車両状態評価点とは何で、どのように算出されるのか?
以下は、日本の中古車流通で広く用いられている「車両状態評価点(修復歴・事故歴・内外装評価)」の考え方と、その算出方法、さらに評価の根拠(拠り所となっている業界基準や公的ルール)を整理した解説です。
実務では会場(オートオークション)や第三者検査機関によって用語や配点・表現が少しずつ異なる点に留意してください。
車両状態評価点とは
– 定義の概要
– 中古車の「総合的なコンディション」を、第三者の検査員が統一基準に沿って点数(グレード)化したもの。
外装・内装の傷み具合、骨格(フレーム)部位の修復履歴の有無、機関・下回りの状態、改造・装備、におい等を総合判定し、誰が見てもおおよそ同じ理解になるよう可視化するのが目的です。
– 表示の一般的な形
– 総合評価点(例 6.0、5.0、4.5、4.0、3.5、3.0…/一部会場はSや9~10点等の近似表現)
– 修復歴有無(「修復歴あり」なら総合点とは別枠でR/RA等の表示にする会場もあります)
– 外装評価・内装評価(例 A~Eの5段階、あるいは★1~★5 など)
– 損傷図・記号(A=擦り傷、U=へこみ、W=波打ち、P=塗装、S=錆、C=腐食、G=飛び石、Y=ひび、X=交換、XX=要交換等のコードで位置と程度を明示)
– 使われる場面
– 国内オートオークション(USS、CAA、TAA、JUなど)の車両出品票(検査票)
– 小売店が掲載する第三者鑑定書(AIS、JAAAなどの鑑定)
– 価格形成・比較検討・在庫管理の共通言語として機能
どうやって算出されるか(実務の流れ)
– 概観
– 算出は厳密な機械的スコアリングというより「詳細チェックに基づく減点・上限制御・判定ジャンプ(修復歴の有無等)」を組み合わせたルーブリック運用です。
検査員の訓練・ダブルチェック・監査でブレを抑えています。
– 典型的な検査ステップ
1) 書類・素性確認
– 型式・車台番号、年式、走行距離、記録簿、修復申告、リコール、スペアキー有無等。
– 走行距離は「走行距離管理システム」(後述)等で整合性を確認し、巻き戻し疑義があれば評価点の上限を制限。
2) 外装の目視・触診・計測
– パネルごとの傷・凹み・塗装肌・色差・鈑金跡、ガラス飛び石やひび、ランプのくもり等を損傷図に記号でプロット。
– ボルト頭の工具痕、シーラー割れ、スポット溶接のズレ、寸法・取付精度などから骨格補修の有無も観察。
3) 内装の確認
– シートの擦れ・破れ・焦げ、フロアや天張りの汚れ、におい(喫煙・ペット・芳香)、パネル割れ。
– 追加配線や改造跡、エアバッグ展開歴(警告灯の状態・カバー交換跡)等。
4) 機関・下回り
– 始動性、アイドリング、異音・振動・白煙/黒煙、AT変速ショック、警告灯、4WD作動など、静止状態でできる範囲の機能確認。
– 下回りのオイル滲み・漏れ、錆・腐食、フレーム波打ち・折れ・歪み、ブーツ破れ等。
5) タイヤ・ブレーキ・足回り
– 残溝、片減り、ホイールの傷、ハブやローターの状態、車高調等の改造有無。
6) 総合判定
– ルーブリックに沿って減点を集計し、重大な要素(修復歴、走行不良、メーター改ざん疑義等)があれば評価点上限を制限、またはR/現状扱い等の別区分に移す。
減点・上限・ジャンプの考え方(代表例)
減点法 外装のA1(小傷)やU1(小凹み)など、箇所と程度ごとに標準的な減点値を積み上げ。
累積減点が増えるほど総合評価点は下がる。
上限制御 走行距離が一定以上(例 10万km超)、下回り腐食が強い、臭いが強い等の場合、総合点が一定値(例 4.0)より上に上がらない、といった上限ルールを適用。
判定ジャンプ 骨格部位へ手が入っている場合は、総合点の良否にかかわらず「修復歴あり(R/RA等)」とラベル付け。
安全性・構造に関わるため、他の軽微な瑕疵とは区別。
実際のスコアレンジ(よく見られる目安)
6点/S/9-10点 新車同然〜登録済未使用に近い
5点 極めて良好、微細な小傷程度
4.5点 良好、小傷・小凹みが少数
4点 年式・距離相応の傷凹みが可視、日常使用感あり
3.5〜3点 傷凹み多め、補修必要箇所が散見
2〜1点 大きな損傷、内外装の大きな劣化、改造過多など
R/RA 修復歴あり(骨格部位に損傷修理・交換等)
内外装サブ評価 A(きれい)~E(著しい難あり)などの5段階が一般的
修復歴と事故歴の違い(用語の整理)
– 修復歴(業界の定義に基づく用語)
– 車体の骨格部位(例 フレームサイドメンバー、クロスメンバー、フロア、ピラー、ルーフパネル、ダッシュパネル、トランクフロア、リアフェンダーインナー、ラジエーターコアサポート等)に「交換・修正・切断・接合」などの修復が行われた履歴。
– この定義は、公正取引の観点から明確化されており、検査員は骨格部位の加工痕・歪み・溶接跡・シーラー割れ等から総合的に判定します。
– 事故歴(一般用語)
– 事故関与の広義概念で、バンパー交換や外板パネルの軽微な板金塗装だけでも「事故はあった」と表現される場合があります。
しかし骨格に及ばない外板補修は、業界上は「修復歴なし」と判定されうる点に注意が必要です。
– 実務上の表示
– 誤解を避けるため、販売現場では「修復歴の有無」を明確に表示することが推奨・義務付けられており、「事故歴」という曖昧語よりも「修復歴」を用いるのが業界標準です。
内外装評価(サブ評価)の付け方
– 外装評価
– A 洗車傷レベル、極小の小傷が点在する程度
– B 小傷・小凹みが複数、部分的に軽い色あせや飛び石
– C 面で目立つ傷凹み、鈑金・再塗装跡が広範、色違いが視認可能
– D 大きな損傷、要補修箇所が多数、明確な歪みや錆が進行
– E 事故現状や広範な腐食等で大規模補修が必要
– 内装評価
– A 新車に近い、臭いなし、擦れ最小
