下取りと買取、結局どっちを選ぶべき?
結論を先に一言でまとめると、こうなります。
– できるだけ高く売りたい、相場を取りにいきたいなら「買取」。
– 手間を極小化し、乗り換え手続きを一気通貫で済ませたいなら「下取り」。
– どちらが最終的に得かは「支払総額」で比較し、キャンペーンや下取りサポートを含めて冷静に数字で判断するのが正解。
以下、根拠とともに詳しく解説します。
主に自動車を例にしますが、スマホや家電でも考え方はほぼ同じです。
定義の整理
– 下取り(ディーラー下取り)
新車・別の車を同じ販売店で買うことを前提に、いまの車を引き取ってもらう取引。
新車の値引きと下取り額を合わせて一体運用されることが多い。
– 買取(買取専門店・中古車店への売却)
現車を現金化する単独の売却。
買い替えを同じ店で行う必要はない。
複数社で相見積もりがしやすい。
価格面の違いとその根拠
一般的に買取のほうが高値になりやすいのは、以下の市場構造の違いが理由です。
– 需給の取り方が違う
買取店は全国の中古車オークション相場(USSやアライ等)や自社小売の即戦力在庫ニーズに直結。
仕入れ競争が激しく、在庫を確保するために相場いっぱいまで出しやすい。
一方、ディーラーの下取りは「新車販売の障壁を下げるための付随サービス」の性格が強く、価格は保守的になりがち。
– 収益モデルの違い
買取店は回転重視で薄利多売、相場通りに仕入れても回る。
ディーラーは新車販売が主収益のため、下取りで無理をする必然性が低い。
– 交渉の透明性
買取は複数社で同時査定しやすく、競争原理が働く。
ディーラーの下取りは新車値引きと抱き合わせにされやすく、数字が不透明になりがち。
例 ディーラー下取り80万円+新車値引き20万円=実質100万円相当。
買取店で100万円+新車値引き15万円=実質115万円相当。
後者が有利、というケースは珍しくありません。
ただし例外もあります。
– メーカーや販売会社の下取りサポート(下取り強化キャンペーン)が強烈なとき。
特定車種の乗り換えで10万〜30万円相当を上乗せする施策があり、これが外部買取の差額を上回るなら下取りが逆転します。
– ディーラーがどうしても新車を売りたい決算月で、全体の支払総額で大幅な譲歩が出るとき。
手間・時間・安心感の比較
– 下取りのメリット
1) 手続きが一括完結。
名義変更・自動車税の月割精算・リサイクル券・自賠責など、面倒をまとめて対応。
2) 納車直前まで今の車に乗れる。
代車手配なしで「乗り換え日のキー渡し」で完了する安心感。
3) ローン残債や残価設定(残クレ)の精算がスムーズ。
販売店の管理下で相殺しやすい。
– 下取りのデメリット
価格が相対的に低い傾向。
新車値引きとの抱き合わせで比較がしづらい。
– 買取のメリット
1) 相見積もりで高値が引き出しやすい。
2) 珍しいグレード、低走行、人気色など希少性を正当に評価されやすい。
– 買取のデメリット
1) 納車までの移動手段を自分で工面(先売りの場合)。
引き渡し時期の調整が必要。
2) 書類・日程の段取り、複数社の査定対応の手間。
3) まれに「査定後の減額交渉」やキャンセル料トラブルのリスク。
事前に評判や契約条件の確認が必須。
補足 訪問買取での契約にはクーリングオフが適用され得ますが(特定商取引法)、店頭での持ち込み契約やオンライン申込み後の来店契約は通常対象外です。
タイミングと相場のコツ
– 決算シーズン
3月(多くの販売会社の年度末)と9月(中間)前後は新車販売の追い込みで下取り条件が良化しやすい。
同時に中古車需要も動くため買取相場も強めになりやすい。
– 走行距離・年式の閾値
3万km、5万km、10万km、初度登録から3年・5年・7年など「キリ」を超えると相場が段階的に下がりやすい。
越える前の売却が有利。
– モデルチェンジ
フルモデルチェンジ直前〜直後で旧型は相場が下がりやすい。
発表前の売却が安全。
– 車検
残存期間が長いほど評価はプラス。
ただし車検を通してから売るべきかは要計算。
車検費用>上乗せ評価になりがちで、通す前に売るのが合理的なことが多い。
– 季節性
SUV・四駆・スタッドレス付は冬前に、オープンカーやスポーツは春〜初夏にやや強含み。
ローン残債・残クレがある場合
– 下取り
販売店が残債照会・一括精算をまとめて実施。
残価設定の満了時は「乗換」「返却」「買取」の選択肢をそのまま提示してくれる。
– 買取
買取店でも残債処理は一般的に対応可能。
所有権留保の解除に日数がかかるため、引き渡し日程と入金の時期を契約書で明確化する。
– 注意
残債が査定額を上回る「オーバーローン」でも売却はできるが、差額は自己資金での精算が必要。
新車側の値引き・補助を含め総合で赤字幅を最小化する構成を組む。
最も大事な比較軸は「支払総額」
下取りは「下取り額+新車値引き」、買取は「買取額+新車値引き(下取りなし条件)」で、最終的な支払総額を同一土俵で比較します。
ディーラー見積書は2パターン(下取りあり/なし)を必ず出してもらい、買取店の最高提示と突き合わせてください。
下取りサポート10万円が付いても、外部買取が15万円高ければ外部が有利、のように算数で判断できます。
実務の進め方(価格最大化と手間のバランスを両立)
– 事前準備
1) 車検証・整備記録簿・取扱説明書・スペアキー・純正ナビディスクやドラレコ、スタッドレスなど付属品を揃える。
記録が整っていると評価が上がりやすい。
2) 洗車・簡易内装清掃。
1〜2時間の手入れで数万円差がつくことがある。
3) 修復歴・塗装歴は正直に申告。
後から判明すると減額の火種になる。
– 見積りの取り方
1) ディーラーで新車見積りを「下取りなし」と「あり」の2通りで出してもらう。
2) 買取店は同日に2〜3社で同時査定(競合させる)か、一括査定サービスを活用。
価格の有効期限と減額条件を必ず書面で確認。
3) 最高額を基準にディーラーへ逆提案。
「この金額に近づけるなら下取りで即決も検討」と伝えると下取り条件が改善することも。
– 契約と引き渡し
1) 納車日から逆算して売却日の調整。
