自動車税と自賠責の精算・還付はどんなときに発生するのか?
以下では、「自動車税(種別割)」「軽自動車税(種別割)」「自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)」それぞれについて、いつ・どんな場合に“精算(清算)”や“還付(返戻)”が発生するのかを、実務と法的根拠の両面から詳しく整理します。
結論だけ知りたい方は、各項目の「ポイント」だけ拾っていただいても大丈夫です。
用語と全体像
– 自動車税(種別割)
– 都道府県税。
いわゆる「普通車(登録車)」等にかかる年税。
毎年4月1日現在の所有者にその年度分(4月~翌年3月)が課税されます。
– 年度途中の新規登録は月割課税、抹消(廃車・一時抹消・輸出抹消)時は未経過月の月割還付があります。
– 軽自動車税(種別割)
– 市区町村税。
軽自動車・原付等にかかる年税。
原則として月割課税・月割還付はありません(年度途中に廃車しても当該年度の還付はないのが一般)。
– 自賠責保険
– 法定の強制保険。
車両に付帯します。
原則として「売却・名義変更では解約せずそのまま引き継がれる」ため保険会社からの返戻は発生しません。
– 一方、抹消(廃車・一時抹消・輸出抹消)等により契約を途中解約した場合は、未経過期間分の保険料が返戻されます。
自動車税(種別割)の精算・還付が発生する主なケース
– 1) 永久抹消・一時抹消・輸出抹消したとき(普通車等)
– 還付の考え方
– その年度の年税をすでに全額納めている場合、抹消した月の翌月から翌年3月までの「未経過月数」に応じて月割で還付されます。
– 計算イメージ 還付額 ≒ 年税額 × 未経過月数 ÷ 12(1か月未満は切捨て。
抹消月は含みません)
– 例 年税45,000円の普通車を6月15日に一時抹消→未経過は7~3月の9か月→45,000×9/12=33,750円程度が目安。
– 手続
– まず運輸支局で抹消登録(ナンバー返納)。
その登録情報が都道府県税事務所へ連携され、原則として4月1日現在の納税義務者宛てに還付手続の案内や振込が行われます(自治体により、還付請求書の提出や口座登録が必要)。
– 盗難等の場合
– 盗難車でも「一時抹消登録」を行えば、以後の月割還付・翌年度以降の課税停止に繋がります(警察届出の上、登録手続を要します)。
– ポイント
– 譲渡(売却・名義変更)だけでは還付はありません。
抹消が必須。
– 還付の起算は「抹消の翌月」から。
月内の何日に抹消しても、翌月起算で同じです。
2) 年度途中に新規登録したとき(普通車等)
精算の考え方
新規登録の月から年度末(3月)までの月割で課税されます。
登録手続の際に月割相当を納付します。
実務上の精算
ディーラーや販売店が登録時に月割分の自動車税を代納し、見積もりに「自動車税(種別割・月割)」として計上するのが一般的です。
3) 売買時の「未経過相当額の民間精算」(普通車)
実務では、中古車を買取店・販売店に売却する際、当該年度に既に納めている自動車税の「未経過相当額」を売買代金に上乗せして返してくれる(または相殺する)慣行があります。
これはあくまで当事者間の商慣行による精算であり、法的な税の還付ではありません。
公的な還付は抹消登録を伴う場合にのみ都道府県から行われます。
4) 軽自動車(原付含む)の場合
原則として年度途中の月割課税・月割還付がありません。
したがって、年度途中に廃車しても当該年度分の税金は戻りません(翌年度からは課税停止)。
例外的な扱いの可能性
二輪の小型自動車(排気量250cc超など、運輸支局登録の大型二輪)は「軽自動車税」ではなく「自動車税(種別割)」の対象であり、普通車同様に抹消時の月割還付の取り扱いとなるのが一般です。
詳細は管轄の県税・市町村税窓口の案内に従ってください。
還付を最大化する実務上のコツ
抹消は月内のいつでも結果は同じ(翌月起算のため)。
4月1日を跨ぐと新年度課税が確定するため、年度末(3月)までに抹消を完了させると翌年度課税を回避できます。
売却のみで終えると公的還付はありません。
還付を狙うなら抹消(または輸出抹消)まで行う必要があります。
法的根拠(要点)
地方税法(昭和25年法律第226号)
自動車税(種別割)が都道府県税であること、賦課期日(4月1日)や年税であること、月割課税・月割還付の考え方等が規定されています。
軽自動車税(種別割)は市町村税で、原則月割なしの運用が条例・実務で定着。
具体の計算・事務の詳細は各都道府県の条例・規則・事務取扱要領に委ねられています(例 県税事務所の「抹消時の還付」案内)。
自賠責保険の精算・返戻が発生する主なケース
– 1) 永久抹消・一時抹消・輸出抹消したとき
– 返戻の考え方
– 車両を使用できない状態として登録上も抹消した場合、契約を途中解約でき、未経過期間分の保険料が返戻されます。
– 計算は保険会社所定(多くは月割・1か月未満切捨て)で、返戻金=未経過保険料相当額(会社により極少額の事務料が差引かれる場合あり)。
– 必要書類(代表例)
– 自賠責保険証明書(原本)
– 抹消登録を示す書面(登録識別情報等通知書・抹消登録証明書、軽二輪・原付なら市区町村の廃車証明)
– ナンバープレート返納の控え(該当時)
– 振込先口座、本人確認書類、委任状(代理人手続時)
– 手続先・期限
– 加入した保険会社(または代理店)で解約請求。
原則として有効期間が1か月以上残っていることが目安。
返戻まで1~4週間程度が一般的。
2) 売却・名義変更したとき
原則として解約・返戻はありません。
自賠責は車に付帯するため、残存期間は車と一緒に買主へ引き継がれます。
実務上の「精算」
中古車取引では、残存する自賠責の価値(残り月数分)を売買価格の中で調整する慣行があります。
これは民間同士の金銭精算であり、保険会社からの返戻ではありません。
3) 事故車の全損・盗難等
事故や盗難そのものでは解約事由になりませんが、結果として抹消登録(または輸出抹消)を行えば、上記と同様に未経過分の返戻が可能です。
長期未発見の盗難の場合も、実務上は一時抹消を行い解約手続を取ります。
法的根拠(要点)
自動車損害賠償保障法(自賠法)
自賠責保険加入義務や保険の基本枠組みを規定(売買時に保険を付けたまま引き継ぐ実務の根拠)。
自賠責保険普通保険約款(共済は共済約款)
解約と返戻(未経過保険料の返還)に関する具体的な条項は各社の約款に規定。
損害保険料率算出機構の運用基準・Q&A等でも標準的な取扱いが示されています。
よくある質問と注意点
– Q 名義を変えただけなのに自動車税が還付されないのはなぜ?