– B 年式相応の軽い擦れや薄汚れ
– C 汚れ・擦れが目立つ、焦げ穴や小破れ、弱い臭い
– D 破れ・べたつき・強い臭いなどの難有り
– E 大規模張替え・交換を要するレベル
代表的な評価機関・会場の基準の違い(実務メモ)
– オートオークション会場(USS、CAA、TAA、JUなど)
– 総合評価点(数字やS/RA等の記号)+内外装のサブ評価+損傷図で構成。
– 会場ごとに「評価点の定義・上限ルール」は微妙に異なりますが、相互に大枠は近似しており、出品者・買い手が横断的に比較できるよう整合が取られています。
– 第三者検査機関(AIS、JAAAなど)
– 小売段階で掲示される「鑑定書」「品質評価書」を発行。
総合評価点のレンジや表記(6点制/10点相当/星表示など)は機関ごとに異なることがありますが、骨格部位の扱い・外装/内装の観点はオークション基準と概ね整合しています。
– 査定(価格算出)との違い
– 日本自動車査定協会(JAAI)の査定は、修復・損傷・装備欠品等の「減点」を価格補正に直結させる体系です。
評価点と思想は近いものの、評価点が「状態の見える化」であるのに対し、査定は「価格変動要因の数値化」に主眼があります。
根拠(基準・規約・ガイドライン)
– 公正取引・表示の根拠
– 自動車公正取引協議会(公取協)の「中古自動車の表示に関する公正競争規約・施行規則・表示細則」には、消費者に誤認を与えない表示の原則や、修復歴車の表示基準が定められています。
ここでいう「修復歴」の定義は、骨格部位に及ぶ修理・交換等がある車とされ、表示義務・方法の運用基準が整備されています。
– 骨格部位・修復歴の技術的基準
– 公益財団法人 日本自動車査定協会(JAAI)の「自動車査定基準書」「査定ハンドブック」等には、骨格部位の範囲と修復歴車の判断基準、減点の考え方が整理されています。
オートオークションや第三者検査機関の現場基準も、これらの規範・実務知見と整合して運用されています。
– オートオークション各社の検査基準
– USS、CAA、TAA、JUなどの会場は、それぞれ自社の「検査・評価点基準」「評価点の目安」「損傷記号表」を公開・共有しており、検査員教育・監査を通じて基準の均質化を図っています。
– 第三者検査機関の鑑定基準
– AIS(株式会社AIS)やJAAA(日本自動車鑑定協会等)といった機関は、検査項目・内外装評価の定義・修復歴判定基準・表示様式(鑑定書)を整備し、公取協の表示ルールに適合するかたちで小売向けに提供しています。
– 走行距離の整合確認
– 公取協が運用に関与する「走行距離管理システム」等により、オークション出品時や過去取引履歴の距離を突合。
疑義がある場合は評価点の上限制限や注意表示が行われます。
これも消費者保護と取引の公正化を担保する仕組みです。
具体的な算出イメージ(例)
– 例 年式7年、走行7.5万km、修復歴なし
– 外装 A1(小傷)×5、U1(小凹)×2、ガラス飛び石G×1 → 外装評価B、累積減点は中程度
– 内装 ハンドル擦れ小、シート薄汚れ → 内装評価B
– 下回り 軽度の表面錆、滲みなし → 影響小
– 総合 4.0〜4.5点程度(会場・機関によって振れ)。
喫煙臭が強ければ上限4.0に制限など。
– 例 骨格部位(左フロントインサイドパネル)修理痕あり、仕上がり良
– 外装・内装に大きな欠点がなくても、「修復歴あり」の区分が優先され、総合はR/RA扱い。
内外装サブ評価はA/Bでも付与されるが、総合点は通常の数値レンジとは別枠表示。
読み解きのコツと限界
– 評価点は「現時点の実車状態」を示すスナップショットであり、再整備や板金で状態は変わり得ます。
最新の現車確認と書類(鑑定日・整備記録)で裏取りするのが実務の基本です。
– 同一評価点でも「どこに減点が集中しているか」で印象は大きく異なります。
損傷図や内外装サブ評価、におい・下回りの注記を重視してください。
– 修復歴あり=危険という単純図式ではありません。
骨格修理の品質・精度やアライメントの結果で実用上のリスクは変わります。
試走(できる環境なら直進安定・ハンドルセンター・異音)や整備記録の確認が重要です。
– 会場・機関差や検査員の裁量はゼロではありません。
大手会場や第三者機関は相互監査・再検査でブレを抑えていますが、最終判断は複合的に行いましょう。
まとめ
– 車両状態評価点は、中古車の状態を第三者基準で見える化した「共通言語」で、外装・内装・機関・下回り・修復歴といった情報を統合して決まります。
– 算出は詳細なチェックリスト+減点法+上限制御+修復歴の判定というルーブリックに基づき、人の技能と統一基準で運用されています。
– 根拠としては、自動車公正取引協議会の表示規約・運用、JAAIの査定基準(骨格部位・修復歴の定義)、オートオークション各社や第三者検査機関(AIS、JAAAなど)の検査・表示基準が相互に整合しており、これらが日本の中古車評価の基盤を成しています。
参考(名称のみ)
– 自動車公正取引協議会「中古自動車の表示に関する公正競争規約・施行規則・表示細則」「修復歴車の表示基準」「走行距離管理システム」
– 公益財団法人 日本自動車査定協会(JAAI)「自動車査定基準書」「査定ハンドブック」
– USS、CAA、TAA、JU等の「検査基準・評価点の目安・損傷記号表」
– AIS(株式会社AIS)、日本自動車鑑定協会(JAAA)等の「鑑定・評価基準」
上記を踏まえて評価点を読み解けば、価格と実車状態の納得度を高めやすくなります。
購入・下取り・在庫運用のいずれにおいても、総合点だけでなく「修復歴の有無」「内外装サブ評価」「損傷図の中身」「注記」の4点セットで判断するのが実務上のベストプラクティスです。
修復歴と事故歴の違いは何で、評価点にどのような影響を与えるのか?