買取店でも「納車日まで乗り続け、当日引取」オプションが取れる場合がある。
2) 入金タイミング(引渡し前日・当日・後日)を契約書で明確化。
3) 自動車税の月割精算やリサイクル預託金の扱いを確認(譲渡なら相手と精算、抹消なら未経過自賠責・重量税の還付あり)。
シナリオ別の目安
– とにかく手間をかけたくない、納車直前まで車が必要
下取りが無難。
支払総額の妥当性だけチェック。
– 価格をできるだけ取りにいきたい、希少グレードや低走行車
買取を軸に。
複数社競合で上振れが期待できる。
新車値引きとのトータルで最有利を選択。
– 乗り換え急ぎ(転勤・引越し)で日程に制約
下取り優先。
どうしても買取なら「先に契約・後日引渡し」の条件を取り付ける。
– 年式が古い・走行多め・事故歴あり
買取店のほうが出口が広く、下取り拒否のケースでも買い手が見つかりやすい。
海外需要や部品取りのルートがある業者が有利。
スマホ・家電の下取り/買取にも応用
– 価格最優先ならフリマ・オークション・買取専門店。
相場は高くなりやすいが、データ消去・発送・トラブル対応の手間が増える。
– 手間と安心を優先するならキャリア・メーカー下取り。
データ消去キットや初期化サポート、盗難・不正利用の不安が少ない。
キャンペーン(ポイント上乗せ、機種変更限定特典)が強いと逆転しやすい。
– いずれも「支払総額(ポイント価値含む)」で比較。
よくある誤解・注意点
– 「車検を通してから売ったほうが得」ではない
車検費用相当が丸々上乗せされることは少なく、むしろ未実施で売ったほうがトータル有利なことが多い。
– 下取り補償のからくり
実態は新車側の値引きの付け替えの場合がある。
外部買取額と総額で見て逆転しないか確認。
– 付属品の扱い
スタッドレス・ルーフキャリア・後付けドラレコ等は「別売り」のほうが高くなる場合あり。
査定でどれがプラス評価か聞いて仕分けを。
– 税金・所得の不安
日常生活で使う自家用車の売却益は基本的に非課税(生活用動産の譲渡)。
譲渡損も原則として他の所得と損益通算はできない。
– 事業用の場合は別
個人事業主や法人の資産なら、消費税や損益・帳簿価額の扱いが変わるため税理士に相談。
まとめ(どっちを選ぶべきか)
– 価格最大化を狙うなら
買取を基本線に、複数社競合→最高値を新車商談に持ち込み→支払総額で最終判断。
決算期や需要期を狙う。
書面で条件を固め、引渡しと入金日を明確化。
– 手間最小・安心重視なら
下取りを選びつつ、ディーラーに「下取りなし見積り」も同時に要求。
下取りサポートの有無・金額を確認し、総額で妥当ならそのまま進める。
– どちらの場合も
「下取り額」「買取額」そのものではなく、「新車(次の品)の支払総額」「現金化後に自分の手元から出ていくお金の総額」で判断すること。
ここを徹底するだけで選択ミスの9割は防げます。
最後にひとつだけ実務的アドバイス。
今の相場はネットで「同年式・走行距離・グレード」の小売価格と業者オークション相場(相場サイトや見積り時の提示)を両方見ておくと、交渉の土台ができます。
相場観を持ったうえで、下取りと買取を「数字で」比較する。
これが、結局どっちを選ぶべきかの最短ルートです。
査定額や相場はどれくらい違うの?
結論から言うと、一般的には「買取(専門店・一括査定など)」のほうが「下取り(新車ディーラー)」より査定額が高く出ることが多く、差はおおむね5〜20%、金額で言えば数万円〜数十万円になるケースがよく見られます。
ただし、例外もあり、ディーラーの下取り強化キャンペーンや残価設定ローンの下取り保証、決算期の特別サポートなどが絡むと、下取りのほうが有利になることもあります。
以下、どれくらい違うのかを具体的な相場感とともに、なぜそうなるか(根拠)まで詳しく解説します。
用語の整理
– 下取り 新車(または他の車)を同じディーラーで購入することを条件に、今の車を引き取ってもらう方式。
見積もりは「新車値引き」と合わせて提示されることが多い。
– 買取 車の売却のみを行う方式。
買取専門店、オークション代行、一括査定経由など。
売却と購入を分けて最適化できる。
査定額の違いの目安
– 全体的な傾向 買取のほうが5〜20%高いことが多い。
特に流通量が多く、人気・回転の速いモデルは競争が起こりやすく差が広がりやすい。
– よくある金額差の例
– 3年落ちの人気ミニバン(例 アルファード/ヴェルファイア級) 下取り330万に対し買取360〜380万、差30〜50万
– 5年落ちの一般的なコンパクト 下取り60〜70万に対し買取70〜85万、差10〜20万
– 10年超・過走行 下取り0〜5万に対し買取5〜20万(輸出や部品取り需要があるため)
– 逆転する例
– 残価設定ローンの下取り保証額が市場価格を上回るとき
– メーカーや販社の「下取りサポート(補助)」が手厚い決算期や在庫販促期(5〜30万円程度が上乗せされることも)
– 新型乗り換え促進で特定モデルの下取り増額を打ち出しているとき
差が生まれるメカニズム(根拠)
– ディーラー下取りの原理
– 多くのディーラーは下取り車を自社販売せず、業者オークションに流すことが多い。
– そのため査定は「オークション想定落札価格 − 輸送費 − 出品料 − 手数料 − 簡易整備・美装費 − リスクマージン」で逆算され、結果的に控えめになる傾向。
– 新車値引きと下取り額を合わせた「支払総額」で調整する商習慣があり、見かけの下取り額が高くても本体値引きを圧縮しているだけのケースがある。
– 買取専門の原理
– 買取後に自社小売(店頭・自社EC)や海外輸出で直接売るチャネルを持つ会社は、中間コストが少ないぶん支払える仕入価格が高い。
– オークション相場の「成約(落札)価格」をほぼリアルタイムで参照し、同業他社との入札競争が働くため上がりやすい。
– 一括査定は各社が「勝たないと一銭も入らない」ため、利幅を削っても高値提示が出やすい。
– コスト構造の違い(概算の根拠)
– 業者オークション経由の総コスト例 出品/落札手数料5〜10万円、陸送2〜5万円、再商品化(軽整備・磨き・内装クリーニング等)3〜10万円、在庫・金利・クレームリスクを見込んでさらに数万円〜。