– A 自動車税(種別割)は4月1日時点の所有者に年税がかかり、譲渡(名義変更)だけでは還付は発生しません。
抹消が必要です。
売買時の“未経過分の返金”は、あくまで当事者間の任意精算です。
– Q 軽自動車を年の途中で廃車した。
税金は戻る?
– A 通常は戻りません(翌年度以降の課税は止まります)。
軽自動車税は原則月割還付がありません。
大型二輪(250cc超)など「軽自動車税でなく自動車税(種別割)」対象の車種は、普通車同様の月割還付の扱いです。
– Q 自賠責の返戻を最大化するには?
– A 抹消月の翌月からが未経過となる点は自動車税と同様で、月内のいつ抹消しても返戻の起算は翌月。
4月1日直前・直後で優劣はありませんが、抹消手続きを早めに済ませるほど返戻期間は長くなります。
– Q 誰に還付される?
– A 自動車税は4月1日の納税義務者に還付されるのが原則(売買があっても変わりません)。
自賠責は契約者(名義人)に返戻されます。
具体例(簡易)
– 例1 普通車(年税39,500円)を11月10日に一時抹消
– 自動車税還付=39,500×(12~3月の4か月)/12=約13,167円
– 自賠責(残り14か月)を解約→保険会社の月割基準により未経過分返戻(1か月未満切捨て)
– 例2 軽自動車を7月に廃車
– 自動車税(軽自動車税)は当年度還付なし(翌年度から課税停止)
– 自賠責は抹消して解約すれば未経過分返戻あり
手続の流れ(概要)
– 自動車税(種別割)
– 1) 運輸支局で抹消(ナンバー返納)→2) 県税事務所がデータ連携→3) 還付案内・振込(自治体によっては申請書提出)→4) 受取
– 自賠責
– 1) 抹消完了→2) 保険会社(または代理店)で解約請求→3) 書類提出→4) 精査→5) 返戻金振込
根拠・参照先(主なもの)
– 地方税法(昭和25年法律第226号)
– 自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)の賦課期日(4月1日)、課税客体、月割に関する基本枠組みを規定。
具体の月割・還付の取扱は各都道府県条例・実務通達で詳細化。
– 総務省 地方税ポータルや各都道府県税事務所の「自動車税(種別割)の抹消時の還付」案内が実務根拠として有用。
– 自動車損害賠償保障法
– 自賠責保険の加入義務・基本制度を規定。
途中解約・返戻の具体は約款に委任。
– 自賠責保険普通保険約款(各社)
– 解約・返戻の条項、未経過保険料の算定、必要書類等を規定。
損害保険料率算出機構のQ&A・運用基準も参照可能。
– 国土交通省 自動車登録手続案内
– 抹消登録(一時・永久・輸出)や盗難時の手続、必要書類の公式解説。
まとめ(要点)
– 自動車税(種別割)
– 還付が出るのは「抹消(廃車・一時抹消・輸出抹消)」をした場合。
譲渡だけでは出ない。
– 年度途中の新規登録は月割で納付。
売買時の“未経過分の精算”は民間慣行。
– 軽自動車税は原則月割還付なし(大型二輪など「自動車税(種別割)」対象は別)。
– 自賠責保険
– 抹消等で解約すれば未経過分が返戻。
売却・名義変更では返戻なし(車に付帯し引き継がれる)。
– 実務では、抹消のタイミングが還付・返戻額を左右。
4月1日をまたぐと翌年度課税が確定するため、年度末までに抹消を終えるかが重要。
還付は原則「4/1時点の納税義務者」または「自賠責の契約者」に支払われます。
各自治体・保険会社で細部の運用や必要書類が異なるため、最終的には所管の県税事務所・市区町村税務課、加入保険会社の約款・窓口案内をご確認ください。
自動車税は誰が負担し、還付を受けるにはどの手続きが必要なのか?
