自動車税の「月割・清算」とは何で、どんなケースで発生するのか?
ご質問の「自動車税の月割・清算」とは何か、どんなときに発生するか、そして根拠や計算方法について、実務で使われている考え方と法的な位置づけの両面から詳しく整理します。
ポイントは「行政が行う月割(課税・還付)」と「取引当事者が行う清算(私的な精算)」を区別すること、そして普通車と軽自動車で取扱いが異なることです。
用語の整理(行政の月割 vs. 取引の清算)
– 月割(行政の制度)
– 都道府県が課す自動車税(種別割。
いわゆる普通車の年税)について、年度の途中で「新規登録・再登録」が行われた場合に、その登録月から年度末(3月)までを月割で課税する仕組み、または「抹消登録(廃車・輸出等)」が行われた場合に、翌月から年度末までの未経過分を月割で還付する仕組みを指します。
– これは法定の公租公課としての手続きで、都道府県が納付書を発行したり、還付(振込・振替払出し)を行うものです。
– 清算(売買等の私的な精算)
– 中古車の売買・名義変更などで年度途中に所有者が変わる場合、法的には毎年4月1日時点の所有者に当該年度分の自動車税(種別割)がまるごと賦課されます。
名義変更自体では税の月割課税・還付は発生しません。
– そこで実務では、引渡し月の翌月から年度末までの「未経過相当額」を売主・買主の間で授受する慣行があり、これを「(自動車税の)清算金」「未経過相当額の清算」と呼んでいます。
これは契約上の合意に基づく私的清算で、税務当局が関与するものではありません。
– 軽自動車(軽自動車税・種別割)でも同様の私的清算慣行はありますが、行政側の月割課税・還付は原則ありません。
行政が行う月割(普通車の自動車税・種別割)
– 月割課税が発生するケース
– 新車・中古車を「新規登録」した場合(初めての登録)
– 一時抹消していた車を「再登録」した場合
– この場合、登録月を含めて3月までの月数分を月割で課税され、都道府県から納税通知が届きます。
– 月割還付が発生するケース
– 永久抹消(廃車)、輸出抹消、一時抹消などでナンバープレートを返納し、登録を抹消した場合
– 抹消した月の「翌月」から年度末までの月数分について、既納の当該年度分から月割で還付されます。
– 発生しないケース(重要)
– 単なる「移転登録(名義変更)」では、月割の課税・還付はありません。
4月1日の所有者に対し、その年度分がまるごと賦課されたままです。
– 軽自動車(軽自動車税・種別割)との違い
– 軽自動車は市町村税で、4月1日現在所有者に年額が賦課され、原則として年度途中の登録・抹消による月割課税・還付はありません(多くの自治体で途中還付なし)。
ただし私的な清算は当事者間の合意で行われることがあります。
行政の月割の計算方法(普通車)
– 基本式(課税)
– 課税額=その車の当該年度の年税額×(登録月から3月までの月数)÷12
– 例 年税額39,500円の普通車を11月に新規登録した場合
– 対象月数=11月〜3月の5か月
– 月割課税額=39,500×5/12=16,458.33…
– 端数処理=都道府県の条例による(多くは100円未満切り捨て等)。
仮に100円未満切捨てなら16,400円。
– 基本式(還付)
– 還付額=その車の当該年度の年税額×(抹消翌月から3月までの月数)÷12
– 例 年税額45,000円の普通車を9月20日に抹消
– 還付対象月=10月〜3月の6か月
– 還付額=45,000×6/12=22,500円(端数処理は各都道府県の条例)
– 月数の数え方と端数
– 課税は「登録月を含む」、還付は「抹消月の翌月から」。
– 端数処理(1円未満・10円未満・100円未満の切捨て等)は自治体条例で定まります。
実務では通知書記載額に従います。
– 注意
– グリーン化特例等で年税額が上下する年度は、その年度の実額で計算されます。
– 新規登録直後に抹消するなど特殊なケースは、納付・還付のタイミングや金額が近接しますが、計算ロジックは同じです。
取引当事者が行う「清算」(私的精算)
– どんなときに発生するか
– 年度途中に中古車の売買や名義変更が行われると、4月1日現在の所有者に年税が賦課されたままです。
売主が既にその年度の自動車税を支払っている場合、売買後に買主が車を利用する期間(引渡し翌月〜3月)の「未経過相当額」を買主が売主に払い戻す、という形で清算します。
– まだ当該年度の税が未納で、買主が負担する合意にする場合は、売買代金とは別に「当該年度自動車税相当額」を預かり、納税通知書の到来後に納付する(あるいは買主が直接納付する)実務もあります。
– 軽自動車でも同様に私的清算が用いられます(行政の月割は原則なし)。
– 清算の計算方法(慣行)
– 基本式=当該年度の年税額×(引渡し翌月から3月までの月数)÷12
– 例 年税額34,500円の普通車を7月10日に買主へ引渡し
– 清算対象月=8月〜3月の8か月
– 清算金=34,500×8/12=23,000円(端数は契約で1円単位・100円未満切捨てなど取り決め)
– 例 3月25日に引渡し
– 清算対象月=4月〜3月ではなく、当該年度内の未経過は0か月。
通常は清算ゼロ。
なお4月1日時点の所有者が翌年度の納税者になるため、誰が翌年度分を負担するかを契約で決める。
– 誰がどの年度の税を負担するかの典型パターン
– 4/2〜翌3/31の引渡し 当該年度の法的納税義務者は4/1時点の所有者(売主側が多い)。
清算で未経過分を買主が負担。
– 3月末〜4月初の引渡し 翌年度の納税義務者がどちらになるかが変わるため、契約で「翌年度分は買主負担」として預かる、または引渡し日・名義変更日を調整するのが実務上一般的。
– 実務上の注意
– 清算はあくまで契約上の取り決めで、法的強制力はありません。
計算方法・端数処理・対象月(引渡し月を含むか翌月からか)も契約条項で定めます。
