コラム

自動車税・重量税・リサイクル料金の還付完全ガイド 条件・計算方法・必要書類・申請期限と抹消/輸出の注意点

どんなときに自動車税・重量税の還付を受けられるのか?

以下は、日本の自動車に関する「自動車税(種別割)」「自動車重量税」「自動車リサイクル料金(リサイクル料)」について、いつ還付(払戻し)を受けられるのか、その典型例や注意点、根拠法令の位置づけをまとめたものです。

実務でよく誤解がある点や、対象外となる例外も併せて整理しています。

はじめに(用語と全体像)
– 自動車税(種別割)とは、都道府県が課す年税(4月1日現在の所有者に対してその年度分を課税)です。

普通車・小型車が対象で、いわゆる「自動車税」の新しい名称です(令和元年10月の税制改正で名称変更)。

– 軽自動車税(種別割)は市区町村が課す年税で、四輪の軽自動車・二輪車等が対象です。

中途還付の取扱いが普通車と大きく異なるため、混同に注意。

– 自動車重量税は国税で、車検(新規・継続)時に有効期間分を前払いします。

前払い分の未経過期間が残っているのに廃車になった場合、一定の要件で還付があります。

– 自動車リサイクル料金は税ではなく、将来のリサイクル費用の前払い(預託金)です。

廃車方法や輸出の有無で払戻し可否が変わります。

自動車税(種別割)の還付を受けられるとき
前提
– 年度は4月1日から翌年3月31日。

4月1日時点の所有者に年税がかかります。

– 還付が生じる基本は「その年度途中で登録をやめる=抹消登録(ナンバー返納)」をした場合です。

還付は月割で、抹消した月の翌月分から年度末までの未経過月が対象です(多くの都道府県で同様。

詳細は各都道府県条例・実務取扱に従います)。

還付が生じる典型例(普通車・小型車)
– 一時抹消登録をしたとき(長期の不使用、売却前のいわゆる一時抹消)
– 永久抹消登録をしたとき(解体廃車)
– 輸出抹消仮登録を経て輸出するため国内登録をやめたとき
– 天災・盗難・事故等で使用不能となり抹消登録をしたとき(抹消が前提)
– 行政手続の誤り等で過誤納が発生したとき(事務的な還付)

還付にならない主な例
– 名義変更(譲渡)だけでは還付はありません。

その年度分は4月1日所有者に帰属し、翌年度から新所有者に課税されます。

– ナンバーを付けたまま所有権留保や保管のみで乗らない場合(抹消していなければ年税はかかり続けます)。

– 軽自動車税(種別割)については原則として年度途中の還付制度がありません(後述)。

還付額のイメージ
– たとえば6月15日に抹消なら、7月から翌年3月までの月数分が月割還付。

抹消した月は含まれないのが一般的取り扱いです。

– 納付前に抹消した場合は、納税通知の更正により課税自体が減額・取消になる運用です。

手続の概要
– 抹消登録は運輸支局(軽は軽自動車検査協会)で行います。

抹消が完了すると、その情報が都道府県税事務所へ連携され、後日、還付通知(口座振込依頼書)が送付されるのが一般的です。

自ら申請書を提出する都道府県もあります。

– 期限は各都道府県の条例・要綱に従います。

抹消の月末と翌月の境目で1か月分の還付が変わるため、日程管理が重要です。

根拠(法令)
– 地方税法(自動車税(種別割)に関する規定)および各都道府県税条例・取扱要領。

課税客体・納税義務者(4月1日基準)、月割還付の考え方、過誤納の還付根拠は地方税法と各条例に基づきます。

補足(軽自動車税(種別割))
– 軽自動車税(四輪の軽、二輪等)は市区町村税で、原則として年度途中の月割還付制度がありません。

年度途中で廃車しても、その年度の還付はないのが一般的運用です(ただし過誤納や特例的な減免承認後の還付などは別)。

– したがって、「軽」は還付を期待するなら、翌年度の課税基準日(4月1日)前に廃車・名義変更を済ませるのが実務の要点です。

自動車重量税の還付を受けられるとき
前提
– 自動車重量税は車検時に有効期間分を前払いします。

前払い分のうち「まだ使っていない期間」が残っている状態で、車を国内で使用できなくする(登録をやめる)特定の事情があると、未経過分が月割で還付されます。

– 還付は国税の制度ですが、申請は運輸支局(軽は軽自動車検査協会)で抹消時に行います。

別途で税務署に行くことは通常不要です。

還付が生じる典型例
– 解体して永久抹消登録をした場合(いわゆる廃車還付制度)
– まだ車検有効期間が残っていること
– 解体報告(解体業者からの報告)がされ、永久抹消登録が完了すること
– これらの要件を満たすと、未経過期間分(月単位、端数切捨て)の重量税が還付されます。

– 過誤納(事務誤りや二重納付など)があった場合

還付にならない主な例
– 輸出抹消のみ(解体せずに輸出)では、原則として重量税の還付は受けられません。

重量税の廃車還付は「解体(国内での使用終止)」を前提としているためです。

– 一時抹消のみ(のちに再登録して乗る前提)も還付対象外です。

– 車検の残りがない(有効期間満了済み)の場合は未経過期間がないため還付額はありません。

還付額のイメージ
– 未経過期間(月単位、端数切捨て)× 月額相当の重量税。

日割はありません。

– 算定の起点(月の切り方)は、解体報告記録日や抹消登録受付日の関係で決まります。

解体から抹消まで日が空くと1か月分差が出ることがあるため、解体と抹消を速やかに連動させるのがポイントです。

手続の概要
– 解体→解体報告→永久抹消登録→重量税還付申請、という流れ。

抹消申請書の還付欄に口座情報等を記入します。

後日、国から指定口座に振り込まれます。

– 還付請求の期限や詳細は国土交通省の運用・様式に従います。

通常は抹消時に同時申請します。

根拠(法令)
– 自動車重量税法および同施行令・施行規則、ならびに国土交通省の告示・通達(いわゆる「自動車重量税の廃車還付制度」)。

「解体を伴う永久抹消」を要件に未経過分の還付を認める制度設計です。

自動車リサイクル料金(リサイクル料)の払戻し可否
基本の考え方
– リサイクル料金は、将来のリサイクル処理費用(エアバッグ・フロン類・シュレッダーダスト等)を前払いで預託しているものです。

