下取りと買取、基本の仕組みと価格形成の違いは?
下取りと買取は、どちらも「今の車を手放してお金(または割引)に替える」手段ですが、仕組みと価格の作られ方(価格形成)が本質的に異なります。
その違いを理解すると、「どっちが高いか」を個別条件ごとに見極めやすくなります。
以下、基本の仕組み、価格形成のロジック、どちらが高くなりやすいか、そしてその根拠となる業界の慣行や流通構造まで丁寧に解説します。
仕組みの基本
– 下取り(ディーラー下取り)
– 新車(または別の中古車)を購入する前提で、販売店が今の車を引き取る。
– 取引の目的は「新車販売を成立させること」。
下取り額は新車の値引きや販売目標、メーカー・ディーラーの販促施策(下取りサポート)とセットで調整されがち。
– 下取車はディーラー系の中古車部門で再販、もしくは業者オートオークションへ流す。
メーカー系認定中古車の再販ルートがあると評価が上がる場合もある。
– ローン残債処理や名義変更、納車までの乗り続け(納車引取)など事務・段取りをワンストップで対応してくれる利便性が高い。
買取(買取専門店・中古車販売店の買取)
車の売却自体が目的。
新車を買うかは無関係。
買取店は仕入れた車を、店頭での小売、業者オークションへの出品、もしくは輸出ルートで売却し利益を得る。
複数社競合によって価格が上がりやすい。
取引のスピードが速く、現金化が早い。
売却のタイミングと次の車の納車タイミングの調整は自分で行う必要がある(納車まで保管・引取日指定に応じる業者もある)。
価格形成の基本ロジック(コストとリスクの逆算)
– 共通の土台
– 日本の中古車流通は「業者オートオークション」が中核。
USS、TAA、CAA、JUなどの会員制オークションで日々膨大な取引があり、落札相場が事実上の「卸基準価格」になっている。
– 再販方法(店頭小売か、オークション卸か、輸出か)で期待売価とコスト構造が異なるが、最終的には「売価(もしくは卸相場)から必要コストと目標粗利、リスクを差し引いた残り」が仕入れ上限=提示額の上限になりやすい。
買取価格の作られ方(概念式)
買取上限 ≒ 想定売価(小売 or オークション落札見込み) −
・再商品化コスト(整備・内外装仕上げ)
・輸送費・保管費
・出品料・落札料等の市場手数料(オークションに流す場合)
・在庫・相場変動リスク(値下がり、在庫期間の資金コスト)
・目標粗利(数万円〜十数万円が一般的レンジ)
競合が多く、販路に強み(自社小売で高く売れる、輸出で高相場の車種など)がある業者ほど、上限が上がりやすい。
下取り価格の作られ方(概念式)
下取り提示 ≒ 再販見込み(自社認定中古での小売 or オークション卸) −
・整備・保証付帯・商品化コスト
・輸送・手数料
・目標粗利(または卸時の安全マージン)
+ 値引き調整 + メーカー/販社の下取りサポート(キャンペーン)
実務では「下取り額」と「新車値引き」が一体で調整されやすく、名目上の下取り額が高くても、総支払額が変わらない(値引きが減っている)こともある。
逆に、販促で「下取りサポート○万円」を上乗せする時期は、名目下取りが相場以上に見えることがある。
両者の価格差が生まれるメカニズム
– ディーラーの目的は新車販売の粗利確保と台数目標の達成。
下取り額は「総支払額」を作るパーツの一つとして調整対象になりがち。
– 買取店は仕入れが目的。
多社競合と販路の多様性(小売・オークション・輸出)によって「その車に一番強い買い手」が現れやすく、上限価格が伸びやすい。
– 評価の厳しさの違い
– ディーラー系は修復歴やメンテ記録、メーカー保証継承の可否、認定中古の基準適合性を重視するため、事故・修復歴や改造がある車は低めに出やすい。
– 一方、輸出に強い買取店は国内評価が低い車でも、輸出相場が高ければ積極的に買える。
– キャンペーンの影響
– 下取りサポート(名目上の下取り額上乗せ)や、在庫逼迫・半導体不足期の中古高騰時には、ディーラー下取りが相対的に強気になることがある。