これらを見込むとディーラー下取りはオークション価格から10〜30万円程度引き算が起きやすい。
– 小売チャネルを持つ買取店は、オークションを介さない分この引き算が小さく、その分を仕入れ価格(あなたの買取額)に上乗せできる。
– 市場指標の補強
– 実務ではUSSなどの業者オークション成約データ、業界の相場端末(各社の査定システム)が根拠。
買取店はこれを基に「本日の即決上限」を提示する。
– 2021〜2023年は新車供給逼迫で中古車相場が高騰、2024年以降は一部正常化。
相場の上下は時期により5〜15%動くことがあり、同じ車でもタイミングで数十万円変動する根拠になる。
車種・状態による差の出やすさ
– 差が開きやすいケース
– 輸出需要が強いSUV・ピックアップ、ハイブリッド、軽自動車の人気グレード
– 高年式・低走行で装備が充実(安全装備・メーカーナビ・パノラマカメラ等)
– 法人ワンオーナー・整備記録簿完備・修復歴なし
– 差が小さくなりやすい/逆転しうるケース
– 新型への乗り換え促進で下取り補助が厚い時期
– 残価設定ローンの据置額が高く設定されている車(ディーラー下取りが有利)
– 不人気色や改造過多などで小売が難しく、どの業者でもオークション前提になる場合
交渉・比較時の実践ポイント(価格を最大化するコツ)
– 支払総額で比べる 下取りと買取を比べるときは「新車の支払総額(値引き・下取り含む)」と「新車値引き最大化+別途買取額」を並べ、総額で判断する。
– 同日・同条件で複数査定 相場は生もの。
同じ日に2〜4社で同時査定し、最高額の提示書面またはアプリ画面を他社に見せて競合させると数万〜十数万円伸びることがある。
– 車両情報を正確に 事故歴・修復歴・塗装歴・警告灯・水没疑いなどは正直に申告。
後出し減額条項(クーリングオフ的ではないが契約後一定期間の減額請求)を避ける。
– 付属品を揃える スペアキー、整備記録簿、取扱説明書、純正パーツ一式、冬タイヤセット等は評価が上がる(数千円〜数万円)。
– クリーニングは軽めで十分 プロの再商品化が前提。
小傷の板金やタイヤ4本交換は費用対効果が薄いことが多い。
– タイミング 決算期(3月・9月)や新型発表直前直後、繁忙期(春の移動シーズン)は相場が動きやすい。
モデルチェンジ直後は旧型が下がることも。
税金・費用の扱い(見落としやすい差)
– 自動車税(種別割)未経過分 普通車は抹消等で月割還付制度がある。
買取の場合は価格に内包されるか、別途還付手続きになる。
下取りでは総額調整に含まれることが多い。
軽自動車は原則月割還付なし。
– リサイクル預託金 売却時に買い手から戻る(買取額に含まれるか明細で別記)。
– 自賠責・重量税の残存分 抹消の種類により還付対象になりうるが、実務では買取側で手続きし、買取額に反映されることが多い。
– 名義変更・抹消の完了確認 名義変更完了の通知や車庫証明の扱いなど、書類の確実性でトラブル回避。
具体的な数値モデル(根拠のイメージ)
– 例 オークション成約相場が150万円のコンパクトカー
– ディーラー下取りの逆算
– 想定落札150万 − 出品手数料5万 − 陸送2万 − 仕上げ5万 − リスク5万 ≒ 133万
– ここからさらに新車値引きとの兼ね合いで見かけの下取り130万提示、という流れが典型。
– 買取専門の逆算(自社小売想定)
– 店頭小売価格175万 → 想定粗利25万 → 再商品化・保証・在庫コスト12万 → 仕入れ最大138万
– 競合で140万まで上振れ、という動きが現場では起こりやすい。
– 高年式人気ミニバンで小売回転が速い車なら、買取側の仕入れ上限はさらに上がりやすい。
いつ下取りを選ぶべきか
– 残クレ等の下取り保証額が明確に市場価格より高いとき
– メーカーの下取り増額キャンペーン(下取りサポート)が大きく、かつ新車の値引きも最大化できていると確認できたとき
– 乗り換えの手間を極力減らし、代車・納車日連携などワンストップで済ませたいとき(利便性優先)
いつ買取を選ぶべきか
– 人気・良質車で相場が高いとき(複数社競合で伸びやすい)
– ディーラーの下取り額がオークション相場に比べて明らかに低いとき
– 下取りサポートが実質的に新車値引きの付け替えに過ぎないと判明したとき(総額比較で不利)
比較・検証の手順(再現性のあるやり方)
– 先にディーラーで「下取りゼロ前提の最大値引き」を出してもらう(下取りと値引きを混ぜない)
– 別日に買取店2〜4社で同時査定し、最高額の確約書面を取得
– その最高買取額を持ってディーラーに「下取り込みの総支払額」を再提示してもらい、総額で比較
– 可能なら、相場アプリ(会員向けの簡易相場ツールや一括査定の相場レンジ)でオークション成約レンジも確認
注意点(契約・トラブル防止)
– 後日減額条項 事故歴やメーター改ざん、重大瑕疵が見つかった場合の減額期間と条件を契約書で確認
– 入金タイミング 名義変更・抹消前後の入金条件(即日振込か、引き渡し後か)を明確に
– 代車や納車ずれ 先に売ると足がなくなる。
乗り換え日を揃える調整力はディーラー下取りが強いが、買取でも納車日までの引き取り猶予や一時預かりに応じる業者はある
最後に(要点のまとめ)
– 平均的には買取のほうが5〜20%高値。
特に高年式・人気車は差が出やすい。
– ただし、ディーラーの下取り補助や残価保証が市場を上回る場面では下取り有利。
– 差が生まれる根拠は、販売チャネル・コスト構造・相場参照と競争原理の違い。
業者オークション相場を軸に、手数料や再商品化費用、在庫リスクが価格を押し下げる。
– 比較は必ず「総支払額」で。
複数業者同時査定と同日比較が実効性の高い手段。
この流れで進めれば、あなたの車にとって「下取り」と「買取」のどちらが本当に得かを、数字で判断できます。
もし具体的な車種、年式、走行距離、グレード、色、装備、修復歴の有無、次の納車時期などを教えていただければ、想定相場レンジと、どちらが有利になりやすいかをより精密にお伝えします。
手続きの手間・時間・利便性で有利なのはどっち?
