コラム

車の年落ち率 完全ガイド 定義と計算式、影響要因、中古車相場での算出手順と買い時・売り時の見極め方

そもそも「年落ち率」とは何で、車の価値にどう影響するのか?

年落ち率とは何か
– 「年落ち率」は、中古車の価格が年を追ってどれだけ下がるかを示す目安(下落率)の俗称です。

厳密な学術用語ではなく、自動車販売や買取の現場で「年式が1年進むごとに何%価値が落ちるか」を表す実務的な指標として使われます。

英語でいう depreciation rate(減価率)に近い概念ですが、会計上の減価償却率とは異なり、市場価格(時価)の動きに根ざしています。

– 目的は「現在の相場」や「将来の残価(リセールバリュー)」を見積もることです。

たとえば新車価格から3年後の売却予想額を出したいとき、「平均の年落ち率」を掛け合わせて残価を推定します。

年落ち率の基本的な計算方法
年落ち率には複数の定義の仕方があります。

現場では次のいずれか、または併用が一般的です。

1) 単年の下落率(年次前年比)
– 定義 年落ち率t = 1 −(当年の相場価格Pt ÷ 前年の相場価格Pt−1)
– 例 昨年200万円→今年170万円なら、1 − 170/200 = 15%の年落ち率。

2) 累積から求める平均年落ち率(幾何平均)
– 定義 平均年落ち率r = 1 −(Pn ÷ P0)^(1/n)
– 例 新車300万円→3年後180万円(残価率60%)なら、r = 1 − (180/300)^(1/3) ≒ 1 − 0.8436 ≒ 15.6%。

つまり平均すると毎年約15.6%ずつ下がった計算。

3) 新車価格基準の各年下落幅(累積)
– 定義 年数ごとの新車価格に対する下落割合を積み上げる方法。

初年度は25〜30%、2年目はさらに10〜15%、3年目も10〜15%…のように段階的に置く。

– 実務では「初年度の落ちが大きく、その後は緩やか」という曲線(コンベックスな下落カーブ)を仮定するのが一般的です。

年落ち率が車の価値に与える影響
– 売却価格・下取り価格 同クラスでも年落ち率が低い(値落ちしにくい)モデルは高く売れます。

逆に年落ち率が高いと数年後の売却額が押し下げられ、総保有コスト(TCO)が上がります。

– 購入判断 同じ購入価格でも年落ち率が低い車は実質的な「実効コスト」が低い(後で高く売れる)ため、賢い買い物になりやすい。

– ローン・リース条件 残価設定ローンやリースでは将来残価の見積もりが金利や月額に直結します。

残価見込みが高い(年落ち率が低い)車は月額が抑えやすい。

– 保険・補償の実効価値 車両保険の「時価」は市場価格に近いため、年落ちが大きい車は全損時の補償上限も目減りしやすい。

年落ち率の典型的なカーブ(相場の一般論)
– 初年度(登録後〜1年) 下落が最も大きい。

約20〜35%が目安。

新車から「中古」になる心理的割引、初期登録費用の不可逆性、ナンバーが付いた時点での市場評価の変化が要因。

– 2〜3年目 10〜15%/年程度が多い。

車検・保証残の有無やモデルチェンジ時期で上下。

– 4〜6年目 8〜12%/年程度に緩やか化。

ただし走行距離増や主要整備時期(タイヤ・ブレーキ・バッテリー・タイミングチェーン周辺等)の費用見込みが影響。

– 7年目以降 個体差が拡大。

状態・修復歴・地域・希少性で年落ち率が大きくばらつく。

人気希少グレードは価格下げ止まり、場合によっては逆行(値上がり)も。

年落ち率に影響する主な要因
車両側要因
– 走行距離 日本市場では1万km/年が一つの目安。

これを大きく上回るとマイナス、下回るとプラス。

走行距離は機械的摩耗と将来の修理リスク(期待費用)の代理変数。

– グレード・装備・安全性能 先進安全装備(衝突被害軽減ブレーキ、ACC、LKA等)は再販性を底上げ。

人気グレード(4WD、ターボ、大画面ナビ、ドラレコ、ETC2.0など)も有利。

– ボディタイプ SUV、ミニバン、軽スーパーハイトワゴンは近年強い。

セダンやクーペは相対的に弱いが、ハイパフォーマンスや希少車は別。

– ブランド・モデルの評判 故障の少なさ、燃費、実用性、下取り相場の強さが反映。

フリート・レンタアップの大量放出がある車種は一時的に弱含み。

– 色 白(パール)、黒、シルバー系は流通が強く、奇抜色は時間が経つほど需給が薄くなりやすい。

– 修復歴・改造歴・内装状態 事故修復歴や過度のカスタム、喫煙・ペット臭、シート損傷は年落ち率を加速させる。

– 駆動・パワートレーン ハイブリッドは燃費・静粛性で強い傾向。

EVはバッテリー劣化やテクノロジーの陳腐化スピードが相場に織り込まれやすい。

ディーゼルは用途と地域で評価が分かれる。

市場・外部要因
– モデルチェンジ フルモデルチェンジ直後は旧型の年落ちが加速するのが通例。

マイナーチェンジや特別仕様車の投入も影響。

– マクロ需給 半導体不足・新車納期遅延のような供給制約時(2021〜2023年)は中古相場が上振れし、年落ち率が一時的に低下もしくは逆行するケースが発生。

– 税制・規制・燃料価格 自動車税・重量税、エコカー減税の対象、環境基準や排ガス規制強化、ガソリン価格高騰などが需要配分を変える。

– 季節性・決算期 3月前の繁忙期やボーナス期は需要が強まりやすい一方、決算期の在庫調整で相場が動くことも。

年落ち率と近縁の指標の違い
– 会計上の減価償却(税法) 普通乗用車の耐用年数(例 6年)に基づく定率・定額法で帳簿価額を減らすもの。

実売相場とは一致しない。

税務上の便宜的なスケジュール。

– 保険の「時価額」 事故全損時の支払上限の算定基礎で、実勢価格(オークション・小売相場)に依拠。

年落ち率はこの「時価」の推定にも関与。

– 残価率(リセールバリュー) 新車価格に対する将来価格の割合。

年落ち率は残価率の年次変化を説明する視点。

セグメント別のざっくり傾向(目安)
– 軽自動車(特にスーパーハイト) 高い需要と低維持費で強含み。

3年残価50〜70%も珍しくない。

– コンパクト・ハイブリッド 実用性と燃費で堅調。

3年残価50〜65%程度。

– SUV・クロスオーバー 近年最強セグメントの一つ。

人気車は3年残価60〜75%。

限定車・4WDは強い。

– ミニバン 需要が底堅い。

人気グレードで3年残価55〜70%。

– 輸入高級車 初期下落が大きい傾向(初年度25〜40%)、3年残価40〜60%がボリュームゾーン。

ただし一部プレミアムSUVは強い。

– EV モデルにより乖離が大きい。

補助金や電池アップデートのスピード、急速充電インフラの地域差次第。

電池保証が厚いメーカーほど有利。

数値例で見る年落ち率
– 例1(段階的) 新車300万円のSUVが
– 1年後 225万円(−25%)
– 2年後 191万円(−15%)
– 3年後 162万円(−15%)
→ 3年残価は54%。

