事故車とは何を指し、下取り価格にどの程度影響するのか?
結論(先に要点)
– 業界で「事故車」と呼ぶものの中心は、骨格(フレーム・ピラー・フロアなど)の修理や交換が行われた「修復歴車」です。
外板(ドア・バンパー等)の交換や軽微な板金だけでは通常「修復歴あり」にはなりません。
– 下取り価格への影響は大きく、同条件の「修復歴なし」と比べて概ね20~60%程度の値引きが相場の中心です。
人気車・高額車・スポーツ系は値引き幅が広がりやすく、年式が古い・走行多い車は相対的に影響が縮みます。
– 水没(冠水)や火災歴はさらに大幅に下落しやすく、場合によっては部品取り・輸出向けの原価に近い評価になります。
– 根拠は、中古車表示基準(自動車公正取引協議会)における「修復歴」の定義、査定・検査機関(日本自動車査定協会、AIS、JU、JAAA等)の評価基準、オートオークション(USS等)のグレーディングと落札傾向に基づく業界の実務相場です。
事故車とは何か(定義と日常用語のズレ)
– 日常会話の「事故車」=何らかの事故歴がある車全般を指す、広い意味。
– 業界で価格に直結する「事故車」=「修復歴車」を指すのが一般的。
骨格部分に及ぶ損傷を修理・交換した履歴がある車のこと。
– 「事故歴あり(修復歴なし)」というグレーゾーンもある。
例 バンパー交換、ドア交換、軽微な板金、エアバッグ展開のみ等。
走行安全性や車体剛性に影響しない外板・補機の修理は「修復歴なし」と表示できるケースが多い。
修復歴の基準(何が骨格か)
自動車公正取引協議会(自公協)の表示規約や、AIS・JU・JAAAなど検査機関の基準では、下記のような「骨格部位」の修理・交換・歪み矯正があると「修復歴あり」となります(代表例)。
– フレーム/サイドメンバー
– ピラー(A・B・C)
– ルーフパネル
– ダッシュパネル(隔壁)
– クロスメンバー
– フロアパネル(トランクフロア含む)
– ラジエータコアサポート(車種・構造によりボルト留め単純交換は除外される場合あり)
– リアフェンダーインナー/バックパネル 等
逆に、以下は通常「修復歴」には該当しません。
– 外板(ボンネット、フェンダー、ドア、トランクリッド、バンパー等)の交換・板金
– ヘッドライトやラジエータ等、ボルトオン補機の交換
– 足回り(ロアアーム、ストラット等)の交換
– 小規模の塗装補修
注意点
– エアバッグ展開は単独では「修復歴」とは限りませんが、修理費用・心理的抵抗から価格は下がりがち。
– 水没(冠水)・火災・塩害・長期水濡れは「修復歴」とは別枠で、さらに厳しい評価になることが多い。
下取り価格への影響(相場感)
基礎となる価格は年式・走行距離・グレード・装備・色・地域需給で決まります。
そのうえで「修復歴」「事故歴」の有無が大きく係数として効きます。
実務上の目安は以下。
– 修復歴あり(軽度 骨格の一部交換/修正、走行直進性良好、修理品質が高い)
同等の修復歴なし比で概ね20~35%減
– 修復歴あり(中度 複数骨格・前後損傷、要アライメント調整歴等)
30~50%減
– 修復歴あり(重度 フレーム修正大、溶接・切り継ぎ範囲広い、修理痕顕著)
40~60%減、場合によりそれ以上
– 事故歴あり・修復歴なし(外板交換や軽微板金、エアバッグ展開のみ等)
5~15%減程度が目安(人気・価格帯により0~20%の幅)
– 冠水・水没歴
50~90%減。
電装腐食リスクのため、部品取り価格水準へ
– 火災歴
60~90%減。
可塑部・配線・構造体へのダメージが大きく残価は極小
影響を広げる要因
– 車種特性 高額輸入車・スポーツ・高出力車は30~60%の下落になりやすい。
軽・大衆セダンは20~40%が中心。
– 年式・走行 新しい・走行少ないほど下落率は大きい(価値が高いほど心理的抵抗が増し、流通先が限られる)。
年式古・多走行は10~25%程度に収まることも。
– 人気・輸出需要 ハイエース、ランクル系など輸出強含みの車種は下げ幅が相対的に小さい場合がある。
– 修理品質 寸法管理(フレーム計測)、溶接・シーラー処理、塗膜品質、足回り直進性の良否で10%近い差が出る。
– 安全装備 エアバッグ多展開、ADASセンサー類の再調整履歴未確認はマイナス。
オートオークションの評価と価格
– 日本最大手のUSS等では、修復歴車は「R」「RA」等の評価グレードが付くのが通例。
相場帳票を見ると、同型・同条件で「R/RA」は「4~4.5」評価の無事故車に対しおおむね20~40%低い落札レンジに集まります。
重度は「評価3以下」になりやすく、差は拡大します。
– ディーラー下取りはリスク見越しで保守的になりやすく、買取専門・輸出業者・部品事業者の方が提示が出やすいのが通例。
根拠(基準・実務)
– 定義の根拠 自動車公正取引協議会(自公協)の「中古自動車の表示に関する公正競争規約・同施行規則」で、修復歴の対象部位(骨格)と表示ルールが定義されています。
第三者検査機関(AIS、JU、JAAA)も同趣旨の骨格定義を採用。
– 査定の枠組み 日本自動車査定協会(JAAI)の査定士制度・減点基準、各社の検査マニュアルにおいて、骨格損傷・修復は大きな減点対象。
塗膜厚計測、溶接・シーラー痕、クランプ痕、開口部チリ/段差、アライメント試験などで実地確認します。
– 価格差の根拠 オートオークション市場(USS、CAA、JU等)のグレード別落札傾向。
業者間では「修復歴あり=R/RAグレードは無事故車比2~4割安」が広く共有され、重度・高額帯・スポーツはさらに差が開くことが実務常識化しています。
日刊自動車新聞や各社相場レポートでも同様の傾向が繰り返し報告されています。