多くの業者は「翌月起算・100円未満切捨て」等の社内基準を用います。
– 売主が抹消して還付を受けるケースでは、清算ではなく「行政からの還付金」で調整するのが通常です(この場合、買主による名義変更ではなく、いったん抹消→買主が新規登録という流れになることがあります)。
– 自動車税の未納があると車検継続に支障が出るため、取引に際しては前年度分までの納付状況を確認するのが慣行です。
軽自動車(軽自動車税・種別割)の取り扱い
– 行政の月割課税・還付の原則なし
– 市町村税で、4月1日の所有者に対して年額が賦課され、年度途中の登録・抹消による月割や還付は行われないのが一般的です(各自治体条例により例外的取り扱いがあればそれに従います)。
– 私的清算の慣行
– 中古売買では普通車同様に、引渡し翌月〜3月の未経過相当額を当事者間で清算することがあります。
ただしこれは契約上の合意であり、自治体が関与するものではありません。
根拠(法令・制度の出典)
– 自動車税(種別割)の基本構造(納税義務者、賦課期日=毎年4月1日、税率)
– 地方税法(都道府県税編)に定め。
2019年の税制改正で名称が「自動車税」から「自動車税(種別割)」に変更。
– 月割課税・月割還付(普通車)
– 地方税法および各都道府県の条例・規則で、年度途中の新規登録・再登録に対する月割課税、抹消等に対する月割還付の仕組み、端数処理(例えば100円未満切捨て等)が規定されています。
具体の端数処理・事務手続きは都道府県の告示・要領に従います(東京都主税局、神奈川県税事務所等の公式案内に同旨の説明あり)。
– 軽自動車税(種別割)
– 地方税法(市町村税編)および各市区町村条例により、4月1日現在の所有者に年額賦課とされ、原則として年度途中の月割・還付がない取扱いが示されています(市区町村の公式案内参照)。
– 私的清算の性格
– 清算は法定の税金ではなく契約上の合意に基づく金銭精算であり、法令で金額や方法が強制されるものではありません。
慣行上、業界団体・オークション会場・販売店が内部規程で算式・端数処理を定めて運用しています。
まとめ(発生場面と計算の要点)
– 行政の月割(普通車)
– 新規登録・再登録=登録月を含む月割「課税」
– 抹消(廃車・輸出・一時抹消)=抹消翌月からの月割「還付」
– 計算=年税額×対象月数/12(端数は条例)
– 取引の清算(普通車・軽とも)
– 名義変更のときに当事者間で未経過相当額を精算
– 典型式=年税額×(引渡し翌月〜3月の月数)/12
– 金額・端数・起算日は契約で合意(多くは翌月起算・100円未満切捨て)
– 軽自動車
– 行政の月割・還付は原則なし。
取引時の清算は合意ベース。
以上を踏まえ、実際の金額を出す際は「その年度の年税額(グリーン化特例の加減含む)」と「対象月数(課税は登録月含む、還付は翌月から、清算は契約どおり)」、そして「端数処理(自治体・契約の取り決め)」の3点を確認すれば、誤りなく算定できます。
各都道府県・市区町村の公式サイトには、月割課税・還付の具体例や端数処理、手続書類が掲示されていますので、該当自治体の案内も合わせてご確認ください。
月割計算の基本ルール(月の起算日・カウント方法・端数処理)はどうなっているのか?
前提の整理
– ここでいう「自動車税」は、登録自動車(いわゆる普通車・小型車)に課される都道府県税の「自動車税(種別割)」を指します。
軽自動車(軽四輪等)の「軽自動車税(種別割)」は市町村税で取り扱いが異なり、月割の仕組みは基本的にありませんので注意してください。
– 自動車税(種別割)は毎年度(4月1日から翌年3月31日まで)を課税期間とし、4月1日現在の所有者等に対して年額で課税されるのが大原則です。
この大原則の例外的な取り扱いとして、年度途中の登録・抹消・移転などがあった場合に「月割」で賦課・更正・還付が行われます。
月割計算の基本ルール(起算日・カウント・端数処理)
1) 起算日(いつから数えるか)
– 登録(新規登録・中古車の移転登録)、抹消(一時抹消・永久抹消・輸出抹消等)などの「異動があった日の属する月の翌月」から起算します。
– つまり、異動が生じた月については日割り計算を行わず、当該月は旧状態(異動前)の負担で完結させ、翌月から年度末(3月)までを対象に月数を数えます。
– 例 7月20日に中古車の移転登録をした場合、月数カウントは8月から開始。
11月2日に抹消した場合、月数カウントは12月から開始。
2) 月数のカウント方法(どこまで数えるか)
– カウントの終点は原則として当該年度の末月(3月)です。
– 新規登録・移転登録時の「課税」または「税額更正(旧所有者の減額と新所有者の月割賦課の付け替え)」は、翌月から3月までの月数ぶんを年額に按分して算定します。
– 抹消等による「還付」は、翌月から3月までの月数ぶんを年額に按分して算定します(還付が発生するのは抹消等で当該年度の途中で車両が登録簿から外れる場合。
単なる所有者の移転では原則、自治体からの還付はありません)。
– 月中の何日に異動があっても月数は変わらず、日割りはありません。
異動が3月にあれば翌月は4月(翌年度)になるため、当該年度に関する月数は0です(=年度中の月割課税・還付は生じない)。
3) 端数処理の方法(割り切れないときの処理)
– 年税額×(月数/12)で算出した結果に端数が出る場合、「1円未満は切り捨て」とするのが通例です(多くの都道府県条例にこの旨の規定があります)。
– 実務上は「円未満切捨て」で処理され、1円単位で確定します。
100円単位での端数処理ではありません。
– 例 年税額39,500円、月数8なら 39,500×8/12=26,333.333… → 26,333円(1円未満切り捨て)。
4) 課税と清算(「誰が負担するか」の整理)