数値例(簡易モデル)
– 前提 あなたの車のオークション落札見込みが100万円。
– 買取店の計算例
– オークション手数料・輸送等 5万円、再商品化 3万円、相場リスク 2万円、目標粗利 5万円
– 買取上限 ≒ 100 − 5 − 3 − 2 − 5 = 85万円
– ディーラー下取りの計算例
– 卸見込み 95万円、手数料等 8万円、マージン 2万円 → ベース下取り85万円
– ただし新車値引き枠が15万円ある場合、
・パターンA 下取り85万円+値引き15万円=実質100万円相当
・パターンB 名目下取り95万円+値引き5万円=支払総額は同じ(見かけは下取り高い)
・キャンペーン 下取りサポート10万円→名目下取り95万円+サポート10万円=105万円相当(相場超もあり得る)
– ポイント 名目の下取り額だけで判断せず、「総支払額(新車本体+オプション+諸費用 − 値引き − 下取り)で比較」するのが鉄則。
どっちが高くなりやすいか(車種・状況別の傾向)
– 買取が有利になりやすい
– 高年式・人気車種(ミニバン、SUV、軽スーパーハイト等)で、複数社競合が効くとき
– 輸出需要が強い車(年式・グレード・排気量・右/左ハンドルの条件に合致)
– ディーラーが当該車種の認定中古での再販に強くない(販路が弱い)場合
– 下取りが有利になりやすい
– メーカー系ディーラーが認定中古で強く、条件が合致(低走行・点検記録簿あり・修復歴なし)する場合
– 下取りサポートのキャンペーンが出ている時期
– 低価値車・過走行・年式がかなり古い車で、買取が「実質0円〜数万円」でも、下取り名目やサポートで見た目が上がるとき
– ローン残債処理や納車までの代車・保管など、手間と時間コストを重視する場合(価格差が小さいなら下取りの簡便さが勝る)
価格に影響する個別要因(下取り・買取共通)
– 修復歴の有無(有は大きく下がる)
– 走行距離・年式・人気グレード・ボディカラー
– 禁煙・ペット・内外装の傷、タイヤ残溝、スペアキーや取説の有無
– 整備記録(点検記録簿)やディーラー整備歴
– 季節性(4WDは冬前、オープンは春〜夏、スタッドレス同梱などの価値)
– モデルチェンジやマイナーチェンジのタイミング
– 車検残は評価に反映されるが、再販側の整備基準次第で影響度は中程度
– 税・手数料の精算
– 自動車税(種別割)は抹消登録で月割還付(普通車)。
名義変更のみでは還付なし。
軽自動車は原則途中還付なし。
– リサイクル預託金は買取・下取り時に相当額が上乗せ精算されるのが一般的。
– こうした精算の扱いは「実質手取り」に影響するため、見積書で必ず確認。
根拠(業界構造・慣行からの説明)
– 流通の中核としての業者オートオークション
– 日本の中古車は、会員制オークション(USS、TAA、CAA、JU等)で卸相場が形成され、買取店・ディーラー双方がこの相場を基準に逆算して仕入上限を決めるのが通例。
これは業界の公開情報や各社IR・採用ページ、業界紙の解説でも一貫して語られる一般的な実務。
– 査定基準と再商品化
– ディーラーを含む多くの事業者は、査定士制度や標準化された査定基準(減点方式)を運用し、修復歴・損傷・内外装状態から商品化コストを見積もって価格に反映する。
これは査定士資格(中古自動車査定士)や各社査定マニュアルの存在からも裏付けられる一般慣行。
– ディーラーの値引き・下取り一体交渉
– 新車販売は本体粗利に加え、オプション、整備、ローン・保険等の付帯収益を含む総合収益モデル。
下取り額は新車値引きと合わせて「総支払額」を作る調整変数として扱われる。
販売現場の交渉慣行として広く認識されており、メーカーや販社の販促(下取りサポート)が名目上の下取り額を押し上げるケースも一般的に行われている。
– 買取店の競争と販路の多様性
– 大手買取チェーンや中古車販売店は、小売・オークション・輸出の3系統を状況に応じて使い分け、在庫回転と粗利の最適化を図る。
複数社競合の出張査定などは市場競争を可視化し、上限価格を押し上げる合理的なメカニズムになっている。