ご質問の趣旨に沿って、「自動車税は誰が負担するのか」「還付を受けるにはどのような手続きが必要か」を、関連する制度(軽自動車税や自賠責保険との違いを含め)まで踏み込んで詳しく解説します。
最後に根拠法令・実務上の参照先もまとめます。
用語の整理(何の税・費用の話か)
– 登録自動車(普通車・小型車等)にかかる都道府県税が「自動車税(種別割)」です。
毎年1年分を前払い(普通徴収)で納めます。
– 軽自動車(二輪・原付・軽四輪)にかかるのは市区町村税の「軽自動車税(種別割)」です。
制度や還付の扱いが自動車税と異なります。
– 自賠責は税ではなく保険(自動車損害賠償責任保険)。
解約すれば未経過期間分が返戻されることがあります。
税の還付とは別の手続きです。
自動車税(種別割)を誰が負担するか
– 原則 毎年4月1日(賦課期日)現在の所有者(登録名義人)が、その年度分の納税義務者です。
年度は4月1日~翌年3月31日。
– 所有権留保・リース等の例外 割賦販売による所有権留保やリース車など、登録上の「所有者」と「使用者」が異なる場合には、実際の使用者(買主・賃借人)を所有者とみなして課税される取扱いが地方税法上認められています。
実務では、納税通知書は使用者に送付される運用が一般的です。
– 途中で売却・譲渡した場合 法律上の納税義務は4月1日時点の所有者にあります。
したがって、年度途中に売却・名義変更しても、当該年度分の納税義務者は原則として「4月1日の所有者」です。
取引現場では、売買契約で月割相当額を当事者間で精算する(買主が残月分を売主へ支払う等)のが通例ですが、これは当事者間の任意精算であり、法定の納税義務を移すものではありません。
– 未納があるとき 還付金や翌年度の課税で相殺されることがあります。
いつ還付の対象になるか(登録自動車)
自動車税(都道府県税)の月割還付は、指定の事由が生じた場合に限られます。
主な対象は次のとおりです。
– 永久抹消登録(解体廃車) 解体して登録を抹消したとき、抹消月の翌月から年度末までの未経過月数分が還付対象。
– 一時抹消登録(ナンバー返納) 運行を休止し、ナンバーを返納して登録を一時抹消したときも同様に、抹消月の翌月からの未経過月分が還付対象。
後日、再登録すると、その月から年度末まで月割で再課税されます。
– 輸出抹消登録 輸出目的で抹消した場合も、未経過月分が還付対象。
– 盗難等 盗難に遭い、一定の要件のもと一時抹消等の手続きを行った場合には還付対象となることがあります(手続きは管轄の運輸支局と都道府県税事務所の案内に従います)。
注意点
– 売却・名義変更(登録が継続している状態)だけでは還付になりません。
還付の前提は「抹消登録(永久・一時・輸出)」です。
– 還付は抹消月の翌月からカウントされ、抹消月分は含みません。
– 未納分がある場合は、還付金が充当・相殺されることがあります。
還付額の目安(計算イメージ)
– 年税額 ×(抹消月の翌月から3月までの月数)/ 12 が基本。
端数処理や最低額の扱いは都道府県条例で定められ、1円未満切捨て等のルールがあります。
– 例 年税額39,500円の車を7月に永久抹消した場合
→ 還付対象月は8月~翌年3月の8カ月
→ 還付見込額=39,500 × 8/12 ≒ 26,333円(端数処理は各都道府県の規定による)
還付の受け取り方(手続きの流れ)
– 申請要否 原則として、運輸支局で抹消登録が完了すると、その情報が都道府県に連携され、自動的に還付事務が始まるため、別途の「還付申請」は不要です。
– 受取方法
1) 都道府県から「還付通知書(口座振込依頼書)」等が、納税義務者の住所に郵送されます。
2) 記載の案内に従い、振込口座を記入して返送するか、マイページ・電子申請が整備されている自治体ではオンラインで口座登録します。
3) 指定口座へ振込。
現金書留や払出証書など別方式の自治体もあります。
– 期限・時効
– 還付金の受領手続き自体に有効期限が設けられている場合が多く、通知書の期限を過ぎると再発行手続きが必要です。
– 地方税法上、還付金の権利は原則5年で時効消滅します(個別の事務期限は自治体の案内に従ってください)。
– 住所変更・名義相違
– 引越し等で納税通知や還付通知が届かない場合は、都道府県税事務所に住所変更届や還付金受領届を提出します。
本人確認書類、車検証の写し、抹消登録関係書類、口座情報等が求められます。
– リース・所有権留保の場合の受領者
– 納税義務者(みなし所有者・使用者)が受領者となるのが原則です。
契約によりリース会社等が代理受領する場合がありますが、税務上の還付先は納税義務者であることが基本です。
契約条項を確認してください。
– 注意 還付前に未納がある場合や他の地方税滞納がある場合、還付金は相殺されることがあります。
売買時の「月割精算」はどう扱うか(実務)
– 法律上の納税義務者は4月1日の所有者です。
従って、年度途中の売買でも税務当局に対しては4月1日の所有者が納税します。
– 一方、取引実務では、売買日以降の残月分について買主が売主に支払う形で月割精算するのが一般的です。
これは当事者間の合意に基づくもので、税務当局への還付・課税に直接影響を与えるものではありません。
– 契約書に「自動車税は〇月から買主負担」等の条項を入れておくとトラブル防止になります。
軽自動車税(市区町村税)との違い(参考)
– 納税義務者 4月1日現在の所有者(使用者)で、原則は自動車税と同様です。
– 還付制度 多くの自治体で軽自動車税(種別割)の月割還付制度は設けられていません。
年度途中に廃車・名義変更しても、その年度分の税額は原則として還付されません(翌年度以降の課税に反映)。
一部の特別の事情や条例運用で例外がある場合もあるため、実際は市区町村税務課で確認してください。
– 実務 軽自動車の売買時は当事者間の月割精算がより重要になります。
自賠責保険の精算・還付(税ではないが混同されがちな点)
– いつ戻るか 自動車を廃車(永久抹消・輸出抹消)や一時抹消して自賠責保険を解約した場合、未経過期間分の保険料が解約返戻金として返ってきます。