– 冠水・火災の扱い 電装腐食・安全性・再発リスクの不可逆性から、検査票では別記され、実需向けではなく部品・輸出向けの価格決定(原価+α)になりやすいことが業界共通の取り扱いです。
具体例(仮例)
– 5年落ち、走行5万km、人気コンパクト、相場150万円(修復歴なし・評価4)
修復歴「軽度(前方コアサポート・サイドメンバー先端修正、直進性良好)」→ 110~120万円
修復歴「中度(フロント骨格複数とバックパネル修正、塗膜再塗装多)」→ 90~105万円
事故歴のみ(外板交換・エアバッグ展開なし)→ 125~140万円
冠水歴(床上)→ 20~70万円(部品/輸出向け)
– 3年落ち、輸入スポーツ、相場500万円(無事故)
修復歴あり「軽~中」→ 320~400万円(3~4割減)
修復歴あり「重」→ 200~300万円(5割減も)
売却時に値下がりを最小化するコツ
– 修理記録を集める 見積書、作業指示書、交換部品リスト、修理前後の写真、フレーム寸法計測結果、アライメント測定結果。
修理の透明性と品質を示せると評価が上がる。
– 第三者検査を取る AISやJAAAなどの検査レポートがあると、買い手がリスクを見積もりやすくなる。
– 専門の販路を選ぶ ディーラー下取りは保守的。
買取専門店、輸出業者、部品事業者、業者AA出品代行など複数当てる。
– 修理して売るか、現状で売るかの見極め 修理費が値戻りを上回るとは限らない。
軽板金・見栄え改善は効くが、骨格修理の追加はリターンが薄いことが多い。
– 正直に申告する 売買契約には告知条項があり、虚偽は減額や契約解除の対象。
正直な方が最終受取額は安定する。
– タイミング 新車供給不足や季節要因(決算期、繁忙期)で相場は変動。
相見積もりは同週内に集中的に取ると比較しやすい。
まとめ
– 事故車の中で価格を大きく左右するのは「修復歴(骨格修理)」の有無。
外板中心の修理は影響が小さい。
– 修復歴車の下取りは、同等無事故車比で概ね2~6割の値引き。
水没・火災はさらに厳しい。
– 定義と評価は自公協の表示規約、JAAI/AIS/JU/JAAAの検査・査定基準、オークションのグレード運用に裏付けられている。
– 売却時は記録の整備、第三者検査、販路の選定、正直な告知で減額リスクを抑えられる。
もし具体的な車種・年式・走行・修理内容(どの部位を交換/修正したか、エアバッグ作動の有無、修理明細の有無)を教えていただければ、想定される下取り相場の幅をもう少し具体的に試算できます。
ディーラー下取りと買取専門店・事故車専門業者ではどちらが高く売れるのか?
結論先取り
一般的には、事故車(修復歴車・不動車・冠水車など)は、ディーラー下取りよりも「買取専門店」や「事故車専門業者」に売った方が高くなる傾向が強いです。
例外として、新車ディーラーの下取りサポート(下取り補助金)や同一ブランド内での強力な査定優遇がある場合だけ、ディーラーが拮抗または上回ることがあります。
用語整理(前提)
– 事故歴と修復歴の違い
– 事故歴は広義(エアバッグ展開、外板交換、軽微な損傷含む)。
– 修復歴は狭義で、業界基準(例 日本自動車査定協会の基準)における骨格(フレーム)部位の損傷・交換・修正がある車。
中古車市場では「修復歴あり」となると相場が大きく下がります。
– ここでの「事故車」は、修復歴車や不動車、冠水・火災・エンジンブロー等も含めた広義で扱います。
なぜ買取専門店・事故車専門の方が高くなりやすいのか(根拠)
1) ビジネスモデルと販路の違い(価格形成の源泉)
– ディーラー下取り
– 多くのディーラーは自店の認定中古車として販売できる「無修復・良質車」を主な対象にします。
修復歴車は店頭に並べない社内基準があり、結果的にオートオークションへ卸すケースが中心です。
– そのため査定額は「オークション想定落札価格 − 諸経費(出品料・輸送・整備・在庫リスク) − 社内マージン」で決まり、保守的になりがちです。
さらに新車販売側は値引きと下取りをセットで見せることが多く、下取り自体は低めに出しても全体成約を優先するインセンティブが働きます。
– 買取専門店
– 自社再販、全国オートオークション出品、業販、海外輸出まで販路を多重化し、リアルタイム相場で競争的に価格を付けます。
事故車でも需要がある販路(修復歴OKの海外マーケットや、再生・部品取り目的の業者)を持つ店舗が多く、卸値の「最大値」に近い価格を提示しやすい構造です。
– 事故車専門業者
– 走行不可・エアバッグ展開・骨格大破・冠水などでも、部品単価(エンジン、ミッション、ドア、ライト、エアバッグ、アルミ、触媒の貴金属、電装品等)や素材価値、海外の「半切り・部品」需要を基準に査定します。
修復して店頭に出す前提がないため、「事故車としての価値」をフルに評価でき、重度の損傷ほどこの強みが効きます。
2) ディーラーの内部コスト・リスク管理
– 修復歴車はクレーム・保証コストの潜在リスクが高く、ディーラーはその分を大きめに見込んで差し引く傾向があります。
– 店頭に出さない=中間流通(オートオークション)に流す前提だと、輸送費・出品料・在庫金利などの経費が確実に発生。
査定政策も安全側に寄ります。
3) 専門店の「評価軸」の違い
– ディーラーは「車両として再販できるか」の軸が強いのに対し、事故車専門は「部品として何円」「輸出先で何円」とパーツ単位で積み上げるため、車としての価値が低くても合計が高くなりやすいです。
– 例 国産ミニバンや人気SUVは海外部品需要が強く、バンパーやライト、内装パーツ、足回り、ECU等の単価が立つため、事故車専門の方が明確に強い相場を出しやすい。
