コラム

中古車の価値はこう決まる 走行距離・年式・修復歴、査定基準と業者差、相場要因を総まとめ

走行距離は査定額にどれほど影響するのか?

ご質問の要点は「走行距離が中古車の査定額にどれほど影響するのか」と「その根拠」です。

結論から言うと、走行距離は査定額を左右する最重要要素のひとつで、年式・修復歴と並ぶ「三本柱」です。

影響度は車種や市場環境で変わりますが、平均的な相場帯では、相場的平均走行距離からのズレ1万kmごとに数%前後(モデルやレンジにより±1〜5%程度)のプレミアムまたはディスカウントが積み上がり、特定の閾値(5万km、10万km、15万kmなど)を跨ぐと一段と大きな価格差が出るのが一般的です。

以下で、合理的な根拠とともに詳しく説明します。

走行距離が価格を動かすメカニズム(なぜ効くのか)

– 機械的な摩耗・劣化の蓄積
走行距離はエンジン内部、AT/CVT、ハブ・ベアリング、ダンパー、ブッシュ、ステアリング系、ブレーキ、冷却系などの摩耗進度に直結します。

距離が伸びるほど今後の整備費用の発生確率と規模が上がるため、買い手はリスクを価格に織り込むのが自然です。

– 保証とメンテナンスの閾値
メーカー新車保証や特別保証には「年数or走行距離」の上限があり、日本では3年/6万km、5年/10万kmなどの目安が多いです。

10万kmを超えると主要部品の保証打ち切りや高額整備(タイミングベルト系、ウォーターポンプ、サスペンションの大物など)の接近が意識されるため、評価が一段下がりやすくなります。

– 再販時の売りやすさ(需要の厚み)
同年式であれば低走行の方が需要が厚く、オークションや小売現場で回転が早い=在庫リスクが低いので、買取店は仕入値を上げやすい。

逆に高走行は在庫回転が遅くなりがちで、値引き余地も必要になり、仕入時点で値を抑える動機が働きます。

– 心理的なキリ番の存在
5万km、10万km、15万kmといった「区切り」を跨ぐと検索条件で弾かれたり、店頭での印象が大きく変わります。

実害よりも心理・流通上のハードルが価格に効くことも少なくありません。

定量感(どれくらい効くのか)の目安

– 平均走行距離との乖離で調整
業界では「年式×1万km」を標準走行距離の目安とする考え方が広く用いられます(例 3年落ちなら3万km前後が中立)。

標準から外れるほど加点(低走行)または減点(多走行)という運用です。

– 影響度のレンジ
モデルや価格帯で振れ幅はありますが、実務上よく観察されるレンジ感は以下です。

– 一般的な国産コンパクト〜ミニバン帯 標準から1万km離れるごとに±1〜3%程度の価格調整。

5万km差で合計±5〜15%。

– 高級・スポーツ・希少車 低走行プレミアムが強く、1万kmにつき±3〜5%、場合によってはそれ以上。

極端な低走行(〜1万km台)は20〜50%のプレミアムになる事例も。

– 商用バン・ディーゼル 走行距離耐性が高いと見做され、初期の距離伸びには寛容。

ただし20万km以降は劣化前提で大きく割安。

– 閾値の実務的影響
– 5万km 3〜5年落ちで超えるか否かは印象差が出る。

店頭検索で「5万km以下」を指定されやすく、49,xxx kmと50,0xx kmでは成約率に差が出ることがある。

– 10万km 最も大きい壁。

保証や整備項目の節目でもあり、同条件でも10万kmを跨ぐと一段のディスカウントが入るのが通例。

– 15万km以上 相対的な買い手が限られ、価格は需要サイドに強く引っ張られる。

根拠(制度・市場・データの観点)

– 査定基準の枠組み
一般財団法人 日本自動車査定協会(JAAI)などの査定基準では、年式ごとの標準走行距離を基軸に、超過・不足に応じた加減点を行う方式が採用されています。

業者間の主要オークション(USS、JU、TAA、CAA等)でも出品票に走行距離が明記され、評価点・コンディションと並ぶ重要変数として価格が形成されます。

– 事業者の実務ロジック
買取店や小売店は「再販相場−仕入経費−整備見込み−在庫コスト」を逆算して買取価格を決定します。

走行距離が増えるほど今後の整備見込み(足回り、ブレーキ、タイヤ、ベルト類、バッテリー、ATF等)が増え、回転も鈍るため、仕入価格が抑制されます。

– 保証・リスクの統計的背景
メーカー保証は年数と距離で打ち切りが設定され、延長保証商品も距離上限を設けるのが一般的です。

これは距離が故障リスクと相関するというメーカー・保証会社側の経験則(統計)を反映しています。

年式・修復歴との相互作用

– 年式と走行距離のバランス
新しめの年式では「年式の新しさ>距離の多さ」が勝つ場面もありますが、一定のラインを超える多走行は確実にマイナス。

古い年式でも極端な低走行は強いプレミアムになる一方、ゴム・シール類の経年硬化やオイルシール滲みなど、未使用による弊害が出るケースもあり、点検記録で裏付けがあると評価が安定します。

– 修復歴との比較
一般論として、修復歴ありは同条件の「修復歴なし」に比べて10〜30%以上のディスカウントが入ることも珍しくなく、走行距離より影響が大きい傾向です。

ただし、修復歴ありでも低走行・良整備・軽度修復なら「修復歴なし・高走行」との比較で迷う価格帯に入ることもあります。

最終的には「修復部位・品質」「走行距離」「市場需要」の合成で決まります。

車種別の距離感の違い

– 軽・コンパクト 低走行のプレミアムが出やすい。

通勤足としての需要が厚く、5万km・10万kmの閾値の影響が大きい。

– ミニバン・SUV 家族用途で距離が伸びがち。

7〜8万kmを越えるとサスペンションやタイヤ、ブレーキの更新費が重く見られる。

– 高級車・輸入車・スポーツ 低走行至上主義の傾向が強く、相対的に距離感度が高い。

ATやエアサス、電子制御の高額修理リスクが距離とともに意識されやすい。

– 商用・ディーゼル 距離に強い前提で評価され、15万km程度までは実用重視層の需要が一定。

ただし大整備接近時期は明確に値引き要因。

– HV/EV ハイブリッドは走行距離でバッテリー劣化が意識されるが、実態は年数・温度環境・充放電サイクルとの複合。

EVはSOH(State of Health)の実測がより重要で、距離だけでなく劣化指標で価格が大きく動く。

実務的な売却・管理のコツ(距離の影響を最小化するには)

– 閾値前の売却 5万km、10万km、15万kmを跨ぐ直前は成約率が高くなりやすい。

たとえば9.8万kmでの売却は10.2万kmより有利になりがち。

– 整備記録と証明 点検整備記録簿、走行距離計の不正がないことを示す証明(走行距離管理システムの照会記録など)があると、多走行でも安心感が増しディスカウントが和らぐ傾向。