国内で解体・リサイクルが実施されると、その費用に充当されるため、原則として所有者に戻りません。

– その一方で、「国内でリサイクル処理を行わないで輸出する」場合は、預託金のうち処理費に充当されない部分について払戻しを受けられる制度があります(情報管理料・資金管理料など一部は戻らないのが一般的)。

払戻しが生じる例
– 輸出抹消を行い、実際に車両を海外へ輸出した場合
– 自動車リサイクルシステム(JARC)を通じ、輸出者または所有者が払戻申請を行います。

– 払戻対象は概ね「本来国内で発生する処理費相当分」。

管理関連の手数料は対象外です。

払戻しにならない例
– 国内で解体・リサイクル処理を行った場合(費用に充当済みのため)
– 預託が未了・名義が異なる等、要件を満たさない場合

根拠(法令)
– 使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)および資金管理法人(自動車リサイクル促進センター JARC)の業務規程・約款等に基づく払戻し制度。

盗難・災害・事故等の特殊事情と減免
– 自動車税(種別割)では、盗難や全損、天災で長期間使用不能となるケースについて、各都道府県の条例で「減免制度」が用意されていることがあります。

減免が事後承認されると、既に納めた当該期間相当分について還付(過誤納還付)の形で戻ることがあります。

– 軽自動車税(種別割)でも市区町村の条例で減免規定がある場合があります。

個別審査・申請が必要で、証明(盗難届、罹災証明、修理見積り・全損証明等)を伴います。

– 重量税は「解体に伴う還付」が中心で、盗難のみで解体・抹消がなければ原則として還付はありません。

実務上のコツ・注意点
– 月またぎの抹消は1か月分の還付差を生みます。

抹消は月内に完了させる段取り(解体→報告→抹消)を意識。

– 普通車は「抹消すれば月割還付がある」が、軽自動車税(種別割)は原則として中途還付なし、という違いを必ず押さえる。

– 重量税の還付は「解体が前提」。

輸出は重量税の還付対象外が原則。

輸出の場合は重量税よりも「リサイクル料金の払戻し」を検討。

– 口座登録・住所変更漏れがあると還付通知が届かない・振込が遅れることがあるため、抹消前に納税情報の最新化を。

– 自動車税(種別割)の具体の計算や手続書式、期限は都道府県で差があります。

解体・抹消を依頼する業者が代行してくれる場合でも、自分で「いつ抹消が完了するか」を確認するのが安全です。

簡易まとめ
– 自動車税(種別割) 普通車等は、年度途中に「抹消登録(一時・永久・輸出抹消)」をすると、翌月以降の未経過月分が原則月割還付。

名義変更のみは還付なし。

根拠は地方税法および各都道府県条例。

– 自動車重量税 車検有効期間が残っている状態で「解体→永久抹消」すれば、未経過期間分が月割還付。

輸出抹消のみは対象外が原則。

根拠は自動車重量税法と関係法令・国交省運用。

– リサイクル料金 国内で解体した場合は費用に充当されるので払戻しなし。

輸出する場合は預託のうち処理費相当分の払戻しが可能(管理料等は対象外)。

根拠は自動車リサイクル法とJARC規程。

– 軽自動車税(種別割) 原則として年度途中の還付はなし(過誤納・減免承認等を除く)。

翌年度の課税を避けるには4月1日前の廃車・名義変更が要点。

根拠の最終確認先(参考)
– 自動車税(種別割) 地方税法および各都道府県税条例・Q&A(都道府県の税事務所サイトに「抹消時の月割還付」の説明が掲載されるのが一般的)。

– 自動車重量税 自動車重量税法、国土交通省(運輸支局)の「自動車重量税の還付(廃車還付)」案内。

– 自動車リサイクル料金 自動車リサイクル法、JARC(自動車リサイクル促進センター)の「預託金払戻し(輸出時)」案内。

もしお手元の車両について、いつ・どの方法で手続すれば最も有利かを具体的に試算したい場合は、次の情報(車種区分、ナンバーの有無、車検満了日、抹消予定日、輸出の有無、所在都道府県・市区町村)をご提示いただければ、概算額やスケジュールの最適化をお手伝いできます。

還付額はいくら戻るのか、どのように計算されるのか?

以下は、日本の自動車税(正式名称 自動車税種別割)、自動車重量税、そして自動車リサイクル料金(以下、リサイクル料)の「還付(戻るお金)」に関する総合的な解説です。

どれが、いつ、どの程度戻るのかを、条件・計算式・手続・根拠とともに整理します。

実務上の例と注意点も併記します。

1.用語と大枠
– 自動車税(自動車税種別割) 都道府県税。

毎年4月1日時点の所有者にその年度(4/1~翌3/31)の年額が課税。

中途で廃車等をすると月割で還付されることがある。

– 自動車重量税 国税。

車検(新規・継続)時に有効期間分(通常24カ月など)を前払い。

使用期間が残った状態で解体による抹消をすると、残存期間に応じて還付される。

– リサイクル料 自動車リサイクル法に基づく預託金。

国内で解体・リサイクルされる場合は原則、還付はない。

輸出(リサイクル制度の対象外となる場合)では一定の条件で払い戻しがある。

2.自動車税(自動車税種別割)の還付
2-1.還付される条件(代表例)
– 永久抹消登録(解体を伴う廃車)
– 一時抹消登録(ナンバー返納による運行停止)
– 輸出抹消(国外に持ち出して国内で使用しない)
– 盗難・災害等により使用不能で所定の手続を行った場合(自治体の条例・運用による)