金額イメージ(概念図・一例)
– 仮に修復歴ありの車のオークション相場が50万円とします。
– ディーラー下取り 50 − 出品・輸送5 − リスク5 − 社内マージン5 ≒ 35万円
– 買取専門店 50 − 経費5 ≒ 45万円。
加えて輸出業者が55万円で買う見込みがあれば、その手前の50万円提示も可能。
– 事故車専門 部品・輸出積み上げで実勢55万円が出るなら、買取提示は50〜53万円もあり得る。
注意 あくまで考え方の例で、実際は車種・年式・走行・損傷度・時期で大きく変動します。
どんな場合にどちらが有利か
– 買取専門店・事故車専門が強いケース
– 修復歴あり(骨格修正・交換)。
特にエアバッグ展開、フロント周り大破、冠水・火災、不動車。
– 国産ミニバン、軽商用、SUV、海外需要が強い車種(部品価値・輸出価値が高い)。
– ディーラーが明確に渋い査定を出したとき(修理費相当を重く差し引く、店頭販売不可の社内ルールが厳しい等)。
– ディーラーが拮抗または勝つ可能性
– 新車販売時の下取りサポート(乗り換え支援、下取り補助金、決算期の特別施策)。
見かけ上「下取り高額+車両値引き抑え目」で提示されることがあるので、総支払額で比較が必要。
– 事故の程度が軽微で、同銘柄ディーラーの認定中古として出せる(=修復歴にならない外板交換のみ等)。
ただし骨格損傷があれば通常は認定に載せません。
– 同ブランド内乗り換えで販売現場が強く、販売台数目標のため下取りを厚めに積む場合。
査定評価の具体ポイント(知っておくと差が出る)
– 事故内容の開示は有利に働くことが多い
– 修理見積書・写真・交換部位の記録があると、業者が「どこまでが骨格か」を正確に判断でき、過度なリスク控除を避けられます。
– 走行可否
– 自走不可でも事故車専門はレッカー・積載前提で査定可能。
無理に仮修理しても、修復歴の事実は消えないので、修理費>上昇分になりやすい。
基本は未修理の現状で見せた方が合理的です。
– エアバッグ展開・フロア/ピラー損傷・冠水歴は相場に大影響
– こうした重大要素は車両価値を大きく落としますが、逆に部品価値は残るため、事故車専門ルートの方が差が縮まる(相対的に高い)傾向。
– 付属品・社外パーツ
– ディーラーは純正志向で社外品を加点しにくい。
専門店は人気社外パーツ(ナビ、ホイール、足回り等)を別途評価できることがある。
別売りも選択肢。
売却先比較の実務的ポイント
– ディーラー下取り
– 長所 手続きが簡単、ローン残債処理・名義変更・納車まで一気通貫。
トラブルリスクが低い。
新車の総額条件とパッケージで交渉しやすい。
– 短所 事故車は原則卸値ベース、査定は保守的。
下取りと値引きを混在させて提示されると、下取り単価が不透明になりやすい。
– 買取専門店
– 長所 相見積もりが取りやすく、当日競争で吊り上がりやすい。
販路が広く、事故車にも積極的。
– 短所 提示後の減額交渉(再査定)リスクが業者によってはある。
契約書の約款(現状渡し、減額条件、キャンセル料)を要確認。
– 事故車専門業者
– 長所 重度損傷・不動・冠水でも部品・素材・輸出価値で評価。
引き上げ対応や抹消手続きに慣れている。
リサイクル券や還付手続きの扱いもスムーズ。
– 短所 一般車相場よりは当然低い。
地域で業者数が限られることがある。
根拠の補足(業界慣行)
– 多くのディーラーは修復歴車を認定中古ラインに載せない社内基準を持ち、いったんオークションへ卸す運用。
したがって、査定は卸相場マイナス経費・リスクという構造上、上限が決まりやすい。
– 買取専門・事故車専門は、オートオークション・海外業者・解体・部品小売など、複数の出口価格の「最大値」を基準に逆算して買えるため、理論上ディーラー卸より高くつけやすい。
– 事故車は「車両としての価値<部品・素材・輸出価値」となるケースが少なくなく、その場合に専門業者が最も強い価格を出せる。
価格を最大化する実務手順
– 新車の値引きと下取り価格を分離して交渉し、総支払額で比較する(ディーラーの見積書で下取りと値引きを明確化してもらう)。
– 同日に2〜3社の出張査定を同席させ、最終価格を同時入札方式で競わせる。
短時間で相場の上限に近づく。
– 事故の内容は正直に開示。
修理見積・写真・交換部位一覧があれば提示。
– 書類と付属品(車検証、リサイクル券、自賠責、整備記録簿、スペアキー、取説)を揃え、即決条件を整える。
– 時期は繁忙期(1〜3月、9月前後)に需要が強まりやすい。
– 抹消・税金還付(自動車税種別割の月割還付、永久抹消時の重量税・自賠責の未経過分)も含めた手取りで比較する。
専門業者はここを丁寧に説明するところが多い。
まとめ
– 事故車は、ディーラー下取りよりも、買取専門店や事故車専門業者の方が高く売れるケースが大半です。
理由は、ディーラーが店頭再販を前提としない事故車をオークション卸に回す構造で保守的な査定になりやすい一方、専門店は部品・輸出・業販など多様な出口の「最大値」で評価できるためです。
– ただし、ディーラーの下取り補助や決算施策、軽微な損傷でブランド内優遇が働く場合は、ディーラーが拮抗または勝つこともあります。
– 最適解は、ディーラーの条件(値引きと下取りを分離)と、買取専門・事故車専門の同時相見積もりで「総手取り額」を比較すること。
事故内容の開示と、書類・付属品の準備が価格を底上げします。
この進め方なら、あなたの事故車の条件に合った最も高い販路で値付けされる可能性が高くなります。
フレーム修復歴・走行距離・年式など、査定額を左右する要因は何か?