– 消耗品の状態 タイヤ溝、ブレーキ残量、オイル滲み無し、下回り錆軽微など、距離相応の「ちゃんと手入れしてきた」証拠で距離のマイナスを相殺しやすい。

– 使い方の説明 高速主体でアイドリング少なめ、過積載・短距離ばかりではない等の使用実態は、同じ走行距離でも印象を良くします(査定現場での会話材料として有効)。

– 車検や保証の残存 メーカー保証・ディーラー延長保証が距離上限内で残っていればプラスに働く。

よくある誤解と補足

– 「距離だけが全て」ではない
実際は「年式×距離×コンディション×装備×色×需要」の合成です。

低走行でも長期放置で劣化が進んだ個体は評価が伸びませんし、多走行でも整備と内外装が良ければ相場なりに評価されます。

– 「10万km=寿命」ではない
現代の車は適切なメンテナンスで20万km以上も普通に走ります。

10万kmはあくまで市場上の節目であり、機械的限界を意味しません。

ただし価格形成上は強い閾値として機能します。

まとめ
– 走行距離は査定額に対して大きな影響力を持ち、標準走行距離からの乖離1万kmあたりで数%前後の調整、5万km・10万kmなどの節目で一段の価格差が生じるのが一般的です。

– 根拠は、査定基準(標準走行距離に対する加減点)、メーカー保証・整備費用の発生確率、オークション・店頭での需要構造、心理的閾値の存在にあります。

– ただし車種や市場により感度は変わるため、最新の相場(同年式・同条件・走行距離違いの実勢価格)を横並びで確認するのが実務的に最も確実です。

もし具体的な車種・年式・現在走行距離をご提示いただければ、標準距離との差と、売却タイミング(どの閾値前が有利か)まで含めたもう少し定量的な目安をご提案できます。

年式やモデルチェンジは価格にどう作用するのか?

以下は、中古車の査定で「年式」と「モデルチェンジ(フルモデルチェンジ/マイナーチェンジ)」が価格にどう作用するかを、できるだけ実務の流れに沿って詳しくまとめたものです。

根拠については、業界で一般的に用いられている査定・流通の仕組み(オートオークションの成約相場、金融機関のリース残価、税制や車検制度、保証制度、装備・安全基準の進化など)に基づく理由を併記します。

1) 前提整理 年式・モデルチェンジとは
– 年式(初度登録年)は、中古車査定で最もベーシックな属性の一つ。

年式が新しいほど、法定耐用年数・保証残・装備性能・市場での見た目の新しさの点で有利になりやすい。

– モデルチェンジには2種類ある
– フルモデルチェンジ(FMC) プラットフォームやデザイン、パワートレーン、先進安全装備が大幅に刷新。

相場に与える影響が大きい。

– マイナーチェンジ(MC) 内外装の小変更、装備追加、エンジン改良など。

とくに安全装備(自動ブレーキ、ACC、レーンキープ等)の追加時は価格差がはっきり出やすい。

「前期/後期」で評価が分かれます。

2) 年式が価格に及ぼす基本的なカーブ(減価の一般則)
– 初期3年の減価が最も大きい 新車価格からの下落率は一般に「1年目>2年目>3年目」と逓減。

新車値引き、初回車検(3年)前後の乗り換え、リース満了車の放出が重なるため、中古市場に供給が増え、価格を押し下げやすい。

– 3年・5年・7年の節目 車検サイクルに合わせて手放しが増える。

供給が厚くなる時期は相場が弱含みやすい。

逆に車検残が長い個体は同年式でも高値がつきやすい。

– 10年超での二極化 一般的には値落ちが進むが、整備履歴が透明で走行が少ない、または人気の特定モデル(例 本格SUV、希少グレード、MT車)では「底値が固い」か、むしろ上がるケースもある。

– 13年超の税負担増の影響 日本では多くの自家用車で初度登録から13年超過で自動車税(種別割)や重量税が重課となるため、維持費増を嫌う買い手が減り、一般的な車種では相場を押し下げやすい。

これが12年→13年の境目での価格差の根拠。

根拠
– オートオークション(USS等)の成約相場は年式別に明確な価格帯を形成。

ディーラー・買取店はこれをベースに実査定の基準値を設定。

– リース・残価設定のカーブ(初期3年の残価が大きく下がり、その後緩やか)は実需・減価の実態を反映。

– 税制(重課)や車検サイクルは制度上の事実で、需給シフトを生む。

3) フルモデルチェンジ(FMC)の影響
– 新型発表前後の期待・代替効果 新型の発表や先行試乗記事で需要が新型に移り、旧型中古の指名買いが減る。

新車ディーラーの在庫セール・登録済未使用車の増加も旧型相場を下押し。

– 旧型の急落と底打ち 発売直後〜数カ月は下落が出やすいが、価格が「お買い得」と認識される水準で底打ちしやすい。

人気が安定していたモデルでは値崩れ幅が小さいこともある。

– 新型の価格上昇・仕様変更がクッションに 新型で実質価格が上がったり(円安、装備増、原価高など)、サイズやキャラクターが変わった場合、旧型の指名買いが続き、旧型相場が想定より下がらない、または上がるケースがある。

最近のSUV・オフローダーや一部スポーツモデルで顕著。

– 最終型プレミアム 同一世代の最終年式(後期最終ロット)は、完成度の高さや装備充実が評価され、同世代の前期より高値がつきやすい。

トラブル対策や改良の蓄積が中古ユーザーの安心材料。

根拠
– オークション時系列データではFMC前後で相場の屈曲点が見られることが多い。

– ディーラーの登録済未使用車・展示車の放出は、FMC直前直後に集中し、近似年式の中古相場に強い下押し圧力。

– 価格・仕様の断層(例 安全装備の標準化、パワートレーンの変更)は、ヘドニック価格要因として中古価格の新たな基準線を作る。

4) マイナーチェンジ(MC)の影響
– 安全装備の有無で実用的な価格差 同一世代でも「自動ブレーキ非搭載の前期」と「搭載の後期」では、査定のベースがはっきり分かれやすい。