単なる売却・名義変更の場合は保険を譲渡するのが一般的で、原則返戻はありません(当事者間で保険残期間を金銭精算することは可能)。
– 手続き
– 解約先 加入した保険会社または代理店(損保)。
– 必要書類の例 自賠責保険証明書、解約依頼書、抹消登録を証する書類(自動車検査証返納証明書、登録事項等証明書等)、振込口座、本人確認書類。
盗難時は受理番号の写し等が求められることがあります。
– 返戻額 保険約款に基づく未経過期間に応じた日割・月割計算(事務手数料の控除の有無は保険会社の約款による)。
– 根拠 自動車損害賠償責任保険の普通保険約款(金融庁・国交省監督の基準に適合)、自動車損害賠償保障法。
よくあるケース別の要点
– 4月に売却したが税の納付書は自分に届いた 4月1日時点の所有者であるあなたが納税義務者です。
売買契約で月割精算を受けていない場合は、買主と交渉・確認を。
– 7月に廃車した 抹消月(7月)の翌月である8月から年度末までが還付対象。
都道府県からの還付案内に従って口座手続き。
– 未納のまま一時抹消した 還付が発生しても未納に充当され、差額のみ受領。
未納が多ければ還付はゼロとなり得ます。
– 引越し後に還付通知が届かない 都道府県税事務所に住所変更の届出・還付金の受取手続きが必要。
根拠法令・実務参照
– 地方税法(昭和25年法律第226号)
– 自動車税(種別割)の課税客体・納税義務者・賦課期日(4月1日)・還付の取扱いは同法および各都道府県条例に基づきます。
– 割賦販売・リース等における「使用者を所有者とみなす」旨、未納との相殺、還付金の時効(原則5年)等も地方税法・同施行令および各都道府県の税条例・規則に規定。
– 道路運送車両法・同施行規則
– 永久抹消・一時抹消・輸出抹消等の登録手続き、および運輸支局から都道府県への情報連携の根拠。
– 自動車損害賠償保障法、各保険会社の自賠責普通保険約款
– 自賠責保険の解約・返戻の根拠と手続き。
– 地方自治体の具体的運用
– 都道府県税事務所(自動車税事務所)のウェブサイトに「抹消時の還付」「一時抹消後の再課税」「還付通知の受け取り方」「未納との相殺」等の詳細が記載。
– 市区町村税務課のサイトには軽自動車税(種別割)の還付有無のローカルルールが掲載。
実務上のアドバイス
– まずは「抹消登録を行った月」と「還付の対象期間」を確認。
運輸支局での手続き日が遅れると、1カ月分還付が減ることがあります。
– 売買・譲渡の際は、契約書で自動車税の精算方法(〇月から買主負担等)を明記。
– 引越しや名義情報が古いと通知が届かず、受取手続きが滞ります。
住所変更の届出・口座登録を早めに。
– リース・所有権留保車は契約と税のルールが交錯します。
納税義務者・還付金の帰属は契約条項と都道府県の運用を双方確認。
まとめ
– 自動車税(種別割)の納税義務者は、毎年4月1日現在の所有者(みなし所有者を含む)であり、途中の売却では義務者は変わりません。
還付は「抹消登録」を行った場合に限り、抹消月の翌月から年度末まで月割で発生し、通常は都道府県からの案内に従って口座手続きをすれば受け取れます。
軽自動車税は原則月割還付がない点、自賠責は別途保険の解約返戻である点に注意してください。
– 具体的な書式・期限・端数処理・相殺・必要書類は、都道府県(自動車税)または市区町村(軽自動車税)の条例・要綱で細部が異なるため、必ず所管の税事務所の最新案内をご確認ください。
自賠責保険の解約返戻金はどう申請し、いくら戻るのか?
以下は、自賠責保険の解約返戻金(途中解約時の払い戻し)について、「どう申請するのか」「いくら戻るのか」「どんな根拠に基づくのか」をまとめた実務的な解説です。
自動車税や重量税の還付とは別制度ですので、混同しないようにしてください。
まず知っておきたい前提(解約できる場合・できない場合)
– 自賠責保険は強制保険なので、任意の都合(乗らなくなった、売却した、車検切れのまま保管する等)だけでは原則として途中解約できません。
– 途中解約できるのは「保険の対象(車両)が法律上使えない状態になった」ことを客観的に証明できる場合です。
具体例は次のとおりです。
– 普通車・大型二輪等(登録車) 永久抹消登録(一括解体)・一時抹消登録・輸出抹消(運輸支局)
– 軽自動車 解体届出・使用中止(軽自動車検査協会)
– 125cc以下の原付・軽二輪 標識返納(市区町村等)
– 輸出予定・長期保管の場合も、登録(または標識)の抹消・返納が必要
– 単なる売却・譲渡では解約できません。
自賠責は車に付いたまま引き継がれるのが原則なので、売買時は当事者間で残期間を代金に反映して精算するのが通常です。
– 事故の有無は解約可否に直接関係しません。
対象喪失(抹消・返納)が成立していれば、事故後であっても未経過分の返戻対象になり得ます(ただし保険期間中の事故責任は保険者が引き受け続けます)。
申請先と基本の手順
– 申請先 ご加入の保険会社(損害保険会社)または共済(JA共済など)、もしくは契約時の代理店。
コンビニ等で発券した場合も引受会社の窓口に郵送で手続できます。
– 手順の流れ
1) 先に車の抹消・標識返納を完了させる(ここがスタートライン)
2) 保険会社(または代理店)に「自賠責解約(返戻)手続をしたい」と連絡
3) 必要書類を提出(窓口・郵送)
4) 審査後、指定口座へ振込(通常1~4週間)
– よく求められる書類
– 自賠責保険証明書(原本)。
紛失時は再交付手続または紛失届で代替
– 抹消・返納を証する公的書類
– 普通車 一時抹消登録証明書/解体届出証明書/輸出抹消仮登録証明書など
– 軽自動車 使用中止等の届出済証、解体返納関係の証明
– 原付等 標識返納証明書
– 車検証(または軽自動車届出済証、標識交付証明書等)
– 解約依頼書(保険会社所定の様式)
– 契約者本人確認書類(運転免許証等)
– 振込先口座情報(契約者名義が基本)
– 代理人が行う場合は委任状
– 解約日(返戻の基準日)
– 原則、抹消・返納の「届出日(効力発生日)」の翌日から満了日までが未経過期間となります。
遡っての解約は通常不可です。