実践的な比較方法(損をしないコツ)
– ディーラーでは「下取り額」と「値引き」を分けて提示してもらい、総支払額で比較する。
– 買取は2〜3社以上の同時査定を取り、最終最有力の1〜2社に「最終提示」を依頼する(引取日や残債処理・納車引取の条件もセット交渉)。
– 下取りサポートの有無・金額と適用条件(年式・車種・登録名義)を確認。
– リサイクル預託金、自動車税の扱い、名義変更・抹消の手数料を見積書で明細確認。
– 事故歴・改造がある場合は、輸出や専門販路に強い業者を意識的に当たる。
– 比較の指標は「名目下取り/買取額」ではなく「手元に残る正味の金額(または新車の総支払額)」。
まとめ
– 価格形成の違いは「目的」と「販路」に由来する。
下取りは新車販売の一部として総額調整され、買取は仕入競争と販路の強みで上限が決まる。
– 一般論として、人気車や条件の良い車は買取の競合で高くなりやすく、キャンペーン期や認定中古の適合条件に合致する車は下取りが強く出ることがある。
– 名目額ではなく総支払額・正味手取りで必ず比較し、複数見積と条件交渉で「その時点の最適解」を選ぶのが合理的です。
このように、下取りと買取の価格差は、業者オートオークションを基準にした逆算、販路ごとのコスト・リスク、そしてディーラーの値引き・販促の組み合わせで論理的に説明できます。
根拠は、日本の中古車流通がオートオークション中心で相場が形成されるという業界構造、査定基準に基づく商品化コスト算定の実務、ディーラー新車販売の収益モデルと販促手法、買取店の競争環境と販路多様性にあります。
これらを踏まえ、必ず「総額」で比較することが、実質的に一番高く売る(あるいは最も安く乗り換える)ための鍵です。
どんなケースで下取りのほうが高く、どんなケースで買取が高い?
結論だけ先に押さえると、下取りが高くなりやすいのは「ディーラーが自社で小売できる(または台数目標達成のために補助を付けられる)条件がそろったとき」。
一方で買取が高くなりやすいのは「その車がオークションや輸出、専門店のルートで強い需要を持ち、ディーラー小売よりも卸相場が実質的な上限価格を押し上げているとき」です。
以下、具体的なケースと根拠を詳しく解説します。
用語の整理
– 下取り 新車や中古車を買う販売店が、乗り換えとセットで引き取る。
値引きと合わせて総合的に条件が決まる。
– 買取 乗り換えと独立して、買取店や専門業者が現金化目的で買い取る。
多くは業者オークションや輸出、もしくは自店小売に流す。
価格の源泉(根拠の基本)
– ディーラー下取りの原資は「自社小売で売れる見込み利益」+「メーカー/販売会社の販売施策(登録台数達成ボーナス等)」の一部。
– 買取店の原資は「業者オークションの即時換金相場(落札想定価格)」や「輸出ルートの仕切り」から「輸送・手数料・整備・利益」を引いたもの。
– つまり、どちらが高いかは「その車をどこにどう売るのが一番儲かるか」に依存します。
ディーラー小売が強い車は下取りが伸び、オークション/輸出が強い車は買取が伸びやすい、という構図です。
下取り(ディーラー)の方が高くなりやすいケースと根拠
– 年式が新しく走行距離が少ない、無事故、整備記録が揃う同一ブランド車
根拠 ディーラーは認定中古車として自社小売でき、保証や整備を付けて高値で売りやすい。
自社顧客への販売見込みが立つほど下取り原資を積める。
– 同一ブランドで人気グレード/人気色/純正オプションが豊富
根拠 認定中古車の来店客が好む仕様は回転が速く、在庫リスク・整備コストに対して高い小売粗利が見込めるため査定に転嫁できる。
– 決算期(3月・9月)やボーナス商戦、台数追いのキャンペーン中
根拠 新車の台数目標達成に向け、値引きと下取りを合算した「総額」での支援(販売インセンティブ)が厚くなりやすい。
見た目は下取りアップでも実質は販売補助を移している場合がある。
– 車検が十分に残っており即小売が可能