特に家族用ミニバンや通勤向けコンパクトで顕著。

– 燃費・変速機・静粛性の改良 日常の満足度に直結する改良は中古相場にも反映。

ハイブリッドの改良やCVTの熟成で後期が評価される例が多い。

– 逆に外観の小変更や内装トリムのみでは差が出にくいが、人気色の追加・廃止は希少価値として作用することも。

根拠
– 査定実務では、年式・型式・グレード・装備コードで「前期/後期」を識別し、相場表(過去成約事例)に基づきベース価格が異なる。

– 安全装備義務化や市場での再販性(下取り時の売れやすさ)を意識した価格づけが行われる。

5) 車種セグメント別の年式・モデルチェンジ効果
– 軽自動車 新車需要が厚く、維持費が安い。

年式が古くても需要が安定し、値落ちが緩やか。

FMC・MCの影響は相対的に穏やかだが、安全装備の有無で差は出る。

届出済未使用車の放出期は近年式の中古相場を下押し。

– ハイブリッド・ファミリーカー 燃費や安全装備の改良が中古価格に直結。

フルモデルチェンジでは旧型の落ち幅が出やすいが、人気モデルは底が固い。

– 輸入車・高級車 初期3年の値落ちが大きい傾向。

理由は新車価格の高さ、リース満了による供給増、メンテ・保証切れへの警戒。

LCA(ライフサイクル・インパルス=MC)で装備刷新が入ると前期の再販性が弱くなりがち。

– SUV・オフローダー・一部スポーツ 供給制約や指名買いが強いと、FMC後も旧型が高値維持または上昇する例がある。

特に「最後のNAエンジン」「MT設定の最終年」などはプレミア要因。

– EV/電動化モデル 技術進化が速く、モデルイヤーごとの差が走行可能距離・充電性能・熱管理に直結。

新型で大幅に航続や充電速度が伸びると旧型の減価が加速。

一方でバッテリー保証(例 8年/16万km等)の残存があるうちは相場が支えられる。

保証切れ年次が近づくと下押し。

根拠
– 需要構造(維持費・実用性・ブランド嗜好)の違いが、オークション落札層の入札積極度に反映される。

– EVはスペックの世代差がユーザー体験に直結しやすく、技術ギャップがそのまま価格ギャップになりやすい。

6) 年式・モデルチェンジと査定基準の関係(実務)
– ベース価格 同一車種でも「年式×グレード×型式(前期/後期)」ごとに市場相場が異なるため、査定の起点が変わる。

つまり、モデルチェンジ自体を減点するのではなく、「後期は別の相場線」として扱われる。

– 加減点の軸 走行距離、修復歴、内外装状態、装備(ナビ、先進安全、サンルーフ、革、4WD等)で個体差を調整。

年式が古いほど同じ損傷でも市場許容度が下がり、減点が効きやすい。

– 残車検・メーカー保証 年式が新しいほど残期間が長く、安心感が価格に反映。

延長保証の有無もプラス。

– コネクテッド・ソフトのサポート 近年はナビ/コネクテッドの配信終了が価値に影響。

後期でハード世代が新しくなると、サポート年数の差が価格差として認識される。

根拠
– 査定協会・業界の標準フォーマットでは、個体評価の前に「相場基準(年式・型式・グレード別)」が設定される。

そこに個体差の加減点を適用する二段階が一般的。

– 保証・車検・ソフトサポートは再販時の販売容易性(売れ行き速度)に直結し、店頭粗利の見込みに影響するため査定に織り込まれる。

7) モデルチェンジの「告知タイミング」と実務的な売買アドバイス
– 売却側
– FMC公式発表前〜直後は旧型相場が弱含みやすい。

売るなら「正式発表前」か「新型納期が長期化して旧型再評価が起きる局面」を狙うと有利。

– 同世代の後期・最終型は相対的に強い。

とくに装備増の後期に該当する場合、FMC後もしばらく強含む可能性。

– 購入側
– 旧型はFMC直後に値ごろ感が出やすい。

予算重視なら狙い目。

ただし安全装備や保証残が少ない前期は、将来の再販性で劣ることに注意。

– MCの直後は前期が割安に。

装備差(特に安全系)を総所有コストで比較して判断。

– EVは新旧の航続・充電性能差を重視。

新型で大きく伸びた場合、旧型の更なる値落ちリスクを織り込む。

根拠
– オークションや店頭在庫の回転率は新型発表で一時的に鈍ることが多く、販売側は価格で動かす。

一方、納期長期化・価格上昇で旧型が見直される場面も繰り返し観察される。

8) 年式の見えない差を見抜くポイント
– 型式記号・車台番号帯での対策改良 見た目が同じでも中身が改良されていることがある。

後期・改良後ロットは保証修理の発生率が低い傾向があり、実需側が評価する。

– 特別仕様車・限定車 装備増で再販性が高いものは年式差を超えて評価される。

– カラー・内装 人気色(白・黒・パール等)は年式が多少古くても売りやすい傾向。

根拠
– 販売現場では「売れ筋仕様」は回転が速く、在庫日数が短い。

在庫コストを嫌う業者はそうした仕様に上値をつける。

9) 日本固有の制度・市場構造が生む年式効果
– 車検制度(3年→2年周期)と残車検価値
– 税制(環境性能割、重量税、13年超重課)
– 届出済未使用車の大量放出(年度末・FMC直前)
– 保険(残価設定ローン・リース満了)に伴う放出サイクル

根拠
– 制度は公知の事実で、年度末の登録・放出が中古市場の供給を季節的に押し上げる。

相場指数(大手オークション会社の月次レポート等)にも季節性が出る。

10) 例外・逆転現象
– 新型のデザインやサイズが市場に刺さらない場合、旧型が相対的に強含み。

特に実用性(荷室・見切り・取り回し)で旧型優位だと顕著。

– 半導体不足など供給制約期には、新車が買えず中古が高騰。

年式の古さや旧型であっても相場が崩れない、むしろ上がることがある。

– 絶版・希少・趣味性の高いモデル、最後の内燃機関・MTなどは年式に反して上昇。

根拠
– 近年の新車供給制約期に多くの車種で「新車より中古が高い」という逆転が実際に観測された。

希少性は需給の根源。

まとめ(実務での理解)
– 年式は減価の最も基礎的な軸で、初期3年の落ちが大きく、その後は車検サイクル・税制・保証・装備の陳腐化とともに緩やかまたは二極化する。

– モデルチェンジは「相場の基準線」を更新するイベント。

FMCは相場の屈曲点を作り、MCは装備差を通じて同世代内の価格差を広げる。

– 根拠は、オートオークションの成約事例、残価設定のカーブ、税制・車検制度、保証・安全装備の普及、在庫回転の実務にあり、これらが一貫して市場参加者の意思決定に反映されるため。

– 個別の査定では、「年式×型式(前期/後期)×グレード」でベース相場を引き、走行距離・修復歴・状態・装備で加減点。

年式やモデルチェンジはこのベース相場を規定する根幹の要素として作用します。

もし具体的な車種・年式・グレードをご提示いただければ、最新の市場傾向に照らして、より踏み込んだ相場の出やすさや売買のタイミングについてもご案内できます。

修復歴・事故歴は査定でどう区別され、減点はどのくらいか?