– 4月1日現在の所有者に年額がいったん課されますが、年度途中で移転登録があった場合、旧所有者の税額は「その月まで」で更正され、新所有者に「翌月から3月まで」の月割額が賦課されます。
– ただし、自治体から旧所有者へ「移転による還付金」が支払われるわけではありません(還付は抹消等の場合のみが原則)。
そのため、中古車売買の現場では、取引当事者間で未経過相当額(翌月から3月までの月割相当額)を「月割清算」するのが慣行です。
– リース車などでは、納税義務者(名義人)と実際の使用者(借受人)との間の清算方法は契約に従います(税法の規定ではなく民間契約の問題)。
月割額の算定手順(実務フロー)
– 手順1 車両区分・排気量・経過年数等から当該年度の年税額(自動車税種別割の年額)を確認する。
– 手順2 異動の種類(新規登録・移転登録・抹消等)と日付を確定し、「異動日の属する月の翌月」から「3月」までの月数nを数える。
– 手順3 月割額=年税額×n/12(1円未満切り捨て)で計算する。
– 手順4 移転登録のときは、旧所有者の負担(4月~異動月まで)と新所有者の負担(翌月~3月まで)に分解できる。
取引当事者間の清算はこの区分に合わせるのが一般的。
具体例
– 例1(新規登録の月割課税)
年税額 39,500円。
登録日 7月20日(新車または中古車の新規登録)。
月数 8月~3月の8か月。
月割額 39,500×8/12=26,333.333… → 26,333円。
納付先 新所有者に対して都道府県から月割の納税通知が来る(通常は後日)。
例2(抹消による月割還付)
年税額 39,500円。
抹消日 11月2日(一時抹消)。
月数 12月~3月の4か月。
還付額 39,500×4/12=13,166.666… → 13,166円。
備考 還付は抹消手続が受理され、必要書類の提出後に行われる。
単なる名義変更では還付はない。
例3(移転登録時の清算の考え方)
年税額 34,500円。
移転登録日 9月5日(売買)。
旧所有者の負担期間 4月~9月の6か月。
新所有者の負担期間 10月~3月の6か月。
新所有者に対する月割課税(10~3月) 34,500×6/12=17,250円(1円未満なし)。
実務 売買代金のやり取りとは別に、当事者間で17,250円を目安に「自動車税の未経過相当額」を清算するのが一般的(契約で異なる取り決めも可能)。
よくある誤解・注意点
– 日割りはありません。
月中何日に異動があっても、起算は翌月からです。
– 3月中に抹消しても当該年度分の還付はありません(翌月は4月=翌年度のため、月数0)。
– 軽自動車税(種別割)には月割の仕組みが基本的にありません。
4月1日現在で課税の有無が決まり、年度途中の取得・抹消で市町村からの還付・月割課税は原則ありません(盗難等の特例や自治体独自の取扱いがある場合を除く)。
– 所有者の移転による負担の付け替え(更正)は自治体側の課税関係の話であり、売主・買主間の清算金の支払義務は法律で自動的に定まるものではありません。
売買契約・業界慣行に基づく私人間の調整です(トラブル防止のため、売買契約書に清算条項を明記するのが望ましい)。
– エコカー減税の経年重課・グリーン化特例などで年税額が上下する場合でも、月割の計算方法自体(翌月起算・3月まで・12分の月数按分・1円未満切捨て)は同じです。
法的根拠(概要)
– 自動車税(種別割)の基本枠組み
地方税法(都道府県税の章)において、自動車税(種別割)の納税義務者、課税標準、年税額、賦課期日(4月1日現在)等が規定されています。
2019年(令和元年)の税制改正で従来の自動車税が「自動車税(種別割)」に衣替えされ、同時に自動車取得税が廃止され「自動車税環境性能割」が創設されましたが、年税としての根幹や4月1日賦課期日の考え方は維持されています。
– 月割の賦課・更正・還付
地方税法および各都道府県の自動車税関係条例・規則に、年度途中の登録・抹消・移転があった場合の「翌月から3月までを対象とする月割の賦課」、および「税額の更正・還付」の手続と算定方法が定められています。
多くの条例は、月数の起算点を「異動日の属する月の翌月」と明記し、算式を「年税額×月数/12」と規定しています。
– 端数処理
地方税法の通則および各都道府県条例に、税額計算における端数処理(円未満の端数は切り捨て)に関する規定が置かれています。
これにより、月割計算で生じる小数点以下は1円未満切捨てで処理されます。
– 具体例の公的資料
各都道府県の公式サイト(例 東京都主税局、神奈川県県税事務所、大阪府税務課など)が「自動車税(種別割)の月割課税・還付」「月割の数え方」「移転登録時の取扱い(還付はない/当事者間清算)」等の案内ページと月割額早見表を公開しており、実務運用を確認できます。
最終的には当該車両を所管する都道府県の条例・規則・実務案内に従ってください。
まとめ
– 月割の起算日 異動日の属する月の翌月から。
– カウント方法 翌月から当該年度末(3月)までの「整数の月数」を数える。
日割りはなし。
– 端数処理 年税額×月数/12で計算し、1円未満は切り捨て。
– 還付があるのは「抹消等」の場合。
移転登録では原則、自治体から還付はなく、旧所有者と新所有者の間で未経過相当額を清算するのが慣行。
– 根拠は地方税法(自動車税〈種別割〉関係)および各都道府県の税条例・規則にあり、各都道府県の公式案内で同旨の運用が明示されている。
もし対象が軽自動車(軽四輪等)であれば、月割という概念は基本的に適用されませんので、別途お住まいの市区町村の軽自動車税の案内をご確認ください。
各都道府県で微細な運用差(文言や端数規定の表現差)はあり得るため、最終判断は当該都道府県の条例・事務取扱いに従うのが確実です。
排気量や車種区分・減税特例で税額はどう変わり、具体的な計算例はどうなるのか?