根拠 店頭回転を早められる在庫は資金効率が高く、整備費用も抑えられるため、その分を査定に反映しやすい。
– 既存顧客からの下取り(ワンオーナー履歴、ディーラー整備履歴あり)
根拠 履歴が透明で再販売時の信用が高く、保証付与のコスト見積りが立てやすい。
– 新車の大幅値引きを見せにくいブランド方針の店舗
根拠 値引きではなく「下取り強化」を前面に出すことでブランド価値を守る。
帳尻は総額で調整されるため、相対的に下取り額が高く提示されやすい。
買取の方が高くなりやすいケースと根拠
– 年式が進んでいる、走行距離が多い、または修復歴ありでディーラー小売が難しい
根拠 ディーラーは在庫基準が厳しく粗利を確保しづらい。
一方、買取店は業者オークションでの即時換金やパーツ・海外需要に基づく出口があり、相場に沿って上限まで入札できる。
– 輸出需要が強い車種(例 ランドクルーザー系、ハイエース、ピックアップ、ディーゼル、ミニバンの一部、年式の進んだハイブリッド等)
根拠 海外相場が国内小売相場を上回る時期・地域があり、輸出業者はその仕切りに合わせて高く買える。
ディーラーは輸出を前提に在庫しないため、価格で太刀打ちしづらい。
– 希少グレードや改造車、社外パーツ多数、MTやハイパフォーマンスモデル
根拠 ディーラーは非純正やカスタムを評価しにくく減点しがち。
専門性の高い買取店や専門小売店は付加価値として評価でき、相場上限が上がる。
– 地域特性に強く依存する仕様(雪国向け4WD、寒冷地仕様、商用軽トラなど)
根拠 地域間で需要差が大きく、広域在庫回転が得意な買取チェーンは高需要エリアに流せるため査定を上げやすい。
– 相場が短期的に上昇しているタイミング
根拠 買取店はオークション相場を日次〜週次で追従し、即時に提示額へ反映。
ディーラーは社内稟議や在庫方針があり追随が遅れがち。
– 10年以上・過走行・車検なしでも値段が付くケース
根拠 パーツ取りや海外向けで出口がある買取店は最低限の解体価値・スクラップ価値・輸出価値を基準に下支えがある。
ディーラーは商品化コストが実勢価格を上回りやすい。
注意すべき「見かけの高さ」と実質比較
– 下取りは「下取り額+新車値引き=総支払額」で見ること。
値引きを絞り、下取りだけを大きく見せる手法は珍しくない。
– 実質比較の式
1) 下取り案 新車支払総額A(値引き込み) − 下取り額B = 手出しX
2) 買取案 新車支払総額C(別交渉の値引き) − 買取額D = 手出しY
XとYを同条件(付属品・延長保証・納期など)で比べて小さい方が「実質有利」。
– 乗り換えない場合や現金化重視なら、純粋に買取額が勝ちやすい。
年式・状態別の目安
– 1〜3年・低走行・無事故・同一ブランド 下取り優勢になりやすい(認定小売が強い)。
– 4〜9年・標準的な走行距離 買取優勢になりやすい(オークション回転が速い)。
– 10年以上・過走行・修復歴あり 買取優勢(輸出・解体・専門小売で出口がある)。
– 例外は常にあり、人気希少グレードや一部SUV・ミニバンは年式が進んでも需要が強く、どちらでも高くなり得る。
車両スペック・装備に関する評価の違い
– 純正ナビ・先進安全装備・メーカーOP ディーラーは評価しやすい。
買取店も評価するが、オークション基準での加点は限定的なことがある。
– 社外ホイール/車高調/マフラー等 ディーラーは減点しがち。
専門買取はプラス評価しやすい。
– 色 白・黒・パールは再販強く加点されやすいが、個性的な色はディーラーより専門店の方が評価しやすい。
タイミングと市場
– 決算・半期末は下取りが総額で有利になりやすい。
– 相場急騰時(新型発表前の旧型人気、供給逼迫、季節要因)は買取店が即応しやすい。
– 事故歴公表ルールや保証コストが変わると、ディーラーの下取り基準が一時的に厳しくなることがある。
地域差
– 降雪地域の4WDやスタッドレス装着車は現地での小売が強く、下取りでも上がることがある。
一方、広域で需要配分できる買取チェーンがより強気に出るケースも多い。
法規・手続き・コスト面