幾何平均の年落ち率は約17.4%。

– 例2(平均年落ち率で逆算) 3年後残価が60%と見込むなら、平均年落ち率rは 1 − 0.6^(1/3) ≒ 15.6%。

このrを用いればn年後の推定価格は Pn = P0 × (1 − r)^n。

実務での使い方(買い手・売り手)
– 買い手 購入前に「同型の過去数年の相場推移」から平均年落ち率を推定し、3〜5年乗った場合の売却額を試算。

月当たりの実質コスト(購入額−売却額+維持費)を可視化。

– 売り手(下取り・買取) オートオークション相場や自社販売データからモデル別の「月次減価(年式減価)」と「走行距離係数」を持ち、査定時に加点減点で微調整。

年落ち率を基に在庫日数や目標粗利から仕入れ上限を決める。

根拠・エビデンスの背景
– 市場データ
– オートオークション各社(USS、CAA、TAAなど)の成約価格データは業界の基準。

ディーラーや買取店はこれを起点に年式・距離・状態の補正を掛けます。

過去データから年次ごとの価格推移(=年落ち)を統計的に把握。

– 一般向けの公開情報としては、カーセンサー(リクルート)の中古車価格動向レポート、グーネットの相場トレンド、各種リセールランキング(残価率ランキング)があり、セグメントや車種ごとの値動き傾向を確認可能。

半導体不足期に一部モデルが値上がりした事例など、年落ち率が供給ショックで変動する事実が示されています。

– 日本自動車査定協会(JAAI)の査定基準では、年式による「年式減価」や走行距離・内外装状態の減点基準が体系化され、実務査定に反映。

細目は会員向け資料ですが、年式が進むにつれ基準価格から一定比率・定額で減価する枠組みが採用されています。

– 経済学的説明
– 耐久財の価格は、使用による限界故障リスクの上昇と性能の相対的陳腐化(新技術の登場)を織り込みながら決まります。

期待整備費が増えるほど購入者の支払意思額は低下。

– 機能的代替の進行(例 より安全・低燃費・高コネクティビティの新型)により、旧型の限界効用が逓減。

よって初年度の下落が最も大きく、その後は逓減する凸型の価格カーブになりやすい。

– 市場の流通コスト(保証・整備・商品化費用・在庫金利)が一定以上かかるため、安価帯では価格の下げ止まりが発生し、年数が進むほど「下がり幅が小さくなる」現象が起きます。

– 制度・税務の補助線
– 税法上の減価償却(例 普通乗用車耐用年数6年)は帳簿目的のスケジュールであり、実勢価格の推移とは乖離しますが、「時間とともに価値が逓減する」という方向性の根拠を与えます。

– 事例的観察
– 3年・5年・7年の「車検節目」やフルモデルチェンジ直後の旧型相場の軟化は、各社の月次相場レポートや小売価格の履歴で反復的に観察されます。

年落ち率を自分で推定する手順
– 対象車の新車価格(オプション込みの実勢)を把握。

– 中古車ポータル(カーセンサー、グーネット等)で、登録年・走行距離が近い在庫の中央値価格を年ごとに収集。

できれば成約相場(オークション統計)が理想。

– 同一条件化の補正を入れる(距離1万km/年基準に合わせる、修復歴や装備の差を除外)。

– 年次の中央値から単年年落ち率、n年累積の幾何平均年落ち率を計算。

– 将来予測は「初年度大・以降逓減」の形に手直しし、モデルチェンジ予定やマクロ需給(新車納期、補助金)をシナリオとして上振れ・下振れ幅を用意。

注意点・落とし穴
– 「年落ち率」は固定の定数ではない 相場は需給で揺れ、同じモデルでも年によって違う。

カタログ値のように絶対視しない。

– 月次・季節性の影響 決算期や繁忙期で短期的にぶれる。

月次推移の平滑化が必要。

– 新技術の波 安全装備やコネクト機能の非搭載が旧型の割引要因になりやすく、電動化の進展は将来の年落ち率の前提を変える可能性がある。

まとめ
– 年落ち率とは「車の年齢が1年進むごとの市場価格の下落率」。

会計上の減価償却ではなく実勢相場に基づく。

– 初年度の下落が最も大きく、その後は逓減するのが一般的。

平均年落ち率は幾何平均で約10〜20%/年が目安だが、車種・セグメント・市場環境で大きく変動。

– 影響因子は、走行距離・状態・装備・ボディタイプ・ブランド、さらにはモデルチェンジ、需給、税制や燃料価格まで多岐にわたる。

– 根拠はオートオークション相場・中古車価格動向レポート・査定基準といった実務データに加え、耐久財の経済学的性質に裏付けられている。

– 購入前・売却前に対象車の相場履歴から自分なりの「平均年落ち率」を推定し、将来残価をシナリオで検証することが、総保有コストを最小化する実践的なアプローチです。

年落ち率はどのような計算式で求められ、必要なデータは何か?

ご質問の「車の年落ち率(ねんおちりつ)」には、実務上おおきく二つの意味・計算アプローチがあります。

ひとつは中古車市場での時価が年齢(経過年数)に伴ってどれだけ下がるかを示す「マーケット型」の年落ち率。

もうひとつは会計・税務上の減価償却の観点から、取得原価を耐用年数で費用配分する「会計・税務型」の年落ち率です。

両者は似た言葉で語られますが、目的も式も必要データも異なります。

以下では、両アプローチの計算式、必要データ、実務手順、根拠まで丁寧に解説します。

マーケット型(中古車の相場に基づく「年落ち率」)

– 定義の考え方
– ある車種・グレード・装備条件の市場価格が、年齢(初度登録からの経過年数)1年あたりどれだけ%で下がるか、を表す割合。

– 急激に値が下がる初年・新型発表直後・モデルチェンジ時期などの影響を反映するため、年ごとのレートが違うのが普通です。

代表的な計算式
1) 単年の年落ち率(年次ごと)
rt = 1 − Pt / P{t−1}
ここで Pt は t年落ち(t歳)の時価、P{t−1} は前年(t−1歳)の時価。

例 新車300万円、1年落ち相場240万円なら r1 = 1 − 240/300 = 20%。

翌年、2年落ち相場210万円なら r_2 = 1 − 210/240 ≈ 12.5%。

2) 平均年落ち率(幾何平均、複利的な下落を仮定)
r̄ = 1 − (Pt / P0)^(1/t)
ここで P_0 は新車の実勢購入額(下取り・値引き・諸費用の扱いは定義次第)。

複利的に一定率で下がると仮定したときの平均年率です。

例 300万円が3年で180万円になれば r̄ = 1 − (180/300)^(1/3) = 1 − 0.6^(1/3) ≈ 15.7%。

3) 平均年落ち率(単純平均、直線的な下落を仮定)
rlin = (P0 − Pt) / (t × P0)
例 同上なら r_lin = (300−180)/(3×300) = 13.3%。

ただし実勢は複利的に下がることが多く、幾何平均の方が実感に近いことが多いです。

4) 残価率からの換算(リース・ファイナンスでよく使う)
ある時点の残価率 zt = Pt / P0 が分かれば、平均年落ち率は
r̄ = 1 − zt^(1/t)
例 3年後残価55%なら r̄ ≈ 1 − 0.55^(1/3) ≈ 18.3%。

必要なデータ(マーケット型)

新車価格の基準値 P_0
メーカー希望小売価格(MSRP)だけでなく、実際の購入総額(値引き後、本体+オプション、諸費用の扱い)をどう定義するかを明確化。

各年齢の中古車相場 P_t
できれば成約価格(オートオークション落札価格など)。

掲載価格は成約よりやや高めに出る傾向があるため注意。

走行距離、修復歴、グレード、装備、ボディカラー、地域、季節などをできるだけ揃えるか、統計的に補正。

サンプル数
単一台の取引ではブレが大きいので、中央値や分位点で代表値を取るのが実務的。

走行距離・装備差の補正

ベースライン走行距離(例 年間1万km)を設定し、超過・不足分を補正。

簡便法の一例 価格補正額 ≈ a × (実走行 − ベース)/1,000[km]
ここで a は1,000km当たりの調整額(車種・価格帯で大きく異なる)。

または、対数回帰で距離係数を推定する方法も一般的です。

装備・グレード差はオプションの中古市場での残存価値(新車時価格の一部が残る)で補正。

具体例(仮想データ)