– 書類を後日提出しても、対象喪失日を基準に未経過日数を算定します。
いくら戻るのか(計算の考え方)
– 基本式のイメージ
– 返戻金=(返戻対象となる保険料)×(未経過日数/契約総日数)− 事務手数料(会社により数百円程度)
– ポイント
– 返戻の対象は「保険料本体」の未経過相当分です。
証明書発行等に係る印紙代・付帯費用などは返還対象外です。
– 日割りで計算します。
未経過日数は「抹消等の翌日」から「満了日(の前日まで)」で数えるのが一般的です。
契約総日数は証明書記載の始期・終期から実日数で算出します。
– 端数処理(1円未満切捨てなど)や事務手数料の額は保険会社の事務規程により異なります。
– 試算例(あくまで考え方の例)
– 例 24か月契約、支払った総額のうち返戻対象となる保険料部分が20,000円、事務手数料300円と仮定
– 満了まで300日を残して一時抹消した場合
– 返戻金=20,000×(300/契約総日数)−300
– 契約総日数を730日(便宜的に2年)とすると、約20,000×0.411=8,220円
– そこから事務手数料300円を差引き、約7,920円(実際は端数処理あり)
– 実額はご自身の証明書記載の始期・満期日、加入時の正味保険料、各社の事務手数料・端数処理で変動します。
– 注意
– 残期間が極端に短いと返戻がゼロまたはごく少額になることがあります。
– 地域・車種(本土/離島、原付/軽二輪/小型二輪/自家用乗用など)で保険料水準自体が異なりますが、未経過分の日割り返戻という仕組みは同じです。
代表的な場面別の実務
– 廃車(解体)する
– 解体→運輸支局または軽自動車検査協会で抹消→抹消書類を添えて保険会社に解約請求。
– 一時的に乗らない(保管する)
– 普通車・軽自動車は一時抹消(または使用中止)をしてから申請。
単に車検切れ・未使用のままでは不可。
– 輸出する
– 輸出抹消(輸出抹消仮登録)をして、該当の証明書で解約。
– 売却した
– 解約はできないのが原則。
自賠責は車に付いて買主へ移ります。
残期間は売買代金で清算。
– 原付・軽二輪(~125cc)
– 市区町村で標識返納(ナンバー返納)→返納証明で解約。
– 紛失した(自賠責保険証明書)
– まず再交付または紛失届で対応。
そのうえで解約手続へ。
– リース・所有権留保
– 抹消には所有者(リース会社等)の承諾書類が必要。
返戻金の受取人は契約者(取り決めがある場合はその定めに従う)。
実務のコツとよくある落とし穴
– 抹消・返納の「日付」が返戻額に直結します。
不要になったら先に抹消し、間を置かずに解約を出すと未経過日数を最大化できます。
– 売却時に解約はできません。
残期間の精算は売買当事者間の交渉ポイントです。
– 事務手数料や端数処理の取扱いは保険会社でわずかに異なります。
見込み額は加入先に確認すると確実です。
– 振込先は契約者名義が原則です。
名義変更や相続が絡む場合は所定の追加書類が必要。
– 自動車税・重量税の還付は別枠です。
廃車(解体)時の重量税未経過還付は車検を通した分の残り月数に応じて別途行われます。
自動車税の月割還付は抹消時に都道府県から行われますが、これは自賠責の返戻金とは関係しません。
根拠(法令・約款・基準)
– 法律上の根拠
– 自動車損害賠償保障法(自賠法) 自賠責保険の加入義務、保険証明書の携行・提示義務、保険の基本的枠組みを定めています。
途中解約の詳細計算は法律本文ではなく、約款・事務規程で具体化されています。
– 同施行令・施行規則 運用細目や証明書に関する事項が定められています。
– 約款上の根拠
– 自賠責保険の普通保険約款(国土交通大臣認可) 各損保・共済が用いる共通的な枠組みで、概ね次のような定めがあります。
– 保険の目的(対象車両)が消滅した場合(登録抹消・標識返納・輸出等)には契約を解除(解約)できること
– 保険料は未経過期間に応じて返還すること
– 返還の対象外となる費用(証明書発行に要する費用等)があること
– 返戻計算は日割り等の未経過係数によること、端数処理の方法
– これらの約款は各社のウェブサイトやパンフレットで公開され、国土交通省の認可を受けた標準約款に準拠しています。
– 料率・事務運用の根拠
– 自賠責保険料は、自賠責保険料率算出機構の算出に基づき、金融庁・国土交通省の認可を経て設定されます。
解約返戻はこの「保険料本体」の未経過相当分を基礎に各社の事務規程に従い算定されます。
– 日本損害保険協会等の公表Q&Aでも、抹消・標識返納が解約要件であること、返戻は未経過日割りであること、印紙代等は返還されないことが案内されています。
まとめ(実務アクション)
– 廃車・輸出・長期保管にするなら、まず登録(標識)の抹消・返納を行う
– 加入先の保険会社(代理店)に、抹消書類・自賠責証明書・本人確認書類・口座情報を提出して解約申請
– 返戻額は未経過日数の按分(原則日割り)から事務手数料等を差し引いた金額。
証明書関連の費用は返還対象外
– 売却時には解約できないため、残期間は売買代金で相手方と清算
– 振込までは1~4週間が目安。
詳しい見込み額は加入先にその場で試算してもらうのが確実
補足のQ&A
– Q 車検が切れたから解約できますか?
A できません。
抹消(または標識返納)をしてください。
– Q 証明書を失くしたら?
A 再交付または紛失届で対応可能です。
– Q 事故後に抹消した場合、返戻は?
A 対象喪失が成立すれば未経過分は返戻対象になり得ます(事故時の保障は保険期間内事故として有効)。
– Q 法人名義でもできますか?
A 可能。
登記事項証明や社印、委任状等が追加で求められる場合があります。
以上が、自賠責保険の解約返戻金に関する申請方法・計算方法・法的根拠の全体像です。
最終的な取扱い(手数料、端数処理、必要書類の細部、郵送先など)は加入先ごとに差異があるため、抹消・返納が済み次第、保険会社または代理店に連絡し、あなたの契約条件に即した見込み額と必要書類リストを確認することをおすすめします。
還付額はどのように計算され、いつ入金されるのか?
