中古車の名義変更を代行に頼むと費用はいくらかかるのか?
中古車の名義変更(正式には「移転登録」=所有者が変わる登録)の代行費用は、「法定費用(実費)」と「代行業者の手数料」に大きく分かれます。
金額は車の区分(普通車か軽自動車か)、ナンバー変更の有無(同一管轄か他管轄か)、車庫証明が必要か、希望ナンバーを付けるか、出張封印が必要か等で変動します。
以下、内訳と相場、ケース別の概算、根拠(参照先)までまとめます。
名義変更で必ず(または多くの場合)発生する実費
– 自動車登録の手数料(収入印紙)
普通車の移転登録は収入印紙代が500円。
道路運送車両法関係手数料令(国の手数料の根拠規定)に基づく金額で、運輸支局窓口で納付します。
– ナンバープレート代
同一運輸支局管轄内での名義変更なら原則番号は変わらず不要。
ただし管轄が変わる場合や希望ナンバー取得時は新規交付が必要。
費用は地域・区分で異なりますが目安は以下。
・普通車(中板・大型板の一般仕様) おおむね1,500~2,500円/1組
・軽自動車 おおむね1,200~2,000円/1組
図柄入りやカラー版は寄付金(例 1,000円以上)を伴う場合があります。
– 車庫証明(保管場所証明)の手数料(普通車)
普通車の名義変更では、原則として新所有者の保管場所証明が必要(地域や条件で不要となるケースは限定的)。
手数料は都道府県ごとに異なりますが、おおむね以下のレンジ。
・申請手数料 約2,100~2,750円
・標章(ステッカー)交付手数料 約500~600円
合計で概ね2,600~3,300円程度。
軽自動車は多くの地域で「保管場所届出」で、同様に数百円~数千円の公的手数料がかかります(東京都特別区などは軽でも届出必要)。
– 住民票・印鑑証明書の取得費
新所有者(個人)の印鑑証明書や住民票、旧所有者の印鑑証明書、委任状など。
各自治体で1通あたり300~450円程度が目安。
複数通が必要になることもあります。
– 郵送費・交通費などの雑費
代行に出す場合は原則業者側の実費に含まれますが、遠隔地対応では別途請求があることも。
税金に関する注意点(実費に含まれにくい部分)
– 自動車税(種別割)は毎年4月1日時点の所有者に課税され、名義変更の瞬間に納税先が切り替わるわけではありません。
このため売買の現場では「未経過分の月割」を当事者間で精算する商慣習があります(公的な手数料ではなく、売買代金の一部として取り扱われます)。
– 取得時に課される環境性能割(旧自動車取得税)は「取得」に対する課税であり、単なる名義変更(所有権移転)では原則非課税です。
代行業者の手数料の相場
依頼先(ディーラー、中古車販売店、行政書士、代行専門業者)や地域、業務範囲で差が出ます。
一般的なレンジは以下。
– 名義変更のみ(同一管轄、車庫証明済、ナンバー変更なし)
5,000~15,000円程度
– 車庫証明の代行取得を含む
名義変更代に加えて+10,000~20,000円程度(警察署への2回訪問、書類作成、現地確認対応等の工数が大きいため)
– 異管轄でナンバー変更・封印対応(出張封印含む)
出張封印手配・現車移動・再製作プレート受取等の追加工数として+5,000~15,000円程度が上乗せされることが多い
– 希望ナンバー手配
予約手数料・プレート代として実費3,000~6,000円程度+代行手数料数千円~を請求する業者が一般的
結果として、名義変更一式の代行手数料の合計は、簡易なケースで1万円前後、車庫証明取得や出張封印まで含めると2万~3.5万円程度になるのが相場感です。
都心部や即日対応、急ぎ案件ではさらに上振れすることがあります。
ケース別の概算総額例(実費+代行手数料)
– 例A 普通車・同一管轄内・ナンバー変更なし・車庫証明は自分で取得済
実費 登録印紙500円
代行手数料 8,000~12,000円
合計目安 8,500~12,500円前後
– 例B 普通車・異管轄(ナンバー変更あり)・車庫証明も代行・出張封印あり
実費 登録印紙500円+プレート1,500~2,500円+車庫証明2,600~3,300円+証明書類600~1,000円
代行手数料 名義変更1~1.5万円+車庫証明1~2万円+出張封印5,000~1万円
合計目安 3.5万~6万円程度
– 例C 軽自動車・同一市区町村内・希望ナンバーなし
実費 軽の手数料(概ね500円前後)+プレート不要(変更なしの場合)+届出費用数百円~1,000円台+証明書類
代行手数料 5,000~12,000円
合計目安 7,000~15,000円程度
– 例D 普通車・希望ナンバー取得(同一管轄)
実費 登録印紙500円+希望ナンバー費用3,000~6,000円+証明書類
代行手数料 1万円前後(希望番号申請代行込みだと+数千円)
合計目安 1.5万~2.2万円程度
費用の根拠・参照先
– 自動車登録手数料(印紙500円の根拠)
「道路運送車両法関係手数料令」(e-Gov法令検索)。
移転登録等の申請手数料額が規定されています。
https://elaws.e-gov.go.jp/
– 手続の所管・流れ
国土交通省(運輸支局) 自動車登録手続案内
https://www.mlit.go.jp/ から「自動車登録」関連ページ
– 車庫証明の公的手数料
各都道府県警察の案内。
例
・警視庁(東京都) 車庫証明 手数料案内
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/
・神奈川県警察 車庫証明 手数料
https://www.police.pref.kanagawa.jp/
都道府県により申請手数料や標章交付手数料に差があります。
– ナンバープレート・希望番号の費用
一般社団法人希望番号予約センター
https://www.kibou-number.jp/
地域ごとの希望番号申込手数料や交付料金の目安が掲載されています。
– 軽自動車の手続・手数料
軽自動車検査協会
https://www.keikenkyo.or.jp/
見積時のチェックポイント
– 見積は「実費」と「手数料」を分けて明記してもらう
– 車庫証明の要否と取得主体(自分で取るか、代行するか)
– 異管轄かどうか(ナンバー変更・封印の有無)
– 出張封印の可否と範囲(出張可能地域、日程、追加費用)
– 希望ナンバーや図柄入りナンバーの有無(寄付金込みか)
– 納期(車庫証明は申し込みから交付まで数日かかるため、全体日数に直結)
– 税金の月割精算を誰とどう精算するか(売買契約書に明記)
自分でやる場合との比較
– 自分で行えば、原則として支払うのは「法定実費」のみなので数千円~1万円台で済むことが多いです。
– ただし、平日の日中に運輸支局と警察署・ナンバーセンターを回る必要があり、申請書作成、記載ミス対応、管轄の確認、封印対応などの手間・時間・交通費がかかります。
時間コストを重く見るなら代行を使うメリットは大きいです。
まとめ
– もっともシンプルな同一管轄の名義変更代行は、総額で1万円前後が目安。
– 車庫証明の取得や他管轄への変更(ナンバー交換、出張封印)を伴うと、総額2万~3.5万円程度が相場。
– 希望ナンバーや図柄入りを選ぶと数千円~の上乗せ。
– 公的な実費の骨格は、登録印紙500円、車庫証明2,600~3,300円程度、プレート1,500~2,500円程度(必要時)というレンジで、これに業者の手数料が加算される、という理解で見積もりを取ると齟齬が少なくなります。
最新の正確な金額は、依頼先業者の見積もりとあわせて、手続先の運輸支局・警察(車庫証明)・希望番号予約センター・軽自動車検査協会などの公式案内でご確認ください。
地域・時期・仕様により数百円~数千円の差が生じます。
代行費用にはどこまでの手続き・実費が含まれているのか?