事故車(修復歴あり)の下取り・買取価格は、無事故車の相場を起点に「再販売に要する費用」と「将来のリスク(売りにくさ・クレーム発生確率)」を上乗せして割り引く形で決まるのが通例です。
査定額を大きく左右する要因と、その根拠を実務の流れに沿って整理します。
修復歴(骨格損傷の有無と内容)
– 何が修復歴に当たるか(業界基準)
車体の骨格部位(サイドメンバー、クロスメンバー、ピラー、ダッシュパネル、ルーフパネル、フロア、ラジエーターコアサポート、インナーパネル等)の修正・交換があると「修復歴あり」と扱われます。
フェンダーやバンパーなどボルト止め外板の交換だけでは通常「修復歴あり」にはなりません。
– どこをどの程度直したか
前部骨格>後部骨格>側面(ピラー/ロッカー)>外板の順でマイナスが大きくなりやすい。
エアバッグ展開やサスペンション取付部の変形、フロア/ピラー修正、ルーフ交換などは減額が大きい要素です。
水没・火災は再販リスクが極端に高く、相場が大きく下がります。
– 修理の質と記録
フレーム計測機での測定記録、四輪アライメント結果、溶接部の仕上げ(スポット数、シーラー処理、防錆)、純正部品の使用、修理工程写真、修理明細書が揃っていれば「見えない不安」が減るため減額幅が縮小しやすいです。
– 根拠
安全性・直進性・タイヤ偏摩耗・振動騒音・電装系不具合など将来不具合の不確実性が高まり、再販後のクレーム費用を見込む必要があるため。
国内オートオークションでは修復歴車は評価点がR/RA等になり買い手層が狭まるため落札相場が下がり、これが買取基準になります。
– 価格影響の目安(無事故相場比)
軽微な骨格修正(コアサポート単体・インナーの小修正など) -15〜-30%
骨格交換やピラー/フロア関与、エアバッグ展開あり -30〜-50%
水没・火災・修理品質不明・多箇所骨格 -50%超
ただし希少車・スポーツ車などは需要が強く、割合がやや縮むことがあります。
走行距離
– 一般的な基準感
年間8,000〜10,000km程度が「平均的」。
これを大きく超えると減額が入り、下回ると加点。
初期(〜3年)は距離差の影響が大きく、年数が進むと相対的に影響はやや緩和しますが、10万km超は節目として大きく下がりやすいです。
– セグメント差
商用車・ディーゼルは高走行許容が広い一方、コンパクト・軽・輸入高級車は距離感に敏感。
EVは距離がバッテリー劣化懸念と結びつくため影響が増幅される場合があります。
– 根拠
消耗品交換費用の嵩み、残存寿命低下、保証切れに伴うリスク、オークション買い手の整備原価見込みが価格に反映されるため。
年式(経過年数)とモデルサイクル
– 節目
登録後3年・5年・7年・10年で相場の「段差」が生じやすい。
マイナーチェンジ/フルモデルチェンジで旧型は下がりやすい。
輸入車は初期の減価が大きめ。
– 車検残
車検残が長いと、小売りしやすくなるため加点されやすい(逆に車検切れは整備・諸費用を織り込んで減額)。
– 根拠
新基準の安全装備(自動ブレーキ等)や排ガス規制適合の違い、イメージの陳腐化、維持費・税負担の増加が需要に影響するため。
外装・内装の状態(修復歴以外)
– 傷・凹み・錆・ガラス・ヘッドライトの黄ばみ、内装の汚れ・臭い(喫煙/ペット)などは減点。
タイヤ残溝・ブレーキ・バッテリー等の消耗も費用として織り込み。
– 根拠
再販前の板金・磨き・内装クリーニング・部品交換のコストが査定に直結。
中古車査定は減点方式(業界共通基準)で原価化されます。
グレード・装備・色・駆動方式・ミッション
– 需要の強いグレード、先進安全装備(ACC、LKAなど)、人気オプション(サンルーフ、レザー、純正ナビ/カメラ、ETC2.0、ドラレコ)は相場を押し上げます。
色は白/黒/パールが強く、奇抜色は在庫リスクで弱含み。
ただしスポーツは原色がプラスになることも。
4WDは降雪地で強い。
MTは一般車で弱いがスポーツは強い。
– 根拠
在庫回転(日数)と陳列魅力度が高いほど小売り利益を確保しやすく、買取価格に反映されます。
オークション成約データでも人気仕様は同年式でも高値が付きます。
メンテ履歴・所有履歴の透明性
– 点検記録簿、整備明細、リコール実施記録、ワンオーナー、純正パーツ維持、スペアキー/取説完備、事故修理の明細・写真・計測/アライメント結果などの資料が揃っていると評価が安定します。
– 根拠
情報の非対称性が縮小し、再販後のトラブル確率が下がると見込めるため、買取側の「リスク割引」が小さくなります。
地域差と季節性
– 地域の需要(雪国の4WD、都市部のハイブリッド)、海外輸出台数の強弱、決算期(3月・9月)や繁忙期に相場が強含む傾向。
– 根拠
オートオークションの成約率・落札単価は季節変動があり、業者は直近の相場トレンドを基に仕入上限を決めます。
売却チャネルの違い(下取り vs 買取)
– ディーラー下取りは「新車値引きと合算」で見せ方が変わり、査定が控えめでも総支払額で調整される場合があります。
買取専門店はオークション/自販に直結するため相場に近い。
修復歴車は販路の差が大きく、事故車専門や海外販路を持つ業者のほうが強い価格を出しやすいことが多い。
– 根拠
各社の販売チャネル・在庫回転・保証コストの違いが仕入上限にそのまま反映されるため。
同じ車でも業者間の差が大きく出やすいのが修復歴車の特徴です。
査定の実務プロセス(価格の作られ方)
– 無事故・同条件の直近オートオークション相場(卸値)を基準に、再販に要する原価(修理/整備/クリーニング/名義/輸送/在庫コスト)と粗利、修復歴に伴うリスクプレミアムを控除して買取上限が算出されます。
修復歴車はオークション評価がR/RA/事故現状となり、落札率・単価が下がるため、その差分が減額の核になります。
– 根拠
買取店の収益モデルは「オークション即転売」もしくは「小売り」で、どちらも仕入れ限界は卸相場と再販コスト/リスクで規定されるため。
具体的な価格イメージ例(目安)
– 例1 5年落ちコンパクト 無事故相場100万円
フロントコアサポート交換(骨格軽微) -20万円
走行8万km(平均超過) -10万円
車検残1年 +5万円
傷小/タイヤ6分山 -3万円
人気色パール +3万円
概算下取り目線 75万円前後
– 例2 同条件でピラー修正+運転席/助手席エアバッグ展開
修復歴減額幅拡大 -45万円程度
その他条件同じとして 概算 50万円前後
いずれも相場や地域、販路で上下します。
減額を抑える実践策
– 修理のエビデンスを揃える(計測シート、アライメント結果、修理明細、作業写真、使用部品の内訳)。
– 第三者検査(AIS/JAAAなど)の評価書を取得して提示。
– OBDスキャンでSRS/ABS等のエラーなしを証明、試乗で直進性・ブレーキ挙動を確認してもらう。
– 消耗品(ワイパー、電球、バッテリー弱り、タイヤ極端な偏摩耗)を必要最小限で整える。
– 記録簿・スペアキー・取説・純正戻し可能な社外品の有無を完備。
– 複数社で同日査定を取り、各社の「減額内訳」を聞いて比較。
修復歴車は業者の見立て差が大きいため2〜5社は必須。
– 契約時は二重査定・減額条件(事故歴の追加発見時の取り扱い)を文書で確認。
買取はクーリングオフ対象外が一般的なため、条件面の透明性確保が重要。
– 時期選び(決算期/繁忙期)と販路選定(事故車/輸出に強い業者)で相場の追い風を活用。
注意点(定義と告知)
– 「修復歴あり」の定義は業界ガイドラインに拠ります。
下取り時に申告しなかった場合、引き渡し後に発覚すると減額請求や契約解除の対象になることがあります。
誠実な告知のほうが結果的に高くなるケースが多いです。
– 水没歴は見逃されにくく、臭気や配線腐食、シート下錆で識別されます。
火災歴も同様に大幅減額対象です。
まとめ
– 大きく効くのは「修復歴の有無と内容」「走行距離」「年式」の三本柱。
これに「修理品質の証拠」「装備・色・需要」「外装内装状態」「販路」「季節」が重なって最終価格が決まります。
– 根拠は、最終的に転売されるオートオークションの相場と、小売り時の原価・リスクの見積りです。
つまり、査定額は「再販のしやすさ」と「不確実性の大きさ」をお金に換算したものです。
– 修復歴車は「情報の透明性」を上げるほどリスク割引が縮むため、記録・測定データ・写真の整備が最も費用対効果の高い対策になります。
加えて、複数社比較と販路選定で相場に近づけることができます。
ご希望であれば、おクルマの年式・走行・グレード・修理箇所を教えていただければ、無事故相場の推定レンジと減額要因の当てはめで概算を試算します。
複数社の見積もりを効率よく比較するにはどうすればよいのか?