ご質問のポイントは以下の2つです。

– 修復歴と事故歴は査定でどう区別されるのか
– 減点(減額)はどのくらいになるのか。

根拠は何か

以下、業界標準の定義、実務での見分け方、査定(減点・減額)の考え方、そして根拠(参照元)を順に詳しく解説します。

1) 用語の整理と業界標準の定義
– 修復歴(修復歴車)
中古車業界では「車体骨格(ボディの主要構造部)に損傷があり、当該部位に修正・交換・補修が行われた履歴」がある車を指します。

骨格とは、フレーム(サイドメンバー)、クロスメンバー、ピラー(A/B/C等)、ダッシュパネル、ルーフパネル/ルーフレール、フロア(センターフロア・トランクフロア等)、バックパネル、ラジエータコアサポート、インサイドパネルなど、車両の強度・寸法に関与する主要部位の総称です。

各団体で表現や部位の区分に多少の差はありますが、趣旨は共通です。

– 事故歴
文字通り「事故に遭った経歴」全般を指す日常用語です。

バンパーやフェンダー、ボンネットなど外板の交換・塗装にとどまる軽微な事故も含み得ます。

業界では「修復歴あり」とイコールではありません(骨格に及ばなければ“修復歴なし”と判定され得ます)。

重要な違い
– 査定・流通では「修復歴の有無」が価格に直結する最重要項目。

事故に遭っていても骨格不介入で適切に直っていれば“修復歴なし”扱いになる場合があります。

– 逆に、見た目が綺麗でも骨格に手が入っていれば“修復歴あり”で大きな減額対象です。

2) 実務での見分け方(査定員・検査機関の観点)
– 目視・計測
– パネルのチリ/段差、塗装肌や色味の差、シーラーやスポット溶接痕の不自然さ
– 塗膜計での膜厚の異常(再塗装・パテ痕の推定)
– フロア・ピラー内側の歪みや引き出し痕、溶接打ち直し痕
– 部位の交換/修正の事実
– 骨格部位の交換(溶接を伴う)は原則「修復歴」
– 骨格部位の歪み修正・鈑金も「修復歴」
– 外板のボルトオン交換や小鈑金は通常「修復歴」には該当しない
– 補助情報
– エアバッグ作動履歴、ガラス刻印の年式差、四輪アライメント数値
– 整備・修理の見積書/請求書、第三者機関の鑑定書(AIS/JAAA等)

3) 査定での区別のされ方(実務フロー)
– まず「修復歴の有無」を判定(骨格への介入の有無)
– 次に、修復歴がある場合は「部位」「範囲」「修理の質」「走行テストでの直進性・振動・異音」を評価
– 事故歴のみ(修復歴なし)の場合は、外装のキズ・凹み・塗装や交換パネルの状態、エアバッグ作動の有無等を通常損傷として減点
– 全体の評価では年式・走行距離・グレード・装備・内外装状態と合わせて総合減点を算出

4) 減点(減額)の考え方と目安
査定基準(JAAIなど)は「減点法」で、部位ごとに点数が定められ、総減点を金額換算(例 1点=1,000円相当)します。

具体の点数表は各団体・年度で異なり詳細は有料資料ですが、実務・市場相場では以下の傾向が広く共有されています。

修復歴がない場合(=骨格不介入)

外装の鈑金・交換・再塗装は、損傷範囲や質に応じて軽微な減点に留まることが多い
エアバッグ作動の履歴があると、骨格不介入でも減点はやや大きめ(安全装備の復元性・コスト評価)
市場価格影響は総じて小〜中程度(見た目と機能が回復していれば1〜数%程度の範囲に収まることが多い)

修復歴がある場合(=骨格介入)
市場では無事故同等比で以下のような下落が一般的です。

軽微な骨格修正(例 ラジエータサポート付近の軽度修正、インナーの一部修正)
無事故相場比おおむね5〜15%下落
中程度(例 ピラーやフロアの一部修理・交換、サイドメンバー先端の修正など)
無事故相場比おおむね10〜30%下落
重度(例 サイドメンバー交換、ダッシュパネル・ルーフ・ピラーの大規模交換等)
無事故相場比おおむね20〜50%下落
これらはあくまで目安で、実勢は車種人気・年式・走行距離・修理品質・保証有無・オークション会場の需給で上下します。

年式・走行距離との相互作用

新しい年式×低走行ほど「修復歴」のマイナスは大きくなりがち(購買層が“無事故・高品質”を強く求めるため)
年式が古く走行距離が多いほど、修復歴の影響率は相対的に縮む(ベース価格が低くなるため)
スポーツカーやコレクタブルは修復歴に敏感(軽微でも大きな下落)。

商用車や過走行車は相対的に鈍感

査定点数(減点)イメージ

骨格部位1箇所の軽度修正で数十点規模、複数部位交換や重度修理では数百点規模の減点に達し得ます(各団体の点数表に依存)
減点の金額換算は多くの現場で「1点=1,000円」相当を目安に用いるケースが一般的です(ただし会社や時期により異なります)
同じ「修復歴あり」でも、部位(フロント先端 vs キャビン中心部)、修理方法(交換 vs 修正)、仕上がり(波打ち・錆び・直進性)で減点は大きく変動します

5) 具体例(概算の相場感 イメージ)
– 5年落ち・3万kmの人気コンパクト
– 無事故同等相場150万円
– 軽微な骨格修正(前側インナーの修正痕、仕上がり良好)→ 10%下落で約135万円前後
– ピラー交換を伴う修復(溶接痕あり、外観良好)→ 20〜30%下落で105〜120万円前後
– 10年落ち・10万kmのミニバン
– 無事故同等相場70万円
– 同程度の修復歴でも下落率は相対的に小さく、5〜20%レンジ(56〜66万円)に収まりやすい

注意 上記は市場実務のレンジ例であり、個別車両の状態・販路・タイミング次第で差が出ます。

実際の買取店は自社販路(店頭販売できるか、オークション出品か)と在庫リスクでさらに安全側に振る場合があります。

6) 根拠・参照先
– 一般財団法人 日本自動車査定協会(JAAI)
中古自動車査定制度・査定基準書を策定。

修復歴の判定は「車体骨格に対する修理・交換の有無」を軸にしています。

詳細の点数表は会員向け資料ですが、定義・考え方は公開資料や研修で共有されています。

参照キーワード JAAI 中古自動車査定制度、査定基準、修復歴の判定
– 一般社団法人 日本中古自動車販売協会連合会(JU/中販連)
修復歴の定義を「車体の骨格に係る損傷があり、当該部位に修正・交換・補修が行われた車」と明示。