自動車税の「月割清算」は、法律で定めた課税・還付の月割計算(公的な月割)と、中古車売買などで当事者同士が年税を月割して按分する商慣習(私的な精算)の二つが混ざって語られがちです。
以下では、制度の全体像、排気量・車種区分・減税特例での金額の変わり方、そして実務での具体的な計算例と根拠を、順序立てて詳しく解説します。
自動車の税目の整理(混同しやすいポイント)
– 自動車税(種別割) 都道府県税。
毎年4月1日現在の所有者に課税される年税。
登録自動車(いわゆる普通車・小型車など)が対象。
年度途中の登録・抹消に関しては「公的な月割課税・月割還付」がある。
– 軽自動車税(種別割) 市区町村税。
軽自動車や原付・小型二輪などが対象。
原則として月割課税・還付はない(4月1日基準の年税)。
途中で廃車しても還付は原則なし。
– 自動車税(環境性能割) 取得時にかかる都道府県税。
月割精算の対象ではない(取得時一度きり)。
以下の月割は、特に断りがない限り「自動車税(種別割)」(登録自動車)についての説明です。
何がいくらになるか(排気量・車種区分・減税特例の基本)
– 乗用車(自家用)の場合 総排気量区分で年税額が決まる。
2019年10月以降に新車登録された車は恒久減税後の金額が適用され、代表的な標準年税額はおおむね次のとおり。
– 1000cc以下 25,000円
– 1000超〜1500cc 30,500円
– 1500超〜2000cc 36,000円
– 2000超〜2500cc 43,500円
– 2500超〜3000cc 50,000円
– 3000超〜3500cc 57,000円
– 3500超〜4000cc 65,500円
– 4000超〜4500cc 75,500円
– 4500超〜6000cc 87,000円
– 6000cc超 110,000円
注 2019年9月30日以前の初度登録車は、旧税率(やや高い)区分が適用されます。
実額は都道府県税条例で定められ、標準税率を採用している自治体が大半です。
貨物車・バス等(事業用・自家用の別、車両総重量・最大積載量・用途区分など)
乗用車とは別体系。
金額水準や区分の切り方が異なる(総排気量ではなく重量や用途で決まる)。
具体額は各都道府県税条例によるため、該当車の区分を確認のこと。
軽自動車税(軽四輪・原付等)
軽四輪乗用(自家用)で標準年額は10,800円など、区分に応じて定額。
原則として月割なし・還付なし。
老朽車の重課や翌年度の軽課(グリーン化特例)は軽自動車側にもあるが、仕組みと率は登録自動車とは別体系。
減税・重課(グリーン化特例等)
グリーン化特例(軽課) 新車登録の翌年度分の自動車税(種別割)を、燃費性能や電動化の度合いに応じて軽減(例 電気・燃料電池等は大幅軽減、優良低燃費は50%・25%軽減など)。
年度や基準改定により細部は変わるため、毎年度の総務省・都道府県の公表を確認。
経年重課(いわゆる重課) 初度登録から一定年数を経過した車に概ね15%上乗せ。
一般にガソリン・ハイブリッド等の乗用は13年超、ディーゼル乗用は11年超が目安。
貨物・事業用等では取扱いが異なる場合あり。
留意点 軽課・重課がある場合、月割の計算もその「調整後の年税額」を基礎とする。
公的な月割の基本ルール(登録自動車/自動車税・種別割)
– 課税の基準日 毎年4月1日現在の所有者にその年度の年税が課税。
– 年度途中に新規登録(または転入・再登録)した場合 その年度は「登録月の翌月から3月まで」の月数に応じて月割課税される(1か月未満の日割はなし)。
– 抹消登録(一時・永久・輸出)した場合 抹消月の翌月から3月までの未経過月数分が月割還付(名義変更だけでは還付はない)。
– 月割の端数処理 税金としての課税・還付は、都道府県条例で「100円未満切り捨て」が一般的。
実務上の「月割清算」(中古車売買での按分)
– 法的義務ではなく商慣習。
4月1日時点の所有者に年税が来るため、年度途中で売買した場合、売主と買主の間で年税を月割按分して精算するのが一般的。
– 取引での起算は契約で決める。
多くは「譲渡月までは売主負担・翌月から買主負担」。
月途中の売買でも日割はせず、譲渡月1か月をどちらが負担するかを約定する。
– 実務の端数処理 公的月割(100円未満切捨て)に合わせるか、円単位で計算するかは当事者の合意。
ディーラー見積では10円または100円単位で調整する例が多い。
計算式(覚えやすい形)
– 公的な月割課税/還付
– 月割額 = 年税額 × 対象月数 ÷ 12
– 対象月数 登録(課税)は「登録月の翌月から3月まで」。
抹消(還付)は「抹消月の翌月から3月まで」。
– 端数処理 100円未満切り捨て(条例ベース)。
– 売買の私的清算(慣習)
– 清算額 = 年税額 × 買主負担月数 ÷ 12
– 買主負担月数は「譲渡の翌月から3月まで」とするのが一般的(取決めによる)。
具体的な計算例
例1 年度途中の新規登録(公的な月割課税)
– 条件 総排気量1,496cc(1.5L以下の区分)、年税額30,500円。
8月に新規登録(自家用乗用、減税・重課なし)。
– 対象月数 登録月の翌月から3月まで=9月〜3月の7か月。
– 課税額 30,500 × 7 ÷ 12 = 17,791.6… → 100円未満切捨てで17,700円。
– 備考 翌年度以降は通常どおり年額(30,500円)で課税。
例2 抹消に伴う月割還付(公的な還付)
– 条件 総排気量1,998cc(〜2.0L)、年税額36,000円。
10月15日に一時抹消。
– 対象月数 抹消月の翌月から3月まで=11月〜3月の5か月。
– 還付額 36,000 × 5 ÷ 12 = 15,000円(端数なし)。
– 注意 名義変更(譲渡)だけでは還付は出ない。
抹消や輸出抹消が要件。
例3 中古車売買の月割清算(私的清算)
– 条件 総排気量1,998cc(〜2.0L)、年税額36,000円。
7月20日に個人間売買。
契約は「譲渡月(7月)まで売主、8月以降買主」。
– 買主負担月数 8月〜3月の8か月。
– 清算額 36,000 × 8 ÷ 12 = 24,000円。
– 備考 この清算は当事者間の取り決め。
納税通知自体は4月1日所有者(本例では売主)に届いている点に注意。
例4 重課がかかる場合の月割
– 条件 初度登録から13年超のガソリン乗用、総排気量1,496cc、基礎年税30,500円、重課率15%上乗せ。
11月に一時抹消。
– 重課後の年税額(目安) 30,500 × 1.15 = 35,075 → 100円未満切捨てで35,000円(実際の重課額は条例の端数規定により決定)。