結論の要点
– 乗り換え前提で「手続きの手間・時間・利便性」を最優先するなら、下取りが有利になりやすい(ワンストップ、納車日まで乗り続けやすい、書類や日程の一体管理が可能)。
– 売却だけ・できるだけ早く現金化したい・自宅完結を最優先するなら、買取が有利になりやすい(出張査定・即日引き取り・最短翌日振込などが一般的)。
前提と用語
– 下取り 新車/中古車を購入する販売店が、今の車を引き取って代金に充当する形態。
購入と売却が一つの契約ラインに乗る。
– 買取 専門の買取業者(または一部中古車販売店)が車を直接買い取る。
購入は別手続き。
以下、手続きの手間・時間・利便性の観点で詳しく比較し、なぜそう言えるのかの根拠(実務上のプロセスや契約・制度)も併せて示します。
ここではもっとも相談の多い「自動車」を想定しますが、スマホや家電でも下取り(購入店での引き取り)と買取(専門店での売却)の構図は概ね同じです。
手続きの手間の比較
– 下取りが手間で有利なケース
– ワンストップで完結 購入店が査定、見積、登録(名義変更・下取車の抹消や名義変更)、税・保険・リサイクル預託金などの処理、納車・引取のスケジューリングまで一括管理。
窓口が一つで済む。
– 必要書類をまとめて渡せる 普通車なら車検証、自賠責保険証、納税証明、リサイクル券、実印・印鑑証明、委任状・譲渡証明書など。
軽自動車なら実印/印鑑証明は不要なことが多い。
これらを営業担当に一括提出できる。
– ローン残債の処理 所有権留保(ローン会社名義)でも、販売店が残債の一括清算や組み換え(乗換ローンに一本化)をまとめて手配しやすい。
– 根拠 ディーラーや販売店は自社で登録業務や行政書士ネットワークを持ち、購入と同時に下取りの名義変更・抹消等をルーチン化しているため。
契約も売買契約書に下取り条項が付随し、書類授受や期限管理がひとつの工程表に統合されやすい。
買取が手間で有利なケース
自宅完結&来店不要 出張査定・出張引き取りが一般化。
書類も当日現場で記入、印鑑証明などの公的書類だけ事前準備すればOK。
売却のみで済む 乗り換え予定がない・当面車に乗らない場合、販売店との購入手続き自体が不要なため全体の手数が減る。
根拠 大手買取業者は出張査定体制と全国の名義変更・抹消の代行網を持ち、現場での契約~引取~陸運局手続まで標準化している。
ローン残債処理も業者が代行(手数料はかかることあり)。
手間が増えやすい点(注意)
買取は複数社見積が基本 高く売るためには相見積もりが有効だが、その分アポ取り・査定立ち会い・連絡対応の手間が増える。
逆に下取りは査定が1回で完結しやすい。
名義や住所が複雑なケース 前所有者名義、結婚・転居で住所が変わっている、相続などは、どちらでも追加書類(戸籍・住民票の除票など)や行政書士対応が必要。
ディーラーは書類段取りの説明が手厚い傾向。
買取も対応できるが事前ヒアリングが重要。
時間(所要時間・スピード)の比較
– 下取りの時間面の強み
– 商談中に査定が終わる 店頭で20~60分程度で下取査定が終わり、そのまま見積反映。
来店回数を増やさず進められる。
– 納車日連動でシームレス 納車当日に下取車を渡し、その直後に新車へ乗り換えという段取りを販売店が調整。
車が手元にない期間を作らなくて済む。
– 根拠 ディーラーは納車工程(用品取付、登録、保険、希望ナンバー等)と連動して下取り引き取りの時間軸を組むのが通常業務。
代車提供も柔軟に対応する店舗が多い。
買取の時間面の強み
現金化が速い 当日引取・当日現金(一部)/翌営業日振込など、資金化が迅速。
短時間で処分したいニーズに合う。
即日完了も可能 予約枠が合えば査定~契約~引取まで同日で終わる。
来店不要のため移動時間もゼロ。
根拠 買取会社は自社在庫化や業者オークションの即時出品を前提に資金回転を早くしているため、支払いスピードが速い。
契約時点で車両と書類を回収し、名義変更・抹消を自動的に進める運用が一般的。
時間で不利になりやすい点(注意)
下取りは新車の納期に左右 納期が長いと「引き渡し(査定基準日)が先」になり、再査定条項(事故・走行増・相場変動)に触れる可能性がある。
長納期ほど価格確定の安心感は下がるが、利便性は高い。
買取は引渡しタイミングが難しい 納車待ちの間に車がない期間が生じやすい。
保管や「後日引渡し予約」を受ける業者もあるが、価格保証は短期(例 1~4週間)に限ることが多い。
利便性(使い勝手・ストレスの少なさ)の比較