要点
– 修復歴=骨格(車体の主要構造部位)に及ぶ損傷・修理・交換があった履歴。
業界で定義が統一されており、表示義務の対象。
– 事故歴=事故に遭った事実の履歴全般。
外板やボルトオン部品の交換・塗装、エアバッグ作動歴なども含むが、骨格に至らなければ「修復歴」にはならない。
– 評価点への影響は、修復歴の有無が最も大きく、原則として総合評価点はR/RA等(あるいは数値上限が大幅に低下)となる。
一方、事故歴のみの場合は減点や注記扱いにとどまることが多い。
– 根拠は、自動車公正取引協議会(公取協)の「修復歴の表示基準」、AISやJAAA等の検査基準、USSなどオークション団体の評価基準。
用語の違い(定義)
– 修復歴(しゅうふくれき)
– 車体の「骨格部位」に発生した損傷について、交換・修理・修正が行われた履歴、または骨格部位に残存する変形・錆孔等がある状態を指します。
– 骨格部位の例(代表的なもの)
– フレーム/サイドメンバー、フロント/リアクロスメンバー
– ラジエータコアサポート(溶接タイプ。
ボルトオンは除外される場合あり)
– ピラー(A/B/C/D)、ルーフパネル、ロッカーパネル(サイドシル)
– ダッシュパネル(隔壁)、フロアパネル、トランクフロア
– クォーターパネル、インサイドパネル、ストラットハウジング等
– 反対に、ボンネット、トランクリッド、ドア、フェンダー、バンパー、ヘッドライト等のボルトオン外装部品は骨格ではないため、交換・塗装のみでは修復歴になりません。
事故歴(じこれき)
事故に遭遇した事実に関わる広い概念。
外板のへこみや塗装、ボンネットやバンパー交換、エアバッグ作動・交換歴、シートベルトプリテンショナー作動歴、ラジエータ・コンデンサー交換歴等を含み得ます。
ただしこれらが骨格まで及んでいなければ「修復歴」は付かない、というのが業界実務です。
市場の広告では「事故歴あり=修復歴あり」と混用されることがあるため、実務では必ず「修復歴の有無」で確認します。
評価点(総合点・内外装評価)への影響
– 総合評価点(オークション/AIS/JAAA等の慣例)
– 修復歴あり
– 多くのオートオークションでは総合評価が「R」または「RA」等の専用記号になり、数値グレード(5、4.5、4…)は付与されません。
別体系(数値で通す運営)でも上限が3.5前後に抑えられる、あるいは「修復歴車」区分に格下げされます。
– 同じ修復歴でも軽微〜広範の幅があり、RA(軽微な骨格修理)とR(骨格複数部位・損傷大)の区別を設ける会場もあります。
– 事故歴のみ(修復歴なし)
– 骨格に及んでいない場合、総合評価は数値グレードのままですが、減点や注記が入ります。
例 本来4.5相当が4、4相当が3.5になる、など。
– エアバッグ作動歴・交換歴がある場合は安全・コストリスクとしてマイナス評価が大きく、注記(エアバッグ展開歴、SRS警告灯履歴等)が記載され、グレードも0.5〜1.0程度下がるのが一般的です。
– 外板多数交換(ドア/フェンダー/ボンネット等が複数)や広範囲再塗装も減点要素。
修復歴は付かなくとも「板金歴多」「色替」等の注記で評価が抑制されます。
内外装評価(A〜E等のサブ評価)
外装評価 傷(A1/A2)、凹み(U1/U2)、波(W1/W2 板金補修跡)、錆(S)、腐食(C)、飛び石(P)などのマーキング・面積に応じてA〜E等で評価。
塗装の色あせ、艶引け、再塗装範囲の広さも影響します。
内装評価 汚れ、擦れ・破れ、加修、臭気(ヤニ・ペット)、内装パネルの欠品・割れ、天張り垂れ等でA〜E評価。
これらは修復歴の有無とは独立評価です。
たとえば「修復歴あり・内外装A/B」という組み合わせも起こり得ますし、「修復歴なし・内外装C/D」で総合点が低い場合もあります。
具体例
– 例1 前方軽衝突でバンパーとボンネット、左右ヘッドライト、フロントフェンダーを交換。
ラジエータコアサポートは無傷、フレーム先端の歪みなし。
– 修復歴 なし(骨格不問)
– 事故歴 あり(外板・灯火交換)
– 評価影響 総合4.5相当→4程度、外装は再塗装跡W1多数で外装B/C、注記「F回り交換多数」など。
例2 後方衝突でリアクロスメンバーとトランクフロアの修正・交換を実施。
修復歴 あり(骨格)
事故歴 あり
評価影響 総合はRまたはRAに区分。
内外装が綺麗でも総合点の上限は低い(R)一方、内装A/外装Bなどのサブ評価は良好となり得る。
例3 側面でドア2枚とフェンダー交換、ピラーは無傷、エアバッグ未作動。
修復歴 なし
事故歴 あり
評価影響 総合は3.5〜4に留まることが多い。
外装評価はC(U2多数等)。
例4 正面衝突でエアバッグ・プリテンショナー作動。
ダッシュパネルやコアサポートに損傷なし、交換はSRS部品と外装のみ。
修復歴 なし(骨格不問)
事故歴 あり(エアバッグ展開歴)
評価影響 安全面・費用面の懸念で減点幅大。
総合4.5相当→3.5〜4、注記「AB展開歴」。
内装評価も交換やダッシュ周り分解痕でB〜C。
なぜ修復歴の影響が大きいのか(市場実務の理由)
– 骨格は操縦安定性・衝突安全・耐久性に直結。
修復精度・ジグ修正の適否により直進性、アライメント、タイヤ偏摩耗、異音、将来の錆進行などのリスクが残りやすい。
– 再事故時のエネルギー吸収挙動が設計値からずれる懸念。
– そのため取引リスクを反映して、評価点と価格のディスカウントが体系的に大きく設定されます。
根拠(基準・出典の位置づけ)
– 自動車公正取引協議会(自動車公取協)の「修復歴車の表示基準」
– 要旨 骨格部位に及ぶ交換・修理・修正を行ったもの、または当該部位の損傷が残るものを「修復歴車」と定義し、表示義務を課す。
骨格部位の範囲を具体列挙(フレーム、ピラー、ルーフ、ダッシュ/フロア/トランクフロア、クロスメンバー、コアサポート等)。
ボンネット、ドア、フェンダー、バンパーなどのボルトオン外装は対象外。
– AIS(Automobile Inspection System)車両検査基準
– 要旨 公取協基準に準拠しつつ、骨格部位の損傷・修理判定方法(計測、パネル合わせ、溶接痕、シーラー痕、修正跡等)と評価点の付与ルールを明示。
修復歴ありはR/RA区分、内外装評価は独立付与。
– JAAA(日本自動車鑑定協会)鑑定基準
– 要旨 骨格部位の定義と修復歴の判定、内外装A〜E評価、加修・再塗装の評価方法を示す。
エアバッグ作動歴等は注記の対象だが骨格に至らなければ修復歴としない。
– オートオークション各会場(USS, TAA, JU等)の評価基準
– 要旨 総合評価点のレンジ(S/6/5/4.5/4/3.5/3/2/1、R/RA等)を定め、修復歴車は原則R/RA、非修復歴は数値グレード。
展開図のダメージ記号(A=擦り傷、U=凹み、W=波/板金、S=錆、C=腐食、P=飛石/色褪せ等)と面積・箇所による減点配点を公開または会員向けに示しています。
– 実務補足
– 「ラジエータコアサポート」は溶接一体構造であれば骨格扱い、ボルトオンの補助サポートは骨格対象外とする運用が一般的、など細目は各団体の細則に準拠します。
実務での確認ポイント
– 車両状態表の「修復歴」の欄(有/無)を最優先で確認。
次に「骨格部位の交換/修正箇所」の内訳を読む。
– 「事故歴」相当の注記(エアバッグ展開、シートベルト作動、外板交換多数、色替、再塗装広範囲)をチェック。
総合評価点が高くても注記があればリセールや保証範囲に影響。
– 内外装評価のアルファベットと見取り図のダメージ記号・面積を総合的に解釈する。
まとめ
– 修復歴は「骨格に及ぶ」かどうかで決まり、評価点(総合グレード)を大きく左右します。
修復歴が付くとR/RA等の区分となり、数値グレードの高得点は原則望めません。
事故歴のみ(非骨格)の場合は注記・減点で対応され、内外装評価は独立してA〜Eで評価されます。
– 根拠は公取協の表示基準と、AIS/JAAA/各オークションの検査・評価基準。
実車の購入・販売判断では「修復歴の有無」と「注記の内容(事故歴の具体)」、そして「内外装評価」を分けて読み、総合的に評価するのが適切です。
内外装評価はどの基準で判定され、等級ごとに何を意味するのか?