以下は「事故車の下取り・買取価格を複数社で効率よく比較する方法」と、その方法の根拠です。
実務的な手順と注意点を、具体的にまとめています。
用語と前提の整理(下取りと買取の違い)
– 下取り 新車・中古車の購入先が、あなたの車を引き取って価格を相殺する方式。
販売側の値引きと数字が混ざりやすく、実勢の売却価格が見えにくい。
– 買取 専門の買取業者が現金で買い取る方式。
下取りより高くなることが多いが、手続きが別になる。
– 事故車の定義 一般に骨格部位(フレーム、サイドメンバー、ピラー、ラジエータコアサポートなど)の修復歴がある車は「修復歴有」、未修理でも損傷があれば「事故現状」。
オートオークション上は「R(修復歴)」や「事故現状」扱いとなり、評価基準が大きく変わる。
根拠 下取りは販売時の値引きとセットで提示されやすく、買取は販路(国内小売、オークション、輸出、部品)に応じて明確に原価計算がなされるため、価格競争が働きやすい。
オートオークション(USS等)の運用上、修復歴の有無でグレードや落札需要が大きく変わるため、事故歴の申告は価格影響が大きい。
比較を効率化するための事前準備(精度とスピードの鍵)
– 事故・修理の事実関係を一枚に整理
事故日・損傷部位・修理の有無と箇所・交換部品・修理費見積/請求書の有無・エアバッグ展開の有無・フレーム修正有無。
写真(全景、四隅、損傷箇所、メーター、車検ステッカー、タイヤ山)も用意。
– 車両基本情報を標準化
車検証情報(型式、初度登録年月、車台番号下3桁、類別区分番号/型式指定番号)、グレード、走行距離、色、装備(サンルーフ、レザー、先進安全装備)、改造の有無、スペアキー、取説、メンテ記録。
– 費用・権利関係
リサイクル預託金、残ローンの有無、ナンバー種別、事故での保険修理か自費か、自動車税の状態。
普通車は抹消すると月割還付あり、軽自動車は原則月割還付なし。
自賠責・重量税は解体抹消で一部還付。
– 目標条件を明確化
最高価格優先か、最短入金か、引取日指定か、減額請求リスク回避重視か。
これで候補業者の絞り込み方が変わる。
根拠 情報の非対称性を潰すほど査定のバラツキが減り、業者間の「条件差」だけが浮かび上がるため、比較の効率が高まる。
事故車は瑕疵情報が価格の主要因なので、先に標準化して伝える方が総コスト(再査定・減額・再日程)を下げる。
見積取得の設計(同条件・同タイミング・同情報)
– 一括査定の活用と注意
最短で相場のレンジを把握するには有効。
大量の電話を避けたい場合は、匿名査定やチャット完結型を選ぶ。
一次スクリーニングとして2〜3社に絞るのが効率的。
– 実車査定は同日・同時間帯の「同時アポ」
2〜3社を60〜90分の枠で同時に呼ぶ。
同条件での競争を促し、当日の最高提示を引き出しやすい。
先出しの見積を他社に見せない方が結果的に競争性が保たれる。
– 伝える条件の統一
事故・修復内容、装備、引取場所、引渡時期、名義(個人/法人)、書類の準備状況、残債処理、車両の不具合を同一フォーマットで提示。
後出し情報で減額されないようにする。
– 必ず書面かメッセージで見積をもらう
金額、内訳、引取費用の有無、名義変更費用、車両税金の精算、リサイクル預託金扱い、入金日、キャンセル料、減額条件、提示有効期限を明記させる。
根拠 実車査定は事故車で必須。
タイムスタンプの一致と情報の対称性が最大限の競争を生む。
書面化は後日の減額トラブル(追加損傷の主張等)抑止に機能する。
比較表の作り方(価格以外も点数化)
– 価格内訳
買取価格(税・諸費用込み/別)、引取費用、名義変更費用、残債代行手数料、リサイクル預託金の返金有無。
純粋な受取額で比較。
– 支払条件
入金タイミング(引渡し前/当日/名義変更後)、支払方法(即日振込/翌営業日)、キャンセルの可否と費用。
– 契約条項
減額請求の条件と期限(例 重大隠れ瑕疵のみ、7日以内など)、現状渡しの明記、古物商許可番号、会社所在地。
– オプション
代車の有無、引取日の柔軟性、事故車専門知識(構造部修復の見極め)、海外販路の説明。
根拠 同じ総額でも引取費用や名義手数料で実入りが変わる。
支払期日・減額条項は現金化スピードとリスクに直結するため、価格以外の重み付けが合理的。
価格が動く要因を理解しておく(交渉の基礎体力)
– 販路の違い
国内小売、オートオークション転売、輸出、部品取り・スクラップで採算が異なる。
輸出販路を持つ業者は特定車種(ハイエース、ランドクルーザー、プロボックス/サクシード、SUV、ディーゼル、MT車、低年式でも走行可能)に強く、提示が上がりやすい。
– 原価構造
仕入原価=オークション落札想定−整備・物流・手数料−利益。
事故・修復歴はオークション評価を下げ、落札需要も減るため、仕入上限が下がる。
– スクラップ・部品価値
不動・重度事故車は鉄相場×車重+触媒・アルミ・エンジン等の部品価値−回送費用で価格が決まる。
触媒やディーゼルDPFは相場に感応。
– 時期と需給
月末・四半期末は仕入ノルマで上がる傾向。
3月は名義変更が混雑するが、税の関係で動きが活発。
為替円安期は輸出向けの価格が上がりやすい。
季節(SUVは冬、オープンは春〜夏)も影響。
根拠 買取店は販路に応じた最大転売価格から逆算して提示するため、販路の強い業者ほど上限が高くなる。
オークション・輸出・スクラップはいずれも市況に連動するため時期で差が出る。
下取りと買取の二重見積で「本当の数字」を出す
– 必ず「下取りゼロ+車両本体最大値引き」と「下取りあり+値引き込み」の2パターンの見積を新車/中古車販売店から取り、買取店の最高額と総支払額で比較する。