– 下取りの利便性
– 窓口が一つで迷いにくい。
困ったら営業担当に聞けばよい。
– 代車・保険切替・希望ナンバー・コーティング等、乗り換えに伴う周辺タスクをまとめて段取りしてくれる。
– 車が手元にない期間を避けやすい(納車日と同時交換)。
– 根拠 販売店は顧客体験を重視しており、付帯サービスをまとめて提供する業態。
社内・提携ネットワークで一気通貫を実現している。
買取の利便性
自宅・職場に来てくれる。
平日夜・土日対応枠が広い業者も多い。
書類の書き方も現地で指示してくれる。
印紙手配や陸運局手続は業者代行。
断る・キャンセルも容易(ただし出張後のキャンセル条件には注意)。
根拠 出張査定をコアにしたビジネスモデルで、来店負担を極小化。
内部の事務処理もフロー化され、ユーザーはサイン中心で済む。
具体的なシーン別のおすすめ
– すぐに手放して現金化したい、乗り換え予定がない
– 買取が有利。
即日引取・翌日振込が狙える。
下取りは購入を伴うため最短現金化には不向き。
– 乗り換えの手間を最小化したい、車なし期間を作りたくない
– 下取りが有利。
納車同時交換・代車・保険切替サポートでストレスが少ない。
– 新車納期が長い(数カ月~)
– 利便性は下取り、価格の確定性は買取の短期保証に軍配が上がる場合がある。
どちらの場合も「再査定条件」「価格保証期間」を文書で確認すること。
– ローン残債や所有権留保がある
– どちらも処理可能だが、下取りのほうが購入契約と一体で整理され、電話や書類の往復が少なく感じる人が多い。
買取でも代行可能だが手数料や日数を事前確認。
– 車検切れ・不動車
– 買取業者はレッカー引取体制が整い即日対応しやすい。
下取りも可能だが、店舗やメーカー基準によっては追加費用や条件が付く。
制度・契約上の根拠(手間・時間・利便性に影響する要素)
– 書類要件は原則どちらも同じ 車検証、自賠責、納税証明、リサイクル券、実印/印鑑証明(普通車)、委任状・譲渡証明。
軽は簡易。
つまり素の必要書類の数は下取りでも買取でも大差はない。
– 税金・保険の処理は代行可能 普通車の自動車税は抹消登録で月割還付が発生し、受取人は元の所有者。
自賠責も解約で未経過相当の返戻がある。
どちらでも手続代行が一般的で、利便性はほぼ同等。
– 価格の再査定条項 下取り・買取いずれも「引渡しまでに事故・水没・メーター改ざん・大幅な走行増などがあった場合は再査定」といった条項が契約書に入るのが通例。
納期が延びる場合、価格の確定性は日数に比例して下がる。
– 支払スピードの差 下取りは「値引きや支払総額への充当」が基本で現金振込のスキームではない。
一方、買取は売買契約のため代金支払い(当日~数営業日)が原則で、現金化を急ぐほど買取が有利。
– 事務負荷と窓口数 乗り換え時に窓口が「販売店のみ」か「販売店+買取業者」の二つになるかで、手間の体感差が明確に出る。
ワンストップの下取りは連絡や日程調整が一本化される。
実務的なコツ(手間・時間をさらに減らす)
– 下取りを選ぶなら
– 納車遅延時の下取り価格の取り扱い(据え置きか、再査定条件)を明文化。
– 代車の有無・期間・費用、保険の切替タイミングを事前に決めておく。
– 残債処理・所有権解除を販売店に一括依頼し、必要な同意書・残高証明の取得を早めに。
– 買取を選ぶなら
– 査定は原則屋外日中で実施し、後日の「見落とし減額」トラブルを避ける。
契約書に減額事由の限定を入れるよう確認。
– 引渡し日と支払日の確定、価格保証の期限、キャンセル料の有無を文書で確認。
– 複数社相見積をする場合は同時間帯同席査定にして、来訪回数・時間を圧縮。
最後のまとめ
– 手続きの手間・時間・利便性だけで見ると、乗り換え前提なら下取りが総合的に有利です。
窓口一本化・納車連動・周辺タスク代行で、ユーザーの負担が最も小さくなりやすいからです。
– 売却単体や即時現金化、自宅完結を最優先するなら買取が有利です。
出張査定と即日~短期振込という業態特性が、時間と利便性を最大化します。
– どちらにも再査定や保証期間、残債処理などの「契約・制度起因の注意点」があるため、価格だけでなく、いつ・どのように引き渡して・いつ資金化され・誰が何を代行するのかを、契約書面で確認するのが最も確実です。
この判断軸に沿って選べば、「手続きの手間・時間・利便性」という観点で後悔の少ない選択ができます。
値引き・下取り補助・手数料を含めた実質メリットはどう計算する?