ご質問の主旨に沿って、業界で実際に使われている「内外装評価」の考え方・判定基準・等級の意味、そしてそれを支える根拠(どの団体・制度に基づくか)を体系的に整理します。
あわせて、修復歴・事故歴との関係や実務上の読み解き方の注意点も補足します。
内外装評価の位置づけ(全体評価点との関係)
– 中古車の状態表示は、概ね次の3層で示されます。
1) 総合評価点(例 6、5、4.5、4、3.5、3、R/RAなど)
2) 外装評価(例 A〜D)
3) 内装評価(例 A〜D)
– 総合評価点は車歴・走行・修復歴の有無・車検証記載事項・機関系の所見なども含めた総合点です。
– 内外装評価は、その名の通り「見える/触れる部分」のコンディションに特化した等級で、キズ・ヘコミ・補修跡・汚れ・臭い等の程度と範囲によって判定されます。
– 実務ではオークション会場(USS、CAA、JU系、TAA等)や第三者検査機関(AIS、JAAA/JAAI系)が検査票に「外装A 内装B」といった形で別建てで記載します。
総合評価が高くても、外装C・内装Cという組み合わせはあり得ます(逆も同様)。
判定に用いられる主な観点(外装/内装)
外装評価で見る代表的ポイント
– キズ・ヘコミの大小と数(小キズの分散か、大きな損傷が局所的にあるか)
– 板金・塗装の必要性(ポリッシュで消えるか、部分塗装が要るか、パネル交換レベルか)
– 板金波(W)や再塗装の有無・範囲(色違い・肌違い・マスキング跡)
– サビ・腐食(表面サビか、進行して穴あき・膨れがあるか)
– ガラス・ライトのダメージ(飛び石、ヒビ、くもり)
– バンパー・モール・アンダーカバー等の割れや欠品
– ホイールのガリ傷、タイヤひび割れ
– エアロ・外装改造の品質(社外品の取り付け精度や割れ)
内装評価で見る代表的ポイント
– シート・内張りの汚れ、スレ、日焼け、破れ、穴(タバコ焦げ含む)
– 天張りの垂れ、カーペットの汚れ・湿気痕
– 匂い(喫煙・ペット・カビ・芳香剤での強いマスキング)
– 内装パーツの割れ・欠品・取り付け不良(クリップ欠落、ビス打ち)
– ダッシュボードのベタつき、ひび割れ
– 電装スイッチ・レバー類の摩耗度、ステアリング・シフトノブのテカリ
– 後付けオーディオ・ドラレコ・追加メーター等の取付品質や加工跡
補足 現場ではダメージ種別を略号と等級で記す慣行があります(例 外装の「A1/A2」は小/中キズ、「U1/U2」は小/中ヘコミ、「W1/W2」は軽/中程度の板金波、「S/C」はサビ/腐食、「X/XX」は要交換/交換済など)。
どの略号をどう数え上げるかは会場や検査機関で細部が異なりますが、「種類・大きさ・数・位置」の4軸で総量評価する点は共通です。
等級ごとの意味(一般的な目安)
業界で広く使われるレンジはA〜D(一部でSやEを追加)です。
細目や閾値は会場・機関ごとに微差がありますが、実務感覚に沿った読み方は次の通りです。
外装評価
– A 非常に良好。
新車〜極上車に近い印象。
目立つキズ・ヘコミはほぼ無く、洗車キズやA1レベルの薄い線キズがごく少数。
補修歴(再塗装や板金波)は基本なし。
屋外保管でも紫外線劣化は軽微。
オークションでは年式が新しく走行が少ない車で付くことが多い。
– B 良好。
近接で見ると小キズ・小ヘコミ(A1/U1)が散見される、または限られた箇所にA2や小さめのタッチアップがある。
軽いエッジ傷や小さな飛び石、ホイールの小ガリなどは許容。
部分再塗装があっても面積小・仕上がり良好ならBに収まる。
– C 可。
ひと目で分かるキズやヘコミが複数、もしくは再塗装・板金の範囲がやや広い。
A3/U2〜U3、W2〜W3が混在、ある程度の補修を前提とする状態。
局所的な色違い、日焼けによる色褪せ、表面サビの発生などが評価に影響。
販売前に板金/塗装で見栄えを整えるのが一般的。
– D 難あり。
大きな損傷、粗い再塗装、広範な腐食、複数パネルの要修理・要交換が想定される。
X(要交換)相当が含まれるか、全体に傷みが進んでいるケース。
業販・現状渡し向けのことが多い。
– (S ほぼ新車/登録済未使用車などで使う会場もあり。
E Dよりさらに厳しい状態を示す補助的記号として使う会場もあります。
)
内装評価
– A 非常に良好。
新車の匂い・質感を大きく損なわない。
禁煙・ペットなし相当。
シートのシワや小さなスレは自然使用の範囲で、目立つシミ・破れ・焦げ穴・加修跡はなし。
– B 良好。
小さなシミ・薄い擦れ・軽度のテカリがあるが清掃で概ね改善可能。
タバコ臭は感じないか、ごく弱い。
内装パーツの小傷・小欠けはあるが機能に影響なし。
– C 可。
ひと目で分かる汚れ・シミ、タバコ焦げ、目立つスレや日焼け、軽い破れ等が複数箇所。
清掃・部分張替・補修を要するレベル。
臭い(喫煙・ペット)の残存や芳香剤の強いマスキングがあるケースも。
– D 難あり。
広範な汚損・破れ、天張り垂れ、強い臭い、樹脂部のベタつきや割れ、欠品・ビス打ちなど再生に費用を要する。
業販・現状ベースでの扱いが多い。
– (E 著しい損耗・水没痕・カビ等で再生困難なレベルを指す補助記号を設ける機関もあります。
)
重要な読み方
– AとBの差は「遠目にはほぼ変わらないが、近接で小瑕疵がどの程度・どこに・どれだけあるか」「補修の痕跡があるか」の違いに集約されます。