注意
– 単なる名義変更(売買・譲渡)では還付はありません。

4/1時点所有者が当該年度分を負担し、翌年度から新所有者に課税されます。

– 軽自動車税(市町村税)は還付制度がない(多くの自治体)ため混同注意。

本回答は「自動車税(種別割)」の話です。

2-2.還付額の計算式(一般形)
– 還付額=年税額×未経過月数/12
– 未経過月数=「抹消等をした翌月」から年度末(3月)までの月数
例 年税額が39,500円の普通乗用車で、9月10日に一時抹消
→未経過月数は10~3月の6カ月
→還付額=39,500×6/12=19,750円(端数処理は自治体の規程に従い、100円未満切捨て等)

2-3.手続のながれ
– 運輸支局で抹消登録(永久・一時・輸出)を行う
– その情報が都道府県税事務所に連携され、原則自動的に還付処理
– 後日、還付通知書が届き、指定口座に振込(自治体により口座届等の提出が必要な場合あり)
– 納付書で納めていた未到来分が相殺・精算されることもあります

2-4.根拠
– 地方税法および各都道府県税条例(自動車税種別割の賦課・月割還付の規定)。

実際の月割還付の起算(翌月起算等)や端数処理は各都道府県条例・要綱で定められています。

詳細は所管の都道府県税事務所の案内に従ってください。

3.自動車重量税の還付
3-1.還付される条件(要点)
– 「解体を伴う廃車(永久抹消)」であることが原則
– 車検有効期間が残っていること(前払いした期間が未経過であること)
– 解体報告(自動車リサイクル法の手続)と抹消登録に合わせて「重量税還付申請」を行うこと
注意
– 一時抹消だけでは還付なし
– 輸出抹消(解体せずに輸出)の場合は原則還付なし(重量税は日本の道路使用に対する前払国税で、解体還付が制度趣旨)

3-2.還付額の計算式(一般形)
– 還付額=前回の重量税納付額×残存月数/有効期間の月数
– 残存月数=「抹消(解体)手続の翌月」から車検満了月の前月までの月数(実務は端数月切捨て)
例 直近の継続車検で24カ月分30,000円を納付。

車検満了が令和7年12月末。

令和6年8月20日に解体・永久抹消。

→残存月数=9~12月の4カ月+翌年1~12月の12カ月=計16カ月
→還付額=30,000×16/24=20,000円(端数処理あり。

多くは100円未満切捨て)
– 実務上は、国土交通省の様式に基づき還付額が自動計算されます

3-3.手続のながれ
– 解体業者へ引渡し→解体報告(リサイクルシステム上で記録)
– 運輸支局で「永久抹消登録」と同時に「自動車重量税還付申請(解体返納)」を提出
– 必要書類 自動車重量税還付申請書(解体返納用)、本人確認書類、口座情報、リサイクル券(または移動報告番号等)、ナンバープレート、登録識別情報等通知書(または車検証)など
– 審査後、指定口座に国税から振込
注意 申請時期を逃すと権利消滅の恐れ。

抹消の窓口で同時申請が原則。

3-4.根拠
– 自動車重量税法および同施行令・施行規則、国土交通省の告示・通達(「解体に伴う自動車重量税の還付制度」)。

詳細は運輸支局・国土交通省案内をご確認ください。

4.リサイクル料(自動車リサイクル法の預託金)の「戻り」
4-1.基本原則
– 国内で解体しリサイクルする場合 預託金は、エアバッグ・ASR(フロン類)・シュレッダーダスト等の再資源化費用の支払いに充当され、原則、所有者への還付はありません(資金管理料金も戻りません)。

– 輸出する場合(輸出抹消仮登録→実輸出→輸出抹消本登録) 日本のリサイクル制度の対象外となるため、「預託金払渡し(払い戻し)」を資金管理法人(一般財団法人 自動車リサイクル促進センター JARC)に申請でき、資金管理料金を除いた預託金額が戻るのが原則です。

4-2.還付額の考え方
– 輸出での払戻し額=預託したリサイクル料総額−資金管理料金(預託時に控除される管理コスト)
例 預託金12,000円、資金管理料金380円
→払戻し額=11,620円
– 国内解体では原則0円(預託金はリサイクル実費に充当)

4-3.手続のながれ(輸出時)
– 運輸支局で「輸出抹消仮登録」を実施
– 実際に輸出(船積み)→所定の輸出確認書類が整う
– JARCに対し払渡し申請(期間制限あり。

通常、輸出後一定期間内)
– 還付対象者は輸出時の最終所有者(登録上の所有者)
注意 中古車買取店等が「リサイクル料還付」を買取価格に上乗せするのは、輸出前提で後日事業者側が払戻しを受ける見込みを価格反映している商慣行です。

公的に所有者へ自動で返るのは「輸出払渡し」の申請をした場合のみです。

4-4.根拠
– 使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)および関係省令・JARCの業務規程(預託金の管理・払渡しに関する規定)。

5.具体例で見る「いくら戻る?」
例A 自動車税の月割還付
– 年税額 45,000円
– 11月25日に一時抹消
– 未経過月 12、1、2、3月の4カ月
– 還付額 45,000×4/12=15,000円(100円未満切捨て等の実務あり)

例B 重量税の解体還付
– 前回24カ月車検で重量税 24,600円支払済
– 満了 令和7年6月末
– 令和6年4月10日に解体・永久抹消
– 残存月 5~6月の2カ月+翌年1~6月の6カ月…という数え方ではなく、実務では有効期間満了までの未経過月を単純計数(このケースでは「令和6年5月~令和7年6月」の14カ月といった算定例になることが多い)。

仮に残存14カ月とすれば、
– 還付額 24,600×14/24=14,350円(端数切捨てで14,300円など)

例C リサイクル料(輸出時)
– 預託金合計 13,000円
– 資金管理料金 380円
– 払戻し額 12,620円
– 国内解体なら0円(戻りなし)