結論から言うと、「下取り」か「買取」かの判断は、ディーラー提示の値引き・下取り補助・手数料を“数式化”して、外部買取店の提示額(+還付・精算分)と並べて比べるのが最も確実です。
営業トークに埋もれやすい「下取り補助」や「諸費用」を可視化し、最終的にあなたの財布から出ていく現金(またはローン残高)の差額で決めるのがポイントです。
以下、実務でそのまま使える計算式・手順・注意点・根拠を詳しく解説します。
用語と前提の整理
– 値引き(車両値引き・オプション値引き) 車両本体や付属品から差し引かれる額。
下取り有無で額が変わることが多い。
– 下取り額 ディーラーがあなたの現車を引き取る価格(リサイクル預託金を含む場合と別掲示の場合がある)。
– 下取り補助(下取りサポート) 販促の一種。
実質は値引きの振り替えであることも多い。
– 諸費用 登録手数料、車庫証明代行、納車費用、リサイクル関連費用精算など。
店舗ごとに名称や金額が異なる。
– 下取り関連手数料 下取り車に関わる名義変更・査定・引取等の費用名目。
見積に潜りがち。
– 買取額 買取店(または個人売買)での売却価格。
– 税・保険・リサイクルの精算
– 自動車税(種別割)の月割還付 抹消登録(廃車)時に発生。
名義変更だけでは還付されないが、買取価格に織り込まれるのが通例。
軽自動車税は原則還付なし。
– 自賠責保険の返戻 抹消時に未経過分の返戻可。
名義変更では原則返戻なし。
– リサイクル預託金 自動車リサイクル法に基づく預託金。
売却時は買取価格に含めて支払われるか、別精算。
– ローン残債 残債がある場合は精算が必要。
下取りでも買取でも差引で考える。
– 税務(個人) 自家用車の売却益は生活用動産の譲渡に該当し、原則として所得税は非課税。
個人が車を売っても消費税は課されない(事業として扱う場合等は別)。
実質メリット(手元資金ベース)の計算式
比較は「下取り案A」と「買取案B」の支払総額差で行います。
以下は現金ベースでの基本式です(ローンでも考え方は同じで、最終的な元金相当の差で比較します)。
A. 下取りを使う場合の実質支払額
実質支払A
= 新車(または次の車)の見積総額
− ディーラー値引き(下取りあり時)
− 下取り補助
− 下取り額(リサイクル含むならそのまま/別なら別途控除)
+ 下取り関連手数料
+ 残債精算の不足分(残債 − 下取り精算充当分)
+(必要なら)その他諸費用の増加分
注 下取りに伴う税の還付は、名義変更では直接発生しないため、基本は査定額に含まれていると考えます。
見積上「リサイクル預託金相当額 別精算」とある場合は、その分も支払Aから差し引く(あなたに入るお金)。
B. 外部に売る(買取)場合の実質支払額
実質支払B
= 新車(または次の車)の見積総額
− ディーラー値引き(下取りなし時)
+(必要なら)諸費用(下取りを使わないことで増減がある場合)
−(買取額 + 精算受取 リサイクル預託金、抹消した場合の自動車税・自賠責等の返戻)
+ 残債精算の不足分(残債 − 買取充当分)
+(売却側の手数料があれば加算)
比較の指標(どちらが得か)
メリット差(B−A)
= 実質支払B − 実質支払A
→ 0より大きければ下取りが有利、0より小さければ買取が有利。
数字でわかる比較例
例1 普通に乗り換え(名義変更売却。
還付は価格に内包)
– 新車見積総額(車両+オプション+登録諸費用) 3,700,000円
– ディーラー値引き(下取りあり) 200,000円
– ディーラー値引き(下取りなし) 150,000円
– 下取り額 800,000円
– 下取り補助 100,000円
– 下取り関連手数料 20,000円
– 外部買取額(リサイクル預託金含む) 950,000円
– リサイクル預託金(別精算の場合) 30,000円(今回は買取額に含む想定)
– ローン残債 なし
計算
A(下取り)
= 3,700,000 − 200,000 − 100,000 − 800,000 + 20,000
= 2,620,000円
B(買取)
= 3,700,000 − 150,000 − 950,000
= 2,600,000円
差(B−A)= −20,000円 → 外部買取の方が2万円有利。
例2 古い車で「下取り補助」が厚い案件
– 同じ新車見積総額 3,700,000円
– 値引き(下取りあり/なし) 200,000円 / 150,000円
– 買取額 30,000円(低年式)
– 下取り額 20,000円(実勢は低い)
– 下取り補助 150,000円(キャンペーン)
– 下取り手数料 20,000円
A(下取り)
= 3,700,000 − 200,000 − 150,000 − 20,000 + 20,000
= 3,350,000円
B(買取)
= 3,700,000 − 150,000 − 30,000
= 3,520,000円
差(B−A)= +170,000円 → 下取りが17万円有利。
補足 こうした「下取り補助」は実質的に値引きの上乗せと同じ。
買取店相場が低い車齢・過走行では下取り有利になりやすい。
例3 抹消(廃車)で税・保険の返戻が出るケース
– 買取額 50,000円
– 抹消に伴う自動車税の未経過分還付 20,000円
– 自賠責返戻 10,000円
– 合計受取 80,000円
– 下取り側には返戻なし(査定に含むのが通例だが、実勢が低いときは差が開く)
このように抹消で返戻金が明確に出ると買取側の総受取が膨らむ分、買取有利になりやすい。
実務の手順(チェックリスト)
1) ディーラー見積を「下取りあり」と「下取りなし」の2パターンでもらう。
– 値引き差、下取り補助の有無・額、下取り関連手数料の有無を明記してもらう。
– リサイクル預託金の扱い(下取り額に含むか、別精算か)を確認。
2) 外部買取の相見積りを最低2〜3社取る。
– 名義変更前提か、抹消前提かで提示が変わる。
– リサイクル預託金の別精算有無、キャンセル規定、減額条件(修復歴・機関不良)を必ず確認。
3) 税・保険の返戻の可否を確認。
– 抹消なら自動車税と自賠責の返戻が発生(軽自動車税は原則還付なし)。