以下は日本国内での自動車税(種別割)と自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の「精算/還付」の考え方、計算方法、入金時期、実務の流れ、および根拠の概要です。
できるだけ実務で迷いやすい点も含めて整理します。
自動車税(種別割)の還付について
– 還付がある車種・ない車種
– 普通車(登録自動車) 年度途中で抹消登録(永久抹消・一時抹消・輸出抹消)をすると、翌月分以降の月割で還付があります。
– 軽自動車・二輪(原付・軽二輪・小型二輪など、市区町村課税分) 原則、年度途中の還付はありません。
年の途中で廃車しても、その年度の税金は還付されず、翌年度以降の課税が止まる仕組みです。
– 補足 自動車税「環境性能割」(取得時に課税される税)は取得時税なので還付という概念がありません。
還付が発生する条件(普通車)
4月1日現在の所有者に当該年度分が課税されます(賦課期日)。
年度途中で以下のいずれかの抹消を行うと、翌月から年度末(3月)までの月数に応じて還付されます。
永久抹消登録(解体を前提)
一時抹消登録(ナンバー返納)
輸出抹消仮登録
名義変更(譲渡)だけでは還付は出ません。
還付は所有者の変更ではなく「課税客体の喪失(登録抹消)」が要件です。
還付額の計算方法(普通車)
基本式 還付税額=年税額 ×(抹消の翌月から3月までの月数)÷ 12
月割で計算し、端数処理(100円未満切り捨て等)は都道府県の条例・規則に従います。
例 年税額39,500円の普通車を10月15日に一時抹消した場合、翌月11月〜3月の5カ月分が対象。
39,500×5/12=16,458円(端数処理後に支給)。
3月に抹消した場合は翌月(4月)が次年度になるため当年度の還付は0円です。
4月に抹消すれば11カ月分が対象になります。
注意 還付額は未納分の充当や他の県税の滞納があると相殺されることがあります。
還付の受取人
車検証上の「所有者」に支払われます。
ローン残債があり所有者が信販会社の場合、還付金は信販会社に入るのが原則です。
リース車はリース会社が受取人です。
売却時に買取店が「自動車税の未経過分見込み」を買取価格に上乗せして精算する実務はありますが、行政上の正式な還付先はあくまで所有者であり、買取店が直接還付を受けるわけではありません。
申請の要否と入金までの流れ・時期
原則として申請は不要です。
運輸支局での抹消情報が都道府県税事務所に連携され、自動的に還付手続きが始まります。
多くの都道府県では、抹消から概ね1〜2カ月程度で「還付通知書(または振替払出証書)」が届き、指定口座に振込または金融機関や郵便局で換金できます。
繁忙期(4〜6月)や照合作業の都合で2〜3カ月程度かかることもあります。
口座情報の登録がない場合、振替払出証書(郵便為替)が送られて受取後に換金する形式が一般的です。
口座振込を希望する場合は、同封の口座振込依頼書の返送等が必要な自治体もあります。
名義不一致や転居で通知が届かないと遅延します。
抹消前後での住所変更は早めに県税事務所へ届出を。
よくある落とし穴
3月に抹消しても当年度の還付は発生しません(翌月が新年度のため)。
名義変更では還付は出ません(抹消が要件)。
軽自動車・二輪は年度途中の還付がないのが原則です。
未納があると還付金に充当されます。
口座名義違い・所有者違い(信販会社・リース会社)による受取不可も要注意。
法的根拠(自動車税(種別割))
地方税法(道府県税編・自動車税関係)において賦課期日、課税客体の消滅時の税額の月割計算、還付の取扱いが規定されています。
具体の端数処理や事務手続、還付方法は各都道府県の税条例・規則・要綱で定められています。
実務の案内は都道府県税事務所・公式ウェブサイト(自動車税種別割の「廃車等に伴う還付」)を参照します。
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の返戻(解約返戻金)について
– 返戻が発生する主な事由
– 車両の解体・抹消登録(永久・一時・輸出抹消)。
– 譲渡に伴い旧所有者の契約を解約する場合(新所有者が新たに契約)。
– 長期に使用しない等で適法に解約事由が生じた場合。
– いずれも「保険の対象となる運行リスクが消滅または重複した」ことが要件で、解約には証明資料(抹消登録証明書、軽自動車届出済証返納確認書、譲渡書類など)が求められます。
返戻額の計算方法
基本式 返戻保険料=払込保険料 ×(未経過日数)÷(契約期間日数)
未経過日数は、原則「保険会社が解約請求を受理した日の翌日から満期日まで」の実日数で計算するのが一般的です(会社の事務規程で起算・端数が若干異なる場合あり)。
自賠責は任意保険のような短期率は用いず、未経過期間相当額の比例返戻が基本です。
解約手数料は通常ありません。
例 24カ月契約で保険料20,000円、満了まで200日残して抹消・解約した場合、返戻見込み=20,000×200/730(うるう年等により契約日数は実日数)≒5,479円(端数処理後)。
返戻の受取人・手続書類
受取人は契約者(多くは使用者)です。
代理人手続きも可能ですが委任状が必要です。
主な必要書類 自賠責保険証明書、領収書(または控え)、抹消を示す公的書類(登録事項等証明書や返納確認書等)、本人確認書類、返金口座情報、印鑑など。
譲渡解約の場合は譲渡を証する書面や新契約の証明を求められることがあります。
手続き窓口 加入した保険会社・代理店(ディーラー、整備工場、損保代理店)または保険会社の営業店。
入金時期(目安)
書類が受理・審査完了後、概ね1〜4週間程度で指定口座に振り込まれるのが一般的です。
会社・混雑状況により前後(最短で1週間程度、長いと1.5カ月程度)します。
事故発生の有無は返戻そのものに直ちに影響しません。
自賠責は保険期間中に生じた事故については契約解約後も補償責任が残ります(事故があったからといって返戻が否定されるわけではありません)。
よくある落とし穴