– 還付対象月数 抹消月の翌月から3月=12月〜3月の4か月。
– 還付額 35,000 × 4 ÷ 12 = 11,666.6… → 11,600円(100円未満切捨て)。
例5 新車翌年度のグリーン化特例(軽課)がある場合
– 条件 総排気量1,998ccの低燃費車、年税36,000円。
新車登録の翌年度は50%軽課の対象。
10月に名義変更(売買)し、私的清算を行う。
– 翌年度の年税(軽課適用) 36,000 × 50% = 18,000円。
– 清算(翌年度分を見越して按分する合意がある場合の一例) 9月末の売買で、「10月〜3月の6か月を買主負担」としたとき、18,000 × 6 ÷ 12 = 9,000円。
– 注意 軽課の対象となる年度・率は政策改定で変わる。
清算の対象年度・金額は合意で明確化すること。
例6 軽自動車(軽四輪乗用)の清算
– 条件 軽自動車(自家用乗用)、年税10,800円。
6月に売買。
– 公的制度 軽自動車税は原則月割課税・還付なし。
税金は4月1日所有者の年額。
– 私的清算(慣習) 「7月〜3月の9か月を買主負担」と取り決めた場合、10,800 × 9 ÷ 12 = 8,100円を売主へ精算。
端数処理は合意による。
実務上の注意・落とし穴
– 3月登録・3月抹消の扱い 3月に登録した場合、その年度は登録月の翌月(4月)からではなく、課税対象期間が存在しないため月割課税は生じない(翌年度から年税)。
3月に抹消した場合、翌月(4月)から3月までの未経過月がないため還付は生じない。
– 名義変更では還付されない 還付は抹消等が前提。
名義変更(譲渡)だけでは、4月1日所有者に対する年税はそのまま有効で、当事者間清算で調整する。
– 盗難・事故等 盗難で一時抹消を行えば未経過分の還付対象になり得る。
事故で廃車し抹消した場合も同様。
– 端数処理・丸め 公的な課税・還付では100円未満切り捨てが原則。
私的清算では円単位・10円単位・100円単位のいずれかを合意で明確に。
– 区分の見落とし 乗用/貨物、自家用/事業用、ディーゼル/ガソリン、初度登録年月による税率差(2019年10月以降の恒久減税適用の有無)などで金額が変わる。
車検証(自動車検査証)の「用途」「自家用・事業用の別」「初度登録年月」「燃料の種類」「総排気量」を必ず確認。
根拠(法令・公的資料)
– 地方税法(昭和25年法律第226号)
– 自動車税(種別割)および自動車税(環境性能割)に関する規定(課税客体、賦課期日=毎年4月1日、月割課税・月割還付の取扱い、標準税率、グリーン化特例の趣旨等)。
– 実際の税率・端数処理・重課・軽課の細目は、地方税法の標準税率を基礎に各都道府県税条例で定められる。
– 各都道府県の自動車税(種別割)案内
– 例 東京都主税局・大阪府府税等の公式ページに「月割課税・還付の計算方法」「端数処理」「重課・軽課」等の説明が掲載。
– 総務省 自動車関係税制(グリーン化特例の年度ごとの内容)
– 自動車税(種別割)の翌年度軽課(環境性能に応じた軽減)の適用条件・率は、毎年度の総務省資料・通知で明示。
– 国土交通省「自動車の税金」総合案内
– 税目の全体像(種別割・環境性能割・重量税など)と改正の概要。
最後に(まとめ)
– 登録自動車の月割は「登録月/抹消月の翌月から3月まで」の月数で計算し、年税額×対象月数÷12(100円未満切捨て)が基本。
– 乗用の年税額は総排気量で決まり、2019年10月以降登録は恒久減税後の額。
貨物・バス等は用途・重量等で別体系。
– 減税特例(新車翌年度の軽課)や経年重課がある場合は、その調整後年額を基礎に月割する。
– 軽自動車税は原則として月割なし(還付もなし)。
中古車の月割清算は商慣習で、当事者間の合意で按分する。
具体の金額や端数処理は都道府県の条例・運用でわずかに差が出ることがあります。
最終的には、車検証の記載と、所管の都道府県税事務所・市区町村税務担当の最新案内で確認してください。
新規登録・廃車・名義変更・売買時の清算は誰とどうやって行うのか?
ご質問の「自動車税の月割清算(どう計算するか/誰とどう清算するか)」について、制度の全体像と場面別(新規登録・廃車・名義変更・売買)の実務、さらに法的な根拠まで整理して詳しく説明します。
ここでいう「自動車税」は、2019年10月以降の名称で「自動車税(種別割)」を指します。
普通車などの「登録自動車」に適用される都道府県税で、軽自動車等にかかる市町村税(軽自動車税(種別割))とは扱いが異なります。
まず押さえる基本ルール
– 課税主体と対象
– 自動車税(種別割) 都道府県税。
普通車などの登録自動車が対象。
– 軽自動車税(種別割) 市区町村税。
軽自動車・バイク等が対象(こちらは原則、月割課税・還付なし)。
– 年度と賦課期日(基準日)
– 納税義務者(誰が1年分を負担するか)は、毎年4月1日時点の所有者(使用者)です。
課税期間は4月1日から翌年3月31日。
– 月割の考え方(登録自動車のみ)
– 年度の途中で「新規登録」した場合は、その月から年度末(3月)までを月割で課税。
– 年度の途中で「抹消登録(廃車)」した場合は、翌月から年度末までの未経過分が還付。
– 名義変更(移転登録)だけでは月割の課税・還付は生じません。
4月1日の納税義務者は変わらず、その年度の対県税の清算は起きないため、売買当事者間で任意に月割清算を行うのが実務慣行です。
新規登録(初度・再登録)の清算
– 誰と清算するか 所有者と都道府県(=対県税の課税)
– 4月1日を過ぎてから新規登録した場合、登録月を含めて3月までの月数分を、都道府県から納税通知で請求されます。
– ディーラー購入では、登録諸費用として販売店が立替納付し、車両代金と一緒に請求されることが多いです(代理納付の実務)。
– どう計算するか(概算式)
– 自動車税年額 × 登録月から3月までの月数 ÷ 12
– 端数処理は各都道府県税条例に従います(通常は100円未満切捨て等)。
– ミニ例
– 年税額39,500円の普通車を7月20日に新規登録した場合
– 対象月 7〜翌年3月の9カ月
– 月割税額 39,500 × 9/12 = 29,625円(端数処理は条例による)
– 根拠(概要)
– 地方税法(都道府県税の章)における自動車税(種別割)の賦課期日(4月1日基準)、年度途中の新規登録に対する月割課税規定、および各都道府県の自動車税条例・規則(端数処理や納付方法等)。
廃車(抹消登録)の清算