– 乗り換え便宜(納車までの代車、登録・保険の連携)を金額換算して加味する。
根拠 下取りは値引きと相殺されるため、単体の価格が高く見えても総額で逆転することがある。
二重見積で透明化できる。
交渉実務(短期決戦で最大化)
– 同時査定の最後に「今日その場で決めるので最高値を一本化してほしい」と宣言。
入金日・減額条項も含めた最終条件を引き出す。
– 競合名や金額の詳細は開示しすぎないが、「他社は引取費用無料・当日入金」を示し、非価格条件の改善を求める。
– 有効期限が短い提示に対し、即決の代わりに振込前倒しや減額条項の限定を要求する。
根拠 買取現場は「即決」価値が高く、条件が前進しやすい。
情報非対称性を残すことで価格の上振れ余地を維持できる。
修理してから売るか、現状で売るかの判断
– 基本の式
修理後の期待買取額 − 現状買取額 − 修理費 − 手間・時間コスト − 追加リスクがプラスなら修理に合理性。
– 目安
外装軽微(ボルトオン交換、骨格無傷)で、修理費が10〜20万円程度なら修理後の上振れが上回ることがある。
一方で骨格修正が絡む修復歴有は、修理しても評価がRのままなので上がり幅が限定的で、現状売却が合理的なケースが多い。
根拠 オートオークションの評価基準では骨格修復の有無が支配的。
外板小傷の回復は評価点を押し上げるが、修復歴は等級が変わらないため上限が限定される。
業者タイプ別の使い分け
– 事故車専門買取 修復・骨格評価に長け、部品販路や輸出も持ちやすい。
重度事故・不動車でも高めを狙える。
– 大手総合買取 手続き迅速、資金力と流通量で相場に忠実。
競争の軸に。
– 地場解体・スクラップ 不動・低年式で価値の源泉が金属と部品のとき有利。
– オークション代行・委託販売 時間が許せば高値を狙えるが、手数料と時間リスクあり。
– 個人間売買 事故歴の説明責任とアフターリスクが大きい。
価格は上がりやすいが非推奨。
根拠 それぞれの収益モデルが異なり、同じ車でも上限価格が変わる。
販路のミスマッチを減らすと効率的に高値に届く。
相場把握の簡易手順(目安作り)
– 一括査定での初期レンジ把握(電話・オンライン提示)
– 同型・同年式・同走行の「修復歴有」小売価格を中古車サイトで検索し、粗い逆算(小売−整備−マージン−物流)で買取上限を推定
– 相場感を持って同時実車査定で詰める
根拠 実売と買取のギャップは販促・保証・整備・在庫コストに相当するため、一定の乖離で落ち着く。
事故歴は小売でも値引き要因なので相場レンジが狭まる。
トラブル防止チェックリスト(契約・法務)
– 契約書に「現状渡し・減額請求なし(重大な隠れ瑕疵を除く)」の記載
– 減額請求の期限・要件を明記(例 7日以内、フレーム歪み等の重大事項のみ)
– 入金期日・名義変更期日の記載、完了報告書の受領
– 引取時の車両状態の相互確認(写真・動画で残す)
– 会社情報(商号、所在地、古物商許可番号)、担当者の氏名・連絡先
根拠 事故車は引渡し後の減額交渉が起こりやすい。
事前の開示と契約の限定で多くの紛争を予防できる。
スケジュール例(48〜72時間で決め切る)
– Day 0 情報と写真の整理、一次一括査定、2〜3社選定
– Day 1 同時実車査定の設定、書面見積の取得
– Day 2 条件の横比較、最終交渉、即日契約・入金手配
– Day 3 引取・名義変更書類受渡し
根拠 需給・社内目標・市況は変動するため短期勝負が有利。
引き延ばすと提示の鮮度が落ちやすい。
付随費用・精算の盲点
– リサイクル預託金は基本的に買取価格に含めるか別返金。
取扱を確認
– 普通車の自動車税は抹消で月割還付。
名義変更/抹消のどちらか、誰がいつ行うか明確に
– 自賠責・重量税は解体抹消時のみ一部還付(業者経由で手続き可)
– 出張査定・引取費用・レッカー費の有無を確認
根拠 純粋な受取額はこれらの精算で数万円単位で動く。
初めから条件化し比較すべき。
個人情報・負担の最小化
– 一括査定は連絡が多いので、専用メール・サブ番号を活用
– 立会いは1回にまとめ、夜間・土日対応可の業者を選ぶ
– 書類は事前にチェック(車検証、印鑑証明/委任状、譲渡証、リサイクル券、実印または認印の要否)
根拠 物理的な接触回数とコミュニケーションコストを減らすと比較の効率が大きく上がる。
価格判断の現実的な目安と注意
– 事故歴ありの車は、同条件の無事故車に対して10万〜数十万円規模で下がることが一般的だが、骨格修復の有無や車種・需要で幅広い。
重度・不動はスクラップ価値に連動。
– 軽微な外装損傷は現状のままでも需要があればさほど落ちない場合もある。
– 一社だけ突出して高い場合は、後日の減額前提の可能性を疑い、契約書でリスク限定を。
根拠 オークション評価と需要曲線に基づく一般的傾向。
出色の提示にはスキーム(販路優位/減額狙い)があることが多い。
まとめ
– 効率よく比較する要点は、情報の標準化、同時実車査定、書面化、総受取額と契約条件の横比較、短期決戦の5点。
– 根拠は、買取各社の販路・原価構造とオートオークション評価基準、輸出・スクラップの市況連動性にある。
事故車は情報の非対称性が価格差となって表れやすいため、開示を先に標準化し、同条件で競争させると最大化できる。
– 最後は「価格×支払スピード×リスク」の総合点で決める。
減額条項・入金期日・名義変更の確実性を契約で担保し、トラブルを未然に防ぐことが肝心。
この流れで進めれば、最小の手間で最大の比較効果が得られ、事故車でも最も合理的な売却条件に到達しやすくなります。
高く売るための最適なタイミングと交渉のコツは何か?