6.よくある勘違い・注意点
– 名義変更では自動車税の還付はない(翌年度から新所有者に課税)。

– 一時抹消では重量税は戻らない(解体を伴う永久抹消のみ対象)。

– 軽自動車税は原則中途還付がない(市町村税のため運用も異なる)。

– 自動車保険(自賠責・任意)は別制度。

解約時に未経過分が返戻されることがあるが、今回の税・リサイクル料とは別枠。

– 端数処理や起算月、申請期限、必要書類は自治体・運輸支局で細部が異なるため、必ず最新の案内で確認すること。

– 納付済みの自動車税が未到来で口座振替の設定等がある場合、相殺や別途の精算が発生することがある。

7.実務のチェックリスト
– 廃車の種類を決める 一時抹消か永久抹消か(輸出か解体か)
– 運輸支局での手続書類を準備 車検証、ナンバー、本人確認、印鑑、口座情報、リサイクル券(移動報告番号)
– 自動車税の還付 抹消後、自動的に通知が来るか(来ない場合は都道府県税事務所へ)
– 重量税の還付 永久抹消時に「重量税還付申請」を忘れず同時提出
– リサイクル料 輸出予定なら輸出抹消仮登録とJARCへの払渡し申請スケジュールを確認。

国内解体では原則戻りなし

8.法的根拠(総覧)
– 自動車税(自動車税種別割) 地方税法および各都道府県税条例(課税・月割還付の規定)
– 自動車重量税 自動車重量税法、同施行令・施行規則、国土交通省の告示・通達(解体返納による還付制度)
– リサイクル料 使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)および関係省令、資金管理法人(JARC)の業務規程(輸出時の払渡し)

最後に
– 還付額は「実際に納めた額×未経過期間の按分」が基本です。

自動車税は「抹消した翌月から年度末まで」、重量税は「車検満了日までの残月」で算定。

リサイクル料は「国内解体は戻らず、輸出で管理料を除いて戻る」が原則です。

– 制度は法改正や通達の更新、各自治体の条例で運用が変わることがあります。

最寄りの都道府県税事務所、運輸支局、JARCの公式案内で最新情報をご確認ください。

還付を受けるにはどんな手続き・必要書類が要るのか?

以下は「自動車税(自動車税種別割)」「軽自動車税(軽自動車税種別割)」「自動車重量税」「自動車リサイクル料金(預託金)」それぞれの還付(払戻)を受けるための条件・手続・必要書類・注意点と、根拠となる法令の概要です。

状況(廃車・抹消・輸出・名義変更など)によって可否や窓口が変わるため、まずご自身のケースを明確にしてから読み進めてください。

全体像(還付が発生する典型ケース)
– 自動車税(都道府県税・普通車等の年税)
– 条件 抹消登録(永久抹消、一時抹消、輸出抹消)により課税対象から外れ、その年度分の税を既に納付している場合に、翌月以降の未経過月分が月割で還付。

– 名義変更(譲渡)だけでは還付なし(次年度から新所有者に課税)。

– 軽自動車税(市町村税・軽四・原付等の年税)
– 原則 年税で月割課税・月割還付はなし。

年度途中で廃車しても還付は原則不可(過誤納を除く)。

– 例外的に、誤課税や重複納付などの過誤納は還付対象。

– 自動車重量税(国税)
– 条件 車検時に前納した重量税の未経過分。

日本国内で解体(永久抹消・解体届出)し、かつ車検の有効期間が残っている場合にのみ還付。

– 車検切れ状態で解体した場合は前納がないため還付なし。

– 自動車リサイクル料金(預託金)
– 国内解体時 払戻なし(預託金は解体・再資源化費用に充当)。

– 払戻があるのは原則「輸出抹消(国外に持ち出すため日本でリサイクルしない)」場合。

資金管理法人(自動車リサイクル促進センター)への払戻申請が必要。

自動車税(自動車税種別割 普通車など、都道府県税)

– 還付の条件
– 当該年度の自動車税を納付済みで、年度途中に「一時抹消」「永久抹消(解体)」「輸出抹消」のいずれかを行った場合、抹消した月の翌月から当該年度末(3月)までの月数分が還付。

– 譲渡(名義変更)のみでは還付なし。

– 手続の流れ
1) 運輸支局(登録自動車の場合)で抹消登録(または輸出抹消仮登録→本登録)を行う。

2) 抹消情報が都道府県の税事務所に連携される。

3) 多くの都道府県は自動で還付手続を開始し、後日「還付通知書」が届く。

口座登録が必要な場合は案内に従って返信。

4) 一部の都道府県では、別途「還付申請(過誤納還付請求)」や口座届出が必要な場合あり。

– 必要書類(例)
– 運輸支局での抹消時 車検証、ナンバープレート返納、申請書、手数料納付書、所有者の本人確認書類・委任状(代理申請の場合)、リサイクル券(解体時)。

– 税の還付受取 還付通知書、本人確認書類、振込口座情報(口座振替依頼書等)。

過誤納還付請求が必要な県では同請求書。

– 還付額の目安
– 年税額×(抹消翌月から3月までの月数)/12
– 例 年税36,000円、6月に抹消 → 7~3月の9か月分 = 27,000円
– 注意点
– 住所変更していると通知が届かないことがあるため、税事務所へ要連絡。

– 自動車税の未納があると相殺される場合あり。

– 一時抹消中は翌年度からは賦課停止だが、再登録すると当該年度分が月割で課税される仕組み。

– 根拠
– 地方税法(自動車税種別割に関する規定)および各都道府県税条例・運用要領。

月割課税・還付の基本は地方税法に定め、具体の手続は都道府県条例・告示・実務通知で定められています。

軽自動車税(軽自動車税種別割 軽四輪・原付等、市町村税)

– 原則
– 年度当初(4月1日)に所有している者に対し年税で課税。

年度途中の廃車・譲渡でも原則として月割還付なし。

– ただし誤課税・重複納付など「過誤納」の場合は還付可。

– 手続
– 廃車・譲渡の届出は軽自動車検査協会(軽四)又は市町村(原付等)で速やかに行い、翌年度以降の賦課を止める。

– 還付(過誤納)の可能性がある場合は、市区町村税務課で「過誤納還付請求」の相談。

– 注意点
– 251cc超の二輪(いわゆる「二輪の小型自動車」)は登録自動車扱いで運輸支局手続・車検があり、重量税の還付対象になり得ますが、軽自動車税の月割還付は同様に原則ありません。