– 対象手続
– 永久抹消、一時抹消、輸出抹消のいずれも「抹消登録」により課税対象から外れるため、月割還付の対象となります(盗難等での返還の可否は別途の要件あり)。
– 誰と清算するか 所有者と都道府県(=還付)
– 運輸支局で抹消登録が完了すると、その情報が都道府県税事務所に連携され、未経過分の月割還付の手続きが始まります。
– 還付の受取は、都道府県からの通知に従って指定口座への振込、または金融機関・コンビニ等での払戻し(県により異なる)。
– どう計算するか(概算式)
– 自動車税年額 × 抹消の翌月から3月までの月数 ÷ 12
– 抹消した月は還付対象に含めません(翌月からカウント)。
– ミニ例
– 年税額39,500円の車を10月5日に抹消した場合
– 還付対象月 11〜3月の5カ月
– 還付額 39,500 × 5/12 = 16,458円相当(端数処理は条例による)
– 実務の流れと注意
– 抹消は「手続完了日」が基準。
月末間際の手続で日をまたぐと翌月扱いになり得るため、還付月数に影響します。
– 未納がある場合は相殺されることがあります。
自動車税以外の県税滞納があれば、還付充当の可能性にも注意。
– 一時抹消後に同年度内で再登録すれば、その再登録月から3月まで再度月割課税されます。
– 根拠(概要)
– 地方税法における月割課税・過誤納金還付の規定、各都道府県条例・規則(払戻方法や端数処理)。
名義変更(移転登録)の清算
– 対県税の扱い
– 名義変更だけでは、当該年度の都道府県との間で月割課税・還付は発生しません。
4月1日の所有者がその年度分を負担し続けます。
– 誰と清算するか 売主と買主の当事者間で任意精算
– 実務では「引渡し月の翌月から3月まで」を基準に、年税額の未経過月分を買主が売主に支払う取り決めが一般的です(売買代金とは別建て、または込み)。
– どう計算するか(一般式)
– 自動車税年額 × 引渡し翌月から3月までの月数 ÷ 12
– 当事者合意で「引渡し当月を含める/含めない」も可能ですが、慣行上は翌月起算が多いです。
– ミニ例
– 6月10日に個人間売買で引渡し
– 精算対象月 7〜3月の9カ月
– 買主→売主の清算額 年額 × 9/12
– 実務の注意
– 売主が当該年度の自動車税を未納のままだと、次回車検時に必要な納税証明の取得で買主が困る場合があります。
売買時に「納税証明書(継続検査用)」の確認を強く推奨。
– 清算条件は売買契約書に明記(年税額の根拠、対象月数、端数処理、支払時期・方法)。
売買時の清算(ディーラー経由・個人間の違い)
– ディーラー下取・販売
– 下取車(売主側) ディーラーが当年度の未経過月分を査定に反映(いわゆる税金還付相当)することが多い。
– 購入車(買主側) 登録月ベースで都道府県への月割課税が生じるため、登録諸費用として見積に計上(販売店が立替納付)。
– 売買双方が同時だと、見積書・精算書の中で相殺されるのが通例。
– 個人間売買
– 当事者間で前記の式により合意清算。
支払の証拠を残すため、領収書や契約書に金額・算定根拠・対象月を明記。
– 名義変更手続(運輸支局)それ自体は、税の清算と独立して進められますが、未納があるとトラブル要因。
軽自動車税(種別割)の取扱い(参考)
– 原則
– 軽自動車・バイク等の軽自動車税(市町村税)は、毎年4月1日の所有者に年税を課税。
年度途中の新規登録・廃車・名義変更に月割課税・還付はありません(ごく一部の例外を除く特例は各条例参照)。
– したがって、売買時の月割清算は当事者間の任意に過ぎず、公的な清算は行われません。
– 根拠(概要)
– 地方税法(市町村税の章)における軽自動車税(種別割)の規定、および各市区町村税条例。
関連する周辺トピックと実務のコツ
– 自動車税環境性能割との混同注意
– 取得時に一度だけ課される都道府県税(旧自動車取得税の後継)で、月割清算の対象ではありません。
登録・名義変更の都度の課税要件・税率は別枠。
– 住所変更・転居
– 翌年度の納税通知は4月1日時点の登録情報の住所あて。
売買・引越し後は速やかに住所変更・名義変更をすることで、通知紛失・滞納リスクを避けられます。
– 手続の締切と損得
– 還付は「抹消翌月」起算、課税は「登録当月」起算が原則。
月末・月初の手続タイミングは、1カ月分の損得に直結します。
– リース車
– 名義(所有者)がリース会社であるため、納税義務者・還付受領者はリース会社。
月割相当の清算はリース料に内包され、契約条項に従います。
– 支払・還付の実務
– 納付 金融機関・コンビニ・口座振替・ペイジー・スマホ決済等(都道府県により提供手段が異なる)。
– 還付 県からの案内に従い、指定口座振込または払出。
未納県税があれば相殺の可能性。
法的根拠(条文の所在と趣旨のまとめ)
– 自動車税(種別割)の根拠
– 地方税法(昭和25年法律第226号)の「都道府県税」の章に、自動車税(種別割)の納税義務者、賦課期日(4月1日)、税率・年税額表、年度途中の登録に対する月割課税、抹消時の過誤納金還付等の基本規定があります。
– 具体的な年税額、端数処理、納付方法、還付手続などの詳細は、各都道府県の「自動車税(種別割)条例」および「規則・施行規程」に定められています。
– 軽自動車税(種別割)の根拠
– 地方税法の「市町村税」の章に、軽自動車税(種別割)の納税義務者、賦課期日(4月1日)等を規定。
原則として月割課税・年度途中還付は行わない建付けであり、その旨は各市区町村の税条例・案内でも明示されています。
– 登録・抹消の根拠
– 道路運送車両法および同施行規則に、登録・抹消(永久・一時・輸出)や名義変更(移転登録)の要件・手続が規定され、それを起点に地方税側の賦課・還付が連動します。
最後に、計算・清算の要点だけ再掲します。
– 新規登録(登録自動車) 所有者と都道府県で月割課税。
登録月を含めた月数で算定。
– 廃車(抹消登録) 所有者と都道府県で月割還付。
抹消の翌月から年度末までの月数で算定。
– 名義変更(移転登録) 都道府県との清算はなし。
当事者間で任意に「翌月起算」で月割清算するのが通例。
– 軽自動車・バイク 原則として月割なし・還付なし。
売買時の清算は当事者間の任意。
都道府県や市区町村の条例・運用により、端数処理や手続細目、支払・還付方法に差があります。
実務の前には、該当の都道府県税事務所・市区町村税務課、または販売店・行政書士等に最新の運用と必要書類をご確認ください。
よくある勘違いとトラブルを避けるための注意点は何か?