JU加盟店の表示基準・説明義務の根拠になっています。

参照キーワード JU 修復歴 定義、表示基準
– 株式会社AIS(第三者検査機関)
オークション・流通で広く採用される検査基準を公開。

評価点「R/RA」は修復歴の有無・程度を示し、骨格部位への介入が評価に反映されます。

AISの「修復歴車の基準」「評価点の意味」はウェブで参照可能です。

参照キーワード AIS 評価基準、修復歴車 基準、評価点R RA
– 日本自動車鑑定協会(JAAA)
骨格部位の範囲と修復歴の定義を公開。

鑑定書で「修復歴の有無」を明示し、ユーザー向けに基準を解説しています。

参照キーワード JAAA 修復歴 定義、骨格部位
– 一般消費者向け相場解説(複数メディア)
カーセンサー、グーネット等の解説では「修復歴車は無事故車比で1〜3割安くなる」旨の相場傾向が示されています。

車種・状態で幅があること、重度修理ではさらに大きくなることも併記されています。

参照キーワード カーセンサー 修復歴 価格差、グーネット 修復歴 何割

これらの団体・機関は定義や評価軸をほぼ共通化しており、「骨格×修理の有無」が修復歴判定のコアという点で一致しています。

なお、各団体の個別の点数表は知財・運用上の理由で一般公開されないことが多く、具体点数は「傾向」としての共有に留まります。

7) 実務での対処(売却側のコツ)
– 事故・修理の記録を整理(見積書・請求書・写真・部品番号)。

適正修理やフレーム修正機の使用履歴が示せると、過度なディスカウントを抑えやすい
– 四輪アライメント測定結果、直進性・振動の試走確認記録があると安心材料
– 第三者機関(AIS/JAAA等)の検査・鑑定書を取得し、状態の透明化で“未知リスク”分の減額を縮める
– 複数社査定で販路適合先を見つける(修復歴車の扱いに慣れた販社は評価が安定しやすい)
– 人気グレード・装備・整備履歴は減額幅を相対的に緩和しうる(総合評価での相殺要素)

8) よくある誤解の整理
– 事故に遭った=必ず修復歴あり、ではない(骨格不介入なら「修復歴なし」の可能性)
– 見た目が綺麗なら関係ない、ではない(骨格交換・修正の事実があれば大幅減額)
– ラジエータコアサポートやバックパネルなどは車種によりボルト止め・溶接構造が混在し、判定が分かれる場合もある(検査機関の基準に準拠)

まとめ
– 区別の軸は「骨格に手が入ったか」。

入っていれば修復歴、入っていなければ事故歴に留まることがある
– 減点(減額)の目安は、修復歴なしの事故歴で小〜中、修復歴ありで無事故比5〜50%(多くは10〜30%)の範囲
– 年式・走行距離・車種・修理品質・販路で影響度は大きく変動
– 根拠はJAAI・JU・AIS・JAAA等の業界基準および流通相場の公開解説に依拠

もし具体の車種・年式・走行距離・修理内容(どの部位を交換/修正したか)が分かれば、より絞った相場レンジ(%と金額)で目安をお出しできます。

中古車の査定基準は誰が定め、買取店やディーラーで何が違うのか?

ご質問の要点
– 中古車の査定基準は誰が定めているか
– 買取店とディーラー(下取)で何がどう違うのか
– その根拠(依拠している基準・規約・仕組み)

結論から言うと、日本の中古車査定の「物差し(基準)」は、主として公益財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が定める「自動車査定基準・細則」と、オークション・第三者検査機関(AISやJAAAなど)の評価基準、さらに「自動車公正取引協議会」が定める表示に関する公正競争規約(修復歴や走行距離表示のルール)で構成されています。

買取店とディーラーは、基本の物差しは概ね共通ですが、使い方(どこまで買えるか・どこに売るか・どの費用を見込むか)が違うため、提示価格に差が出ます。

査定基準は誰が定めているか(全体像)

– 日本自動車査定協会(JAAI)
– 公益財団法人。

業界の共通言語となる「自動車査定基準・細則」を整備し、「中古自動車査定士」資格を運用しています。

– 年式や走行距離、外装・内装の損傷、機関系、修復歴の判定などについて、減価・加点のルールや点検観点を体系化。

– ディーラーや大手買取チェーンを含む多くの事業者が、店頭査定や業者間取引の実務で参照。

– 第三者検査機関(AIS、JAAAなど)
– AIS(株式会社AIS) Goo鑑定やカーセンサー認定などの「車両状態評価書」の実地検査を担う代表的機関。

オークションの評価基準と整合的な評価点・加減点体系を持つ。

– JAAA(日本自動車鑑定協会) 同様に第三者の鑑定書を発行。

– これらの検査基準は、JAAI基準やオークション検査の思想と整合しつつ、消費者向けに読みやすい「評価点(例 4.5点、内外装B)」で表現します。

– 中古車オークション(USS、CAA、TAA、HAA等)
– 各会場が「検査基準」「評価点(0~6点、RA/R/事故歴など)」と「車両状態表」を運用。

修復歴の定義や外板のキズ・凹み・歪みの記号(A1/U1/W1等)は、会場ごとの差はありつつも大筋で標準化。

– 実勢相場(落札価格)は買取価格の根拠(出口)として最重要。

買取店・ディーラーともにオークション相場を強く参照します。

– 自動車公正取引協議会(公取協)
– 「中古自動車の表示に関する公正競争規約・運用基準」を策定。

公正取引委員会・消費者庁の認定を受けた業界の自主ルールで、修復歴の表示義務、走行距離表示の根拠(点検記録簿やメーター交換歴の明示)などを定めています。

– 売買時の表示ルール(何を「修復歴」と呼ぶか、どのように説明するか)に関する根拠は、この規約と運用基準に求められます。

主要な査定項目とその根拠(走行距離・年式・修復歴ほか)

– 走行距離
– 実務では「標準走行距離」を基に超過・不足による減価・加点を行います。

JAAIの査定細則では、年当たりの標準走行距離(目安として約1万km/年)が前提となり、年式に応じた標準からの逸脱分を月割りで調整します。

– ただし、低走行であっても長期放置の劣化や記録簿欠如、整備履歴不明などは加点にならないことがあり、逆に高走行でも整備の行き届いた車種・人気グレード・輸出需要が強い車は減価が小さくなることがあります。

最終的な「価格」は査定点数だけでなく、最新のオークション相場や販路の事情に依存します。

– 年式
– 「初度登録年月」からの経過年数をベースにした年式相当減価を行います(JAAIの減価率表に基づく)。

同一モデルでもマイナーチェンジのタイミングや安全装備の有無で市場人気が変わるため、年式減価は基礎値であり、相場で微修正されます。

– 修復歴(事故歴の定義)
– 修復歴とは、交換・修正が「車体の骨格(重要構造部位)」に及んでいるものを指します。

公取協の運用基準やJAAIの査定基準は、以下のような部位を骨格として扱います(代表例)。

– フレーム/サイドメンバー、クロスメンバー
– ピラー(A/B/C等)、ダッシュパネル
– ルーフパネル、フロアパネル(フロアパン/トランクフロア等)
– フロントインサイドパネル、リアエンドパネル など
– これらの骨格部に交換・修正・修理跡がある場合は「修復歴車」となり、査定上は大きな減価要因です。