以下では、事故車(一般に「修復歴車」や「事故現状車」を含む)をできるだけ高く売るための「最適なタイミング」と「交渉のコツ」を、実務的な手順と根拠付きで詳しくまとめます。
結論だけでなく、なぜそうなのか(根拠)も各項目で示します。
事故車の基本認識
– 日本の中古車市場では「骨格部位(フレーム・ピラー・クロスメンバー等)の修復歴」があるかどうかが価格を大きく左右します。
バンパー交換や外板の板金だけなら「無事故扱い(軽微修理)」となるケースもあり、査定額の落ち方が違います。
– 事故車の販路は大きく3つに分かれます。
①国内再販(軽微修復・人気車中心)、②輸出(年式や走行距離よりも耐久性や右ハンドル需要、現地部品調達性が重視)、③解体・部品取り・スクラップ(鉄相場や部品需要が直結)。
どの販路にハマるかの見立てが価格を決めます。
高く売るための最適なタイミング
1) 年間の需要ピークを狙う
– 1~3月(新生活・決算期) 需要が最も強く、在庫回転を急ぐ買取店・販売店が仕入れを積極化します。
事故車でも再販・輸出・部品取りのいずれかで動きやすく、相場が底上げされやすい。
根拠 新生活需要(進学・就職・転居)と国内ディーラー・中古車店の決算(3月末)で仕入れ圧力が高まる業界慣行。
– 6月・12月(ボーナス期) 購入需要が波及し、相場が相対的に強含みになりやすい。
根拠 季節要因による展示車回転率向上と仕入れ意欲の高まり。
2) 月次サイクルと四半期末を活用
– 月末・四半期末(3月・6月・9月・12月) 担当者の仕入れ目標がある買取店は「今月中に台数を積みたい」ため、終盤に上振れ提示が出やすい。
根拠 店・個人のKPI(台数・粗利)に紐づくインセンティブ制度が一般的。
3) 車検残の長い時期に売る
– 車検が残っていると再販・輸出に回しやすく、買取側の整備・輸送コストが下がるため評価が上がりやすい。
検切れ直前に慌てて通すより、事故車は「通さずに売る/通して売る」を必ず試算してから決める。
根拠 車検残は転売時の原価に直結。
事故車は整備で想定外コストが出やすく、買取側がリスク見積もりを上げがち。
検切れだと回送・仮ナンバー等の手間が増しマイナス査定。
4) 自動車税・重量税の制度面
– 自動車税(種別割)は毎年4/1時点の名義人に年額課税。
4/1をまたぐ所有は翌年度分を基本的に負担(名義変更では還付なし、抹消時のみ還付の仕組みが一般的)。
3月中に売却・名義変更を完了させるメリットがある。
– 抹消(廃車)で売る場合は、車検残があれば自動車重量税の還付制度(抹消時還付)があり、還付分を価格に上乗せ交渉できる可能性。
根拠 地方税法に基づく4/1基準課税の運用、重量税の抹消還付制度(車検残が一定以上ある場合に還付対象)。
5) 相場環境(為替・鉄相場・半導体供給)
– 円安時は輸出向け需要が強まりやすく、事故車でも海外での修復・部品取り前提で値が付くケースが増える。
– 鉄スクラップ相場が高い時期は、重い車種や不動車でも下支え効果。
– 新車供給が滞ると中古車需給が逼迫し、全体相場が底上げされる。
近年は半導体不足の影響が緩和方向だが、依然として人気モデルは高止まり傾向が残る局面も。
根拠 貿易・資源価格と中古車輸出の相関、国内新車納期と中古流通の置換関係は業界で広く観測される現象。
6) モデルチェンジ・部品需要の波
– 同型車が街に増え、年数が経つほど修理用中古部品の需要は増加。
事故車でも人気車(例 ハイエース、ランクル、アルファード、プリウス、アクア等)は部品価値・海外需要が高く、相場が崩れにくい。
根拠 パーツ需給と車種別流通量の関係、輸出先での定番車種の強さ。
交渉のコツ(実務ステップ)
1) 複数チャネルで同時査定
– 事故車専門買取、輸出業者、解体業者、一般の中古車買取、新車ディーラーの下取りを少なくとも3~5社比較。
状態により最適チャネルが変わるため横断が必須。
– 一括査定サービスを使いつつ、事故現状・不動車対応を明記している業者にも個別打診。
遠方引取の可否・レッカー費用込みかも確認。
根拠 販路ごとに期待収益(再販・輸出・部品)が異なり、同一車でも1~数十万円単位で差が出るのが通例。
2) 情報開示で「不確実性コスト」を削る
– 修復箇所、交換部品、事故時の保険見積・修理見積、エアバッグ作動の有無、フレーム修正歴、走行可否、警告灯、故障コード(可能なら簡易OBDチェック)、整備記録簿、リコール履歴を揃える。
– 写真は外装四隅、下回り、エンジンルーム、タイヤ溝、室内、修復部位のアップを数枚ずつ。
根拠 買い手は不確実性にリスクマージンを上乗せする。
情報が増えるほどマージンが薄まり、上値を出しやすい。
3) クリーニングと「費用対効果」の線引き
– 室内清掃・脱臭・簡易洗車・ヘッドライトくすみ取りは安価で印象改善。
小キズ・小凹みは無理に板金せず、事故車の本質価値(機関・骨格・部品)で勝負。
根拠 入口印象は査定の心理的ハロー効果に効く。
一方で事故車の高額修理は投下資本を回収しづらい。
4) 付属品と予備で「足し算」交渉
– 取扱説明書、整備記録簿、スペアキー、純正ナビ・ETC、スタッドレス、ルーフキャリア、純正外しパーツ等を提示。
「これら含めた総額での提示」を求める。
– 逆に高額社外品(ホイール等)は相場より過小評価されがち。
需要が薄い場合は外して個別売却を検討。
根拠 再販時に付属品は販促価値。
社外品は買い手層が限られ、業者はリスクを見て控えめ評価。
5) 相見積りの使い方(アンカリングとラストルック)
– 高値の業者名は出さずに「このくらいのレンジ感の提示がある」とだけ伝え、最終見積を引き出す。
– 「本日決めるならいくら?」と尋ね、期末・月末は特に強気に。
口頭価格は必ず見積書・査定表にしてもらい、引取条件・不具合発見時の減額条件も明記させる。
根拠 アンカリング効果と担当者の当月KPI。
書面化で後出し減額リスクを抑制。