以下は、日本の自動車税(種別割)の月割清算・計算に関する実務のポイント、よくある勘違いとトラブル、そして根拠の整理です。
売買現場での「月割清算」(当事者間の取り決め)と、法令・税務上の「月割課税・月割還付」(自治体による賦課・還付)を分けて理解するのが肝心です。
用語と制度の前提整理
– 自動車税(種別割) いわゆる「普通車」の年税。
都道府県税。
毎年度4月1日時点の所有者(またはみなし所有者)に対して、その年度分の年額が課税されます。
– 軽自動車税(種別割) 軽四輪・二輪・原付などの年税。
市区町村税。
こちらも毎年度4月1日時点の所有者等に年額課税。
– 月割課税(自治体の仕組み) 年度途中に新たに登録(新規登録・一時抹消からの再登録等)した場合、その月から年度末(3月)まで月割で課税されます。
普通車は確実に月割課税。
軽自動車も多くの市区町村で月割課税が行われます(詳細は各市区町村の条例に依存)。
– 月割還付(自治体の仕組み) 普通車は年度途中に抹消登録(永久・一時・輸出抹消等)をすると、翌月から年度末までの残り月数に応じて月割で還付されるのが通例。
軽自動車は原則として抹消しても月割還付はありません(例外的な取扱いがある自治体もありますが、基本は「還付なし」)。
– 月割清算(私的な取り決め) 売買や名義変更の際、4月1日を基準に自治体が課税する仕組みとは別に、売主と買主の間で「未経過分を月割で按分」して金銭調整する実務慣行。
法令で強制されるものではなく、あくまで契約上の合意です。
普通車(登録自動車)の計算実務
– 年度途中の抹消による還付
計算の基本式(多くの都道府県の例) 還付額=年税額 × 還付月数 ÷ 12(端数処理は各都道府県条例。
100円未満切捨て等が一般的)
還付月数=抹消等をした翌月から3月までの月数
例 年税3万9,500円、8月20日に抹消→還付月数は9~3月の7カ月→3万9,500 × 7 ÷ 12 ≒ 2万3,021円(端数処理は条例による)
– 年度途中の新規・再登録による月割課税
課税対象月=登録した月から3月まで(自治体側が月割で賦課)。
– 名義変更(譲渡)のみでは自治体の月割還付・再賦課はありません
4月1日時点の所有者にその年度の年額がかかるため、途中で売っても「税務上」は還付されません。
ここが「私的清算」と混同されがちな点です。
軽自動車(四輪・二輪・原付)との相違
– 多くの市区町村で、年度途中の新規登録には月割課税があります(翌月から3月までの課税等)。
ただし、抹消時の月割「還付」は原則ありません。
– したがって、軽自動車の売買で「月割清算」をするかどうかは完全に当事者間の合意の問題になります。
税務上の裏付け還付がないため、清算ルールは契約に明記しておくのが安全です。
売買時の月割清算(私的取り決め)の典型と注意
– よく使われる計算式(一般的な商慣行の一例)
清算額=(その年度の年税額 ÷ 12)× 残り月数
残り月数の起算は「名義変更の翌月から翌年3月まで」とするのが多い(自治体の還付起算に合わせる考え方)。
当月日割はしないのが一般的。
– 端数処理の合意
1円未満切り捨て、10円未満切り捨て、100円未満四捨五入など、事前に取り決める。
商習慣は地域や事業者で差が出ます。
– 清算対象は「自動車税(種別割)」に限定すること
自動車重量税(車検時に前納)、自賠責保険料(強制保険)、取得時の環境性能割(一時税)は別物。
混同せず、必要なら別建てで清算条項を置く。
よくある勘違い・トラブルと回避策
– 勘違い1 名義変更すれば自治体が自動で月割還付・再課税してくれる
事実 普通車の「譲渡」では還付も再課税もありません(4月1日基準)。
月割清算は当事者間の取り決め。
契約書に清算の有無・算定方法・支払時期・端数処理を明記。
– 勘違い2 軽自動車も抹消すれば月割還付が出る
事実 原則、軽自動車は抹消しても月割還付なし。
売買時に月割清算するなら、合意がすべて。
市区町村の課税・還付は期待しないこと。
– 勘違い3 日割計算が一般的(今日売れば今日までで按分)
事実 自動車税は月単位が基本。
当月はまるまる1カ月扱い、翌月起算が一般的。
日割を主張すると揉めやすい。
どうしても日割にしたい場合は明確な合意が必要。
– 勘違い4 3月末の売却でも次年度の納税義務は買主
事実 4月1日時点で名義が変わっていなければ、前所有者に翌年度の年額が課税。
3月の売買は「名義変更完了期限」を契約条件に入れ、完了報告と遅延時の負担を取り決めておく。
– 勘違い5 未納でも車検はどうにかなる
事実 現在は多くの地域で納税情報が電子連携され、滞納があると継続検査が通りません。
売買前に未納の有無を確認し、売主側で納付・証憑提示(または電子確認)を。
– 勘違い6 重量税・自賠責も「月割清算」に含まれる
事実 重量税は車検期間で前納、自賠責も保険期間で前納。
税と保険の性質が異なるため、清算するなら別建て・別計算。
混ぜない。
– 勘違い7 グリーン化特例(軽課)や経年重課を見落とす
事実 その年度の年税額は、初度登録の翌年度のみ「軽課」になったり、一定年数経過で「重課」になったりします。
清算の基礎額は現実の年税額。
標準税率で計算して誤差・紛争になりがちなので、納税通知書の金額や自治体サイトの税額表で確認。
– 勘違い8 抹消の「日」を気にしなくてよい