以下は、日本で中古車の名義変更(法律上の用語では「移転登録」)を専門業者に依頼する際の「代行費用」に、通常どこまでの手続き・実費が含まれるのかを詳しく整理したものです。
あわせて、その根拠となる法令や公的ルールの位置づけも解説します。
実務上は請負先(販売店、行政書士、代行専門業者)ごとにパッケージ内容や表示の仕方が異なるため、「代行料(人件費)」「法定費用(公的手数料や税)」「実費(郵送や出張、ナンバー代など)」を分けて確認するのが原則です。
名義変更代行の費用区分の基本
– 代行手数料(人件費・報酬)
業者が書類を整え、運輸支局(軽は軽自動車検査協会)や警察(車庫証明)への申請・出頭・受領を行う作業の対価です。
書類の事前チェック、申請書の作成、窓口での申請・受領、スケジュール調整、顧客への報告、出張封印の手配などが含まれるのが一般的です。
– 法定費用(公的手数料・税)
国や自治体に収める登録手数料、ナンバー代、車庫証明の手数料、場合によっては環境性能割などの税。
金額は法令・条例・地域でほぼ決まっています。
– 実費(必要経費)
書類の取得費(住民票、印鑑証明、登記事項証明など)、郵送・宅配費、車両回送費、仮ナンバー・自賠責(車検切れ車の移動時)、出張封印の出張料、希望番号申込手数料など。
業者が立替払いをして後で精算することが多い費目です。
代行費用に「通常含まれる」作業範囲
業者標準の「名義変更代行」に含まれることが多い項目は次のとおりです(普通車の標準事例を想定)。
– 必要書類の案内と事前チェック
譲渡証明書、委任状、印鑑証明書(普通車個人)、車検証、車庫証明(必要地域)、自賠責保険証明書など。
書類不備のリスクを減らすのが代行の価値の一つです。
– 申請書類の作成
申請書(OCRシート)、手数料納付書、税申告書(自動車税種別割の異動申告)などの作成・記載。
– 運輸支局(または軽自動車検査協会)での申請・受領
窓口提出、審査対応、新しい車検証の受領までを行います。
– ナンバーの返納・交付手続き(番号変更がある場合)
管轄変更や希望番号取得時などに、旧ナンバー返納と新ナンバー交付を実施。
封印が必要な普通車は、支局での封印取付まで。
– 車検証・ナンバーの引渡し
発送または直接引き渡し、簡易な進捗報告。
代行費用に「含まれる場合がある/別料金になることが多い」実費
– 車庫証明の取得(保管場所の証明)
普通車では多くの地域で必須。
これを代行に含め「名義変更+車庫証明セット」としている業者もあれば、車庫証明は別メニューのこともあります。
警察への手数料(申請+標章交付)は地域差がありますが合計2,500〜3,000円程度が目安。
業者の車庫証明代行料は5,000〜20,000円台が相場です(図面作成・現地確認の有無で増減)。
– 出張封印(ナンバー持出し封印)
車両を支局に持ち込まず、指定の封印取付受託者が現地で封印するサービス。
業者手配の出張料として5,000〜15,000円程度が別建てになることが多いです。
車両搬送が不要になるメリットがあります。
– 希望番号の取得
申込手数料(地域差あり)、抽選番号の場合は抽選手続。
希望番号代は通常のナンバー代より高くなります。
代行の事務手数料を別途定める業者もあります。
– 住民票・印鑑証明・登記事項証明の取得代行
発行手数料(住民票・印鑑証明は300〜400円、登記事項証明は600円が目安)+取得代行料(数千円程度)。
– 郵送・宅配費
レターパックや宅配便費用(数百〜千円台)。
– 車両の回送・陸送
支局持込・引取りを業者が行う場合の回送費。
距離・時間で変動。
– 車検切れ車の移動に伴う仮ナンバー・自賠責
仮運行許可申請費用(自治体手数料の目安は数百円〜1,000円弱)と、最低期間の自賠責加入料。
これらは通常別途実費精算です。
– 所有権留保解除関連
ローン完済車の所有権(販売店や信販会社名義)を解除する書類取り寄せ・調整の事務手数料。
関係先が増えるため別途設定されることが多いです。
– 法人印の取扱・登記住所変更併走などの特別対応
追加の事務負担分として別途加算される場合があります。
法定費用(名義変更で典型的に発生する公的費用)
– 自動車検査登録手数料(国の手数料)
普通車の移転登録で数百円(目安500円)程度。
収入印紙または収入証紙で納付。
金額は制度改定等で変動し得るため、最新は運輸支局窓口の案内が確実です。
– ナンバープレート代
番号変更が伴うと発生。
標準板で1,500〜3,000円程度が目安。
字光式、図柄入り、希望番号は上乗せ。
地域で単価が異なります。
– 車庫証明(普通車)
申請手数料と標章交付手数料を警察に納付(合計2,500〜3,000円程度が目安、都道府県で差)。
– 自動車税環境性能割(課税される場合)
取得時に課税される都道府県税。
中古車の個人間売買でも一定条件で課税対象になることがあります。
税率は車の燃費性能区分や経過年数等で変わり、金額は車両の評価額に応じて数千円〜数万円程度の幅があります。
特例・軽減や時限措置の有無は年度で変わり得るため、事前に都道府県税事務所や販売店で確認が必要です。
– 軽自動車の手数料等
軽自動車は管轄が軽自動車検査協会で、必要書類・手数料の体系が普通車と一部異なります。
登録手数料は数百円程度が目安。
ナンバー代、(地域により)保管場所の届出費用などがかかる場合があります。
業者の代行手数料の相場感
– 名義変更のみ(同一管轄、番号変更なし、車庫証明は申請者側準備)
7,000〜20,000円程度がよく見られるレンジ。
– 名義変更+車庫証明取得
合計で15,000〜35,000円程度(上記の警察手数料は別途実費、図面作成や現地確認の有無で変動)。
– 出張封印を伴うケース
上記に加え5,000〜15,000円程度の出張・手配料が乗ることが多いです。
– ディーラーの「諸費用パック」