なお、ボンネットやフェンダー等の外板パネルの単純交換・塗装だけでは、通常は修復歴には該当しません(歪みや芯ズレが骨格に及ぶと該当)。

– 外装・内装の加減点
– キズ(A)、凹み(U)、波打ち/歪み(W)、サビ(S)、ペイント不良(P)等を大きさ・数で加減点。

オークションやAISの評価表では、A1/A2/A3、U1/U2等の記号で表し、合算して評価点(例 4.5点、内外装B)へ反映。

– 機関・電装・下回り
– エンジン・ATの異音/滑り、警告灯、漏れ、足回りガタ、下回り錆、ブレーキ・タイヤ、電装品の作動。

試乗可否やOBDスキャン、リフトアップの有無で検査精度が変わります。

– 付帯要素
– 取扱説明書・保証書、点検記録簿、スペアキー、純正ナビ/安全装備、スタッドレス有無、車検残、色・人気装備、カスタム内容(純正戻し可否)など。

これらはJAAIの査定細則でも加減点対象で、相場の微調整要因にもなります。

買取店とディーラー(下取)の違い

– 基本の物差しは概ね同じ
– 現場の査定士が参照する「キズの減点」「修復歴の判定」「年式・走行距離の算定方法」は、JAAIやオークション基準で共通化されています。

つまり「状態の評価」そのものは大差が出にくい設計になっています。

– それでも価格が違う理由(出口とコスト構造が違う)
– どこに売るか(販路)
– 買取店 直販(自社在庫で小売)、業販(同業流し)、国内オークション出品、海外輸出など、複数の出口を持ちます。

車種・時期により最も高く売れるルートを選べるため、車によっては高値が出せます。

– ディーラー 自社認定中古車として直販するケースもありますが、年式が古い・走行多い・修復歴あり・他ブランドなどはオークションに出す前提になりがちです。

ブランド基準(保証整備・点検基準)を満たさない車は仕入れに慎重。

– 費用とリスクの見込み
– 買取店 オークション出品料・成約料・陸送費・整備/美装費・在庫コストを織り込みます。

自社直販できる体制があれば、その分の中間コストを圧縮して仕入れ値(買取価格)を上げられる場合があります。

– ディーラー メーカー基準の整備・保証付与コストが高め。

下取車は新車販売の一環として扱われ、在庫リスクを抑えるため卸(オークション)前提の価格になりやすい一方、認定中古で直販できる良質車には強気の下取を出すことも。

– 価格政策(新車値引と下取の関係)
– ディーラーは新車販売の総支払額を調整できるため、下取額を高めに見せる代わりに新車値引きを抑える(またはその逆)といった「玉突き調整」が起こり得ます。

合計額で比較することが重要です。

– 買取店は単体の中古車仕入れ商談なので、車両単体の価格勝負になります。

新車購入と切り離してベンチマークしやすい長所があります。

– 車種適性
– 修復歴車や過走行車、カスタム車、輸出人気車(例 ディーゼル、SUV、商用系など)は、取扱いに慣れた買取専門店の方が出口が太く、高く買える傾向。

– ブランド認定に向くワンオーナー・低走行・記録簿完備・無事故の人気グレードは、ディーラー系が強気に下取を提示することがあります。

– 時期・タイミング
– 月末・四半期末・決算期は、いずれも仕入・登録目標があり、数万円~十数万円の上振れが出ることがあります。

相場はオークションの成約データを起点に週次で動くため、同じ店でも1~2週間で見積りが変わるのは一般的です。

– 走行距離・年式・修復歴の「扱い」の違い(傾向)
– 走行距離 ディーラーは保証・認定条件の都合で高走行を嫌うことが多い。

買取店は輸出/業販で裁けるなら許容しやすい。

– 年式 モデル後期や安全装備充実年式はどこも評価が高いが、ディーラーは自社ブランドの再販性をより重視。

– 修復歴 ディーラーは修復歴車の下取を断るか、オークション前提で大きく値引きすることがある。

買取店は修復歴車専門の販路があれば相対的に高めに買うケースあり。

根拠(制度・基準・データの出どころ)

– JAAI(日本自動車査定協会)
– 自動車査定基準・細則、減価率表、査定士制度を公表・運用。

店頭査定の教本的な位置づけ。

– 自動車公正取引協議会(公取協)
– 「中古自動車の表示に関する公正競争規約・同運用基準」 修復歴の定義、走行距離表示の根拠、メーター交換時の表示方法など。

販売時の表示義務の根拠。

– オークション会場(USS、CAA、TAA等)
– 検査基準・評価点の運用、コンディションレポートの記法(A/U/W等)、落札相場データ。

買取価格の実勢根拠。

– AIS/JAAA等の第三者検査
– 消費者向け「車両状態評価書」「鑑定書」の基準・評価点。

店舗間の査定差を埋める第三者証憑として利用。

実務上のポイント(ユーザーが押さえるべきこと)

– 必ず複数社で査定し、提示額だけでなく根拠を確認する
– 「査定表(加減点の内訳)」や「車両状態評価書(AIS/JAAA)」を提示してもらうと、修復歴判断や減点ポイントの妥当性が比較できます。

– ディーラー下取は新車値引きと合わせた「支払総額」で比較。

買取店の提示額と新車の見積りを切り分けて検討するのがコツ。

– 記録簿・スペアキー・純正パーツを揃える
– 記録簿の有無で評価が数万円~十数万円動くことは珍しくありません。

社外品カスタムは純正戻し可否が価格に影響。

– 軽微な修理を自費でやるべきかは費用対効果で判断
– 小キズの板金・タイヤ交換などは、かけた費用ほど査定が上がらないことも。

事前に各社に「直したら何円上がるか」を聞いてから動くのが安全。

– タイミングを意識
– 相場は季節(SUV/四駆は冬、オープンは春)や決算期で動く。

輸出相場も為替・海外需要で変動するため、迷うなら無料再査定前提で短期に当たるのが有効。

まとめ

– 走行距離・年式・修復歴といった査定の物差しは、JAAIの査定基準・細則、オークション基準、第三者検査機関の評価体系によって標準化されています。

販売時の表示義務や修復歴の定義は、公取協の公正競争規約・運用基準が根拠です。

– 一方で、買取店とディーラーの提示価格は、出口(直販・業販・オークション・輸出)の違い、コスト構造、ブランド方針、新車販売との抱き合わせ調整といった「ビジネスの設計」の違いから差が出ます。

査定そのものは似ていても、買える上限が異なるのが本質です。

– 最良の条件を得るには、複数社で「状態評価の根拠」と「価格の根拠(どの販路を想定し、どんな費用・リスクを見ているか)」を聞き比べ、総支払額(下取と新車値引きの合算)で合理的に比較することが有効です。

補足
– ここで述べた「標準走行距離(年1万km)」や修復歴の骨格部位は、JAAIの査定細則および公取協の運用基準、主要オークション会場の検査基準に準拠した一般的な説明です。

詳細な数値(減価率表や部位定義の細目)は各機関の公式資料・会員向け資料に拠ります。

– 各社独自のAI査定・ビッグデータ相場参照なども普及していますが、最終的には上記の共通基準とオークション実勢(落札相場)に収斂します。

つまり、「状態の言語(査定基準)」と「価格の言語(市場相場)」の二本立てで理解するのがポイントです。

相場・季節・装備などの外的要因は査定にどう反映されるのか?