– Cになると「販売前提で何らかの補修・清掃が必要」が暗黙の前提です。
– Dは「現状での見た目・衛生感に課題が大きい」状態を意味します。
修復歴・事故歴との関係(用語整理)
– 修復歴(修復歴車)は、車体の骨格部位に損傷・交換・修正があった車を指す業界の技術用語です。
骨格部位には、サイドメンバー(フレーム)、クロスメンバー、ピラー(A/B/C)、ダッシュパネル、ルーフパネル/ルーフサイド、フロア、バックパネル、インサイドパネル等が含まれます(ボルト留めの補機類や外板は原則除外)。
この定義は日本自動車査定協会(JAAI)やAIS等の基準で共通の考え方です。
– 事故歴という言い方は販売現場で広義に使われ、修復歴以外のダメージ歴(エアバッグ展開、ラジエーターコアサポートのボルトオン交換、サスペンション交換、冠水・水没、火災被害など)を含めて指すことがあります。
公的に厳密な統一定義はなく、店舗や媒体で意味合いが揺れる点に注意が必要です。
– 総合評価点は修復歴の有無で大きく左右されます(修復歴ありはR/RA等になることが多い)が、内外装評価は別軸なので、修復歴があっても「外装B・内装A」といった表示は起こり得ます。
現場での判定プロセスの要旨
– 検査員が全周を実測・目視し、ダメージの種類・大きさ・位置を図面に落とす(オークションシート等)。
– 各ダメージに重み付け(小/中/大、板金跡、再塗装の有無、腐食の進行度等)を行い、総量として内外装のランクを決める。
– 年式・走行や全体観(艶、質感の統一感、臭気)も補正要素として加味。
たとえば同じA1が数点でも、目立つ部位(ボンネットやドア中央)に集中的にある場合は見え方が悪く、ワンランク下がることがある——といった運用がなされます。
実務で役立つ読み解きのコツ
– 外装A/Bでも、注記欄に「要再塗装」「板金波あり」が付くと再販品質に影響します。
等級と注記をセットで読みます。
– 内装Bでも「弱い喫煙臭あり」の一文は見逃さない。
消臭の難易度は個体差が大きい。
– C評価は「手当前提」。
見積り(板金・内装修理)を概算し、粗利設計や乗り出し費用に反映させます。
– 旧年式のA/Bは希少でプレミアムになりやすいが、再塗装の品質ばらつきや補修歴の取りこぼしに留意。
– 会場・機関間でA/Bの境目が1/2段階ずれることは珍しくありません。
複数ソース(現車確認、第三者鑑定)でクロスチェックするのが堅実です。
根拠(参照される業界基準・制度)
– 第三者検査基準(AIS基準)
– 株式会社AISは国内大手の第三者車両検査機関で、オートオークションや流通事業者が広く採用。
検査票に総合評価点と並び、外装/内装評価(A〜D等)の記載を行います。
AISの「検査基準」は業界標準として扱われ、ダメージ種別(A/U/W/S/C/X等)や等級の判定手順が整備されています。
詳細基準は加盟事業者向けですが、対外的にも「外装・内装をA〜D等で段階表示する」考え方が明示されています。
– オートオークション会場の検査基準(USS、CAA、JU、TAA等)
– 国内主要会場はそれぞれ会員向けに検査基準書を持ち、総合評価点と内外装評価を併記します。
記号・ランクの運用は会場間で微差があるものの、A〜Dレンジとダメージ略号、修復歴の定義運用は相互に高い互換性があります。
会場の公式サイトや出品ガイドに「評価点の見方」「検査記号の意味」といった解説が公開されることが多いです。
– JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)の「中古自動車査定基準・細則」
– 下取り・買取査定で用いられる公的性格の強い基準。
特に「修復歴車の定義(骨格部位の損傷・交換・修正の有無)」は流通全体での共通言語になっています。
内外装評価のアルファベット自体はオークション/第三者検査の実務ルールですが、その背景にある「どこまでを軽微な外板損傷とし、どこから骨格損傷/修復歴とするか」はJAAIの定義に整合しています。
– メディア系第三者鑑定(例 Goo鑑定、カーセンサー認定)
– これらはAIS等の検査員・基準を採用し、ユーザー向けに外装/内装評価を星やアルファベットで表示します。
一般消費者への開示用に表現は若干アレンジされますが、判定思想はオークションと同一です。
まとめ(要点)
– 内外装評価は、視覚・触覚で把握できる「見た目・匂い・質感」の健全性をA〜Dの段階で表すもの。
Aは極上、Bは良好、Cは補修前提、Dは現状渡し相当のイメージ。
– 判定は「ダメージの種類・大きさ・数・位置」の総量と「補修の必要性」で決まる。
サビ・腐食・臭い・欠品が評価を大きく下げる。
– 総合評価点とは別軸であり、修復歴の有無は総合点に強く影響するが、内外装のA/B/C/Dは個別に判定される。
– 根拠は、AIS等の第三者検査基準、USS/CAA等の会場検査基準、JAAIの修復歴定義に整合しており、国内流通で事実上の標準となっている。
もし特定の会場(例 USS東京やCAA中部など)や特定の鑑定サービス(例 Goo鑑定)の細則に合わせたより厳密な閾値(「A1が◯箇所まででB」「W2が◯面でC」等)をご希望でしたら、対象を指定いただければ、その運用に即した説明を追加でご案内します。
評価票の見方と信頼性はどう判断すればよく、第三者機関や出品者で何が異なるのか?