代行料と法定費用・実費をまとめた「登録諸費用」として見積に一括計上されることが多く、3万〜6万円台(内容により上下)など幅があります。
内訳を書面で確認してください。
ケース別に「含まれやすい/別料金になりやすい」ポイント
– 同一ナンバー管轄内の名義変更(普通車)
含まれやすい 書類作成、移転登録申請、検査登録手数料、車検証受領。
別料金になりやすい 車庫証明(住所が変わる場合は必要)、郵送費、書類取得代行。
– 管轄変更を伴う名義変更(普通車)
含まれやすい 旧ナンバー返納・新ナンバー交付、封印取付。
別料金になりやすい 出張封印(車を持ち込まない場合)、回送費、希望番号料。
– 軽自動車
含まれやすい 名義変更申請、ナンバー交付(変更時)。
別料金になりやすい 保管場所届出(指定地域)、住民票取得代行、希望番号。
– 車検切れ・長期抹消に近い特殊案件
別料金になりやすい 仮ナンバー、自賠責、積載車での搬送、書類再交付。
代行費用の「根拠」(法令・公的ルールの位置づけ)
– 名義変更(移転登録)の義務づけ
道路運送車両法および同法に基づく自動車登録規則に、所有権が移転したときの移転登録手続、申請期限、必要書類(申請書、車検証、譲渡証明書、本人確認書類等)の枠組みが定められています。
これに従い運輸支局で手続きを行います。
軽自動車は軽自動車検査協会に関する省令で同様に規定されています。
– 手数料(印紙・証紙)
自動車の検査・登録に関する手数料は、国の定める手数料令・省令等に基づき、所要の額を収入印紙・証紙で納付します。
移転登録は数百円程度という低廉な水準に設定されています(最新額は各運輸支局・軽自動車検査協会の案内に従います)。
– 車庫証明(保管場所の証明)
自動車の保管場所の確保等に関する法律(いわゆる車庫法)および各都道府県の公安委員会規則により、普通車は保管場所の証明が原則必要です。
警察署へ申請・標章交付の手数料が条例で定められています。
軽自動車は地域により「保管場所届出」が必要です。
– ナンバープレートの交付
自動車登録番号標の交付等に関する規定に基づき、番号変更が伴う場合は新たな標板交付料が発生し、普通車は封印が義務付けられています。
封印の取付は運輸支局で実施されるほか、一定の条件のもと出張封印制度が運用されています(各地域運輸局の委託制度要領等)。
– 税(自動車税環境性能割・種別割、軽自動車税種別割)
地方税法に基づき、取得時に自動車税環境性能割(都道府県税)、所有に応じて自動車税種別割(普通車、都道府県税)・軽自動車税種別割(軽、市区町村税)が課されます。
環境性能割は取得に伴う登録の場面で申告・納付が生じる場合があります。
税率・軽減・特例は時期や車種で変動するため、最新は所管税務当局の公表資料を参照してください。
– 自動車リサイクル法
使用済自動車の再資源化等に関する法律により、リサイクル料金の預託と情報管理が義務付けられています。
名義変更時は預託情報を引き継ぐ実務が必要で、業者は預託証明の確認・印字出力等を行います(この確認作業自体は法定費用が必ずしも発生するわけではありませんが、代行事務の範疇として扱われます)。
見積・契約時の確認ポイント(トラブル回避の実務)
– 代行料に含まれる作業範囲
車庫証明の取得、出張封印、希望番号申込、書類取得代行、郵送費、回送費が「込」か「別」かを明確に。
– 法定費用の見積根拠
検査登録手数料、ナンバー代、車庫証明手数料、環境性能割の見積条件(評価額・税率)などを内訳で確認。
税は後日確定・精算となることがあります。
– 不測時の追加費用ルール
書類不備による再申請、印鑑証明・住民票の取り直し、管轄判断の変更(想定外の番号変更が必要になった等)に備えた取り決め。
– スケジュール
車庫証明の待機期間(通常3〜7日程度)があるため、登録希望日の逆算が必要。
出張封印の場合は取付スケジュールも要調整。
– 支払方法と立替範囲
税・公的手数料の立替と領収書・証紙の写しの交付、返金・差額請求の方法。
参考となる費用感のサンプル内訳(普通車・管轄変更あり・希望番号なしの一例)
– 代行手数料(名義変更一式) 15,000円
– 車庫証明代行料 10,000円
– 出張封印手配料 8,000円
– 検査登録手数料(収入印紙) 500円前後
– ナンバー代(標準板) 2,000円前後
– 車庫証明手数料(警察) 2,600円前後
– 住民票・印鑑証明取得実費 各300〜400円
– 郵送費等 1,000円前後
– 環境性能割(該当時) 評価額と税率に応じて別途
合計は車両条件と地域により大きく変動します。
業者が提示する「コミコミ」は上記の一部を束ねた金額で、何が含まれるかの確認が肝心です。
まとめ
– 名義変更の代行費用は「代行手数料(人件費)」「法定費用(登録手数料・ナンバー代・車庫証明手数料・税)」「実費(書類取得・郵送・出張・回送等)」に大別されます。
– 代行に通常含まれるのは、書類作成と運輸支局(軽は検査協会)での申請・受領、番号変更時の標準的な手続きです。
車庫証明、出張封印、希望番号、書類取得、回送、税の立替などは、業者により「含む/別」が分かれやすいポイントです。
– 根拠法令として、登録手続は道路運送車両法・自動車登録規則等、車庫証明は車庫法と都道府県規則、手数料は国の手数料令・省令、税は地方税法に基づきます。
これらにより必要書類・手続・公的費用の枠組みが定められています。
– 最終的には、見積書で「何が代行料に含まれ、何が法定費用・実費として別精算か」を書面で確認し、不測の追加費用の取り扱いを事前合意することが、費用トラブルの回避につながります。
ご希望があれば、お住まいの都道府県・市区町村と車両区分(普通車/軽、管轄移動の有無、希望番号の有無、車庫証明の必要地域か等)を伺えれば、より具体的な内訳と目安見積もりを作成します。
自分で手続きする場合と代行を使う場合、総コストはどれだけ違うのか?