– 名義変更や残債処理は、下取り・買取ともに対応可能。
残債が重い場合は、総額の出し方で比較する。
– 車検・自賠責・リサイクル料金等の扱いは店舗により明細化が異なる。
内訳を確認し、総額で比較する。
– 廃車レベルでも、買取店は輸出・解体ネットワークで実勢を出しやすい。
スマホ・家電等の「下取り vs 買取」にも通じる一般則
– メーカー/キャリアが下取り増額キャンペーンをしているときは下取りが有利になりやすい(販売促進原資が乗る)。
– 希少色や大容量モデルでフリマ・専門買取の相場が高いときは、買取が有利になりやすい(転売・海外需要が原資)。
実践的な比較手順(おすすめ)
– 同一日のうちに最低3箇所で査定
1) 乗り換え先ディーラー(下取り)
2) 別ブランドのディーラー(参考下取り)
3) 複数の買取店(輸出強い店、スポーツ専門店、大手チェーンなど)
– 新車見積と下取り査定は内訳を分けて書面化し、「総支払額」で比較。
– 買取店には「本日中に決める条件のベスト」を引き出し、ディーラーには「総額で他社と競合」してもらう。
– オプション・延長保証・メンテパックなど、金額以外の付帯価値も総合評価。
簡易フォーミュラ(価格の理屈)
– ディーラー下取りの最大値 ≒ 予想小売価格 − 商品化費用(整備・仕上げ・保証) − 在庫コスト − 目標粗利 + 販売施策補助
– 買取店の最大値 ≒ 予想卸値(オークション/輸出) − 諸経費(陸送・AA手数料等) − 目標粗利
– 予想小売価格が卸値を十分に上回るときは下取りが強く、逆なら買取が強い。
まとめ
– 下取りが高い傾向 新しめ・同ブランドで認定小売向き、決算期、純正充実・人気仕様、即売れ見込みが立つ個体。
– 買取が高い傾向 年式が進む・走行多い・修復歴、輸出や専門ニーズが強い車、カスタム・希少グレード、相場が上昇中。
– いずれも「見積り総額」で実質比較し、同日に複数査定を取るのが最も確実です。
この考え方は市場構造と原資の違い(小売利益+販促補助 vs 卸・輸出相場)に基づくもので、経験則としても一致します。
最終的には個体差とタイミングが大きいので、理論を踏まえて実地の相見積りで検証するのが最短ルートです。
査定額を左右する主な要素(年式・走行距離・需要・整備履歴)は何?
結論から言うと、一般論では「下取り」より「買取(買取専門店・中古車店の買い取り)」のほうが高くなる傾向があります。
理由は、買取店は仕入れ競争が激しく、即座に業者オークションや自社販売で現金化できる販路を背景に、ギリギリまで仕入れ価格(=あなたの受け取る価格)を引き上げやすいからです。
一方で、ディーラーの下取りは新車販売の値引きや販社方針との“トータル調整”が入りやすく、単体の下取り額は控えめになることが多い。
ただし例外もあり、メーカー系認定中古に回せる条件(年式・距離・状態)にぴったり合う車や、決算期・在庫確保方針によっては下取りが健闘することもあります。
とはいえ、下取りでも買取でも、最終的な査定額(再販価値)を決める大きな軸は同じです。
実務では「業者オークション相場(USS、JU、CAAなど)」や「日本自動車査定協会(JAAI)の査定基準・減点表」「AIS等の評価点」を参照し、そこから整備・輸送・在庫コストと利益を差し引いて仕入れ上限が決まります。
その相場形成の中核になっているのが、あなたが挙げた4要素(年式・走行距離・需要・整備履歴/状態)です。
以下、各要素がなぜ効くのか、そして根拠(市場の仕組みや査定実務)を詳しく解説します。
1) 年式(登録年)
– どう効くか
– 年式が新しいほど減価償却が進んでおらず、中古需要が厚く売りやすい=再販価格が高い。
– 新車から3年(初回車検)・5年・7年などの節目で相場が一段階落ちやすい。
理由は、保証・車検・ローン残価設定などの市場慣行が節目を作るため。
– フルモデルチェンジ直後は旧型の相場が下がりやすい。
マイナーチェンジでも安全装備や運転支援のアップデートで旧年式の魅力が相対的に下がる。
– 根拠