以下は、中古車の「車両状態評価点(修復歴・事故歴・内外装評価)」に関する詳しい解説です。
評価票(評価書)の見方、信頼性の判断軸、第三者機関と出品者(販売店・オークション会場)による差異、そして根拠・背景基準までまとめてお伝えします。
評価票とは何か(前提)
– 目的 中古車の客観的な状態(外装・内装・機関・骨格状況・走行距離の整合性など)を第三者的に可視化するための書面です。
主に業者間オークション(USS、CAA、TAA、JU、Aucnetなど)や小売での第三者鑑定(AIS、JAAA、Goo鑑定など)で用いられます。
– 内容 総合評価点、内装・外装評価、骨格(修復歴)有無、車両状態図(ダメージ箇所の記号・等級)、特記事項(機関系、下回り、臭い、改造、電装、タイヤなど)、確認日・走行距離・鑑定機関名と担当者印など。
評価票の見方(総合評価点・内外装・状態図)
– 総合評価点(例)
– S/6/5/4.5/4/3.5/3/2/1/R(会場・団体により表記揺れあり)
– 目安(一般論) 6/S=ほぼ新車、5=極上、4.5=良好、4=標準的に良い、3.5〜3=年式相応~傷凹み多め、2〜1=状態が悪い・改造大、R/RA=修復歴あり(骨格に損傷・修理)。
同じ年式・距離でも会場や団体により点付けは微妙に異なります。
– 内装・外装評価
– 多くの評価票でA〜E(Aが最良)。
あるいは数字(5〜1)を採用するケースも。
外装は飛び石・線キズ・色あせ・えくぼ・補修跡の強弱、内装は汚れ・スレ・匂い・ヤニ・破れなどで判定。
– 車両状態図(ダメージ記号の代表例)
– A1〜A3=キズ(軽微〜大)
– U1〜U3=ヘコミ(小〜大)
– E=えくぼ(微小凹み)を指す場合あり
– W1〜W3=波(パネルの歪み・修理跡)
– S1〜S3=サビ、C1〜C3=腐食(穴あき・進行度)
– P=色あせ・塗装劣化、G=飛び石チップ
– X=交換必要、XX=交換済み(パネル)
– Y1〜Y3=ヒビ・裂け(主に樹脂バンパーや内装)
注意 記号や等級の範囲は会場・鑑定団体で微妙に異なります。
必ずその評価票の凡例(レジェンド)を確認してください。
– 特記事項欄の重要性
– 「下回りサビ多」「オイルにじみ」「異音」「エアバッグ警告灯履歴」「臭い(ペット・ヤニ)」「修理歴の詳細」「電動ドア作動不良」など、総合点では見えない致命的・費用インパクトの大きい情報が集約されます。
ここを丁寧に読むことが信頼性評価の肝です。
修復歴と事故歴の違い(用語の整理)
– 修復歴(業界公的基準に基づく「骨格(重要保安部位)の損傷・修理」)
– 日本自動車査定協会(JAAI)の査定基準など業界標準で、以下の骨格部位の損傷・交換・修正があると「修復歴あり」とされます。
– 例 フレーム、サイドメンバー、ピラー(A/B/C)、ダッシュパネル、クロスメンバー、ラジエーターコアサポート、ルーフパネル、フロア、インサイドパネル、トランクフロア等。
これらの修理・交換歴があると安全性・直進性・剛性への影響可能性があるため、修復歴として明示。
– 事故歴(用語としては広義)
– 一般に「事故に遭った事実」に言及する広い概念で、バンパー交換やフェンダー交換のような骨格外の軽微修理も含む言い回しとして使われる場合があります。
したがって「事故歴なし」でも「修復歴なし」とは限りませんし、その逆もあり得ます。
購入時は「修復歴の有無」を基準に確認しましょう。
– オークション表記のR/RA
– 多くの会場でR/RAは修復歴ありを意味しますが、修復の軽重や仕上がりは特記事項で補足されます。
Rでも走行安定性に問題がない個体もあれば、真直性やタイヤ摩耗に影響が出るケースもあるため、実車確認と試走が重要です。
第三者機関と出品者(販売店・オークション)で何が異なるか
– 評価者の独立性・インセンティブ
– 第三者機関(AIS、JAAA、Goo鑑定など) 販売店から独立した検査員が統一基準に基づき評価。
検査員の社名・検査日・管理番号が明記され、写真付き報告が付随することが多い。
再現性と説明責任が比較的担保されます。
– 出品者(販売店)独自評価 店側の主観や販売戦略が入りやすく、基準も非公開になりがち。
用語の定義(例 事故歴)を販売店独自で使っている場合、消費者が誤解しやすい。
– オークション会場評価 短時間で多数を査定するため効率重視。
ただし会場ごとの長年のノウハウと基準があり、業者間では信頼性が高い。
一方、時間制約上の見落としや会場間の点付け差は存在。
– 基準の公開度と運用
– 第三者機関は評価基準を概略公開し、内外装の等級や修復歴の定義を明示。
オークションも入会者向けには詳細基準を示しており、業者が相場形成に使える程度に標準化されています。
販売店独自の評価は基準が見えにくい。
– 検査の深度・設備
– どの方式も原則「非分解・目視・触診・簡易計測(塗膜計など)」が中心。
故障診断機(OBD)接続やリフトアップの有無は差が出ます。
第三者機関や一部会場はOBDチェックや下回り確認を行うことが多い一方、スペースや時間で省略されることもあります。
– データの蓄積と照合
– AIS等はオークション履歴・過去出品データと照合する「走行距離管理」チェックを備えることが多い。
オークション会場は自会場や連携会場の記録で改ざん兆候を検出。
販売店単独では外部データとの照合力に限界がある場合があります。
– 責任の所在・アフター対応
– 第三者鑑定は「評価の独立性」を提供しつつも、結果の法的保証は限定的(免責事項あり)。
販売店は説明義務・景表法や中古車表示規約に基づく表示責任、保証付帯の可否などで最終的な消費者対応窓口を担います。
オークションは業者間売買のため、最終ユーザーへの直接保証は原則ありません。
信頼性の判断方法(実務チェックリスト)
– 評価票の出所と本人性
– 鑑定機関名(AIS、JAAAなど)、ロゴ、検査員ID、検査日、対象車台番号(部分マスクでも一致が取れるか)を確認。
コピーや改変痕跡がないか。
– 基準と凡例の確認
– 総合点と内外装評価の基準、状態図の記号凡例を読み、その機関のルールに照らして妥当かを判断する。
例えば総合4.5で外装CやW3・U3が多数だと整合性に違和感がある、など。
– 特記事項の整合性
– 「下回りサビ多」「オイルにじみ」「におい強」などは減点以上に費用インパクトが大きい。
掲載写真や現車で突合し、販売店の説明と齟齬がないか確認。
– 走行距離と履歴の整合
– 点検記録簿、車検証記録、オークション履歴、第三者の走行距離管理サービスによる照合。
短期間での大幅な巻き戻り兆候がないか。
– 修復歴の根拠確認