以下は、日本で中古車を名義変更する際の「自分で手続きする(DIY)」場合と「代行を使う」場合の総コスト比較です。
結論からいえば、税金・法定手数料などの「実費」はどちらでも基本的に同じで、差が出るのは主に代行報酬・出張封印・書類回送などのサービス費用分です。
一般的には、普通車で同一管轄内の単純なケースでもDIYに比べて代行は2〜5万円前後、管轄が変わりナンバー変更や出張封印が絡むと3〜6万円以上の差が出ることが多いです。
軽自動車はもう少し安く、差は1.5〜3万円程度に収まる傾向です。
1) 名義変更に必ず(または多くの場合)発生する実費項目
– 自動車税環境性能割(都道府県税)
中古車の取得でも課税対象です。
課税標準基準額×残価率×税率(0〜3%の範囲、環境性能により変動。
時期によって軽減措置がある場合あり)で計算され、購入金額にかかわらず都道府県の基準額表がベースになります。
代行の有無に関係なく同じです。
金額インパクトが最も大きく、ゼロ円~数万円(車種・年式・環境性能で大きく変動)です。
– 車庫証明(普通車 自動車保管場所証明)
普通車は原則、警察署での車庫証明が必要(軽自動車は多くの地域で届出のみ、適用除外地域もあり)。
都道府県の条例で手数料が定められており、概ね2,600〜3,000円前後(申請手数料+標章交付手数料)。
駐車場を借りている場合は「保管場所使用承諾書」の発行料(不動産管理会社などへ支払う任意の実費)が別途かかることがあり、3,000〜10,000円程度が相場です。
– 登録印紙(運輸支局での移転登録の手数料)
全国一律で数百円(近年は500円が一般的)です。
代行の有無に関わらず同額。
– ナンバープレート代
同一運輸支局の管轄内で希望番号を取らない場合は交換不要で0円。
管轄が変わる、希望番号を取る、図柄入り地域名表示板を選ぶ等の場合に発生。
標準プレートは概ね1,500〜2,500円、希望番号や図柄入りは4,000〜10,000円超まで選択内容で幅があります。
– 住民票・印鑑証明などの証明書発行手数料
市区町村で各300〜450円程度。
旧所有者・新所有者分の印鑑証明(原則)、新使用者の住民票などが必要となるケースが多いです。
枚数は取引形態や所有権留保の有無で変わります。
– 郵送費・交通費
車庫証明の申請・受取、運輸支局への来庁に伴う交通費や郵送費。
数百〜数千円。
2) 代行を使う場合にのみ加わる費用項目(実費以外)
– 名義変更代行報酬(行政書士・代行業者・販売店)
名義変更のみで8,000〜20,000円程度が相場。
地域や難易度で上下します。
– 車庫証明取得代行
10,000〜20,000円程度が一般的。
申請から受取までの期間があるため、報酬は名義変更より高めになるケースが多いです。
– 出張封印(丁種封印)等の付随サービス
ナンバー変更が必要だが運輸支局へ車両を持ち込めない場合に、出張封印を依頼することがあり、5,000〜15,000円程度。
地域・会員制度・距離で変動。
– 書類回送・日当・陸送等
3,000〜10,000円程度。
遠隔地や他都道府県を跨ぐ手続では、陸送や回送ナンバー費用が追加される場合もあります。
3) 代表的なケース別の総コスト比較(環境性能割を除く「諸費用部分」の目安)
– ケースA 普通車、同一管轄、ナンバー変更なし、DIY
登録印紙500円+車庫証明2,700〜3,000円+証明書類(計2〜3通で900〜1,350円)+交通・郵送1,000〜2,000円=概ね5,100〜6,850円
同条件、代行あり
上記実費5,100〜6,850円+名義変更代行1〜2万円+車庫代行1〜2万円+回送料等1,000〜3,000円
=概ね30,000〜53,000円
差額 おおむね2.5〜4.5万円
ケースB 普通車、他都道府県(管轄変更あり)でナンバー交換、DIY
登録印紙500円+ナンバー2,000円前後+車庫証明2,700〜3,000円+証明書類1,200円前後+交通・郵送1,500〜3,000円
=概ね7,900〜10,700円
同条件、代行あり(出張封印利用)
実費7,900〜10,700円+名義変更代行1.5〜2万円+車庫代行1.2〜2万円+出張封印8,000〜15,000円+回送や書類回送3,000〜8,000円
=概ね46,000〜75,000円
差額 おおむね3.5〜6.5万円
ケースC 軽自動車、同一管轄、ナンバー変更なし、DIY
軽の名義変更届自体は手数料が不要〜ごく少額のことが多い(軽自動車検査協会の届出は概ね無料)。
車庫は多くの地域で「届出」で、数百円〜1,000円程度。
証明書類数百円、交通費数百〜1,000円。
=概ね1,000〜3,000円台
同条件、代行あり
実費1,000〜3,000円+代行報酬1〜2万円+書類回送等1,000〜3,000円
=概ね21,000〜25,000円
差額 おおむね1.8〜2.3万円
注)上記はいずれも環境性能割(0〜3%)を除いた「諸費用」部分の比較です。
環境性能割はどちらの方法でも同額発生し、総費用の中では最も大きくなる可能性があります。
例えば環境性能割が0円の車(基準適合・免税相当)なら、DIYと代行の総費用差はそのまま2〜6万円程度。
環境性能割が3万円かかる車でも、環境性能割は双方同額なので差額はほぼ変わりません。
4) DIYと代行の経済的なメリット・デメリット
– DIYのメリット
代行報酬が不要なので総コストが最小。
単純なケースでは諸費用5,000〜1万円台で収まることも多い。
– DIYのデメリット
車庫証明は申請から交付まで数日必要、運輸支局も平日対応が基本で、平日の時間確保・再来庁のリスク(書類不備等)がある。
交通費や郵送費、労力・機会損失をどう評価するかがポイント。
– 代行のメリット
平日に動けない、遠方、管轄変更・出張封印が必要、所有権留保の解除書類取り回しなど難易度が高い場合でもスムーズ。
やり直しや不備のリスクが低い。
– 代行のデメリット
代行報酬分だけ確実に高くつく。
内容次第で3〜7万円程度の差が生じやすい。
5) よく誤解されやすい費用の扱い
– 自動車税(種別割)の年税
4月1日時点の所有者に課税。
名義変更時に役所で日割り清算はされません。
個人間売買では未経過相当額を当事者間で任意清算することが多い(制度上の義務ではない)。
ディーラー下取りでは清算を組み込む慣習がありますが、これは公租公課ではなく私的精算です。