– 名義変更なら返戻は出ないが、未経過相当分が買取額に織り込まれるのが一般的。
4) ローン残債の精算方法を確認。
– 下取り・買取いずれでも残債超過なら追い金が必要。
– ディーラー経由の一括精算手数料が入ることがあるので要確認。
5) 納車時期と現車引き渡しタイミングの調整。
– 代車費や一時的な足の確保コスト(時間コストも)を織り込む。
– 引き渡し時期が遅いと買取額が下がることがある。
6) 口頭条件はすべて書面化。
– 「下取り補助」と「車両値引き」の併用可否、期日、金額を見積書に明記。
– 諸費用の内訳は項目名と金額を個別に。
盲点になりやすいポイント
– 下取り補助は「純増」か「値引きの付け替え」か
ディーラー値引きを下げて補助を上げる見せ方がある。
必ず「下取りなし見積」と並べて差分を確認。
差分が外部買取との差のすべて。
– 諸費用の二重計上
下取り時だけ「下取車諸費用」名目が入ることがある。
金額は1〜3万円前後が多い。
– リサイクル預託金の扱い
含む/別精算で見かけの数字が変わる。
あなたが手にする総額で比較する。
– 消費税トークに注意
個人の下取りはあなた側で消費税の損得は基本的に発生しない。
新車側の消費税は新車価格に対して課税され、下取りの有無で直接軽減されるわけではない(ディーラーの会計処理上の話と、あなたの実支出は別)。
– 軽自動車税の還付は原則なし
廃車にしても自動車税の月割還付は普通車のみ。
軽は還付がない分、買取額にどれだけ織り込まれるかで差がつく。
– 譲渡所得課税は原則なし(個人の自家用)
生活用動産の譲渡に該当し所得税は非課税。
高額売却でも通常は申告不要(事業用途・特殊ケースは除く)。
– 減額リスク
買取店の当日実車査定で修復歴や機関不良が見つかると減額。
事前申告でリスクヘッジ。
根拠(制度・慣行の背景)
– 自動車税(種別割)の月割還付は抹消登録に連動(地方税法に基づく運用)。
名義変更のみでは納税義務者が変わるだけで還付は原則なし。
– 自賠責保険は車両に付帯。
抹消による解約で未経過分の返戻が約款上認められる。
名義変更では返戻なしが原則。
– リサイクル預託金は自動車リサイクル法による預託制度。
売買時は預託金相当額を売買代金に含めるか、別途清算するのが実務慣行。
– 個人の中古車売却に消費税はかからない(課税事業者としての対価でない限り)。
ディーラーは下取車の仕入税額控除の扱い等、事業者間の会計論はあるが、購入者個人の実支出の比較には直接関係しない。
– 自家用車の売却益は生活用動産の譲渡として原則非課税(所得税法上の非課税所得)。
– 「下取り補助」はメーカー・販社の販売促進費で、値引きと併用可否や対象条件が設定されるのが通例。
見積書での明示が実務上の根拠。
実践のコツ(交渉術)
– 先に外部買取の上位2社の書面提示を確保してから、ディーラーに「下取り補助込みで同等以上にできるか」を打診。
– 値引き総額の一本化を要求(車両値引き+補助の合算で、下取りなしと比較)。
– 諸費用の相見積(登録代行・納車費用は値引き余地あり)。
– 納車直前の引き渡しで買取額を確定できるよう、契約書の有効期限・減額条件を明記。
まとめ(判断基準のシンプルな式)
– 下取り有利になる典型
– 下取り補助が実勢買取相場に対して大きい(年式が古い、過走行)。
– ディーラーが外部買取提示にマッチもしくは上回る提示をしてくる。
– 諸費用や時間コストの削減メリットが大きい。
買取有利になる典型
人気車種・高年式で外部買取相場が高い。
抹消により税・保険返戻が明確に出る。
ディーラー側で下取り関連手数料や値引き圧縮がある。
最後に、エクセル等で使える最低限の入力項目(両案で共通)
– 新車見積総額
– 値引き(下取りあり/なし)
– 下取り額、下取り補助、下取り手数料
– 外部買取額、(抹消時)税・自賠責返戻、リサイクル預託金
– ローン残債と精算方法
これを上の式に当てはめれば、どちらが実質的に得かが一目で判定できます。
要は「新車側の支払 −(値引き+補助) −(受け取る金額)+(払う手数料等)」を下取り案と買取案で同じ土俵に並べること。
数字でフラットに比較すれば、営業トークに左右されず、最も得な選択ができます。
車種・状態・売却時期によって最適解はどう変わる?
結論の前提
– 下取り=新車(または次の車)を買うディーラーに今の車を引き取ってもらう。
手間が少なく総支払額で相殺されるが、単体の査定額は控えめになりやすい。
– 買取=専門の買取店や中古車店に売却。
相場に応じて競争が起きやすく、価格は上がりやすいが、手続きや日程調整の手間は増える。
以下、車種・状態・売却時期で「どちらが最適か」がどう変わるか、そしてその根拠を詳しく解説します。
車種による最適解の違い
– 国産の人気・大量流通車(例 トヨタ系ミニバン、ハイブリッド、軽自動車)
– 最適解 買取競合が有利になりやすい
– 理由 流通量が多くオートオークションの相場が明確。
買取店は「相場+整備費+粗利」で戦い、他社競合で粗利を薄くせざるを得ず高額提示になりやすい。
– レクサス、トヨタ上位グレード、ホンダ認定向きの上玉(低走行・新しめ)
– 最適解 下取り(同系列の認定中古車ネットワークが強い場合)
– 理由 ディーラーは自社の認定中古として高く再販できる見込みがあると、下取り額を引き上げやすい。
特にワンオーナー・整備記録簿完備・修復歴なしは強い。
– 輸入車(BMW、メルセデス、アウディ等)
– 3年以内・認定条件を満たす良質個体 下取り優位になりやすい(認定中古として高マージンで売れるため)
– 5~8年超・走行多め 買取優位(ディーラーは在庫リスクを嫌い控えめ、買取店はオークションや専門販路へ回せる)
– SUV・4WD・ディーゼル・海外需要が強いモデル(ランクル、プラド、ハイラックス、ディーゼルミニバン等)
– 最適解 買取(輸出相場が反映されやすく、為替や輸出規制に敏感に価格が動く分、競合させると強い)
– スポーツ/希少車(GR・NISMO・タイプR、旧車、限定車)
– 最適解 専門店の買取・委託販売
– 理由 一般店では価値評価が平準化されやすい。