新車実勢購入額 P_0 = 300万円
1年落ち中央値 P1 = 240万円 → r1 = 20%
2年落ち中央値 P2 = 210万円 → r2 = 12.5%
3年落ち中央値 P3 = 180万円 → r3 ≈ 14.3%
0→3年の平均年落ち率(幾何) r̄ ≈ 15.7%

実務での推定手順
1) 対象車種・年式・グレード・装備を固定し、1〜5年落ち程度までの取引データを収集(オークション、ディーラー下取り、掲載相場の成約推定)。

2) 距離・修復歴などを標準化(距離補正、修復歴なしに限定など)。

3) 年齢ごとに中央値を出し、上記の r_t と r̄ を算出。

4) 必要に応じて対数線形回帰 log(P) = α − β×Age − γ×(走行距離/1万km) + δ×装備 + … を推定し、βを連続的な年落ち率(おおむね 1−e^(−β))として解釈。

年落ち率に影響する主因

需給(人気、供給量、フリート放出の一斉増加)
モデルチェンジ(MC/FC)の時期、競合の新型投入
パワートレイン(ハイブリッドやEVの技術進歩速度と電池劣化リスク)
税制・補助金・金利環境(残価設定ローンやリースの普及度)
ブランド・セグメント(SUVや軽自動車は一般に強含み、輸入大型セダンは下落が大きい等)
季節性(決算期、ボーナス期、雪国のAWD需要など)

マーケット型の根拠

市場価格は、使用による効用低下(摩耗・故障リスク上昇)と技術的・意匠的な陳腐化、在庫・需要動向により形成されるという経済学的な基礎(耐用消費財の価格決定)。

実務的には、リース会社・ファイナンス会社が公開・非公開の残価率(n年後の残価%)を設定し、これは大量のオークション実績や季節性を織り込んだ市場見通しに基づく。

残価率から年落ち率を幾何換算できることが多い。

統計的にはヘドニック価格法(属性別の寄与を推定)で年齢・距離の弾力性を推計する研究が広く行われており、複利的な下落(幾何平均での評価)が整合的という知見が一般的です。

会計・税務型(減価償却としての「年落ち率」)

– 目的の違い
– 会計・税務は「費用配分のルール」であり、資産の取得原価を耐用年数にわたって規則的に費用化するもの。

市場価格の実勢下落とは必ずしも一致しません。

代表的な計算式
1) 定額法(Straight-line)

年間償却費 = (取得原価 − 残存価額) / 耐用年数
年間償却率 ≈ 1/耐用年数(残存価額をゼロ近似する簡便法の場合)
例 取得原価300万円、残存価額0、耐用年数6年なら、毎年50万円ずつ費用。

名目の「年落ち率」は約16.7%。

2) 定率法(Declining-balance)

当期償却費 = 期首帳簿価額 × 定率法償却率
償却率は耐用年数ごとに税法で定められた率(国税庁の償却率表)を使用。

初年度の費用化が大きく、徐々に減るのが特徴。

耐用年数の目安(日本の税法)

普通乗用自動車(一般的な自家用)は耐用年数が概ね6年、貨物用途や軽などは区分により異なる、といったルールが国税庁の「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」および耐用年数表・償却率表に定められています。

最新の区分・年数・償却率は必ず国税庁の公表資料で確認してください。

会計基準との関係

企業会計(J-GAAP/IFRS/US GAAP)では、耐用年数・残存価額・償却方法は資産の使用実態を反映して合理的に見積もることが求められます。

多くの企業は税法と整合的な運用をしますが、事業用と自家用、法人と個人で取り扱いは異なり得ます。

会計・税務型の根拠

税務上は、資産の費用配分を標準化するための制度的根拠(法令・省令・通達)があります。

定額法・定率法の償却率や耐用年数は国税庁の公表する表に拠ります。

会計上は、国際会計基準(IFRS)の有形固定資産の会計(IAS 16)や企業会計原則に基づき、使用に応じた体系的な費用配分を行うことが根拠です。

どちらの「年落ち率」を使うべきか

– 中古車の売買価格を見積もる、リース残価を予測する、将来の下取り額を試算する、といった目的ならマーケット型。

– 決算・税務申告、社内の費用計上、原価計算のためなら会計・税務型。

– 投資判断では両方を見るのがベスト。

すなわち、会計上の償却と、実勢の再販価値(マーケット型年落ち率)を並べてキャッシュ回収や保有コストを評価します。

実務での注意点・落とし穴

– 新車価格の定義ぶれ MSRPか実勢購入総額かで年落ち率が数ポイント変わり得ます。

値引きが大きい車種では特に注意。

– 掲載価格と成約価格の差 数%〜1割前後の乖離が出ることも。

オークション落札や下取り実績で裏取りするのが理想。

– サンプルの偏り 法人フリート放出やレンタアップが混ざると相場が下押し。

修復歴混在も厳密化を妨げます。

– 距離・装備の非線形性 距離は初期の伸びに対する感応度が高く、超高距離域で逓減するなど、単純な直線補正が当てはまらない場合あり。

– モデルチェンジ時期 マイナーチェンジやフルモデルチェンジ直後は年齢効果よりモデル差の影響が勝つことがあります。

– マクロ環境 金利や為替、補助金、税制改正で一時的に残価が跳ねる/沈むことがあるため、期間平均で見るか、外生ショックを識別する工夫が必要。

ステップバイステップの算出フロー(マーケット型、実データ想定)

– ステップ1 目的の定義
– 例 「A車種、Zグレード、関東圏、修復歴なし、年1万km基準での1〜5年落ちの年落ち率を算出」
– ステップ2 データ収集
– オークション落札データ、ディーラー認定中古、ポータル掲載の大量データ(成約推定)を収集。

– ステップ3 標準化
– 距離を1万km/年に補正、装備差を係数で補正、極端な外れ値を除外。

– ステップ4 代表値の計算
– 各年齢の中央値価格 Pt を求める。

– ステップ5 レート計算
– 年次レート rt = 1 − Pt/P{t−1} を算出。

– 平均年落ち率 r̄ = 1 − (PT/P0)^(1/T) を算出。

– ステップ6 検証
– 近傍期間・他地域・他データソースで再計算し、ぶれを評価。

残価設定(リース)との整合も確認。

根拠のまとめ

– マーケット型
– 経済合理性 使用による品質低下・陳腐化・供給需要の相互作用で価格が決まるという一般理論。

– 実務慣行 リース・ファイナンスの残価設定が市場実績に基づいており、残価率→年落ち率の幾何換算は標準的。

– 統計手法 ヘドニック回帰や生存分析的なアプローチで年齢・距離の弾力性が多くの研究で確認されている。

– 会計・税務型
– 法的根拠 国税庁の耐用年数表・償却率表、減価償却に関する省令・通達に基づく。

– 会計基準 IAS 16(IFRS)や企業会計原則における体系的費用配分の要請。

目安値について

– 目安は車種・時期で大きく異なりますが、平常時の一例として
– 国産大衆車(ガソリン/ハイブリッド) 初年15〜25%、2〜3年目で年10〜18%程度の幾何平均
– 軽・人気SUV やや強含み(初年10〜20%、その後一桁台後半〜低二桁)
– 輸入大型セダン・高級車 初年20〜35%、その後も二桁台前半の下落が続きがち
– EV 補助金や技術進歩、電池評価の不確実性により相場変動が大きく、時期により初年20〜40%超のケースも
ただし、直近の金利・補助金・在庫環境で容易に数ポイント以上変動します。