– 自賠責保険
名義変更に伴い保険証明書の名義・住所変更手続が必要になるが、更新時期でなければ追加保険料は通常不要。
– 重量税
車検時に納付する税で、名義変更だけでは発生しません。
6) 根拠(制度・公表情報の根拠づけ)
– 登録手数料(移転登録の印紙代)
運輸支局で納付する自動車検査登録の手数料は全国一律の定めがあり、移転登録は数百円(近年は500円)です。
根拠は国土交通省所管の登録手数料に関する規定および各運輸支局の案内。
(金額は年度改定や制度変更で微調整される場合があります)
– 車庫証明の手数料
道路交通法に基づく各都道府県警察の手数料(保管場所証明手数料・標章交付手数料)で、条例・警察公表資料に明示。
概ね2,600〜3,000円台(地域差あり)。
– 自動車税環境性能割
地方税法に基づき都道府県税として課税。
新車・中古車の「取得」に対して課され、税率は0〜3%(車の環境性能に応じて段階的、時限的軽減措置が講じられる場合あり)。
課税標準は都道府県の基準額表と残価率を用いるのが通例で、取引価格ではありません。
申告・納付は運輸支局に併設された都道府県税事務所窓口で行うのが一般的。
– ナンバー代
自動車登録番号標の交付手数料は各運輸支局・自動車会議所などが公表。
標準板で1,500〜2,500円程度、希望番号・図柄入りは追加費用。
– 軽自動車の手続
軽自動車検査協会の案内に基づき、名義変更(使用者変更)届自体の手数料は原則無料またはごく少額。
地域によって車庫届出が必要で、その手数料は数百円〜1,000円程度。
7) まとめ(総コスト差の目安)
– 普通車(同一管轄・ナンバー変更なし)
DIY 実費合計5,000〜7,000円程度+環境性能割
代行 3万〜5万円台+環境性能割
差額 2.5〜4.5万円前後
– 普通車(管轄変更・ナンバー交換・出張封印あり)
DIY 8,000〜1万円台+環境性能割
代行 4.6万〜7.5万円程度+環境性能割
差額 3.5〜6.5万円前後
– 軽自動車(同一管轄・ナンバー変更なし)
DIY 1,000〜3,000円台+環境性能割
代行 2万〜2.5万円程度+環境性能割
差額 1.8〜2.3万円前後
最後に注意点として、実費は地域差・年度改定・選択内容(希望番号・図柄入り・駐車場承諾料等)で上下します。
最新の正確な金額は、所管の運輸支局(自動車登録)、軽自動車検査協会(軽)、都道府県税事務所(環境性能割)、都道府県警察(車庫証明)の各公式案内で確認してください。
その上で、平日に動けるか、書類準備の自信、管轄の難易度(他都道府県・出張封印の要否)を総合的に勘案すると、DIYで数千円〜1万円台に抑えられるケースは多く、一方で時間や確実性を重視する場合は代行費用2〜6万円程度の上乗せで手間を大幅に省ける、というのが実務的な相場観です。
信頼できる代行業者はどう選び、見積もりで何を確認すべきか?
以下は、中古車の名義変更(移転登録)を代行に任せる際の「信頼できる業者の選び方」と「見積もりで必ず確認すべきポイント」、そしてその根拠です。
個人間売買の場面や、遠方車両の名義変更、忙しくて自分で行けない場合に特に役立ちます。
信頼できる代行業者の選び方(チェックリスト)
– 事業者区分と資格の確認
– 行政書士(自動車登録専門)かどうか。
行政書士であれば登録や申請書作成の専門家で、行政手続きの代理権限があります。
都道府県の行政書士会の名簿で氏名・登録番号を確認できます。
– 古物商許可(中古車を扱う業者の場合)。
車両の売買を扱うなら古物営業法の許可が必要です。
許可番号と公安委員会名がサイトや店舗に掲示されているか確認。
– 出張封印が可能か。
普通車で管轄変更やナンバー変更がある場合、封印の再取り付けが必要です。
出張封印の取付受託者(丁種)であれば車を運輸支局へ持ち込まずに対応でき、利便性・納期面で有利。
実績・専門性
自動車登録・車庫証明に特化したページや事例の掲載、年間件数の明示、Googleマップや口コミサイトの評価を確認。
軽自動車と普通車の違い、所有権留保解除、管轄越えなど複雑案件の対応経験があるか。
料金の透明性
見積に「法定費用(印紙・証紙・ナンバー代)」「代行報酬(手続報酬)」「実費(郵送・交通費)」が明確に区分され、消費税の扱いも明記されているか。
法定費用と報酬を混ぜた“一式”のみの提示は避ける。
相場感から極端に安すぎる(後から追加請求の可能性)・高すぎる(不当に高額)ものは注意。
会社情報とコンプライアンス
会社名・所在地・固定電話・代表者名・適格請求書発行事業者番号(インボイス)が明記。
個人情報保護方針、原本書類の取り扱い(保管・返却方法)を公開しているか。
業務賠償責任保険に加入していると、書類紛失や手続ミス時の補償面で安心。
契約・説明責任
必要書類の案内が具体的で、管轄ごとの違い(運輸支局/軽自動車検査協会、警察署の車庫証明)や例外条件まで説明できること。
スケジュール(車庫証明の所要日数、登録日、ナンバー到着・封印日)の提示、再申請・キャンセル時の取り扱いを事前に説明。
全額前払いしか認めない、現金手渡しのみ、会社口座名義が不一致、といった不自然な支払い条件は警戒。
サービス面
出張封印対応範囲の広さ、遠隔地手配の可否、OSS(自動車保有関係ワンストップサービス)への知見。
急ぎ対応や土日対応の可否も確認。
見積もりで必ず確認すべきポイント(内訳例と注意点)
– 法定費用(地域差・車種差があります)
– 普通車の移転登録手数料(運輸支局の登録印紙) 概ね500円。
– ナンバープレート代 ペイント式で1,500〜2,500円前後(地域・分類番号・希望番号で変動)。
字光式は高額。
– 車庫証明(普通車) 証紙2,000〜2,700円前後+標章代約500〜600円。
地域で差があります。
– 軽自動車 検査協会での名義変更自体の手数料は原則不要、ナンバー代のみ必要(1,000〜2,000円台が目安)。
ただし一部地域で軽の保管場所届出が必要な場合があり、その届出手数料が別途かかります。
代行報酬(相場の目安)
普通車の名義変更(移転登録)報酬 1万〜2万円程度。
車庫証明の申請代行報酬 1万〜1.5万円程度(法定費用は別)。
出張封印 5,000〜1.5万円程度(ナンバー代別)。
軽自動車の名義変更代行 5,000〜1.5万円程度。