事実 還付は「翌月起算」。
同じ月内なら何日に抹消しても還付月数は同じですが、月をまたぐと丸々1カ月差が出ます。
月末ギリギリは事務遅延で翌月扱いのリスクがあるため余裕を持って手続き。
– 勘違い9 一時抹消からの再登録でも名義変更と同じ
事実 一時抹消中は課税が止まり、再登録すると月割で課税されます。
通常の名義変更(継続登録)とは課税関係が異なる。
抹消渡しの中古車を再登録する買主は、登録月からの月割税を自治体に支払う点に注意。
– 勘違い10 所有権留保・リース車も同じ
事実 所有権留保付やリース車は、地方税法上「みなし所有者(使用者)」に課税される扱いがあり、納税義務者・納税通知書の送付先が一般の自家用車と異なる場合があります。
契約主体と納税義務者を必ず確認。
– 勘違い11 環境性能割も月割清算の対象
事実 環境性能割は取得時の一時税で、年税ではありません。
月割の概念はなく、売買の清算対象に含めるのは不適切。
– 勘違い12 端数処理はどこも同じ
事実 自治体の還付は条例で端数処理が定められ、100円未満切捨て等が一般的。
私的清算の端数処理は合意次第。
端数で揉める前に契約書へ明記。
– 勘違い13 前年度未納は清算で相殺すればよい
事実 滞納は延滞金や差押等のリスクがあり、清算相殺では解決しません。
売買前に未納を解消し、証跡(領収や電子確認)を揃えるのが安全。
– 勘違い14 書類を渡せば名義変更は相手がすぐやってくれる
事実 3月は運輸支局が混み、名義変更が4月にずれ込むことは現実的に発生。
委任状・譲渡証明・期限条項・違約時の負担(次年度税の帰属)を契約で担保する。
実務での計算例(普通車)
– 前提 年税額39,500円(総排気量1.5Lクラスの一例)
– 売却・名義変更日 11月10日
– 清算の考え方(一般例) 名義変更の翌月(12月)から翌年3月までの4カ月を買主負担
– 算式 39,500 ÷ 12 × 4 ≒ 13,166円
– 端数処理 100円未満切り捨てで13,100円、といった取り決めを契約書に明記しておくと揉めにくい
実務上のチェックリスト
– 清算対象と範囲 自動車税(種別割)限定か、重量税・自賠責は別建てか
– 月数の起算 翌月起算・当月含まずで合意しているか
– 端数処理 1円単位・10円単位・100円単位のどれか
– 年税額の根拠 最新の納税通知書、または自治体の税額表で確認(重課・軽課の反映)
– 手続期限 名義変更・抹消・再登録の実行日、3月跨ぎのリスク管理
– 未納の有無 納税証明(紙または電子確認)で事前チェック
– 所有権・リース 納税義務者の確認(みなし所有者の扱い)
– 軽自動車 還付なしを前提に、清算の要否と方法を明記
根拠・参照の方向性
– 地方税法および各都道府県・市区町村の条例・規則
・自動車税(種別割)の賦課期日(毎年4月1日)、納税義務者、月割課税(新規・再登録)および抹消時の月割還付の根拠は地方税法と都道府県条例に規定。
・軽自動車税(種別割)の賦課期日(4月1日)、年度途中の取得時の月割課税、抹消時の還付の有無は地方税法と市区町村条例に規定。
多くの市区町村で「新規は月割課税、抹消の月割還付は原則なし」と案内されています。
– 自治体の公式解説
・都道府県税事務所のウェブサイトに「自動車税(種別割)の還付について」「一時抹消・輸出抹消時の還付」「月割課税の考え方」「端数処理の方法(例 100円未満切捨て)」が掲載されるのが一般的。
・市区町村の税務課サイトに「軽自動車税(種別割)の年度途中の登録・廃車と課税の取り扱い」「還付の有無」が掲載されています。
– 国土交通省・運輸支局の案内
・抹消登録(永久・一時・輸出抹消)、新規登録・再登録の手続きと、その結果としての課税関係の変化は、国交省および運輸支局の手続案内と各自治体の税説明で整合的に示されています。
– 実務通達・FAQ
・「4月1日現在の所有者に課税」「名義変更のみでは月割還付なし」「軽自動車は抹消しても月割還付なし(原則)」は、自治体FAQで繰り返し明記されている共通事項です。
最後に
– 自動車税の月割を巡る最大の混乱点は、「自治体が行う課税・還付」と「当事者間の清算」を混同することです。
名義変更だけでは自治体の月割還付は生じません。
普通車の還付は「抹消」がトリガーである点を押さえてください。
– 軽自動車は「新規は月割課税がある一方、抹消の月割還付は原則なし」という非対称な設計で、ここも誤解が頻発します。
– 3月の売買は最もトラブルが多い時期です。
名義変更完了日を契約上の必達条件にし、達成できない場合の税負担の帰属も明確化しましょう。
– 年税額は重課・軽課により変動します。
最新の納税通知書や自治体の税額表を根拠資料として、清算額の算定根拠を残すのが安全です。
不明点は、所管の都道府県税事務所(普通車)または市区町村税務課(軽自動車)に直接確認すると確実です。
端数処理などの細目は条例で差があるため、最終判断は所在地の自治体案内に従ってください。
【要約】
自動車税の「月割」は都道府県が行う制度で、普通車は新規・再登録で登録月から3月まで月割課税、抹消で翌月から還付。名義変更のみでは発生しない。軽自動車は原則途中還付なし。一方「清算」は中古車売買等で当事者間が未経過分を授受する私的慣行。計算は年税×対象月/12(課税は登録月含む、還付は抹消翌月から、端数は条例)。