– 根拠
– 地方税法(軽自動車税種別割に関する規定)および各市区町村税条例・運用要領。

自動車重量税(国税)の還付

– 還付の条件
– 直近の車検時に前納した自動車重量税について、車検の有効期間が残っている間に「国内で解体(永久抹消・解体届出)」した場合、未経過期間相当額が還付。

– 車検のない車種(多くの原付・軽二輪など)は前納がないため還付対象外。

– 輸出抹消は対象外(国内解体が条件)。

– 手続の流れ(登録自動車・大型二輪等)
1) 使用済自動車として解体業者に引渡し、解体報告がリサイクルシステムに登録される。

2) 運輸支局で「解体による抹消(永久抹消登録・解体届出)」を申請。

3) 同時に「自動車重量税還付申請書」を提出(窓口で案内されます)。

受取口座を記載。

4) 審査の後、指定口座に振込。

– 必要書類(例)
– 解体による抹消時 車検証、ナンバープレート、申請書(OCR)、手数料納付書、リサイクル券(預託確認)、所有者本人確認書類、委任状(所有者と申請者が異なる場合)。

– 重量税還付 自動車重量税還付申請書、振込口座情報、本人確認書類(場合により)。

– 還付額の考え方
– 前回車検で納付した重量税額 × 未経過月数 / 車検有効期間(月数)
– 未経過月は1か月単位、端数切捨て。

基準日は「解体報告記録日」等、運用に従う。

– よくある落とし穴
– 車検切れ後に解体した場合は前納がないため還付なし。

– 解体報告と抹消手続が車検満了日後になると還付不可。

早めに解体・届出を。

– 根拠
– 自動車重量税法および同施行令・施行規則、国土交通省の事務処理要領(解体による抹消時の重量税還付制度に関する通知等)。

自動車リサイクル料金(預託金)の払戻(リサイクル料含む)

– 仕組み
– リサイクル料金は、将来の解体・再資源化費用(ASR・エアバッグ類・フロン類など)に充てる預託金。

国内で解体した場合はこの費用に充当され、払戻はありません。

– 払戻が可能な主なケース
– 輸出抹消(日本から恒久的に輸出)により、国内で再資源化が実施されない場合。

預託金は資金管理法人(自動車リサイクル促進センター JARC)に払戻申請が可能。

– 手続の流れ(概要)
1) 運輸支局で輸出抹消(輸出抹消仮登録→輸出実績の確認)。

2) JARCの案内に従い「リサイクル料金払戻申請」を行う(オンライン/書面)。

3) 資金管理法人による審査後、指定口座に払戻。

– 必要書類(例)
– 払戻申請書(JARC所定)
– 輸出抹消仮登録証明書や登録識別情報等(輸出抹消の事実を示すもの)
– 輸出の事実を証する書類(通関許可書、船荷証券等)
– 預託管理番号が分かるリサイクル券情報
– 申請者の本人確認書類、口座情報、委任状(代理申請)
– 期限・注意
– 輸出抹消の情報登録後、所定の期限内の申請が必要(運用は改定されることがあるためJARCの最新要領を要確認)。

– 国内解体では払戻なし。

預託金は売買時に車両と一緒に承継され、譲渡時は通常、売買代金とは別に清算されます。

– 根拠
– 使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)および同法に基づく資金管理法人(自動車リサイクル促進センター)の規程・手続案内。

実務上のアドバイス・FAQ

– ディーラー・解体業者・買取業者へ委任してもOK
– 還付の受取主体は原則「納税者(所有者)」ですが、登録・抹消・還付申請事務は委任可能。

委任状・本人確認書類・印鑑(実印が必要な場合あり)を準備。

– 住所・口座の相違に注意
– 納税通知や還付通知は登録住所へ届きます。

転居時は運輸支局・税務窓口への届出や郵便転送設定を。

– 未納・他の公金との相殺
– 自動車税の未納、他の公金債権があると相殺の可能性。

心当たりがある場合は事前に確認。

– スケジュール感
– 自動車税の還付 抹消から1~2か月程度で通知→入金が目安(自治体差あり)。

– 重量税の還付 解体抹消・申請後、数週間~1~2か月程度。

– リサイクル払戻 書類完備・審査後、1~3か月程度(案件差あり)。

– どこに行けばいい?

– 登録自動車・二輪の小型自動車 運輸支局(国交省)
– 軽自動車(四輪・軽二輪) 軽自動車検査協会
– 自動車税(普通車等) 都道府県税事務所
– 軽自動車税 市区町村税務課
– リサイクル料金払戻 自動車リサイクル促進センター(JARC)

まとめ(ケース別の要点)

– 廃車(国内解体)
– 自動車税 月割で還付(普通車等)。

軽は原則なし。

– 重量税 車検残があれば未経過分を還付。

車検切れなら還付なし。

– リサイクル 払戻なし(費用充当)。

– 輸出
– 自動車税 月割で還付(普通車等)。

– 重量税 還付なし(国内解体条件を満たさない)。

– リサイクル 資金管理法人へ払戻申請で払戻可。

– 譲渡(名義変更)
– 税・重量税・リサイクルいずれも原則還付なし(リサイクル預託金は取引で清算するのが通例)。

法令の根拠(概要)
– 地方税法(昭和25年法律第226号)
– 自動車税種別割・軽自動車税種別割の賦課・徴収、過誤納の還付、月割課税に関する基本規定。

具体の運用は都道府県・市区町村の条例・規則で定め。

– 自動車重量税法(昭和48年法律第73号)および関係政省令
– 前納した重量税の未経過分の還付制度、解体による抹消時の事務手続の根拠。

– 使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14年法律第87号)
– リサイクル料金の預託・管理・払戻(輸出時等)の枠組み、資金管理法人(自動車リサイクル促進センター)の役割。

最後に
– 実務の様式名・添付書類・口座届の有無、申請期限等は地域・時期で細部が異なります。

具体の申請直前に、所管窓口(運輸支局・軽自動車検査協会・都道府県税事務所・市区町村税務課・自動車リサイクル促進センター)の最新案内を必ず確認してください。

– 不明点があれば、車検証の「使用の本拠の位置」管轄の窓口へ電話相談すると確実です。

代理人に任せる場合も、還付金の受取人(名義)・口座や委任範囲を事前に確認しておくとスムーズです。

リサイクル料金はどの条件で返金され、誰がどうやって受け取るのか?