追加項目になりやすいもの 所有権留保解除の取り付け、他管轄対応・2拠点対応、特急(当日・翌日)対応、住民票等の取得代行、書類不備による再申請、レターパック・書留などの郵送費、遠方出張費。
これらが発生する条件と金額を事前に固定してもらう。
税区分の明示
法定費用は非課税、代行報酬は課税が一般的。
見積書に消費税の内訳と合計の税区分が分かる形で明記されているか。
スケジュール・納期
車庫証明の取得に通常3〜7営業日(地域差)。
登録は書類が整えば当日〜数日。
出張封印はナンバー到着後の設定日。
全体の完了目安を日付で提示してもらう。
必要書類の確定
普通車(例) 車検証、旧所有者の印鑑証明書・実印の譲渡証明書、新所有者の印鑑証明書・実印の委任状、自賠責、車庫証明(原則新使用者名義)、自動車税申告書(多くは当日窓口で)、ナンバー変更がある場合は現ナンバー返納。
軽自動車(例) 車検証、旧・新使用者の記名押印(認印可)、住民票や運転免許証の写し等(管轄により異なる)、自賠責。
地域により保管場所届出が必要。
住所変更や氏名変更、車検切れ、所有権留保解除(信販会社・販売店名義)など特記事項がある場合の追加書類・費用・納期を具体化。
支払い・預り金・精算
法定費用は「預り金」として実費精算、完了後に領収書(インボイス)発行。
キャンセル時の返金条件(未実施分の法定費用・報酬の扱い)を文書で確認。
品質保証・ミス時対応
記載誤り等の再交付費用負担、書類紛失時の補償、個人情報の取り扱い、原本返却の期限と方法を確認。
こうやって比較すると失敗しない(実務的ポイント)
– 最低2〜3社で相見積もり。
法定費用は公定価格なので各社同額になるはず。
差が出るのは代行報酬・出張費・スピードオプション。
– 自分で実施した場合の最低コスト(普通車なら登録印紙約500円+ナンバー代+車庫証明の証紙代+交通費)を把握し、代行報酬の妥当性を判断。
– 依頼前に案件情報を整理して伝えると追加費用の発生を防げる。
具体的には以下をテンプレで送るのがおすすめ。
– 車種・年式・車検の有無、現ナンバー
– 現在の管轄と新所有者の住所(管轄変更の有無)
– 車庫証明の取得状況(未取得・取得予定・不要見込み)
– 出張封印の希望有無
– 所有権留保の有無(車検証の所有者欄に信販会社名など)
– 希望納期(最短いつまでにナンバー変更まで完了したいか)
– 書類の準備状況(印鑑証明の発行日、譲渡証明の有無 等)
よくあるトラブルと回避策
– 「見積にない追加請求」問題
– 書類不備や遠方手配、再訪問の発生条件と費用を先に書面化する。
車庫証明の不許可時の再申請料、希望番号の抽選落選時などの取扱いも確認。
– 「納期が伸びる」問題
– 車庫証明は警察の審査日数に依存。
繁忙期や年末年始は余裕を。
出張封印の予約枠も事前に押さえてもらう。
– 「個人情報のリスク」
– 印鑑証明書・住民票など原本の保管方法、返却方法(書留・レターパック)を決める。
メール送付ファイルはパスワード別送などの基本対策があるか確認。
根拠(制度・ルールの背景)
– 名義変更(移転登録)の必要性
– 道路運送車両法に基づき、登録自動車(普通車)は所有者や使用者を公示する登録制度があり、所有者の変更時には「移転登録」が必要です。
手続き先は運輸支局・自動車検査登録事務所。
軽自動車は軽自動車検査協会での手続きになります。
封印と出張封印
普通車の後面ナンバーには封印が必要で、管轄変更や番号変更時には封印の再取付が発生します。
一定の要件を満たす事業者は「出張封印」によって運輸支局外での取付が可能です。
これを扱える事業者だと来庁不要で手続きが早まります。
車庫証明(保管場所法)
自動車の保管場所の確保等に関する法律により、普通車の登録の際は原則として新使用者名義の車庫証明が必要です。
軽自動車は地域により「保管場所届出」が課される指定地域があります。
申請先は管轄警察署で、証紙・標章代は都道府県で金額が異なります。
手数料・印紙等の法定費用
登録印紙(移転登録の手数料)は国の定める手数料で、運輸支局窓口や国土交通省の案内で確認できます。
ナンバープレート代は各地の自動車会議所等が公表する価格に基づきます。
これらは業者間で変わりません。
税金の取り扱い
自動車税(種別割)は毎年4月1日時点の所有者に課税されるため、年度途中の名義変更では納税義務者は変わりません(当事者間で月割精算するのが通例)。
自動車税(環境性能割)は取得時に課税される都道府県税で、取得価格・燃費性能等に応じて課税される場合があります。
名義変更に伴い課税・非課税の判定が生じることがあるため、見積時に確認が必要です。
行政書士・古物商の法的根拠
行政書士法により、官公署への提出書類作成・提出手続の代理が可能。
中古車の売買を業として行うなら古物営業法の許可が必要で、許可番号の表示義務があります。
相場の目安と判断基準(まとめ)
– 普通車の名義変更一式(車庫証明を含む、出張封印あり)の総費用イメージ
– 法定費用合計(目安) 登録印紙約500円+ナンバー1,500〜2,500円+車庫証明2,500〜3,300円前後=約4,500〜6,300円
– 代行報酬合計(目安) 名義変更1万〜2万円+車庫証明1万〜1.5万円+出張封印5,000〜1.5万円=約2.5万〜5万円
– 総額の目安 3万〜6万円台(地域・条件で上下)
– 軽自動車は法定費用が軽く、総額はこれより低くなるのが一般的。
同条件で普通車と同額提示の場合は明細の再確認を。
最後に(実行ステップ)
– まず管轄(現住所・ナンバー地域)と案件の特殊条件(所有権留保、住所変更、車検切れ等)を書き出す。
– 2〜3社に同じ情報で見積依頼し、法定費用・報酬・追加条件・納期の比較表を作る。
– 書類原本の受け渡し方法、再申請時の費用、キャンセル・返金条件を文書で確定させてから発注する。
– 不明点は「その費用の根拠はどの公的手数料ですか」「発生条件は何ですか」と根拠ベースで質問する。
即答と裏付け提示ができる業者は信頼性が高い傾向。
以上を押さえれば、「後から高くついた」「手続きが止まった」という典型的な失敗を大幅に減らせます。
名義変更は法律・実務・地域差の掛け算ですが、業者選定は「資格・実績・透明性・説明責任」の4点で見極め、見積は「法定費用の金額根拠」と「追加費用の発生条件」を要にチェックするのが最も効果的です。
地域差や追加費用(税・印紙・ナンバー変更など)はどこで発生しやすいのか?