実際の判断は最新の市場データで行ってください。

まとめ

– 「年落ち率」は二通りある。

中古車の実勢価値の下落を捉えるマーケット型と、費用配分のための会計・税務型。

目的に応じて使い分ける。

– マーケット型は、Pt(年齢 t の時価)と P0(新車実勢)から
– 年次 rt = 1 − Pt/P{t−1}
– 平均 r̄ = 1 − (Pt/P_0)^(1/t)
で算出。

残価率からも幾何換算できる。

距離・装備・修復歴などの補正が実務の肝。

– 会計・税務型は、定額法・定率法の償却式と耐用年数・償却率(国税庁の表)に基づく。

市場価格の下落とは一致しない。

– 根拠は、市場側では経済学とリース実務、会計側では法令・会計基準。

どちらの年落ち率を知りたいかを明確化し、適正なデータと補正で計算することが重要です。

必要であれば、具体的な車種・年式・地域を挙げていただければ、推定のためのデータ項目と補正方法をさらに具体化してご提案します。

走行距離・年式・グレード・事故歴は年落ち率をどれだけ変えるのか?

要点の整理
– 年落ち率(年式による価値の低下)は「ベースの年式劣化カーブ」に、走行距離・グレード(装備/駆動)・事故歴(修復歴)などの調整係数を掛け合わせて決まるのが実務的な考え方です。

– 実務では日本自動車査定協会(JAAI)の査定基準やオートオークション(USS/TAA/CAA等)の成約相場が拠りどころになり、年間走行1万kmが標準、修復歴は大きな減点、装備・人気度は加点/減点という枠組みが一般的です。

まず「年落ち率(ベースカーブ)」の考え方

– 平均的な年式劣化は車種セグメントで差がありますが、概ね下記のような傾向です(残価率=新車価格に対する相場水準の目安)。

– 新車→1年 −15〜25%(軽・ミニバンの人気車は小さめ、輸入高級は大きめ)
– 1→2年 −8〜15%
– 2→3年 −7〜12%
– 3→5年 −6〜10%/年
– 5→7年 −4〜8%/年
– 8年以降 −2〜5%/年(一定の下限に漸近)
– セグメント別の残価傾向(3年時点の残価率目安)
– 軽自動車・人気ミニバン・人気SUV 60〜75%
– コンパクト/ハイブリッド主力 55〜65%
– セダン・輸入高級 40〜55%
– モデルチェンジ(特にフルモデルチェンジ)は相場を一段押し下げやすく、直後に5〜15%の追加下落が起こることがあります。

走行距離が年落ち率に与える影響

– 基本線 年間1万kmが標準。

実査定ではこれを上回ると減額、下回ると加点。

年式が若いほど距離の影響は大きく、年式が古いほど逓減します。

– 目安(同年式・同条件の平均相場に対する係数)
– 〜3年落ち(基準3万km) 1万km超過ごとに−3〜8%(車格・人気で幅。

高価格帯は%が小さく見えがちでも絶対額は大きい)
– 4〜5年落ち(基準5万km) 1万km超過ごとに−2〜5%
– 6〜8年落ち(基準7〜8万km) 1万km超過ごとに−1〜3%(下限あり)
– 基準を下回る場合は上記の逆方向で+1〜5%程度の加点が入ることが多い
– 例(300万円クラスを3年使用、想定3万kmに対し+2万km=5万kmの場合)
– 減額係数 −6〜16% ⇒ −18〜48万円程度
– 根拠の所在 JAAIの査定基準に「年間1万km標準」「超過・不足の加減点」の枠組みがあり、オートオークションでも低走行が落札価格を押し上げる傾向が一貫して見られます。

グレード(装備・駆動方式・特別仕様)の影響

– 同一車種・同年式・同走行でも、上位グレードや需要が強い装備の有無で数%〜数十%の差がつきます。

– 価値が残りやすい要素(プラス要因の目安)
– 安全/ADASパッケージ、全車速ACC、ブラインドスポット等 +3〜10%
– 4WD(雪国需要の強い地域・SUV/ミニバンで顕著) +3〜10%
– ハイブリッド/高効率パワートレイン(燃費優位の相場局面) +5〜15%
– 人気装備(両側パワースライド、快適装備、上級オーディオよりも実用装備が強い) +2〜8%
– 特別仕様・限定車(内容と希少性次第) +3〜10%
– 価値が残りにくい/中立になりやすい要素
– 外観ドレスアップ/大径ホイール等はファミリー車で減額要因になりがち(−1〜5%)。

スポーツ系では逆にプラスもありうるが、純正戻しが無難。

– サンルーフや本革は日本の大衆セグメントでは評価が割れやすく、+0〜5%程度にとどまることが多い。

– ボディカラー
– 白(パール)、黒は需要層が広く+2〜5%。

特異色は−2〜5%になりやすい。

– 根拠の所在 オートオークション成約や小売在庫の回転日数(CarSensor/Gooの掲載データの傾向)、各社の「リセールランキング」で安全装備と実用装備が評価されやすいことが繰り返し示されています。

事故歴(修復歴)の影響

– 修復歴(骨格部位の損傷・交換/修正)は中古車市場で最も大きな減額要因の一つ。

– 目安(同条件比の価格乖離)
– 修復歴「あり」 −10〜30%(年式が新しい・高額車ほど%下落が大きくなりがち)
– 事故/板金歴だが修復歴「なし」(外板パネル交換や軽微な骨格外修理) −3〜10%
– エアバッグ展開歴・冠水・メーター交換(要申告案件) −20〜50%(流通チャネルが限定される)
– 根拠の所在 JAAIの「修復歴車の定義」、オートオークションのグレーディング(R/RA評価は非修復に比べて落札価格が明確に低い)やJU系の市場レポート等で、一貫して二桁%のディスカウントが観察されます。

4要素(年式・走行距離・グレード・事故歴)の「計算モデル」例

– 実務で手早く計算するための近似式(相乗的に掛け合わせると整合性が取りやすい)
残価(=現在の適正相場)=
年式ベース相場 ×(1+グレード係数)×(1+走行距離係数)
×(1+事故係数)×(1+その他係数)
– 係数のガイドレンジ
– グレード係数 下位→上位で+5〜20%(4WD・安全装備込みなら上限側)
– 走行距離係数 基準比+/−1万kmにつき −/+1〜8%(年式で逓減)
– 事故係数 修復歴なし0%、修復歴あり−10〜30%、軽板金歴−3〜10%
– その他係数 カラー・地域・季節性・モデルチェンジ直後−5〜+5%
– モデルの使い方(手順)
1) まず当該車種・年式の「年式ベース相場」をカーセンサー/グーネット/オークション相場で把握(条件を揃えた中央値を採る)。

2) 該当グレードの流通比率と人気度を見てグレード係数をあてる。

3) 年式に応じた基準走行(1万km/年)と実走行の差から距離係数を入れる。

4) 事故歴(修復歴)・板金歴の有無で事故係数を入れる。

5) 仕上げに色・地域・季節・モデルチェンジなどを微調整。

計算の具体例

– 前提 同一モデルの3年落ちミニバン、年式ベース相場=220万円(平均グレード・3万km・修復歴なし)
例A 上位グレード(需要強)・走行5万km・修復歴なし・人気色(白パール)
– グレード係数 +7% → ×1.07
– 距離係数 3年基準3万kmに対し+2万km超過。

