタアップの大型放出は、発売後12〜24カ月でまとまって出ることが多い。

該当モデルのAA出品増加週は成約率鈍化=買い場。

– パワートレイン別の残価差
– 近年のEVは新車値下げ・補助金変動・電池劣化懸念などから中古残価が不安定。

短期回転・値付け保守的に。

HVは需要底堅く、在庫回転も良い。

– 価格改定・装備簡素化
– 新車価格の上昇は中古への代替を促し、一定期間中古相場を支える。

一方で新車の納期正常化で中古のプレミアは剥落。

週次の出品台数と平均落札単価の乖離を監視し、剥落兆候(出品増・単価横ばい〜下落)が出たら上限を引き締める。

根拠
– 新車と中古のクロスエラスティシティ(代替関係)。

フリート放出のラグはリース満了・代替サイクルから説明可能。

– EV残価のボラティリティは直近数年の市場実績として広く観測。

5) 入札上限の設計とオペレーション
– 目標落札額=予想小売粗利逆算
– 予想小売価格(同等車の実売相場)−再生原価(整備・板金・タイヤ・諸費用)−販売経費−目標粗利=上限入札額。

– 再生原価は個体差が大きい。

出品票のA/U/W評価、下回り腐食、内装C/D、機関のコメントをスコア化し、上限を±で自動補正。

– データと現場の統合
– 自社の落札履歴を30日移動平均で評価点・走行距離・色・装備別に価格帯化。

今日のAAで競る上限をそのレンジ±で設定。

– 時間帯・レーン差 朝イチは強気、終盤は疲れで伸びないなどクセがある会場も。

履歴から入札タイミング調整。

– 競争回避の工夫
– 輸出勢と衝突しにくい個体(ナビ欠・内外装難・微修復・色味が国内好み)を狙い、上限近くで“静かに勝つ”。

– プリビッド活用で人気薄ロットの取りこぼし削減。

人気ロットはライブで引き際を明確に。

– 損切りルールと回転管理
– 在庫日数KPI(例 軽・コンパクト45日、ミニバン60日、輸入車・高額帯75日)。

超過時は段階値下げ(例 15日毎に1.5〜2.0%)で回転確保。

– 月間落札率と粗利率のトレードオフを見える化し、強気市況での“薄利多売化”を避ける。

根拠
– 逆算式の上限設定は中古小売業の基本。

落札履歴の分布に対し外れ値を避ける運用が粗利安定に寄与。

– 在庫回転が粗利を凌駕する場面(繁忙期)と、粗利確保を優先する場面(夏枯れ)で方針を切替えるのが合理的。

6) セグメント別の着眼点
– 軽・コンパクト 台数多く回転勝負。

評価4↑・低走行・衝突軽減付きは高止まり。

3.5や微修復で品質担保できる個体が妙味。

– ミニバン 家族イベント期に強い。

両側電動・安全装備・7人乗・2WD/4WDの地域適合。

内装汚れ・スライド音は減点大。

– SUV/4WD 冬前に仕込む。

輸出適合は為替感応度が高い。

下回り錆・スタッドレス山・ヒーター系確認。

– HV 燃費高関心期に強い。

バッテリー指標・保証・点検記録で差別化。

– EV 相場ボラ高。

新車値下げニュース後は中古相場に時差で波及しやすい。

短期回転前提で入札抑制。

– 輸入車 装備差・整備履歴・保証の有無が価格に直結。

部品価格・納期も原価に反映。

7) 日々のオペレーション(チェックリスト)
– 週次
– 会場別 出品台数、成約率、平均落札単価(前週比/前年同週比)
– 為替 週間レンジ、対前週変化、主要船社のスペース状況(輸出主体)
– 新車 発表・価格改定・納期情報、フリート放出の兆候
– 日次
– 今日の対象ロットの上限一覧(自動計算)と例外ルール(人気過熱時の上限▲2%など)
– ライブ中の撤退条件(入札者数・一発上げ幅・目標粗利を割ったら即撤退)
– 月次
– 落札率・粗利率・在庫日数・評価点分布・修復歴比率をレビューしルールを微修正。

8) 具体的なシナリオ例
– 円安急進(例 150→160円)
– 予兆 輸出適合SUV/HVの成約率上昇、落札単価+3〜5%。

船積み前週でヒート。

– 対応 国内向けは境界個体へシフト、上限は据え置き〜微増。

輸出向けは回転確実な型式に限定し上限+2〜3%。

為替ヘッジで粗利固定。

– 新型ミニバン発表
– 旧型の高年式レンタアップが重なり出品増。

AAの成約率鈍化。

– 対応 旧型の人気グレード・装備充実車を指し値厳格に拾い、短期回転で収益化。

新型の影響が中古小売価格に波及する前に在庫回転。

– 冬商戦前の仕込み
– 9〜10月に4WD・寒冷地仕様を集中仕入れ。

スタッドレス付は+1〜2万円の付加価値で回収可能。

– 12月に相場が締まるため早売りで回転重視。

最後に
– 相場変動への備えは、「観察(指標)→ルール化(上限・撤退・在庫回転)→ヘッジ(為替・商品ミックス)→検証(KPIレビュー)」の反復です。

– 季節・為替・新車動向はそれぞれ単独でも効きますが、重なるとインパクトが倍増します。

例えば“円安×3月繁忙×輸出人気SUV大量出品”の週は、国内小売向けの境界個体に徹し、人気ど真ん中での競り合いを避けるのが期待値の高い行動です。

– 根拠は、AAの成約率・平均単価といった公開指標、為替と輸出勢の動きの相関、国内小売の季節循環(年度末・ボーナス・降雪)という反復するパターンにあります。

これらを自社データで数値化し、上限入札を動的に調整することで、相場の波を「味方」にできます。

【要約】
業者オークション相場はAAで成約した同条件車の価格帯。小売仕入れや査定の基準となる。価格は出品台数と需要、売手のリザーブ、買手の上限(想定小売−費用・リスク)、入札競争、情報の透明度や評価点、為替・輸出動向、季節要因、諸費用等が絡み合い形成される。相場はレンジで会場や時期でぶれる。参加者は販売店や輸出業者等。検査に基づく評価点や修復歴、装備の情報が不確実性を左右し、入札者数と上限を通じて価格に反映。

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