以下は、中古車の名義変更(移転登録)を業者に代行依頼する際の費用について、どこで地域差が出やすいか、また税・印紙・ナンバー変更などの追加費用が発生しやすいポイントを体系的に整理した解説です。
あわせて、可能な範囲で根拠(制度や法令、運用主体)も示します。
対象は主に登録車(普通車・小型)ですが、軽自動車の相違点も適宜補足します。
代行費用の基本構造と地域差が出やすい理由
– 基本構造
– 代行手数料(人件費・移動費・書類作成費・立替事務費)
– 行政手数料・印紙代(国交省・軽検協の手数料印紙など)
– 警察関係費用(車庫証明の申請・標章交付の手数料)
– 税関係(自動車税環境性能割の申告・納付が必要な場合)
– ナンバープレート代(標板代)および希望番号の予約手数料
– 封印取付のための出張封印費(必要時)
– 住民票・印鑑証明・登記事項証明などの証明書発行費
– 郵送費・交通費・出張費・日当等の実費
地域差が出やすい主因
人件費・地理的条件 都市部では人件費・駐車コスト・移動時間の読みにくさから代行手数料が高め。
地方は手数料が相対的に安い一方、役所・運輸支局が遠いエリアでは出張費が上がることがある。
車庫証明の手数料 都道府県ごとの公安委員会規則で金額が異なる。
申請・標章交付の合計で数百円〜数千円の差。
ナンバー代・希望番号手数料 交付委託先(各地域の番号標交付団体)ごとに実費が異なる。
図柄入り・字光式・サイズ種別で幅が出る。
出張封印の可否・流通網 丁種封印の実施体制・対象範囲が地域で異なり、対応可否や費用相場に差。
軽自動車の保管場所制度の適用地域 軽は地域により「届出不要」エリアが残るため、費用発生の有無自体が変わる。
代行手数料の相場感と差が出る局面
– 都市部(首都圏・関西圏など)
– 移転登録のみ 1〜1.5万円前後+消費税が多い
– 車庫証明代行 1〜2万円前後+警察手数料+交通費
– 出張封印 5千〜1.5万円程度(距離や緊急性で変動)
– ディーラーや大手販売店のパッケージ 3〜5万円超もあり、希望ナンバーや図柄込み、納車準備費等を包含
– 地方部
– 移転登録のみ 8千〜1.2万円程度が多い
– 車庫証明代行 8千〜1.5万円程度+警察手数料
– 出張封印 エリアによっては不可または距離加算が大きい
– 差が拡大しやすいケース
– 書類の追加取得・再発行(印鑑証明の期限切れ、所在証明の不足、所有権解除書類の取り寄せ)
– 複数自治体・遠隔地の横断(売主・買主・使用の本拠地が異なる)
– 期末・月末等の繁忙期対応、短納期指定
根拠の方向性 報酬額自体は自由化(業者の自由設定)。
実費部分は後述の各制度により公定額が定められている一方、代行報酬は地域の市場環境と労務コストで差が出ます。
行政手数料・印紙代(どこで、いくら、なぜ違うか)
– 国土交通省関係の手数料(登録車)
– 移転登録の手数料印紙は全国で原則同額(自動車検査登録手数料)。
実務上は数百円台の小額。
国の手数料令に基づくため地域差は基本的にない。
– 根拠 道路運送車両法および関係手数料令(国土交通省令)。
運輸支局・自動車検査登録事務所で収受。
軽自動車(軽自動車検査協会)
手数料は軽自動車検査協会の定める額で全国的にほぼ統一。
印紙額は登録車とは別体系。
地域差は小さい。
警察(車庫証明)
普通車・小型 保管場所証明申請手数料+標章交付手数料を都道府県の公安委員会が定め、地域差が出る(おおむね申請2200〜2750円、標章550〜600円のレンジ)。
軽自動車 多くの都市部では「保管場所届出」が必要で、届出・標章交付手数料(数百円〜1000円台)がかかる。
届出不要地域もあり、ここは費用ゼロ。
根拠 道路交通法および各都道府県公安委員会規則。
税金(どこで発生しやすいか、地域差の実態)
– 自動車税(種別割)
– 名義変更の瞬間に新たな納付が発生するわけではない(年税で、課税主体は都道府県。
未納があれば解消が必要)。
実務では売買当事者間で月割精算を行うことが多く、これは公租公課ではなく私的清算。
– 地域差という意味では、納付・照会窓口や事務運用の違いはあるが、名義変更当日の支払いとして発生する税ではない。
自動車税環境性能割(旧・取得税の後継)
中古車の「取得」に対して課税され得る。
名義変更が売買(取得)に伴う場合、運輸支局等に併設の都道府県税事務所で申告・納付を行う。
贈与・相続・転居など取得に該当しないケースでは非課税の場合あり。
税率は車の環境性能(燃費・排出基準)で0〜数%。
中古の場合は基準額が残価基準で計算される。
税率自体は全国共通の法定構造(地方税法)だが、臨時的軽減や条例上の運用は都道府県の案内に従うため、最新の適用可否は地域の県税事務所で確認が必要。
発生しやすい場面 比較的年式の新しい中古車、環境性能の低いモデル、取得価額(基準額)が小さすぎない場合。
軽自動車も対象(軽自動車税環境性能割)。
根拠 地方税法(自動車税種別割・環境性能割)。
申告は運輸支局等内の県税窓口。
重量税
名義変更のみに伴っては発生しない。
車検(継続検査)や新規登録時に発生。
根拠 自動車重量税法。
ナンバー変更(どこで費用が乗りやすいか)
– 管轄変更(例 品川ナンバー→大宮ナンバー)
– 登録自動車の使用の本拠地が変わり、運輸支局の管轄が変わると番号変更が必要。
新しい標板代(数千円未満の実費)と封印取付が発生。
– 車両の持ち込みが必要(封印のため)。
遠方の場合、出張封印を使うと別費用が乗る。
希望番号・図柄入り・字光式
希望番号予約手数料は地域ごとに差(千円台〜数千円)。
図柄入りは標板代が上がり、寄付金を任意で上乗せ可能。
字光式は標板代がさらに高い。
地域の番号標交付団体の価格設定に依存。
希望番号制度は全国共通スキームだが手数料は地域差。
軽自動車
標板代は登録車より安めなことが多いが、地域差・種別差(黄色・白色の特例や図柄)で変動。
根拠 道路運送車両法(番号標の交付・封印)、希望番号制度の実施要領、各地域の番号標交付団体の料金設定。
出張封印(どこで費用が増えやすいか)
– 自宅・販売店で封印取付を行う制度(丁種封印等)を利用する場合、業者の出張費・手数料が加算される。
都市部は人件費で高く、地方は移動距離で高くなりうる。
– 管轄越えの陸送を伴う場合、陸送費+出張封印費で数万円規模の上振れもありうる。
– 根拠 各都道府県運輸支局の封印取付受託制度。
実費は受託業者の自由設定。
車庫証明(費用が発生しやすい・差が大きいポイント)
– 必要性
– 登録車は原則必要。
地域によっては保管場所要件の厳格さ(配置図・使用承諾書の要件)が異なり、書類不備で再申請となると再度手数料が発生。
– 軽自動車は都市部など多くの地域で「保管場所届出」が必要。
届出不要地域もあり、ここはコストゼロ。