ミニバン3年落ちの距離影響を−3%/万kmと仮定 → −6% → ×0.94
– 事故係数 0% → ×1.00
– 色係数 +3% → ×1.03
– 残価=220 ×1.07 ×0.94 ×1.00 ×1.03 ≒ 228万円
例B 下位グレード・走行3万km(基準どおり)・修復歴あり・不人気色
– グレード係数 −5% → ×0.95
– 距離係数 ±0 → ×1.00
– 事故係数 −18% → ×0.82
– 色係数 −3% → ×0.97
– 残価=220 ×0.95 ×1.00 ×0.82 ×0.97 ≒ 166万円
– このように、走行距離が同じでも修復歴やグレード差で年落ち率(残価率)の最終値は大きく変わります。

なぜこうなるのか(経済的な根拠)

– 流通チャネルの要請
– ディーラー/買取店は最終的にオークションや小売で換金するため、そこで好まれる条件(低走行・無修復・人気装備/色)に価格が寄せられる。

– リスクプレミアム
– 修復歴や高走行は将来の故障・返品リスク、回転日数の長期化リスクが高く、在庫コスト(フロアファイナンス費用)を上乗せして値引きが求められる。

– 代替可能性と希少性
– 上位グレードでも流通が少なく希少需要がある場合はプレミア、逆に極端にニッチだと買い手が限られてディスカウント。

数値根拠・参照先の方向性(調べ方の道筋)

– 日本自動車査定協会(JAAI)の中古車査定基準
– 年間1万km標準、走行距離・修復歴・装備ごとの加減点の枠組みが明記。

修復歴の定義(骨格部位の損傷/交換等)もここが準拠法的に使われます。

– オートオークション(USS/TAA/CAAなど)の成約データ
– 出品票のグレード(点数)・R/RA(修復歴)・走行距離と落札価格の関係から、修復歴車が同条件比で10〜30%低くなる傾向、低走行プレミアが付く傾向が読み取れます。

– 小売相場と回転日数(CarSensor/Goo)
– 同年式・走行・グレードの掲載価格分布と在庫日数で、上位装備・人気色・低走行が高値/短期成約になりやすい傾向が確認できます。

– リース/残価保証商品(メーカー系/ファイナンス会社)
– 3年・5年の残価率レンジが公表/示唆されることがあり、セグメント別のベースカーブの妥当性チェックに使えます。

– 検索キーワード例(根拠の所在をたどるため)
– 「JAAI 査定基準 走行距離 年間1万km」「修復歴 定義 査定協会」
– 「オートオークション 成約 相場 修復歴 価格差」「3年落ち 残価率 車種別 ランキング」
– 「中古車 走行距離 価格 逓減 1万km」

実務での注意点と補正

– 相場の地合いで係数は動く
– コロナ禍〜半導体不足期(2021〜2023)のように新車供給が細ると中古車が高騰し、年落ち率が一時的に小さく(場合により逆転)なることがあります。

– 地域差と季節性
– 4WDや寒冷地仕様は積雪エリアで評価が高い。

オープンカーは春〜夏、SUV/スタッドレスは秋〜冬に強いなど季節需給も影響。

– 記録と整備
– 定期点検記録簿・ワンオーナー・禁煙・新車保証継承などは「安心材料」として数%の上振れ要因になりえます。

まとめ(質問のポイントへの短答)

– 走行距離は年式が若いほど効きが大きく、3年落ちで1万km超過あたり−3〜8%、5年落ちで−2〜5%が目安。

– 年式(ベースの年落ち率)は1年目が最も大きく、その後逓減。

セグメントで差が大きく、3年残価は40〜75%の広いレンジ。

– グレードは装備内容と需要で+5〜20%の上振れ(あるいは−5%程度の下振れ)。

– 事故歴(修復歴あり)は−10〜30%のディスカウントが一般的。

軽微な板金歴でも−3〜10%。

– 根拠はJAAIの査定基準(加減点の枠組み・修復歴定義)、オートオークションの成約傾向、小売在庫の回転日数やリース残価など、実市場データで裏付けられます。

この枠組み(年式ベース相場×各係数)を使うと、個別の車両にも再現性の高い「年落ち率」の概算が可能です。

実際に計算する際は、最新の同条件相場(年式・走行・グレード・地域)を1つ決め、そこから距離・事故・装備の係数で上下させるのが精度と手間のバランスに優れます。

実際の中古車相場を使って年落ち率を計算する手順と注意点は?

以下は、「実際の中古車相場を使って年落ち率(年ごとの価値下落率)を計算するための実務的な手順」と「計算時の注意点」、さらに「その考え方の根拠」を、現場で再現できるレベルまで体系的にまとめたものです。

年落ち率は「特定の車種・条件にそろえたとき、1年経過で中古車価格が何%下がるか」を表す指標で、単に会計上の減価償却や税法上の耐用年数とは異なり、市場実勢(需給)で決まる点が特徴です。

目的とスコープを明確化する

– どのレベルで年落ち率を見たいかを最初に決める
– 車種別(例 ヤリスHV Gグレード、2WD、2020年式〜)
– セグメント別(軽、コンパクト、ミニバン、SUV、輸入Dセグなど)
– 動力別(ガソリン、HV、PHEV、EV)
– 地域別(首都圏、地方など)
– 価格の基準を定義
– 「車両本体価格」で統一するか、「支払総額」を使うか。

新車価格との比較(残価率算出)まで行うなら、諸費用の扱いをあらかじめ決める。

– 同一観測時点(例 2026年2月の中古在庫)で年次差だけを見るのか、ロールで継続観測するのかを決める。

データ収集(相場の作り方)

– 情報源
– 公開の中古車検索サイト(カーセンサー、グーネットなど)の掲載価格。

可能なら認定中古車サイトも併用。

– 成約価格=業者オークション落札価格(USS等)が最も実勢に近いが、一般公開は限定的。

アクセスできない場合は「掲載価格−交渉・調整幅」を想定する。

– 取得項目(最低限)
– 初度登録年月(もしくは年式)、走行距離、修復歴(有無)、車検残、グレード/型式/駆動/変速機、色、装備(安全装備・ナビ・サンルーフ等の主要オプション)、認定・保証の有無、地域、価格(車両本体価格と支払総額の両方)、掲載日(可能なら)
– 収集のコツと注意
– 同一車両の重複掲載を除去する(電話番号・車台番号の一部・写真の一致などで判別)。

– 条件が大きく異なる個体(極端な低走行・高走行、事故歴、カスタム過多)は、母集団から外すか、後述の補正で扱いを分ける。

– 利用規約に注意。

スクレイピングは禁止される場合があるため、手動サンプリングや公式の提供機能・APIがあればそちらを使う。

データの標準化(比較可能性の担保)

– 年落ち率を正しく出すには、車両差の影響を外して「年数の影響」だけを抽出する必要がある。

以下の代表的な補正を行う。

– 走行距離補正 年間1万km前後を標準値とし、超過・不足分を価格に補正。

方法は2つ
1) 回帰分析で「価格と走行距離の勾配(1万kmあたりの価格低下)」を推定して補正
2) 業界の経験則(例 同一車種・年式帯で1万kmあたり○万円)を使う
– 修復歴補正 修復歴ありは相場が下がるため、除外するか、一定のマイナス補正を入れる(車種により差が大きい)。