ご質問の趣旨に沿って、「相場・季節・装備などの外的要因が、走行距離・年式・修復歴という基本的な査定基準にどう上乗せ(または下方修正)されるのか」を、業界の実務の流れ・調整の仕組み・代表的な影響例・数値感・根拠まで体系的に解説します。

結論から言うと、外的要因の多くは、日本自動車査定協会(JAAI)の減点方式で算出される「車両状態に基づく原点の評価(査定点)」には直接は入りにくく、業者オークションの相場や販売店の在庫戦略を踏まえた「時点修正・地域修正・装備実勢評価」として、最終の買取(下取)価格に反映されます。

査定の土台と、外的要因が乗る位置づけ

– 土台(車両固有要因)
– 年式 経過年数に応じた基礎価値の低下(減価)。

– 走行距離 標準走行からの乖離による減点。

– 修復歴・損傷 骨格部修復の有無や程度による減点。

– 付随する車両コンディション(内外装、機関、タイヤ残溝 等)の減点・加点。

– これらはJAAIの査定基準や減点表に沿うため、査定員間で大きくブレにくい領域です。

– 外的要因(市場要因)の反映先
– 業者オークション(USS、CAA、TAA、HAA神戸 等)の直近成約相場。

– 時点修正(相場トレンド)、季節・地域の需要差、輸出需給・為替、装備の実勢人気。

– これらは「この車を仕入れて、近い将来いくらで捌けるか」という見込みに関わるため、買取上限価格やディーラーの下取提示にダイレクトに効きます。

– 多くの店舗では、査定点数で導いた「業販想定価格」を起点に、各種係数(季節・地域・時点・装備・在庫コスト)で調整して提示額が決まります。

相場(マーケット)要因の反映

– オークション落札相場の直近実勢が最大の拠り所
– 買取店・販売店は、過去4〜8週間の同等グレード・走行距離帯の成約中央値や加重平均を基準に「仕入上限」を決めます。

– 売価見込み − 想定経費(輸送費・手数料・整備・在庫金利・利益)=買取上限、という逆算です。

– 時点修正(トレンド補正)
– モデル別に週あたり0.2〜1.0%程度の下落(または上昇)を見込むケースが多いです。

相場が下り坂の時は、査定日から販売・再販までの期間(30〜60日)を見越し、数%を差し引く「先安織り込み」を行います。

– 新型発表・マイナーチェンジ直前直後は旧型の相場が3〜15%動くことがあり、敏感に反映されます。

– 新車供給・値上げ・納期の影響
– 新車の納期解消や値引き拡大は中古需要を相対的に弱めるため、同型の中古の相場は緩みやすい。

一方、新車値上げや長期納期の時期は中古相場が強含みます。

– 在庫コスト・回転日数
– フロアプラン金利や保管費用を踏まえ、在庫回転目標(例 30〜45日)に収まらないと見れば買取上限を抑えます。

市況が緩い時期はこの調整が強まります。

– 根拠
– 業者オークション各社の月次市況レポートや成約データ(USS、CAA等)。

– 自動車メーカーの新型発表・価格改定情報。

– 販売店の在庫回転・金利コストの社内基準。

季節要因の反映

– 需要繁忙期と閑散期
– 例年、1〜3月は需要強(新生活・決算・車検前乗換)、4〜6月に反動安、7〜8月はボーナス商戦で一部車種が強含み、9月も半期末で動意、年末は地域や店舗戦略で差が出ます。

– 買取提示において、繁忙期前は時点修正がプラス寄り、繁忙期後はマイナス寄りに働きやすい。

– 車種別の季節性
– 4WD・SUV・軽トラック・寒冷地仕様 冬〜初春にかけて強含み(+1〜5%、年・地域により最大+10%程度)。

– オープンカー・クーペ 春〜夏に強含み、冬は弱め。

– ミニバン・ワゴン 大型連休・夏休み前に強含みやすい。

– スタッドレスタイヤやキャリア等の装備価値も季節で評価差が出ます(後述)。

– イレギュラー要因
– 災害・大雪・台風後には特定地域で代替需要が増え、一時的に相場が締まることがあります。

– 根拠
– 自販連(日本自動車販売協会連合会)・全軽自協の登録台数の季節変動。

– オークション各社の成約指数の季節パターン。

– 小売サイト(カーセンサー・グーネット等)の在庫回転・掲載価格の季節傾向。

装備(オプション・グレード)要因の反映

– 査定基準上の位置づけ
– JAAIの査定では、装備は「加点表」に基づき一部が定量評価されますが、実務では「実勢人気・再販性」をより重視し、金額で上乗せ(または上乗せ控え)します。

– 評価が安定的に高い装備
– 先進安全装備(衝突被害軽減ブレーキ、ACC、LKA、全方位カメラ等) グレード差を含め再販性が高く、同型の非装着車より高く売れやすい。

– メーカー純正ナビ・TV・ETC2.0・デジタルインナーミラー 程度・世代によってはプラス。

– サンルーフ、レザー内装、高音質オーディオ、電動リアゲート 人気色・人気グレードと組み合わさると効きやすい。

– 取扱説明書・スペアキー・整備記録簿・ワンオーナー 信頼性の高さから、相場で+1〜5万円程度の上乗せ要因になりやすい。

– 評価が割れやすい装備・社外品
– 大径アルミ、ローダウン、マフラー、車高調、社外エアロ等は、好みが分かれ、車検適合や乗り心地の懸念もあるため、純正戻しが望ましい。