まず大前提として整理します。

自動車税(種別割)や自動車重量税の還付は「税金」の制度で、抹消登録や解体・輸出など一定の手続きを行うと、未経過分が法に基づいて自動的・申請により還付されるものです。

一方、リサイクル料金はいわゆる税ではなく、「自動車リサイクル法(正式名称 使用済自動車の再資源化等に関する法律)」に基づく預託金です。

性格も根拠法も手続も別物で、還付される条件はかなり限定的です。

以下、リサイクル料金の「いつ返るのか」「誰がどう受け取るのか」「根拠は何か」を中心に、実務の流れと注意点まで詳しく説明します。

リサイクル料金の基本

– 何のための料金か
使用済自動車からのエアバッグ類、フロン類、シュレッダーダスト(ASR)等の適正処理・再資源化に充てる原資を、車の所有者等が前払いで「預託」する仕組みです。

– どこが管理しているか
経済産業大臣・国土交通大臣が指定した資金管理法人(一般財団法人 自動車リサイクル促進センター JARC)が一元管理します。

リサイクル券・預託状況の照会や還付申請も、JARCのシステムで行います。

– 誰が払うか
新車時や中古車の初回継続検査時、輸入時など、制度で定められたタイミングでその時点の所有者等が預託します。

以後の譲渡では料金自体はJARCに留まったまま、売買代金の中で「預託金相当額」を精算するのが通例です(制度上の還付ではありません)。

還付される主なケース(条件)
リサイクル料金が返ってくるのは、原則として「日本国内でリサイクル原資として使われないことが確定した場合」に限られます。

代表例は次のとおりです。

中古車として国外へ輸出した場合(輸出抹消)
もっとも典型的な還付事由です。

道路運送車両法に基づく「輸出抹消仮登録」を行い、実際に輸出が完了した車両は、日本国内では解体・再資源化されません。

そのため、JARCに預けてあった原資のうち、制度上返還対象とされる部分が還付されます。

重複預託・誤納が判明した場合
何らかの手違いで同一車両に二重に預託された、対象外車両だった、車台番号の誤りで別車両に紐付いたなど、制度上の誤納が確認されたときは、重複・誤納分が還付されます。

注意 国内で解体(解体抹消)した場合は、預託金はそのまま処理費用の支払いに充当され、所有者に返金はありません。

これを誤解して「廃車したら戻る」と期待するとトラブルの元です。

還付されない(制度上の返金対象外)となる代表例

– 国内で解体・リサイクルした場合(解体報告が上がった車両)
– 名義変更(売買・譲渡)や一時抹消のみの場合
取引実務では売買代金の中で預託金相当額を精算する慣行がありますが、これは当事者間の清算であってJARCからの還付ではありません。

– 盗難や災害で失われたが国内で解体等の実績が上がらないままのケース
– 還付申請期限(後述)を過ぎた場合

還付を受け取れる人(誰が)

– 輸出による還付の場合
原則として、輸出抹消の手続きを行った最終所有者(輸出抹消仮登録申請者)が受給権者になります。

実務では、中古車輸出事業者や販売店が所有権・手続権限を移転されたうえで輸出抹消を行い、その事業者が還付を受けるケースが多くなっています。

個人所有者が直接輸出した場合は、その本人が申請者・受取人になります。

– 重複預託等の誤納還付の場合
原則として誤って預託した者(誤納者・重複預託者)が対象です。

– 例外・承継
受給権者が死亡・解散した場合は相続人・清算人等が権利を承継して申請できます。

委任状により販売店・行政書士等が代理申請することも可能です。

いくら返るのか(還付額の考え方)

– 基本
預託したリサイクル料金のうち、国内での処理に充てられる本体部分は未使用ですので、制度で定める管理手数料等を控除した額が還付されます。

– 控除対象
資金管理等に係る所定の手数料(資金管理料金等)は制度上、還付対象から除かれます。

車両ごとに預託した内訳(エアバッグ類、フロン類、ASR等)や手数料額はリサイクル券・預託状況照会で確認できます。

– 端的に言うと
「預託金額 − 所定の管理手数料(等)」が目安です。

個別の控除額は車両・預託時期により異なりますので、JARCの還付申請画面や預託状況照会で実額を確認してください。

どうやって受け取るか(申請・手続の流れ)

– 輸出による還付の標準的な手順
1) 輸出抹消仮登録手続
運輸支局で「輸出抹消仮登録」を行い、ナンバー返納・輸出抹消仮登録証明書の交付を受けます。

2) 実輸出
実際に船積・輸出通関を行います。

通関データは自動的に関係システム間で連携され、一定期間後にJARC側でも輸出事実が確認できる状態になります。

3) 還付申請
JARCの「リサイクル料金還付申請」窓口(オンライン申請または書面)で申請します。

必要情報は、預託金管理番号(リサイクル券番号)、車台番号、輸出抹消情報、申請者の本人確認情報、振込先口座など。

原則、国内銀行口座への振込です。

状況により輸出抹消仮登録証明書や通関関連書類の写し提出を求められることがあります。

4) 審査・入金
受理後、審査を経て還付額が指定口座に振り込まれます。

処理期間は案件により異なりますが、実務上は数週間程度が目安です。

– 重複預託・誤納の還付
JARCの所定フォームで、重複・誤納を示す資料(領収書、車検証、預託記録の写し等)を添えて申請します。

– 申請期限
輸出による還付は、輸出抹消等の一定の事実発生日から起算して申請期限が設けられています。

実務では「輸出抹消後、できるだけ速やかに、遅くとも相当期間内」に申請が必要です。

具体の期限はJARCの資金管理業務規程等に定めがありますので、最新の案内をご確認ください(一般に長期放置は権利消滅リスクがあります)。

– 代理申請
販売店・輸出事業者・行政書士等が委任を受けて申請できます。

誰が還付を受けるかは、売買契約・委任契約で明確にしておくことが重要です。

実務上の注意点

– 国内解体なら返らない
国内の引取業者に車を渡して解体した場合、所有者への返金はありません。

預託金は処理費用に充てられます。

– 名義変更・下取り時の「預託金相当額」の精算
国内譲渡では、リサイクル料金そのものはJARCに留まります。

売買当事者間で預託金相当額を清算する慣行があり、見積書にも「リサイクル預託金相当額」として記載されますが、これは民間の取引上の精算であって、制度上の還付ではありません。