解約の基準日は「抹消日」ではなく「解約請求受理日」の翌日が基準になる運用が多い点(書類が遅れると返戻額が減る)。
抹消が済んだら早めに解約請求を。
契約書類の紛失で手続きが止まることがあります。
再発行や代替書類の可否を事前に保険会社に確認を。
自賠責の保険期間は「月末〆」ではなく日付管理です。
日割り計算でわずかな差が出ることがあります。
法的根拠(自賠責)
自動車損害賠償保障法(自賠法)および同施行令・施行規則に基づく制度で、契約内容は国の定める「自動車損害賠償責任保険普通保険約款(標準約款)」に従います。
標準約款の解約条項に、やむを得ない事由による解約と未経過保険料の返還(比例返戻)が規定されています。
各保険会社の約款もこれに準拠します。
料率・保険料は政府の基準料率(国土交通省・金融庁関与)に基づき、返戻計算は未経過期間相当額の返還という公的な枠組みで運用されています。
周辺情報(混同しやすい事項)
– 自動車重量税の還付
– 車検有効期間を残して「解体を伴う抹消」をした場合、残存期間に応じた自動車重量税の還付(いわゆる車検残の重量税還付)が受けられる制度があります。
申請は運輸支局経由で行い、1〜2カ月程度で振込されるのが一般的です。
これは国の税で、自動車税(地方税)や自賠責とは別経路です。
– 業者(買取店・解体業者)との精算
– 普通車の自動車税は後日所有者に還付されるため、買取時に「還付見込み分」を査定に反映して先払い精算する商慣行があります。
軽自動車は還付がないため、この上乗せは通常ありません。
自賠責の返戻は所有者(契約者)に直接返るため、買取価格とは別管理になることが多いです。
まとめ(いつ、いくら、誰に)
– 普通車の自動車税
– いくら 年税額×(抹消翌月〜3月の月数)/12(端数は条例処理)
– いつ 抹消後、概ね1〜2カ月(繁忙期は2〜3カ月)で通知→口座振込または払出証書換金
– 誰に 車検証の所有者(信販・リース名義ならその会社)
– 軽自動車・二輪の軽自動車税
– いくら 年度途中の還付は原則なし
– いつ なし(翌年度以降非課税になるだけ)
– 誰に 還付自体が発生しない
– 自賠責保険
– いくら 払込保険料×未経過日数/契約日数(比例返戻、手数料なしが一般的)
– いつ 解約申請受理後1〜4週間程度で口座振込(会社・時期で差)
– 誰に 契約者(原則として使用者。
代理人可)
参考・根拠の探し方
– 自動車税(種別割) 地方税法(道府県税に関する規定・自動車税関係)、各都道府県税条例・規則。
「自動車税 種別割 還付 月割 県名」などで都道府県の公式ページが見つかります。
– 自賠責 自動車損害賠償保障法、同施行令・施行規則、国の「自動車損害賠償責任保険普通保険約款(標準約款)」、各保険会社の約款・手続案内。
– 自動車重量税 国土交通省の案内(解体に伴う還付制度)、運輸支局の手続案内。
実務は都道府県・市区町村・保険会社ごとに細かな運用差(端数処理、通知様式、必要書類の細部、支払サイクル)があります。
具体の金額・入金予定日を固めるには、以下の順に確認するのが確実です。
– 抹消済みか(抹消日)とその区分(一時/永久/輸出)
– お住まいの都道府県税事務所の還付手続の流れ(振込か払出証書か、口座登録の要否)
– 自賠責の加入会社・代理店での解約必要書類と処理期間
必要であれば、車種・排気量・年税額・抹消日・自賠責の始期終期が分かれば、概算の還付額と入金時期の目安を具体的に試算してお伝えできます。
名義変更・一時抹消・軽自動車の場合など、どんな注意点や例外があるのか?
前提の整理(税と保険の違い)
– 自動車税(種別割) 都道府県税。
4月1日現在の登録名義(所有者)に対して年額で課税。
普通車・小型特殊自動車などが対象。
年度途中の抹消で月割還付がある。
– 軽自動車税(種別割) 市区町村税。
軽四輪・原付・二輪(125超・250超含む)などが対象。
4月1日現在で課税され、原則として年度途中の月割還付はない。
– 自動車税環境性能割(旧・取得税) 取得時に一度課税。
還付制度は基本的にない。
– 自賠責保険(強制保険) 保険であり税ではない。
車両に付随する。
抹消や重複加入など一定の事由があれば未経過期間に応じた返戻(解約返戻)がある。
名義変更(移転登録)に伴う精算・注意点
– 自動車税(種別割)
– 年度の納税義務者は毎年4月1日現在の登録名義人。
4月2日以降に名義変更しても、その年度の税は旧所有者に課される。
– 名義変更では税金の還付は生じない。
売買時に「未経過分を月割で買主が負担する」精算は、あくまで当事者間の任意の取り決め(法定の自動還付ではない)。
– 4月をまたぐ売買では、誰がその年度分を負担するかを売買契約書で明確化しておく。
– 所有権留保(ローン)やリースの場合、登録上の所有者(販売会社・リース会社)に納税通知・還付が行く。
ユーザーとの精算は契約条項に従う。
– 自賠責保険
– 自賠責は車両に付随し、譲渡(名義変更)しても契約は新所有者に承継される。
保険の「名義変更(記名変更)」手続は推奨(証明書記載の名義を最新化)。
– 名義変更だけでは自賠責の返戻は発生しない。
返戻があるのは抹消・重複など特定事由のみ。
一時抹消・永久抹消(解体)時の精算・還付
– 自動車税(種別割)
– 普通車等は一時抹消・輸出抹消仮登録・解体抹消をした場合、抹消した月の翌月から年度末(翌年3月)までの月数分が月割で還付される。
– 還付は原則として申請不要。
運輸支局からの抹消情報が都道府県に連携され、自動で還付通知(または振込手続)が行われる。
未納があれば相殺される。
– 年度途中に再登録した場合は、登録した月から年度末までの月割で課税(抹消月との日割精算はなく、いずれも月割)。
– 3月中に抹消できれば翌年度の課税を回避できる(4/1賦課のため)。
月末は窓口が混むので早めに。
– 軽自動車税(種別割)
– 原則として年度途中の月割還付なし。
一時使用中止や廃車(軽自動車検査協会への届出)をしても、その年度分は還付されない。