– 業者オークションの落札データは年式別に明確な価格カーブを描くため、買取店・ディーラーともに年式係数を内部的に持っている。
– JAAIの査定基準は年式・状態・走行距離の組合せで減点・加点を積み上げる仕組みで、年式の古さはベース価値の縮小として反映される。
– 例外
– 旧車・希少スポーツ・限定車・MT設定など、コレクタブル要素が強い車は年式が古くても需要プレミアで高値になる。
– 海外輸出の規制・需要(右ハンドル、排ガス規制適合年など)で特定年式が海外相場に引っ張られて高くなることがある。
2) 走行距離
– どう効くか
– 年間1万km前後が目安。
年式に対して距離が少ないほど価値が高い。
逆に距離が多いと消耗品交換や故障リスクが増え、再販後の保証コスト見込みも上がるため仕入れ価格が下がる。
– 5万km・7万km・10万kmなどに心理的・実務的な閾値があり、超えると買い手が絞られるため相場が段階的に落ちやすい。
– 根拠
– 業者オークションの出品票には走行距離が明記され、距離帯ごとに平均落札価格が統計的に差が出る。
評価点(4.5/4/3.5…)が同じでも距離が価格を大きく左右することは相場の常識。
– 査定基準の減点表にも距離区分があり、相場表(社内データベース)では距離補正係数が必ず掛かる。
– 注意点
– 不自然な低走行は歓迎される一方、長期放置や短距離走行ばかりの個体はメカ的に良くないケースもあり、整備記録の裏付けが重要。
– メーター改ざんは重大な瑕疵。
点検記録簿や車検証記録で距離の整合性が重視される。
3) 需要(タイミング・地域・グレード/装備・マクロ要因)
– どう効くか
– ボディタイプ ミニバン・SUV・軽ハイトワゴンは国内需要が厚い。
セダンは相対的に薄いが、法人・海外輸出で底堅いケースもある。
– 季節性 オープンカーは春〜夏、4WD・スタッドレス装着車は冬に動きやすい。
引っ越しシーズン(1〜3月)は相場が強含みやすい。
– 地域性 雪国で4WD、都市部でコンパクト・ハイブリッドなど需要構造が異なる。
買取店は国内のみならず輸出販路も勘案して仕入れ上限を決める。
– グレード・色・装備 上位グレード、安全装備充実、人気色(白・黒・パール)、純正ナビ/安全パッケージ、先進運転支援(ACC/LKA)などは再販しやすい。
逆に特殊色や過度な改造は需要が狭まりマイナス。
– マクロ要因 燃料価格高騰期はハイブリッド・軽が強い。
税制・補助金・環境規制や、メーカーの新型投入も需給を動かす。
– 根拠
– 市場は結局「売れるかどうか(回転日数)」で価格が決まり、在庫回転が速い車は粗利を薄くしても高く仕入れられる。
オークションの成約率、相場トレンド、店舗の在庫構成がダイレクトに仕入れ上限へ反映される。
– 大手買取チェーンは需要予測モデルを持ち、季節・地域・販路別の係数でリアルタイムに上限価格を算出している。
4) 整備履歴・車両状態(コンディション)
– どう効くか
– 点検記録簿(整備手帳)、ディーラー/指定工場での定期点検・交換履歴、リコール対応済み、法定点検の実施など、整備の可視化は安心材料となり、再販価格に上乗せ要因。
– 修復歴(骨格部位の交換・修正)の有無は価格を大きく分ける。
修復歴ありは相場が大幅に下がる。
軽微な板金・傷は減点幅が小さい。
– 内外装の程度(ニオイ、喫煙、ペット痕、シート破れ、ヘッドライト黄ばみ)、タイヤ残溝、ブレーキ・足回りの状態、下回り錆、電装品の不具合の有無などが査定票の減点に直結。
– 取扱説明書・スペアキー・純正パーツ・ドラレコ・ETC・スタッドレスなどの付属品は再販時の訴求力になりプラス。
– 根拠
– AISやJAAAの検査では外装/内装/機関/骨格の評価点が付与され、業者オークションではその評価が価格を左右する。
JAAIの減点表でも部位ごとに明確な減点幅が定義されている。
– 認定中古の条件(年式・距離・修復歴なし・記録簿あり)を満たすと販路が広がるため、仕入れ上限が上がるのが実務。
下取りと買取でこの4要素の効き方に差はある?