– リサイクル券をなくした場合
JARCの「預託状況検索」(車台番号等で照会)で確認できます。

券面がなくても申請可能な場合があります。

– 海外口座への送金
原則、国内金融機関の口座への振込です。

外国口座への送金はできないのが通例です。

– 二輪車・大型特殊等の扱い
オートバイ等は自動車リサイクル法の対象外で、リサイクル料金の預託・還付の仕組みはありません。

軽自動車は対象です。

– 詐欺に注意
「還付金がある」といった不審な電話・SMSに注意。

JARCや官公庁が電話でATM操作を求めることはありません。

自動車税・重量税の還付との違い(簡単に)

– 自動車税(種別割)
地方税法に基づく都道府県税。

抹消登録(解体・一時抹消等)により、その年度の未経過月分が還付されます。

受取人は納税義務者(名義人)で、手続は都道府県の案内に従います。

– 自動車重量税
自動車重量税法等に基づく国税。

車検時に前納しているため、車検期間残存中に永久抹消(解体または輸出)した場合、未経過月分の還付制度があります。

申請は運輸支局での抹消時などに行います。

– リサイクル料金
税ではなく預託金。

国内解体では所有者への返金はなく、輸出等の限られた場合にのみ還付対象。

申請・支払い窓口はJARC。

法的根拠・公的資料(主なもの)

– 使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)
預託金制度、資金管理法人(JARC)の指定、資金の管理・還付等の基本枠組みを定めます。

– 同施行令・施行規則
預託・情報管理・還付事務の具体的手続や関係事業者の報告義務等を規定。

– 資金管理法人の業務規程(JARCが公表)
預託金の受入れ、還付(輸出・重複預託・誤納等)、申請方法、必要書類、手数料、期限など実務運用の詳細。

– 道路運送車両法・同施行規則
輸出抹消仮登録や抹消登録の手続、これによりJARCへ連携される情報の法的基盤。

– 地方税法(自動車税(種別割)の賦課・還付関係)、自動車重量税法(重量税の賦課・還付関係)
税の還付の根拠法令(リサイクル料金とは別制度)。

具体例でイメージ

– 例1 国内で解体した場合
所有者Aさんが解体業者に引渡し→解体報告→JARCから処理費用が関係事業者に支払われる→Aさんへの還付はゼロ(自動車税・重量税は別途還付の可能性)。

– 例2 中古車として輸出した場合
輸出事業者B社が所有権を取得→輸出抹消仮登録→実輸出→B社がJARCに還付申請→預託金から管理手数料等を控除した額がB社指定口座に振込。

– 例3 重複して預託してしまった場合
Cさんが継続検査時に誤って再度預託→JARCに重複預託の証憑を添えて申請→重複分がCさんに還付。

最後に、実際の申請にあたっては、JARC(自動車リサイクル促進センター)の公式サイトで最新の「還付申請のご案内」「預託状況検索」「資金管理業務規程」を確認してください。

車台番号と預託金管理番号(リサイクル券)を手元に用意しておくと手続がスムーズです。

還付の可否・金額・必要書類・申請期限は個々の車両や手続状況によって異なりますので、不明点はJARC窓口または最寄りの運輸支局、販売店・行政書士等の専門家に相談するのが確実です。

申請期限や一時抹消・永久抹消・輸出時の注意点は何か?

以下は、登録自動車(普通車等)を中心に、自動車税(種別割)・自動車重量税・リサイクル預託金(いわゆるリサイクル料)の還付について、申請期限や一時抹消・永久抹消・輸出時の注意点、および根拠をまとめたものです。

自治体や個別事情で運用差があるため、最終的には所管(都道府県税事務所、運輸支局、自動車リサイクル促進センター等)に確認してください。

自動車税(種別割)の還付

– 還付の基本
– 普通車等(いわゆる「登録車」)は、抹消(永久抹消、一時抹消、輸出抹消仮登録)をすると、翌月から当該年度末(3月)までの月割で還付されます。

4月1日現在の所有者に年度課税されるため、できるだけ早く抹消するほど還付月数は増えます。

– 軽自動車税(種別割 市町村課税)は原則として年度途中の還付制度がありません(多くの自治体で「還付なし」)。

登録車と軽は制度が異なる点に注意。

– 申請要否・期限
– 多くの都道府県は抹消情報が自動連携され、原則「申請不要」で後日口座登録の案内が届くか、指定口座に自動還付されます。

還付金の受取権には時効(地方税の還付金は概ね5年)があるため、通知が来たら速やかに手続を。

– 4月以降に抹消した場合、いったん新年度の納税通知が届くことがありますが、納付せず(納付すると後から相殺調整が必要)還付案内に従うよう案内する自治体が一般的です。

– 注意点
– 一時抹消でも還付対象。

再登録するとその時点から年度末までの月割で再課税されます(同一年度内の二重取りにはならないが、再課税はされます)。

– リース車等で名義がリース会社の場合、還付は名義人(所有者)へ支払われます。

使用者に直接は戻らないのが原則です。

– 盗難の場合でも、一時抹消(盗難抹消)を行えば月割還付や減免の対象になる取扱いがあります(都道府県条例・取扱いに依存)。

自動車重量税の還付

– 還付の基本
– 自動車重量税は車検時に前納する国税です。

原則として「解体して永久抹消登録をした場合」に限り、車検の残存期間が1か月以上あるとき、未経過分が月割で還付されます。

– 一時抹消や輸出(海外再使用)では重量税の還付はありません。

あくまで「解体」が要件。

– 申請の流れ・期限感
– 解体業者が自動車リサイクルシステムへ「解体報告」を行い、運輸支局で「永久抹消登録」を行う際に、重量税の還付申請を同時に行うのが実務上の基本です。