この有無自体が最もストレートな地域差。
– 手数料
– 申請・標章交付の公定手数料は都道府県で差。
加えて、代行を頼むと報酬にも地域差(都市部で高め、地方は距離次第)。
– 根拠 道路交通法、各都道府県公安委員会規則。
書類取得費・再発行での追加費用
– 個人
– 印鑑証明書、住民票の発行手数料(300〜450円程度/通、自治体で差)。
印鑑証明は3カ月以内が通例。
期限切れで取り直しになると再費用と日数ロス。
– 法人
– 登記事項証明書(法務局、オンライン交付で安価、窓口は若干高い)。
会社実印の届出事項に変更があると追加書類が必要になることも。
– 所有権解除
– 車検証の所有者が信販会社・ディーラー等の場合、所有権解除書類の取り寄せが必要。
一般に手数料は無料〜数千円程度だが、郵送費や代行の事務手数料が上乗せされることがある。
– リサイクル預託金
– 預託済の場合は原則新たな公的費用は不要。
名義変更時に引継情報の管理を行うだけ。
販売店経由だと「リサイクル資金管理システム手続代行料」等の名目の事務費を請求する事例はある。
– 根拠 地方公共団体の手数料条例、使用済自動車の再資源化等に関する法律(リサイクル法)運用。
車検切れ・移動で発生しやすい追加費用
– 仮ナンバー(仮運行許可)
– 車検切れ車両を運輸支局へ自走搬入するには市区町村で仮運行許可を取得。
許可手数料は数百円台。
自賠責保険が有効でない場合は新規加入が必要(最短期間の保険料が発生)。
– 陸送費
– 自走不可や遠隔地からの移動では陸送手配となり、距離と車格で数万円規模。
– 根拠 道路運送車両法(仮運行許可)、自動車損害賠償保障法(自賠責)。
軽自動車と登録車(普通・小型)の違いが生む費用差
– 書類要件
– 登録車は売主の印鑑証明、委任状、譲渡証明などが要る。
軽は印鑑証明原則不要で、手続負担が軽い。
– 事務手数料・印紙
– 軽の手数料印紙は総じて安く、標板代も安い傾向。
– 車庫制度
– 軽は届出不要地域が存在し、ここでは費用ゼロ。
都市部では届出と標章交付費が発生。
– 税
– 環境性能割は軽も対象だが、課税額は基準や税率が異なるため、同程度の年式・価格帯なら登録車より軽いことが多い。
– 代行報酬
– 書類が簡素な分、軽の代行報酬は低めに設定される傾向。
よくある「想定外の追加費用」発生ポイント
– 管轄変更に伴うナンバー交換と出張封印の組み合わせ
– 希望番号・図柄入りの希望に気づくのが遅く、再申請・再発行
– 車庫証明の不備で再申請(配置図・使用承諾書・所在図の差し戻し)
– 印鑑証明の有効期限切れ、記載住所の相違(住民票の附票で補完)に伴う取り直し
– 所有権解除書類の取り寄せ遅延に伴う追加の出張・日当
– 車検切れで仮ナンバー+自賠責加入、または陸送切替
– 連絡不通や当日キャンセルに伴うキャンセル料・再訪問費
見積もり・費用管理の実務的ポイント
– 代行業者に依頼する際は、以下を明細で提示してもらう
– 代行報酬(内訳 書類作成、役所回り、出張費、日当)
– 行政実費(手数料印紙、車庫証明手数料、標板代、希望番号手数料)
– 税(環境性能割の見込額と算定根拠、納付要否)
– 郵送費・交通費・再訪問費の扱い(定額か実費か)
– 出張封印の可否と費用、車両持込の要否
– 余計な費用を抑えるコツ
– 可能なら同一管轄内の車を選び、ナンバー交換と封印を回避
– 車庫証明の書類は事前にテンプレに沿って正確に用意(特に配置図・承諾書)
– 印鑑証明・住民票は発行後すぐに手続に入れるスケジュールで
– 希望番号や図柄の要否は最初に確定
– 車検残のある車を選び、仮ナンバーや陸送を回避
– オンラインOSS(ワンストップサービス)活用可否を確認(対応範囲は地域・手続内容で差あり)
各費用差・発生要否の制度的根拠まとめ
– 名義変更の制度枠組み 道路運送車両法(登録・検査、番号標、封印)
– 国交省手数料印紙 国土交通省関係手数料令(全国同額の公定手数料)
– 車庫証明・保管場所届出 道路交通法と都道府県公安委員会規則(手数料は都道府県差)
– 環境性能割 地方税法(課税は取得時、税率は環境性能に連動、申告・納付は県税事務所)
– 自動車税(種別割) 地方税法(年税、未納があれば納付要)
– 重量税 自動車重量税法(名義変更では通常発生しない)
– 仮運行許可 道路運送車両法(市区町村で許可、手数料は条例で差)
– 住民票・印鑑証明等 各地方公共団体の手数料条例(発行手数料差あり)
– リサイクル法 使用済自動車の再資源化等に関する法律(預託金の取り扱い)
典型的な費用例(登録車、同一管轄・希望番号なし・書類完備のスムーズケースの概算イメージ)
– 代行報酬 1.0〜1.5万円(都市部)/0.8〜1.2万円(地方)+消費税
– 手数料印紙(移転登録) 数百円(全国同額)
– 車庫証明(都市部) 警察手数料 約2700〜3300円前後、代行なら+1〜2万円
– ナンバー代 同一管轄・番号変更なしなら0円、新規交換ありなら千円台〜
– 税 環境性能割は車両と条件により0円〜数%(該当時のみ)
実際の請求は、これらに郵送・交通費と、必要に応じて出張封印や希望番号手数料等が加算されます。
まとめ(どこで差・追加が出やすいかの要点整理)
– 地域差が大きい
– 車庫証明の公定手数料(都道府県差)
– 代行報酬(人件費・移動コスト・市場慣行)
– ナンバー代・希望番号手数料(交付団体ごとの価格)
– 出張封印の可否・相場(体制・距離で差)
– 住民票・印鑑証明発行手数料(自治体差)
– 仮ナンバー手数料(自治体差)
– 追加費用が発生しやすい
– 管轄変更に伴うナンバー交換+封印
– 希望番号・図柄入り・字光式の選択
– 車庫証明の再申請、または軽の届出が必要な地域
– 所有権解除の取り寄せ・書類不備
– 車検切れ対応(仮ナンバー・自賠責・陸送)
– 環境性能割の課税がかかる取得
最後に注意点として、税率や一部の軽減措置(環境性能割の臨時的軽減など)は時限措置や条例で運用が変わることがあります。
最新の実額は、手続きを行う運輸支局・県税事務所・警察署(車庫)・番号標交付窓口、または依頼先の行政書士・販売店に、見積り時点での「実費の内訳」と「代行報酬の内訳」を必ず確認してください。
これにより地域差や想定外の追加費用を事前に最小化できます。
【要約】
中古車の名義変更代行は「実費」と「手数料」。実費は印紙500円、ナンバー1.2~2.5千円(管轄変更・希望時)、車庫証明2.6~3.3千円、証明書300~450円など。手数料は簡易5千~1.5万円、車庫証明+1~2万円、異管轄・出張封印+5千~1.5万円。総額は簡易で約1万円、フル対応で2~3.5万円、条件次第で3.5~6万円。自動車税は月割精算慣行、環境性能割は原則非課税。