– どの骨格部位が対象か(例 ラジエーターコアサポート交換、右フロントインサイドパネル修正など)。
修理の方法(カット&溶接・歪み取り・Assy交換)と仕上がり。
試走で直進性・ふらつき・タイヤ片減り・ハンドルセンターずれをチェック。
– EV/ハイブリッド固有の確認
– 一般的な外装点や総合点に電池劣化は反映されにくい。
SOH(健全度)表示やディーラー診断結果、メーカーツールのレポート(例 日産リーフのバー数)を別途入手。
– 実車検分の併用
– 塗膜計で各パネルの塗膜厚(一般に100〜150μm前後が目安、再塗装は厚く出やすい)、パネルのチリ、シーラー跡、溶接痕、オーバースプレーの有無を確認。
OBD2でDTC履歴も見る。
– 二重の第三者性
– 重要度や高額車は、販売店提示の評価票に加え、購入者側で別の第三者(ディーラー点検やJAAI査定など)を依頼してクロスチェックするのが安全。
会場・団体ごとの「傾向」について
– 一般に「会場や団体で点付けの癖や厳しさはやや異なる」が、どこが常に甘い・厳しいと断定するのは適切ではありません。
同一会場でも検査員や時期、車種特性でばらつきが出ます。
業者は複数会場の相場・基準感を体得していますが、一般ユーザーは「特記事項・写真・現車確認」の三点主義で補完すると安心です。
表示ルール・根拠となる基準(背景)
– 修復歴の定義
– 一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)の査定基準では、骨格部位(フレーム、ピラー、ダッシュパネル、クロスメンバー、サイドメンバー、インサイドパネル、ラジエーターコアサポート、ルーフ、フロア、トランクフロア等)の損傷・交換・修正を「修復歴」とし、外板(ドア・フェンダー・バンパー等)の交換・修理のみでは原則「修復歴なし」とします。
この区分はオークション会場や第三者機関の実務でも広く踏襲。
– 表示の法的・業界規約
– 中古車の広告表示は景品表示法の一般規制に加え、「中古自動車の表示に関する公正競争規約・同施行規則」(自動車公正取引協議会)で厳格化。
修復歴の有無、走行距離、保証の有無などの重要情報を適正表示する義務があり、違反は措置対象。
– 第三者機関の評価基準
– AISやJAAAは、内外装の評価ランク、総合点、骨格判定、におい・下回り・電装等のチェック項目を標準化し、検査員研修と監査で再現性を担保。
走行距離の整合性はオークション履歴データ、点検記録、各種データベースとの照合で不正検知の精度を高めています。
これらは各団体の公開資料や利用規約に概略が示されています。
– オークション評価の慣行
– USSやCAA等は会員(業者)向け規程で評価点・記号の使い方を定義。
短時間査定の制約はある一方、売買トラブルを避けるための運用改善が継続的に行われ、評価の一定の信頼性を支えています。
よくある誤解と注意点
– 「修復歴なし=事故していない」ではない
– バンパー交換や外板の板金塗装は修復歴に含まれません。
外板の事故修理歴があっても「修復歴なし」と表記され得ます。
逆に、骨格軽微修理でも正直に「修復歴あり」となる場合があります。
– 総合点だけで判断しない
– 点が高くても、特記事項の一文(例 下回り腐食中、におい強、電装不良)が致命的な費用や満足度低下につながることがあります。
点数と中身の整合を見る。
– EVは別物
– 評価票の多くは外観・内装・骨格中心。
航続距離や電池健全性は別途確認が必要です。
– 完璧な保証ではない
– 第三者評価は「現時点・非分解・目視前提」のスナップショット。
見えない故障の芽や経時不良は免責となることが多い。
保証や返品条件は販売店契約で担保しましょう。
実務的な購入戦略(まとめ)
– 可能なら第三者評価の原本(または原本照合可能なデジタル)を入手し、発行元・日付・車台一致を確認。
– 凡例と特記事項を最優先で読み、写真・動画と突合。
疑義は販売店に質問し、回答を文書で残す。
– 走行距離は複線で検証(記録簿・オク履歴・第三者の距離管理)。
– 骨格部位へのダメージは位置と修理方法を確認し、可能なら試走・再度の第三者点検を依頼。
– 高額車・長期保有前提なら、OBD診断と塗膜計計測、下回り確認を実施。
– EV/HEVはバッテリーSOHの客観データ(ディーラー診断書等)を取得。
– 保証(期間・範囲・免責)と返品ポリシーを契約書に明記。
根拠・背景として、修復歴の判定はJAAI等の査定基準、表示の適正は自動車公正取引協議会の公正競争規約、第三者機関(AIS、JAAA、Goo鑑定など)の公開する評価基準・運用方針、業者間オークション各会場の評価運用規程に基づいています。
これらの枠組みにより、評価票は一定の客観性を持ちますが、完全無欠ではありません。
ゆえに、評価票の読み込み+現車確認+必要に応じた追加の第三者点検という三段構えが、最終的な信頼性を高める最善手となります。
中古車選びで評価点をどう活用し、現車確認や価格交渉にどう結びつければよいのか?
中古車の「評価点」は、膨大な在庫から“外れ”を避け、現車確認の優先順位を付け、最後は価格や条件に落とし込むための強力な指標です。
ただし点数や記号の意味を正しく理解し、評価の「抜け」を現車確認で埋めること、そして相場と費用の内訳に基づいて交渉することが肝心です。
以下、実務的に使える手順と考え方、根拠までまとめます。
1) 評価点の基礎理解
– 総合評価(例 S/6/5/4.5/4/3.5/3/2/1、R/RA)
目安として、6/5/4.5は極上〜良好、4は一般的な良質、3.5は年式相応の傷凹みや内装使用感あり、3以下は大きな減点や多箇所修繕が必要。
R/RAは修復歴(骨格部位の修理・交換)がある車両を意味します(RAは軽微寄りの扱いが多い)。
– 内外装評価(A〜E、あるいは5〜1)
A/5に近いほど綺麗。
Cは使用感が明確、D以下は汚損・破れ・強い臭いなど要手当。
– 展示シートの記号
A1〜A3=擦り傷の大きさ、U1〜U3=凹み、W=波(板金跡・塗装ゆず肌)、S=錆、C=腐食、P=塗装剥げ、X=交換推奨、XX=交換済み、ガラスY=飛石。
下回りC・E評価や「オイル滲み」「異音」など整備所見の記載にも注目。
– 注意点
評価基準はオークション会場や第三者機関ごとに僅かに異なります。
消耗品・臭い・電装の細かい不具合は点数へ反映が限定的なことも。
よって「高評価でも必ず現車確認」をルール化してください。
2) 車選びへの活用(フィルタリングと目利き)
– 初期のふるい分け目安
・保証重視/長く乗る 総合4以上、内外装B以上、修復歴なし
・コスパ重視 総合3.5〜4、軽微板金あり可、消耗品のコストを価格に織込む