– 認定・保証補正 メーカー認定はプレミアムが乗りやすい。

認定以外と分けて集計するか、プレミアム額を回帰で推定して補正。

– 車検残補正 車検残が長いほど有利。

残月数に比例して加点(例 12カ月で数万円相当)。

これも回帰で推定可。

– 地域補正 首都圏と地方で相場が異なる。

可能なら地域ダミーで補正。

– 色・装備・グレード補正 人気色(白・黒等)や上位グレードは上がりやすい。

基本はグレードを統一、色は人気・不人気をダミー化して回帰補正。

– 実務上は、同一グレード・同一駆動・同一ミッション・同一(もしくは近似の)装備にサンプルを絞ると補正が大幅に減る。

年齢の定義とバケット設計

– 年齢(Age)は「観測時点 − 初度登録年月」で年換算(例 月単位で算出し、年単位に丸める)。

– バケット例 0〜1年、1〜2年、2〜3年…の1年刻み。

サンプルが少ない場合は2年刻みにするなど、十分な件数を確保する。

集計と指標の計算

– 中心化統計量
– 外れ値の影響を避けるため、各バケットの中心値は平均ではなく中央値を推奨(または外れ値を上下5%で刈り込むwinsorize後の平均)。

– 年落ち率(対前年)
– 定義例 YearDropt = 1 − (Pricet / Price{t−1})
– 例 1年落ち中央値が270万円、2年落ち中央値が240万円なら、2年目の年落ち率は 1 − 240/270 = 11.1%
– 累積残価率(新車価格比)
– NewMSRPは当該年式・グレードの新車時メーカー希望小売価格(オプション調整含む)。

年式ごとに改定があれば反映。

– Retentiont = Price_t / NewMSRP(%)
– 年落ち率を「前年価格基準」で見る方法と、「新車価格基準」で見る方法の両方を出すと意思決定に役立つ。

– 平滑化
– バケットが細かい、サンプルが少ない場合は移動平均やLOESS等で滑らかな曲線に。

価格の対数をとって回帰し、age係数を年落ち率に変換する方法も堅牢。

– 対数回帰の例 ln(Price) = a + b*Age + c*Km + …。

bが年あたりのログ変化率なので、年落ち率は 1 − exp(b)。

交渉余地・掲載価格バイアスの扱い

– 掲載価格は成約価格より高く出る傾向がある。

車種にもよるが、数%のディスカウントが入ることが多い。

対策は以下のいずれか。

– 同一車両の値下げ履歴や「SOLD OUT」直前価格を観測して補正する。

– 同時期・同条件の業者オークション相場(可能なら)でオフセットを把握する。

– 仮に一律−3〜−5%の補正をかける(簡便法)。

ただし車種差が大きい点に注意。

新車価格の取り方(残価率を出す場合)

– 年次改定や装備変更でMSRPが変わるため、年式ごとのカタログ価格を確認する。

オプション価格もなるべく反映し、比較基準の装備をそろえる。

– 購入時の実勢値引きは「新車購入者の実支出」を表すが、残価率は一般にMSRP基準で計算することが多い。

目的に応じて定義を明確化。

実例イメージ(数値は手順の説明用の仮例)

– あるコンパクトHV(同一グレード・2WD・人気色・修復歴なし・1都3県・支払総額基準、走行距離は1万km/年に正規化)
– 1年落ち 中央値 270万円
– 2年落ち 中央値 240万円
– 3年落ち 中央値 215万円
– 新車MSRP(当該グレード・オプション標準化後) 300万円
– 年落ち率 1年目 1−270/300=10%、2年目 1−240/270=11.1%、3年目 1−215/240=10.4%
– 残価率 1年 90%、2年 80%、3年 71.7%
– このように「初年度の落ちがやや大きく、その後は緩やかに」という曲線が多いが、需給ショック(半導体不足期やモデル末期の新車納期長期化など)では逆転・横ばいも起こり得る。

注意すべき落とし穴(バイアスと構造要因)

– モデルチェンジ・マイナーチェンジ 新旧で装備・安全性能・燃費が大きく異なると旧型の相場が一段低くなる。

年式で自然に混ざるため、同一世代に絞るか、世代ダミーで補正。

– 需給ショック コロナ禍や半導体不足では中古相場が上昇・高止まりした時期があり、一般則(初年度大きく下がる)と異なる推移を示した。

観測期間を分けて評価すると良い。

– セグメント差 軽・ミニバン・国産SUVは残価が高め、輸入大型セダンは年落ちが大きい傾向。

EVはバッテリーの劣化・補助金制度・新型投入スピードが影響しやすい。

– 走行距離分布の偏り 年式が同じでも、在庫は低走行が多い年と高走行が多い年に分かれることがあり、単純集計だと歪む。

必ず距離補正または距離分布をそろえる。

– 事故歴・改造 除外基準を明確に。

特にスポーツモデルはライトチューン車が混在しやすく、相場の散らばりが増える。

– 季節性・月次サイクル 3月(決算・登録期)、ボーナス期などは動きが活発で価格調整が入ることがある。

月ダミーで補正するか、3カ月移動平均で平滑化。

– 地域・輸出需要 海外需要が強い年式・排気量・駆動の仕様は国内相場が底堅くなりやすい。

特定車種では輸出可否が残価に直結。

– 掲載在庫の生存バイアス 割高な在庫は長く残り、割安な在庫は早く消える。

結果として掲載価格の中央値が高く見える傾向。

売却済み履歴の追跡ができると精度が上がる。

走行距離補正の実務的アプローチ

– 業界実務では「年間1万km前後」を標準とみなし、それを大きく超えると減点、下回ると加点という考え方が一般的(査定基準における距離減点・加点の思想)。

これを数量化するには、同一年式・同一グレード内で価格を走行距離に対して単回帰し、1万kmあたりの傾きを推定するのが手堅い。

– 例 同一年式・同一グレード30台で回帰し、価格が走行距離1万km増で−6万円の傾きなら、個体の距離差分を価格に加減して「標準走行距離状態の価格」に正規化する。

推奨する計算フロー(再現しやすい手順)

– ステップ1 対象車種・グレード・地域を決め、直近1〜2カ月の在庫を50〜150台程度サンプリング(件数は車種の出回りで調整)。

– ステップ2 修復歴なし、同一(もしくは近似)装備・人気色に絞ってデータクレンジング。

極端な距離・価格は上下5%で刈り込み。

– ステップ3 年齢(年)と走行距離(万km)で対数回帰 ln(Price) = a + bAge + cKm を実行(グレード・地域・認定・車検残のダミーを入れられれば尚良し)。

– ステップ4 bから年落ち率を算出(1 − exp(b))。

距離の影響はcで同定されるので、標準距離に補正した推定価格を各年齢に対して出せる。

– ステップ5 並行して年齢バケットごとに中央値(距離補正後)を出し、回帰結果と付き合わせて妥当性チェック。

– ステップ6 新車MSRP(グレード別・年式別)を整理し、残価率カーブも併記。

– ステップ7 月次または四半期で同手順を繰り返し、トレンドと季節性・ショックの影響を把握。

必要に応じて期間分割(例 コロナ前/渦中/後)で比較。

追加の実務的注意点

– 同一年式でも登録月差で実年齢が大きく違う。

年単位ではなく月単位Ageで回帰してから年換算すると精度が上がる。

– 認定中古と一般流通は価格水準が体系的に違うため、混ぜずに別系列で年落ち率を出すのが無難。

– 車検制度のある日本では、車検残が相対価格に効きやすい。

回帰で月単位の車検残プレミアムを推定して使うと安定する。

– EV・PHEVは補助金改定、中古輸出制限、充電インフラ、電池保証(年・距離)などが価格に強く響く。

内燃機関車と同じモデルでの年落ち率推定は危険。

根拠(考え方の背景・理論と業界慣行)