専門店は顧客ネットワークがあり、上振れを狙える。
– EV・PHEV
– 新しめ・メーカー保証が厚い 下取りが比較的堅い(バッテリー保証の継承やリセール戦略がディーラー側にある)
– モデルチェンジや価格改定で相場が不安定 複数の買取店で相場見極めを。
一部は急落時に提示を渋るため。
車両状態による最適解の違い
– 低走行・ワンオーナー・禁煙・整備記録簿あり・純正戻し済み
– 下取り 認定販路に載るなら強い
– 買取 競合でさらに伸びる可能性。
総支払額で最終比較を。
– 修復歴あり・事故歴あり・板金歴が大きい
– 買取 柔軟。
オークション再販や輸出/部品取り販路があるため、ディーラー下取りよりダメージが小さく済むことが多い。
– 改造車・社外パーツ多数
– 一般論ではマイナス。
純正戻しが基本。
– 例外 チューニングの方向性が市場で評価される場合は専門店買取・委託がベター。
– 過走行(10~15万km超)・年式古い
– 輸出向きや部品取り販路を持つ買取店が有利。
ディーラーは在庫リスクで下取りが弱くなりがち。
– 不動車・車検切れ
– 買取(レッカー引取前提)一択に近い。
スクラップ価値や部品価値を評価可能。
売却時期による最適解の違い
– 決算期・半期末(3月・9月)+その前後
– 下取り ディーラーは台数目標があるため総支払額を合わせやすい。
下取り額が「値引きの器」として使われ上振れすることも。
– 買取 流通が活発で相場も動きやすい。
複数社競合の効果が出やすい。
– 季節要因
– 春~初夏 オープンカー・スポーツ系は強め
– 秋~冬 4WD・SUV・スタッドレス需要が強め
– 新学期前(2~3月) 軽・コンパクト需要増
– モデルチェンジ前後
– フルモデルチェンジ発表・発売直後は旧型相場が下がりやすい。
売るなら発表前~早期が有利。
– ただし人気の旧型・希少グレードは逆に評価が上がる場合あり。
専門店に当てると良い。
– マクロ相場(新車供給・為替・輸出規制)
– 新車納期が長い時期 中古相場は上がりやすく売り時
– 円安・輸出強含み 海外需要車は買取が特に強い
– 税金・車検のタイミング
– 普通車は抹消で自動車税の月割還付あり。
売却が早いほど有利。
軽自動車は原則月割還付なし。
– 車検を通すコスト>査定上昇分になりがち。
数カ月以内に売るなら通さず売却が一般的。
具体的なケース別の最適解(目安)
– 1~3年落ち・人気国産SUV・低走行 買取で複数社競合→最終的に総支払額でディーラーと比較
– 2年落ち・レクサス/トヨタ上位・認定条件良好 まずディーラー下取り評価→相見積もりで詰める
– 7年落ち・過走行ミニバン 輸出販路に強い買取店へ
– 修復歴ありのコンパクト 買取店(事故車対応可)で複数見積り
– 旧車・限定スポーツ 専門店買取 or 委託販売
– EVで相場が不安定 ディーラー下取りの安全性と、EV専門販路の提示額を比較
根拠(市場の仕組みと価格形成)
– 多くの買取店は最終的にオートオークションに出品し、相場(成約履歴)を基に逆算して仕入れ値を決める。
競合が増えるほど各社の粗利が薄くなり、お客様提示額が上がりやすい。
– ディーラー下取りは、新車販売の台数目標・粗利・値引きとのトレードオフで総支払額を調整できる。
認定中古車として自社小売できるなら、オークションに流すより高い利幅が見込めるため、下取り額を引き上げる余地が生まれる。
– 季節や決算期は需要が変動し、相場の厚み(買い手の多さ)が増減する。
輸出依存度の高い車種は為替や海外規制の影響を強く受ける。
– 事故歴・改造・過走行など、一般流通での需要が弱い車は、専門販路(輸出・部品取り・チューニング市場)へのアクセスの差で価格が分かれる。
よってディーラーより専門買取が通例として有利。
価格を最大化/リスクを減らす実務ポイント
– 比較の軸は「総支払額」 新車値引き+下取り額と、買取額+新車購入価格を同条件で比較。
– 複数査定の順番 相場感を掴むために2~3社を短期間で集中。
減額条件やキャンセル規定を要確認。
– 書類・付属品の準備 整備記録簿、取説、スペアキー、ナビSD/ロック解除、純正パーツ、スタッドレスは別売りも検討。
– 外装内装の簡易クリーニングは有効。
高額な鈑金は回収困難なことが多い。
– 改造は可能なら純正戻し。
社外品は個別売却も検討。
– 売却と納車のタイミング 買取店でも納車日まで引取猶予や代車対応が可能な場合がある。
下取りの「乗り換えの楽さ」と同等にできることも。
– 残債・残クレ どちらでも精算可能。
残価設定はディーラーの査定が堅いが、買取で上回れば差額は現金化できる。
– 税・リサイクル関連 普通車は抹消で自動車税月割還付。
自賠責・重量税は解体抹消時に未経過分が返る。
軽は自動車税の月割還付なしが原則。
名義変更/抹消の実施有無を確認。
まとめ(指針)
– 高年式・良状態・認定販路が効く車(レクサス/トヨタ上位/新しめ輸入車) まず下取り評価→買取競合で最終比較。
総支払額で有利なら下取り。
– 大量流通の人気国産や海外需要が強い車 買取競合が基本的に強い。
輸出に強い業者も当てる。
– 古め・過走行・修復歴・改造車 専門販路を持つ買取店。
– 希少スポーツ・旧車 専門店買取や委託で上振れ狙い。
– 時期は「決算前」「需要期」「モデルチェンジ前」が売りやすい。
新車納期や為替もチェック。
結局は「車種特性×状態×時期」によって販路の適合度が変わります。
最終判断は、1) 同条件での総支払額比較、2) 販路適合(認定/輸出/専門)、3) 手間とリスク(減額・引渡し時期)を同時に見て決めるのが合理的です。
以上を抑えれば、下取りと買取のどちらを選ぶべきかの“最適解”はブレにくくなります。
【要約】
ローン残債や残価設定(残クレ)の精算は、下取りだと販売店で相殺でき、一括処理でスムーズ。納車直前まで乗れるのも利点。ローン中でも名義変更・清算まで店側主導で進む。一方、買取は売却と買い替えが分離し、引き渡し時期や書類手配と併せて残債処理の段取りが必要で手間が増えやすい。その分、価格面の有利さと手間の天秤で選ぶのが基本。支払総額で冷静に比較を。キャンペーン有無も確認を。