・短期所有/趣味車 R/RAも候補可。
ただし売却時の下落幅が大きい前提で割安購入を
– パネルの「どこが傷んでいるか」
前回り(コアサポート/フロントインサイド/ピラー)やフロア・ラジエータサポートの交換は事故強度に直結し、将来の下取りで厳しく見られます。
一方、ボンネット・フェンダー・ドアの単体交換は走行安全性への影響が低く、許容余地あり。
– 地域特性
雪国使用歴は下回りS/Cやサビ進行を要警戒。
アンダーコートのムラや新しい黒塗りの下に腐食が隠れていないか現車で要確認。
– 輸入車/年式古め
同じ評価点でも維持費差が出ます。
AT/DSG、ターボ、エアサス等の高額リスク部位は試乗・診断で重点確認。
– HV/EVの特殊項目
走行用電池のSOH/診断結果は評価点に出ないことが多い。
トヨタHVはディーラーの診断レポート、リーフ等はSOH読み出し(専用ツール)を依頼。
3) 現車確認にどう落とし込むか
– 事前準備
・評価表(オークションシートまたは第三者検査表)の開示を依頼。
無い/見せない場合は慎重に。
・整備記録簿、取説、スペアキー、リコール実施歴を確認。
– 外装・骨格
・パネルのチリ/段差、色味の僅かな差、モールやゴムへの塗装かかり(オーバースプレー)
・スポット溶接痕の不自然さ、シーラーの途切れ、アッパーサポート/インサイドパネル/ラジエータコアサポートのリペア跡
・下回り(ジャッキアップorピット) サビ膨れ、フロアの打痕、サブフレーム取付部の歪み
・ガラス刻印やシートベルト製造年の不一致(事故/交換の痕跡)
– 内装・臭い
・喫煙/ペット/芳香剤でのマスキング、天張りの黄ばみ、シート座面の潰れ方と走行距離の整合
・電装(ナビ/ETC/パワーウィンドウ/カメラ/センサー)の作動
– 機関・試乗
・完全コールドスタートでの一発始動性、アイドルの安定、ベルト鳴き、白/青/黒煙の有無
・ATの変速ショック、CVTの滑り、直進性・ハンドオフでの流れ、ブレーキのジャダー・偏摩耗
・ハブ/ベアリングやデフのうなり、サスペンションの異音
・OBD2簡易スキャンで故障履歴/ミスファイア/触媒効率/バッテリー状態(可能なら)
– 書類・履歴
・走行距離管理システム照会済みか、メーター交換歴の記録
・冠水/レンタ/法人/営業用の使用歴表示
– 修復歴車を選ぶ場合の追加確認
・フレーム修正機の治具痕、アライメント測定結果、4輪整列の試走確認
・エアバッグ作動歴・SRS警告灯履歴、センサー・配線の復旧品質
・将来売却時の査定減(同条件の無修復比で2〜4割下落が相場感)を織り込み
4) 価格交渉への結びつけ方
– まず“相場”を作る
・同年式/距離/評価点/色/装備の在庫を横断比較。
落札相場(業者AA相場データや公開相場サイト)+店の諸費用を足した価格帯を把握。
・店舗の粗利は概ね10〜20%+整備原価が目安。
相場から大きく乖離なら理由(希少装備/整備込み/保証手厚さ)を確認。
– 減額ロジックの作り方(根拠を添える)
・修復歴あり/R/RA 同条件の無修復比で10〜30%のディスカウントが一般的。
骨格部位の種類が重いほど幅は大きく。
・外装の板金塗装見積もり 見積書(提携鈑金工場)をその場または後日取り寄せ、金額相当を交渉材料に。
・消耗品 タイヤ溝/製造年、バッテリー、ブレーキ/ローター、ワイパー、ATF/LLC/プラグ、補機ベルト等の交換必要分を合計し、その分の値引きか納車整備での実施を要求。
・下回り錆 防錆施工費用(数万〜十数万円)や腐食部品交換見込みを根拠に。
・HV/EV電池 ディーラー診断のSOHが低い場合、保証延長加入費や交換積立相当を反映。
– 交渉のコツ
・「総額」で比較し、諸費用の内訳(登録/車庫/整備/保証)を開示してもらう。
名目を乗せ替えて実質値引きを小さくする手法を避ける。
・価格が固い場合は、納車前整備の範囲拡大(タイヤ/バッテリー新品、油脂全交換、ブレーキ周りOH)、保証の延長・範囲拡大、ドラレコ/ETC/コーティング等の付帯を条件にする。
・相場データと評価表の事実に基づき、感情ではなく「費用見込みの差額」として提示すると通りやすい。
・修復歴の表示に齟齬があれば即指摘。
是正が無いなら撤退が安全。
5) 根拠・基準となる情報源(要点)
– 修復歴の定義
自動車公正取引協議会(公取協)の「中古自動車の表示に関する公正競争規約・同施行規則」では、骨格等(フレーム、クロスメンバー、ピラー、ダッシュパネル、ルーフ、フロア、トランクフロア、ラジエータコアサポート等)の損傷を修理・交換したものを「修復歴あり」と表示義務ありと定めています。
フェンダー・ドア・ボンネット・バンパー等の着脱可能外装は対象外。
– 第三者評価制度
AIS、JAAA(日本自動車鑑定協会)、JAAI(日本自動車査定協会)などが評価基準・減点表に基づく検査を実施。
オークション会場(USS、JU、TAA、CAA等)も独自の評価基準を公表しており、総合点・内外装評価・展開図記号の意味は会場ルールに準拠。
– 表示と契約
修復歴・走行距離・使用歴など重要事項の不実表示は景品表示法、公正競争規約違反の対象で、契約不適合責任や瑕疵担保に関わるトラブルとなります。
クーリングオフは原則店舗購入に適用されないため、購入前の第三者検査や評価表の開示が実務上の防波堤。
– 相場差の実務感
流通現場では、無修復と修復歴ありで10〜30%程度の価格差が常態。
部位・修復品質・人気度で変動。
下回り腐食や臭いは評価点に対し実売価格へ大きく作用することが多く、現車確認のウェイトが高い。
6) まとめ(使い方の流れ)
– 評価点で初期フィルター(総合4以上/修復歴なし等)→評価表の記号で弱点部位を把握
– 弱点を現車確認で検証し、修理・消耗の費用積み上げを作る
– 相場(同条件・評価点×距離×装備)と費用見込みの差額を根拠に価格か条件(整備/保証/付帯)を交渉
– 根拠の提示は「第三者評価表」「見積書」「メーカー診断」の三点セットを意識
– 納得できる根拠が整わない、表示に齟齬がある場合は撤退
評価点は“完璧な物差し”ではありませんが、現車確認と費用試算をつなぐ優れたナビゲーションです。
点数の意味を正しく読み、第三者の書面と自分の目で裏取りし、数字で交渉する。
この一連の型を持てば、中古車選びのリスクは大きく下げられます。
【要約】
車両状態評価点は、中古車の総合コンディションを第三者が統一基準で点数化する指標。外装・内装、機関・下回り、骨格修復歴や走行距離・臭い等を検査し、減点と上限制御、修復歴は別区分で総合点を決定。表示は5.0/4.5等の総合点に内外装評価・損傷図記号を併記し、流通の共通言語となる。