– ヘドニック価格モデルの考え方 中古車価格は年齢、走行距離、装備、安全性能、燃費、ブランド、地域など多数の属性の関数として決まる。

属性差を統計的に取り除くことで、年齢1年あたりの純粋な価格変化(年落ち率)を推定できる。

これは不動産や耐久財の価格分析で一般的に用いられる手法。

– 初年度の下落が大きくなりやすい理由 
– 「新車から中古へ」カテゴリーが変わるディスカウント
– 初度登録時に付随する諸費用や初回オーナー固有の価値(最新装備・新車保証フル期間)が剥落するため
– 登録済未使用車の存在が新車価格との裁定関係を作りやすい
– 走行距離が価格を押し下げる根拠 
– 機械的摩耗・故障リスク増・消耗品交換の前倒しが期待されるため。

国内査定実務でも年間一定距離(概ね1万km前後)を標準とした加減点の枠組みが用いられる。

– セグメント・ブランド差の根拠 
– 用途適合性と需要の厚み(軽・ミニバン・SUVは需要裾野が広く残価が高い)
– 維持費・故障リスク・輸出需要・為替の影響(輸入大型セダンは総保有コストや新型投入の速さが下落圧力になりやすい)
– 市場ショックの影響 
– サプライチェーン混乱や新車納期長期化は中古需要を押し上げ、短期的に価格が上振れする現象が近年観測された。

年落ち率はマクロ需給の影響を強く受け、期間依存である。

最終的なアウトプットの作り方(伝え方)

– 車種別の年落ち率カーブ(0〜7年程度)と、残価率(新車価格比)の2本を並記。

– 前提条件(走行距離基準、修復歴、認定有無、地域、価格基準)を明記。

– 観測期間と母集団サイズ、外れ値処理ルールも併記。

– ショック時期の注記(例 2021–2023年は特殊需給)を入れて、平時と分けて読む。

すぐに使える簡易版(統計を組まない場合)

– 同一グレード・人気色・修復歴なし・標準的な走行距離の個体だけを、年齢バケットごとに各10〜20台集める。

– 中央値(または上下1〜2件を除いて平均)で各年齢の相場を出す。

– 1年刻みの対前年比で年落ち率を算出する。

– 新車MSRPに対する残価率も算出(MSRPは公式カタログ・メーカーサイトの年式アーカイブで確認)。

– 掲載価格バイアスとして一律−3〜−5%の保守的補正をかけ、感度分析として±2%幅でレンジを示す。

継続運用の勧め

– 月次または四半期で同じルールを反復し、指数化(基準月=100)して追うと、年落ち率の変化や相場地合いの転換点を早期に捉えられる。

– 主要競合車のカーブを並べると、リセール重視の購入判断に有用。

まとめ
– 年落ち率は「中古相場から年齢の純効果を抜き出す」作業であり、最重要は「比較可能性の確保(走行距離・装備・状態・地域の標準化)」と「掲載価格バイアスの扱い」です。

実務的には、同一条件に絞った中央値法と、対数回帰でのヘドニック補正の二本立てが堅牢で、両者の整合を取りながら年落ち率カーブを作るのが再現性と説得力の高い方法です。

根拠としては、耐久財の価格決定に関するヘドニック理論、国内査定実務の距離・状態加点減点の考え方、近年の需給ショックで観測された市場挙動などが裏打ちになります。

これらを踏まえ、サンプルの質と定義の明確さに気を配れば、現実の中古車相場を反映した年落ち率を高い精度で算出できます。

年落ち率を踏まえて、買い時・売り時をどう見極めればいいのか?

以下では、年落ち率(年式による価値下落の割合)の考え方と計算方法、そして年落ち率を踏まえた「買い時・売り時」の見極め方を、根拠や相場の動きとあわせて詳しく解説します。

実践で使える手順とチェックリストも載せています。

年落ち率とは何か

– 定義 車両価格が年式の経過に伴って下落する割合。

新車時(または購入時)の価値を基準に、1年後・2年後…の市場価格がどれだけ下がったかを示す。

– 実務上の注意 年落ち率は「年式」だけでは決まらず、走行距離、事故・修復歴、グレード・装備、カラー、地域、相場(輸出需要、為替、供給量)、季節、モデルチェンジ時期など多因子で変動します。

したがって厳密には「年式要因+その他要因」で観察されます。

代表的な年落ちカーブ(日本の相場感、目安)
新車からの下落割合(中央値イメージ)。

実勢相場は車種・時期で±大きく振れます。

– 軽自動車(人気車種) 1年 10–20%、3年 25–40%、5年 45–55%
– 国産コンパクト/ハイブリッド 1年 20–25%、3年 35–45%、5年 55–65%
– 国産ミニバン/SUV(人気高) 1年 15–25%、3年 30–45%、5年 50–60%
– 輸入車(量販セグメント) 1年 25–35%、3年 50–60%、5年 70–80%
– 例外的に値落ちしにくい(または強含む) ランドクルーザー、ハイエース、プラド、レクサスSUV、トヨタの一部HV/SUV、希少スポーツや限定車。

逆にBEVは電池劣化懸念・補助金制度・モデル更新が速く、年落ちが大きくなりやすい時期がある。

背景・根拠
– 国内主要オークション(USS等)の平均落札データや大手中古車掲載サイトの平均価格推移で、初年度の下落が大きく、その後なだらかになる「初期急落→漸減」カーブが一般的。

– 2021〜2023年は半導体不足・新車納期遅延・円安・輸出需要で中古相場が高止まりし、年落ちが一時的に小さくなった車種が多い。

2024〜2025年にかけて新車供給は徐々に正常化済みだが、円安や輸出強含みの車種は下支えが続く。

年落ち率の計算方法(実務で使える手順と式)
基本式

– 基準価格(V0) 新車時の車両本体価格+主要メーカーオプション(税込)。

ディーラーOPやコーティングは再販価値が乗りにくいので原則除外。

– 現在価値(Vt) 同等条件(年式・走行・グレード・色・状態)での市場実勢。

個人売買/小売/オークション/買取のどれを基準にするかを統一する。

– 総下落率 D = 1 − Vt / V0
– 平均年落ち率(複利) r = 1 − (Vt / V0)^(1/t) 例 新車300万円→3年後180万円なら、r = 1 − (180/300)^(1/3) ≒ 1 − 0.8736 ≒ 12.6%/年