必要書類(解体報告記録、抹消登録関連書類、本人確認、口座情報等)を持参。

– 法令上の画一的な「申請期限」は明記されていませんが、解体・抹消後、速やかに申請しないと権利消滅のリスクがあります。

特に、車検残期間が1か月未満になると対象外になるため、抹消時期が重要です。

– 注意点
– 先に抹消だけして解体が遅れると、解体報告が間に合わず還付要件を満たせないことがあります。

解体→解体報告→永久抹消→還付申請の順序を意識。

– 所有権留保つき(ローン中)等では、抹消や還付の手続きに所有権者の関与が必要です。

– 自賠責保険は別制度です。

未経過分は保険会社で解約返戻の手続きが必要。

リサイクル預託金(リサイクル料)の還付(輸出時)

– 還付の基本
– 国内で解体した場合は、預託金はエアバッグ類・フロン回収、シュレッダーダスト処理費用等に充当されるため原則還付はありません。

– 海外へ輸出し、国内で解体しない(海外再使用)場合は、未使用残高について還付を受けられる制度があります。

手続先は資金管理法人(自動車リサイクル促進センター JARC)。

– 必要手続・期限
– 前提手続は「輸出抹消仮登録」を行うこと。

その上で、実際に輸出した事実を証明する書類(例 輸出許可通知書、船荷証券B/L等)を準備し、還付申請します。

– 還付申請は、輸出が確認できた日を起点として原則2年以内が目安(自動車リサイクル促進センターの定めによる運用)。

期限徒過は還付不可になり得ます。

– 還付額は預託金残高から情報管理料金等の手数料を控除した残額。

名義は最終保有者(原則、輸出時の所有者)に紐づきます。

– 注意点
– 輸出抹消仮登録をせずに車両を輸出してしまうと、制度上の還付要件を満たせない場合があります。

必ず仮登録→輸出実行→証憑取得→申請の順。

– 名義変更直後の輸出では、還付受取人・口座情報の整合に注意。

委任で代行申請する場合は適切な委任状が必要。

– 還付対象外の品目(ASR管理料金未発生等)や、過去の制度改定前に預託したケースで扱いが異なる場合があります。

一時抹消・永久抹消・輸出時の共通注意点(手続・時期)

– 一時抹消(長期保管・一時的に公道走行しない)
– 自動車税(種別割)は月割還付あり。

重量税還付はなし。

– 再登録で税は再課税。

ナンバー返納・車検証返納が必要。

– 自賠責・任意保険、駐車場契約は用途に応じ見直し。

盗難車は一時抹消で税負担軽減の可能性。

– 永久抹消(解体)
– 解体業者に引渡し→リサイクル法の解体報告→運輸支局で永久抹消→重量税還付申請の順に。

車検残が1か月以上ある時期に実行するのが基本。

– 自動車税(種別割)は月割還付、重量税は未経過分還付。

自賠責は別途解約返戻。

– 輸出(海外再使用)
– 輸出抹消仮登録を行えば、自動車税(種別割)は月割還付対象。

重量税の還付はなし。

– リサイクル預託金は、輸出実績の証明書類を揃え、原則2年以内に還付申請。

– 輸出抹消仮登録後は、一定期間内に実輸出が確認できないと還付不可になる恐れがあるため、スケジュール管理が重要。

実務でのコツ

– 3月中の抹消が有利 4月1日を跨ぐと新年度課税(自動車税)が発生。

年度末までに抹消できるなら還付月数が最大化。

– 口座情報の登録・住所変更届 還付通知が届かず時効になるケースを防止。

– 名義(所有者)確認 ローン・リース・所有権留保は、還付先や手続主体が異なる。

事前に権利関係を整理。

– 書類の原本保管 輸出やリサイクル還付は証憑主義。

B/Lや許可通知の原本・電子データの真正性確保が重要。

主な法令・公的根拠(概要)

– 自動車税(種別割)
– 地方税法および各都道府県税条例に基づく月割還付の取扱い。

4月1日基準日課税、抹消による月割還付は各主税局の案内に明記(例 東京都主税局「自動車税種別割の還付」)。

– 自動車重量税
– 自動車重量税法および国土交通省の「解体自動車に係る自動車重量税の還付制度」等の告知資料。

要件は「解体」「永久抹消」「車検残1か月以上」「月割計算」等。

– 手続は運輸支局(国交省・独法自動車技術総合機構の窓口)。

解体報告は自動車リサイクル法に基づく電子報告。

– 自動車リサイクル預託金
– 使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)および資金管理法人(自動車リサイクル促進センター JARC)の運用基準。

海外再使用時の還付手続、申請期限(原則2年)、必要書類が定められています。

参考リンク(公式)

– 国土交通省(解体自動車に係る自動車重量税の還付制度)
– お住まいの都道府県 主税局(自動車税種別割の還付案内)
– 自動車リサイクル促進センター(JARC)「国外再使用還付申請」案内

最後に
– 自動車税(種別割)の月割還付は「抹消の翌月から年度末まで」、重量税は「解体+永久抹消+車検残1か月以上」でのみ還付、リサイクル預託金は「輸出時(海外再使用)」に還付の可能性がある、という整理が最重要です。

いつ抹消・輸出するかで還付額が大きく変わるため、予定が決まり次第、解体業者・運輸支局・主税局・JARCの順に必要書類とスケジュールを確認し、早めに動くことをおすすめします。

【要約】
本稿は、自動車税(種別割)・自動車重量税・リサイクル料金の還付可否を整理。普通車等は年度途中に抹消登録すれば自動車税が月割還付(名義変更のみ不可)。軽は原則中途還付なし。重量税は車検残あり解体・永久抹消で月割還付。手続は運輸支局で、4/1基準や締切に注意。リサイクル料は税でなく、廃車方法や輸出の有無で払戻可否が変わる。根拠は地方税法・各条例等。還付は抹消月の翌月から月割。過誤納の還付もあり。

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