6) オークション・代行を視野に
– 店頭買取が伸びない場合、業者オークション代行(USS・TAA・CAA・JU等)を利用できる買取店や代行業者に相談。
事故現状コーナーや輸出向けレーンで競り上がることがある。
根拠 複数バイヤー競合は理論的に落札価格の期待値を押し上げる。
代行手数料・陸送費を差し引いても手取りが増えるケースあり。
7) 価格以外の条件も数字にする
– レッカー・引取費用、名義変更手数料、抹消手続き費用、税金還付の帰属、自賠責残の扱い、振込タイミング(前払・当日・後日)を明文化。
総支払額ベースで比較。
根拠 見かけの買取額が高くても諸費用で目減りする「実質手取り」の落とし穴を回避。
8) ローン残債・所有権留保の処理
– 残債がある場合は残債確認書を取り寄せ、所有権が販売店・信販会社にあるなら譲渡手続きの段取りをすり合わせる。
残債超過なら追い金の資金計画も早めに。
根拠 名義・所有権がクリアでないと買取側は「取引不成立リスク」を見込んで価格を抑える。
9) トラブル予防
– 契約書の「減額条項(後日重大事故歴が見つかった場合等)」「キャンセル料」「引取後の責任範囲」を確認。
高圧的な即決迫り・預り金要求には慎重に。
– 査定士の資格(日本自動車査定協会の査定士等)や第三者検査(AISなど)の有無は参考指標。
根拠 後出し減額・キャンセル料トラブルは業界で散見。
予防が最良の防御。
具体的なスケジュール提案
– 4~6週間前 車種別の売れ筋販路を把握(人気車=再販/輸出、マイナー車・重損=解体系)。
必要書類と記録類を整理。
簡易清掃。
– 3~4週間前 写真一式を用意し、事故現状可の業者も含めて見積り開始。
概算を取り、上位3~5社に実車査定。
– 1~2週間前 高値2社に条件改善を打診。
レッカー費用・税金還付の取り扱い・入金日を詰め、書面化。
– 最終週 月末・期末を狙い最終決定。
即日入金・当日引取など付帯条件で+αを引き出す。
車種・状態別の着眼点
– 走行可能な軽微修復 国内再販・輸出の競合を作りやすく、車検残と装備で上振れ狙い。
– 走行不良・エアバッグ展開・骨格大破 部品取り・スクラップの見積りも必ず取得。
鉄相場が高い時期はプラス。
– 人気輸出車(ハイエース、ランクル、旧型プリウス等) 円安期・海外需要期はとくに強気で複数査定。
– EV・PHV 高電圧バッテリーの健全性・保証条件が価格左右。
事故歴のバッテリー影響は丁寧に情報提示。
よくある質問への短答
– 少し直してから売るべき?
費用対効果。
事故車は高額修理を回収しにくい。
写真と見積で「直す前提の値段」と「直さない値段」を両取りして比較。
– 下取りと買取はどちらが高い?
乗り換え優遇や値引きとの抱き合わせで見えにくい。
車両値引きと下取りを切り分けて総額比較が必須。
– 平日と週末どちらが有利?
期末・月末>曜日。
即決余地が大きいのは月末終盤の平日夕方など、裁量決裁が通りやすいタイミング。
根拠の整理
– 需要期(1~3月、ボーナス期)、期末・月末の上振れ 国内販売サイクルとKPI主導の仕入れ強化は業界慣行として定着。
– 税制(4/1基準課税、抹消還付) 4/1時点所有者課税、抹消時の重量税還付制度は制度上の事実。
名義変更では自動車税の月割還付は原則なし。
– 車検残と再販可能性 再販・輸出での即戦力在庫は原価・手間が下がり、評価が上がる実務。
– 情報開示と価格 不確実性のリスクプレミアムは評価学の基本ロジック。
事故内容の透明化でマージンを縮小可能。
– 為替・鉄相場・新車供給 中古車輸出は円相場の影響が大きく、鉄スクラップは部品取り・解体価格に連動。
新車不足時は中古代替が増加。
– 複数チャネル競合 オークション理論上、競合者数の増加は期待落札価格を引き上げる方向に働く。
交渉で使える一言例
– 「同条件でこのレンジの提示があります。
総支払額ベースで最終提案をお願いします。
」
– 「レッカー費用・名義変更・抹消手続きは御社負担で、後出し減額なしの金額をご提示ください。
」
– 「本日(今月)決める場合のベストプライスと、入金タイミングを書面でお願いします。
」
– 「車検残と重量税還付分の扱いを見積書に明記してください。
」
必要書類チェック
– 普通車 車検証、実印・印鑑証明書、譲渡証明書・委任状、自賠責保険証、リサイクル券、納税関係書類、スペアキー、整備記録簿
– 軽自動車 車検証、認印(地域で異なる)、自賠責、リサイクル券、納税関係、スペアキー、整備記録簿
注意 2020年代以降は一部の納税証明の提出省略や電子手続き対応など運用が更新されている地域があるため、事前に買取業者と確認。
最後に
– ベストな売却タイミングは、「1~3月の決算シーズン」「月末・期末直前」「車検残が十分ある時期」「円安・鉄相場高・需要強含みの局面」が重なるときが最適解になりやすいです。
– 交渉面では、複数チャネルの同時競合、情報開示による不確実性の圧縮、総支払額ベースの比較、書面化、期末の即決カードの活用が王道です。
これらを実行すれば、事故車であっても数万円~数十万円レベルで手取りが改善するケースは珍しくありません。
現在の相場環境(為替・鉄相場・需要期)と車両の特性(車種人気・走行可否・骨格損傷の有無)を踏まえ、最適なタイミングと販路選定を行ってください。
なお、税・手続きは地域や制度改正で細部が変わる場合があるため、最新の運用は必ず買取業者と管轄窓口に確認してください。
【要約】
業界でいう事故車は骨格修理歴のある「修復歴車」。外板交換程度は除外。下取りは修復歴の軽度で2~3.5割、中度3~5割、重度4~6割下落。修復歴なしの事故歴は0.5~1.5割。冠水・火災は5~9割。車種・年式・人気・修理品質で変動。人気車・高額車は下落拡大、年式古・多走行は縮小。冠水は電装腐食リスク高く部品取り水準。表示基準は自公協やAIS等に準拠。オークションはR/RA評価。