戻せない場合はむしろ減額要因化することもあります。

– ドライブレコーダー・レーダー探知機は小幅プラスか評価中立。

– タイヤ・ホイール 
– 残溝・製造年の新しさはプラス。

冬前のスタッドレスタイヤと純正ホイールのセットは、地域によって+1〜5万円程度の効果が出ることがあります。

春以降は効果が薄れます。

– ボディカラー 
– 定番人気(パールホワイト、ブラック等)は小幅プラス、奇抜色は在庫長期化リスクを織り込みやや弱め評価。

– 根拠
– JAAIの装備加点基準(定量部分)。

– 小売実勢・オークション落札価格の装備別比較。

– 地域顧客の嗜好データ(販売現場の実績)。

地域・輸出・為替の影響

– 地域需要の差
– 雪国での4WD・寒冷地仕様のプレミア、都市部でのコンパクト・軽・ハイブリッド需要の強さなど、同じ車でも地域により数%の上下が出ます。

査定時に「どこの会場で売るか」を想定して地域補正が入ります。

– 輸出需要・為替
– 円安局面では輸出採算が良化し、輸出向けに強いモデル(SUV、ピックアップ、ディーゼル、特定年式のトヨタ車 等)が国内相場でも強含みます。

逆に円高では弱含み。

– 一部の国・地域で年式制限(例 登録から5年・7年・10年以内など)があるため、該当年式の前後で相場が段差状に動くことがあります。

– 根拠
– 財務省貿易統計(中古自動車輸出台数・仕向地)。

– 為替レートの推移(円/ドル、円/新興国通貨)。

– オークション会場別の成約傾向(輸出バイヤー比率が高い会場では輸出銘柄が強い)。

ガソリン価格・補助金・制度変更の影響

– 燃料価格 
– ガソリン高局面ではHV・PHEV・ディーゼルが相対的に強含み、大排気量NAやハイパフォーマンス車が弱含みやすい。

– 補助金・税制 
– CEV補助金やエコカー減税の見直しは、HV/EVの需要に影響し、中古相場にも遅行して反映。

– 規制・安全基準の進化 
– 最新の安全装備が普及すると、非装着車の再販性が相対的に低下しやすい。

– 根拠 
– 資源エネルギー庁の燃料価格統計。

– 補助金・税制の告示・改正情報。

– 中古相場の時系列比較(HV/EVの比価推移)。

実務での反映手順(モデル化のイメージ)

– ステップ1 JAAI準拠の車両状態査定(年式・距離・修復歴・内外装・機関)→「基準卸価格」を算定。

– ステップ2 同等車の直近オークション相場を照合→基準卸価格を相場に合わせて再基準化。

– ステップ3 時点修正(2〜8週間先の販売を見越した相場方向に応じて±1〜5%程度)。

– ステップ4 季節・地域係数(需要期は+、閑散期は−。

車種により±1〜5%、ニッチで±10%)。

– ステップ5 装備実勢評価(安全装備・人気OPを金額上乗せ、社外過度カスタムは控えめ/減額)。

– ステップ6 輸出・為替・色・記録簿等の個別要因を加減。

– ステップ7 在庫コスト・利益計画・自社販路(小売直販/業販)で最終調整。

簡易な数値例

– 前提 5年落ち、4WD SUV、無修復、走行6万km。

査定ベースの基準卸価格が180万円と算出。

– 直近相場は横ばいだが、今は11月、雪国エリアで需要強。

モデルチェンジ予告あり(3カ月後)。

– 時点修正 モデルチェンジ前で先安見込み −3% → −5.4万円
– 季節・地域 冬×雪国×4WDで +3% → +5.4万円
– 輸出・為替 円安で当該車が輸出堅調 +2% → +3.6万円
– 装備 全方位カメラ・寒冷地仕様・スタッドレスセットあり → +4.5万円想定
– 在庫コスト・利益確保 −3万円
– 合算 180.0 −5.4 +5.4 +3.6 +4.5 −3.0 = 185.1万円
– 提示額は185万円前後に着地、というイメージ(実務ではさらに細かなコストを上乗せ・減算)。

売り手側の実用的なポイント

– タイミング最適化 
– 需要期(1〜3月)や車種に合う季節に合わせる。

4WDは冬前、オープンは春〜初夏。

– 新型発表の「正式公表前」に動くと下落を避けやすい。

– 装備・書類 
– 記録簿・スペアキー・取説は必ず揃える。

純正パーツが残っていれば社外から戻すと有利。

– スタッドレスは冬前に同梱、夏場は別売の方がトータル有利な場合も。

– 地域と販路 
– 冬物・輸出向けは適した地域/会場で高くなることがあるため、多店舗一括査定で「店舗の販路差」を活かす。

– 見積同日比較 
– 相場は動くため、同じ日の複数見積を比較すると「時点修正」の不利を受けにくい。

「根拠」についての整理

– 制度・基準面の根拠 
– 日本自動車査定協会(JAAI)の中古自動車査定制度・減点基準・装備加点表。

これが車両状態評価の土台。

– 市場データの根拠 
– 業者オークション(USS、CAA、TAA、HAA等)の落札相場データ・月次市況レポート。

実勢価格の最重要ソース。

– 自販連・全軽自協の登録台数統計(月次)。

季節性や新車供給との連動の裏付け。

– 財務省貿易統計(中古車輸出量・仕向地)。

輸出需給の強弱を補足。

– 為替相場(円/ドルほか)と燃料価格(資源エネルギー庁)。

輸出採算とパワートレイン別人気の後押し。

– 大手情報サイトやDMSの在庫回転・掲載価格推移(カーセンサー、グーネット、AIS/オークネット等)。

小売の足元感。

– 実務ロジックの根拠 
– 買取価格は「再販見込み価格 − 経費 − 利益」の逆算で決まるため、相場・季節・装備・為替・地域など「再販見込み」に効く要因は合理的に買取額へ反映されます。

– これらは各社の査定マニュアルやオペレーション(時点修正・地域補正・装備評価シート)として標準化されています。

まとめ
– 走行距離・年式・修復歴はJAAI準拠の「車両固有の減点」で土台を形成。

– 相場(直近の落札実勢)、季節、装備、地域、輸出・為替、燃料価格、制度変更といった外的要因は「時点修正・地域/季節係数・装備実勢評価」として土台価格に上乗せ/下方修正され、最終提示に強く作用します。

– 季節係数は一般に±1〜5%、車種や事象によっては±10%級。

モデルチェンジ、円安/円高、補助金変更等のイベントは短期の相場変動を増幅します。

– 根拠は、JAAIの査定制度(基礎)と、オークション相場・登録統計・輸出統計・為替/燃料価格などの客観データの組み合わせにあります。

この仕組みを理解すると、「いつ・どこで・どの装備をどう見せるか」で査定を有利にできる余地があることがわかります。

もし具体的なお車(年式・走行・グレード・地域・装備)がわかれば、想定される季節係数や装備の実勢上乗せ幅を、もう少し踏み込んだ目安でお伝えできます。

【要約】
年式は新しいほど保証残・装備・劣化の少なさで高評価、年を経るほど相場は逓減しモデルチェンジや保証切れで下落。修復歴は骨格部位の損傷・修理の有無が核心で、該当すると安全性・再販リスクから大幅減点。軽い外板の板金は影響小。また人気・希少モデルや良好な整備記録がある車は年式のマイナスが緩和される場合も。修復歴はJAAI等の基準で骨格交換・修正に該当すると記載され、試乗や測定で直進性・異音の有無も確認されます。

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