翌年度以降の課税が止まるのみ。
– 3月中に廃車届を完了できなければ、4/1に在籍扱いとなり当年度分が課税されるため要注意。
– 自賠責保険
– 一時抹消・解体抹消を行った場合、未経過期間に応じた解約返戻が受けられる(日割)。
必要書類は保険証券(証明書)、抹消登録事項証明書(または登録識別情報)、本人確認書類、口座情報など。
代理店経由または保険会社へ申出。
– 車検残があっても抹消をしない限り返戻は出ない。
抹消が確認できる書類が必要。
– 紛失時は証明書の再発行をしてから手続。
重複加入の場合も返戻対象になり得るが、重複の証明が必要。
– 自動車重量税(関連情報)
– 解体抹消し、車検の有効期間が一定以上残っている場合は、未経過分の自動車重量税の還付制度がある(国税)。
運輸支局での申請が必要で、期限が設けられているため早めの手続を。
軽自動車・バイク(軽二輪・小型二輪)特有の注意点
– 軽四輪・原付・二輪を含む軽自動車税(種別割)は、原則として月割還付がない。
年度途中の廃車では税金は戻らない。
– 小型二輪(排気量250cc超)も軽自動車税(市区町村税)が対象で、還付は原則なし。
よって「普通車だけ月割還付、軽は翌年度から止まる」と覚えると実務上の齟齬が少ない。
– 自賠責の返戻は軽でも同様に可能(抹消などの事由が要件)。
県外への移転・住所変更の例外と落とし穴
– 普通車で単純に県外移転登録(ナンバー変更)しただけでは、その年度の自動車税の月割精算・還付は行われない。
4/1現在の都道府県が当年度全額を賦課し、翌年度から新都道府県で課税される。
– 旧都道府県で一時抹消→新都道府県で新規登録(番号再交付)とした場合は、旧県で月割還付、新県で月割課税となる。
実務負担が増えるため、意図して行うケースは限定的。
– 住民票を移していない・車庫証明の問題などで登録が遅れると、4/1賦課の影響を受けやすい。
リース・所有権留保・法人車の特殊事情
– 所有者がリース会社・販売会社(所有権留保)の場合、納税・還付の名義は所有者側。
ユーザーへの還元は契約で定められる。
– 滞納があると還付金は充当・差引される。
差押中の還付金は交付が保留されることがある。
– 法人の組織再編(合併等)では、合併期日と4/1基準日の関係で納税義務者が変わる。
事前の登記・登録日程の調整が有効。
盗難・全損・輸出のケース
– 盗難 盗難による一時抹消(盗難抹消)を行えば、普通車の自動車税は月割還付の対象。
自賠責も抹消により返戻可。
発見時は再登録が必要。
– 全損・解体 解体抹消により普通車の税還付、自賠責返戻、重量税還付(要件あり)が可能。
解体業者・保険会社と連携して必要書類を揃える。
– 輸出 輸出抹消仮登録を行えば、普通車の自動車税は月割還付対象。
実輸出が完了しないと手続が滞るので、スケジュール管理を。
計算・実務の具体
– 普通車の税還付額=年税額×(抹消翌月から3月までの残月数)/12。
日割はない。
– 再登録時の課税額=年税額×(登録月から3月までの月数)/12。
– 自賠責返戻は未経過日数に応じた日割り。
保険開始前なら全額返戻。
保険会社の約款に基づく。
よくあるミスと対策
– 3月末の駆け込みで抹消が月内に完了せず、4/1課税になってしまう。
窓口の混雑・不備書類に備え、早めに予約・準備。
– 軽の月割還付を期待して廃車したが戻らない。
軽は原則還付なしと理解して計画を。
– 名義変更だけで自賠責解約返戻を請求しようとして却下。
抹消や重複等の要件が必要。
– 自賠責証明書の紛失で解約手続が遅延。
先に再発行を依頼。
– 県外移転で旧県に還付を期待。
還付は抹消が伴う場合のみ。
手続の概略(書類の一例)
– 普通車の一時抹消 車検証、ナンバープレート、申請書、手数料納付書、所有者の本人確認書類・印鑑、場合により委任状。
運輸支局で手続。
還付は自動処理が一般的。
– 軽の廃車(一時使用中止・解体) 軽自動車検査協会へ届出。
ナンバー返納。
市区町村の税は翌年度から停止。
– 自賠責解約 保険証明書、抹消登録事項証明書等、本人確認書類、振込口座。
代理店・保険会社窓口へ。
法令・制度の根拠(主なもの)
– 地方税法(自動車税(種別割)、軽自動車税(種別割)、自動車税環境性能割の基本規定。
賦課期日、納税義務者、課税客体、条例委任など)
– 4月1日現在の所有者に課税される旨、月割課税・減免の取扱いは地方税法および各都道府県・市区町村条例に委ねられています。
月割還付の実務は都道府県の自動車税種別割条例・規則に規定。
– 道路運送車両法(登録制度。
一時抹消登録、永久抹消登録、輸出抹消仮登録の手続・効果)
– 自動車損害賠償保障法および同施行規則、標準自賠責保険普通保険約款(自賠責の加入義務、契約の承継、解約返戻の手続・要件)
– 自動車重量税法・関係省令(解体に伴う未経過重量税の還付制度の規定)
– 国土交通省・総務省の通達・手引き(運輸支局・軽自動車検査協会の実務取扱い)
まとめの要点
– 普通車の自動車税は、抹消で月割還付、名義変更では還付なし。
4/1基準日に強く依存。
– 軽自動車税は原則として月割還付なし。
廃車は翌年度から課税停止。
– 自賠責は車両に付随し名義変更では承継。
抹消・重複などで未経過分の返戻が可能。
– 県外移転は「抹消を伴わない限り」税の清算・還付は発生しない。
– リース・所有権留保は名義人(所有者)に納税・還付が帰属。
契約条項で精算。
– 3月末の手続や書類不備に注意し、早めに準備する。
具体の運用や期限・様式は自治体や保険会社・支局ごとに細部が異なるため、最終的には所轄の都道府県税事務所、市区町村税務課、運輸支局・軽自動車検査協会、加入中の保険会社の最新案内を必ず確認してください。
【要約】
地方税法は、自動車税(種別割)を都道府県税とし、納税義務者は毎年4月1日現在の所有者、税は年税と定める。年度途中の新規登録は登録月から年度末まで月割課税、永久・一時・輸出抹消時は抹消翌月から年度末までの未経過月分を月割で還付する旨を規定。