相場に合わせる調整
– 走行距離補正 同型同年式で1万kmごとに約1〜3%(車格や相場により幅)価格差。

便宜的に1万km=車両価格の2%程度で一次近似し、比較対象と同一条件に正規化。

– 修復歴・状態 修復歴ありは車格にもよるが概ね−5〜−20%。

タイヤ残溝、ブレーキ、内外装コンディションは数万円〜十数万円影響。

– カラー・装備 人気色(白/黒/パール)や安全装備・先進装備は再販価値を押し上げ。

高額ディーラーOPはリセール寄与が小さいことが多い。

– チャネル差 オークション落札≒買取相場の基礎。

小売価格はオークション落札+搬送+整備+利益で10〜20%程度上乗せが一般的。

手順(実践)
1) 比較条件を決める(年式、グレード、駆動、色、走行、修復歴なし)。

2) Goo/カーセンサー等で10台以上の同等車の小売価格中央値を取る。

3) 小売から販管費・マージンを差し引き、オークション相当値に寄せる(概算10〜15%引き)。

4) 走行距離差を補正しVtを確定。

5) V0(新車時本体+メーカーOP)を確認。

6) 期間tで上の式からrを算出。

簡易ルール
– 1年目の下落が最も大きい(新車プレミア解消)。

3〜5年目は緩やか、7〜10年で再度下落が加速(故障・車検・税・競合増)。

– 走行距離は閾値(3万/5万/10万km)を跨ぐタイミングで段差的に下がる。

年落ち率を踏まえた「買い時」の見極め
目的別の指針

– 短期(1〜3年で乗り換え) リセールの強い車種・色・グレードを、値引きが大きいタイミングで買う。

モデル末期の大幅値引きは魅力だがフルモデルチェンジ発表と同時に旧型の相場が5〜10%落ちることもあるので、発表直前の購入は避けるか、値引きで吸収できるかを試算。

– 中期(3〜6年) 3〜4年落ち・3〜5万kmの中古は価格対寿命のバランスが良いゾーン。

初期急落を他人に負担してもらい、以降の年落ちが緩やかな区間を享受できる。

– 長期(7年以上) 5〜7年落ちでコンディションの良い個体を選ぶと年落ちは緩やかで、所有コスト/年が低くなりやすい。

ただし故障リスク・消耗品更新を織り込む。

カレンダーの買い場
– 1〜2月 小売需要が弱く、在庫回転を狙った値引きが出やすい(選択肢はやや少なめ)。

– 3月決算前 新車は登録台数を伸ばしたい時期で値引きが最大化しやすい。

ただし中古は需要が強く価格が高め。

– 4〜5月 3月に増えた下取りが中古市場に流れ、供給増で相場がやや緩むタイミングが出る。

– 8〜9月 中間決算・在庫整理で条件が出やすい。

– モデルチェンジ直後 新型は値引き渋めだが、旧型中古は相場が一段安。

旧型を長く乗るなら狙い目。

新車購入で年落ちを抑えるコツ
– 初度登録の年式切替を意識 1月登録の「前年式」は見た目の年式が1年古くなり、下取りで不利になりやすい。

可能なら年式繰り越し登録を相談。

– 人気色・人気OP(安全装備、上位ナビ、ドラレコなど再販価値のあるもの)に絞る。

高額のディーラーOP(エアロ/大径ホイール等)は下取り寄与が小さい。

– エコカー減税や補助金変更前後での価格総額をチェック(制度変更で実質購入コストが動く)。

中古購入で年落ちを抑えるコツ
– 走行距離・年式のバランス 同価格なら「年式が新しく走行多め」より「年式が古く走行少なめ」が有利な場合が多いが、閾値(5万/10万km)跨ぎは避けたい。

– 車検残の価値 車検2年付きは購入直後の負担が少ないが、車両価格に上乗せされている。

総支払額で比較する。

– 出所と記録 ワンオーナー、禁煙、点検記録簿・整備履歴・スペアキーありは再販時に効く。

年落ち率を踏まえた「売り時」の見極め
イベント・閾値を味方にする

– 走行距離の閾値前に売る 5万kmを超えると一段安になるケースが多い。

例えば4.8万km時点で売却査定に出す。

– 車検前に売る 車検直前は買い手側の整備負担を見込んで値が下がりやすい。

1〜3か月前が目安。

車検を通して売る戦略は、車検費用<査定上昇分なら有効だが、上昇分は限定的なことが多い。

– モデルチェンジの「正式発表前」に動く フルモデルチェンジや人気マイナーチェンジのリーク・発表が出た時点で旧型相場は敏感に反応。

発表の噂段階から査定は硬直化するため、早めに。

– 年度末・税タイミング 4/1時点所有者に自動車税が課税されるため、売るなら3月中登録抹消が費用面で有利。

3月は小売需要が強く、買取店も在庫を欲しがる傾向。

– 季節性 SUV/4WDは冬前、オープン/スポーツは春〜初夏、ミニバンは長期休暇前に相対的に強い。

相場を読む実務
– 買取複数社で同日査定 相見積りは鉄則。

足並みが揃って上がらない時は相場下落局面の可能性。

– オークション相場の速報や中古車サイトの平均価格推移を週次で確認(車名×年式×走行レンジの中央値)。

2〜4週連続で低下なら待っても改善しにくい。

– 輸出人気の有無 輸出対象車は為替(円安)・仕向け国規制で底値が固い。

逆風(円高、規制変更)では下げが速いので早めに決断。

「買い時・売り時」を数値で意思決定する簡易フレーム

– 目標残価法(購入側) 購入時に予定保有期間tと想定年落ち率rを置き、将来価格Vt = V0×(1−r)^tを見積もる。

総所有コスト=支払総額−Vt+維持費。

車種間で年あたりコストを比較。

– 売却損益の分岐点(売却側) 直近3か月の相場傾きΔを観察。

今後hか月の期待下落=h×Δが、乗り続ける価値(利用便益−維持費)を上回るなら売却を前倒し。

– 閾値管理 走行kmが閾値まで残d km、あなたの月間走行m kmなら到達までd/mか月。

上の期待下落と比較して売却月を決定。

例題
– 新車価格300万円、人気コンパクトHV。

3年後の市場小売中央値190万円、小売→卸の差12%、走行差補正−5万円でVt≒190×0.88−5=162.2万円。

r = 1 − (162.2/300)^(1/3) ≒ 13.7%/年。

今後1年で相場が月1万円ずつ落ちているなら、年12万円の下落見込み。

利用価値が小さい/次の5万km閾値が近いなら売却前倒しが合理的。

根拠・背景にある市場メカニズム

– 需給 新車供給のタイト化は中古相場を押し上げ、年落ちを一時的に小さくする。

円安と輸出需要(特に耐久性が評価されるトヨタ/商用系)は国内相場の下値を支える。

– 会計/税・制度 4/1課税、車検サイクル(初回3年、以後2年)と大口の整備費用発生は売買タイミングに直接影響。

– 行動心理 新型登場時の旧型回避、季節商品性、ボーナス商戦などで一時的な価格偏差が生まれる。

– データ慣行 オークション落札→業者間の指値→小売価格という伝達が早く、発表・ニュースに対する価格反応は週単位で出る。

実践チェックリスト
買う前

– その車種の5年残価曲線(1/3/5年)を把握
– 同条件10台以上の中央値で価格設定
– モデルチェンジ計画の有無を確認
– 人気色・必要十分な装備に絞る(不要な高額OPは避ける)
– 走行距離/年式の閾値を跨がない
– 総支払額(諸費用込み)と将来残価で年あたりコスト試算

売る前
– 走行距離の閾値前、車検前、4/1前を意識
– 新型発表のニュースを監視(発表前に動く)
– 同日複数査定とオークション相場の確認
– 整備記録/純正パーツ/スペアキー/内外装クリーニングで査定アップ
– 価格が強い季節に合わせる(SUV冬前、オープン春)

まとめ

– 年落ち率は「初期急落→漸減」の曲線が基本。

車種・相場環境で大きくブレるため、同条件の市場中央値から複利年率を逆算するのが実務的。

– 買い時は「初期急落後の緩やかな区間」を狙う中古(3〜4年落ち)か、新車は決算期・大幅値引きの局面で。

長期保有なら5〜7年落ちの良個体も合理的。

– 売り時は「閾値の手前(走行/車検/税)」「モデルチェンジ正式発表の前」「需要が強い季節」。

複数査定と相場トレンドの確認で後戻りのない決断を。

– 相場は為替・輸出・新車供給で動きます。

直近3か月のトレンドを短期シグナル、1〜3年の残価曲線を中期判断軸に据えると、年落ち率を味方に「買って損しにくい・売って後悔しにくい」タイミングを設計できます。

最後に一言
具体の車種名・年式・走行距離・地域が分かれば、相場データの取り方から残価のラフ試算、買い時/売り時のカレンダープランまで個別に落とし込めます。

必要なら条件を教えてください。

【要約】
「年落ち率」は中古車の年次値下がり幅を示す実務指標。相場や残価推定に使い、前年比・幾何平均・段階的下落で算出。初年20〜35%が大、以後年10〜15%→8〜12%へ緩やか化。売却額やローン残価、保険時価に影響。走行距離、装備・安全、ボディ型、ブランド、色、修復歴・改造、車両状態、駆動方式などが左右する。

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