– 基本ロジックは同じ(再販可能価格 − コスト − 粗利)。
差が出るのは“会社の事情”。
– 買取店 オークション直結や自社小売が強く、在庫回転を重視するため需要が強い車には攻めた価格を提示しやすい。
競合店とのその場の競争が価格を押し上げる。
– 下取り 新車値引きと合わせた総額最適化が多く、単体の下取り額は抑え気味。
ただし、メーカー系認定中古に直販できる条件(例 5年/5万km以内、修復歴なし、整備記録簿完備、安全装備充実)に合う車や、同系列中古拠点が欲しがる車種はディーラー側が高値を付ける余地が出る。
– 需要が弱い車や整備コストが読みにくい車は、買取でもディーラーでも安全側に価格が寄る。
価格を上げる実務的なコツ(4要素を踏まえて)
– タイミング
– モデルチェンジ前、走行距離が節目(例 5万・7万・10万km)を超える前、繁忙期(1〜3月)に合わせる。
– 車検を通す前に一度査定。
車検費用より査定アップが小さいこともある(店舗の販路次第)。
– 書類・付属品の完備
– 点検記録簿、リコール修理記録、取説、スペアキー、整備明細、純正パーツを揃える。
– コンディションの底上げ
– 洗車・内装クリーニング、簡易板金・ヘッドライト磨き、消耗品(極端に摩耗したタイヤなど)の最低限のケア。
過度な修理は費用対効果を見極める。
– 競合
– 買取店複数とディーラー下取りを同日に競合させる。
下取りは新車値引きと合算の“実質”で比較。
根拠の総括
– 業者オークションの相場が中古車価格の物差しで、査定はJAAI等の基準・減点表、AIS/JAAA等の評価に基づいて「年式」「距離」「需要」「整備履歴/状態」を数値化していくのが実務。
– 仕入れ上限は「予想再販価格 −(整備・輸送・在庫・保証・販管費)− 粗利」で決まり、4要素はそのうち「予想再販価格」と「整備・保証コスト」に直結する。
だからこそ4要素が査定額を左右する主因になる。
– 下取りと買取の価格差は、同じ相場を見ながらも「販路・在庫回転・競争状況・新車販売の都合」という会社側の前提でブレる。
最終的には、あなたの車の年式・距離・需要・整備履歴をできるだけ“見える化”し、需要が強いタイミングで複数社を競合させるのが、下取りでも買取でも高値を引き出す最短ルートです。
一般的には買取のほうが高く出やすいものの、条件が揃えば下取りが肉薄・逆転することもあるため、「買取数社の提示額」と「下取り+新車値引きの合計額」を同じ土俵で比較することをおすすめします。
複数社の見積もり比較は何社・どのタイミングでどう進めるべき?
結論の要点
– 最高値を狙うなら「複数社の買取査定を同日に競合させる」が基本。
ただし、ディーラー下取りの値引き(総支払額)も必ず一緒に比較する。
– 見積もりは4〜6社が最も効率的(最低でも3社)。
そのうち1社はディーラー下取り、1社はオークション型サービスを混ぜると精度が上がる。
– 実車査定は引き渡し予定の7〜14日前に「同日・時間帯を重ねて」設定し、その場で最高値即決の競争ルールを明確化する。
– 1〜2カ月前から相場調査と準備を始める。
納車待ちが長い場合は「価格保証」や「買取予約」を活用して相場下落リスクをヘッジ。
なぜ複数社・なぜ同日か(根拠)
– 競争が価格を押し上げる 中古車買取は、各社がオークション相場・自社小売・輸出ルートで「この価格なら利益が出る」という限界価格を持っています。
競合が1社しかいなければ安全マージンを厚めに取りますが、同時競争だとそのマージンを削ってでも落としに来るため、期待価格が上がります。
これはオークション理論(入札者数が増えるほど期待落札価格が上がる)に沿った現象です。
– 同日・同時間帯の効果 時間差があると、後出しで「他社の価格を口実」に微調整されるだけで上がり幅が小さくなりがちです。
同時に集め、「本日・最高額・即決」の条件を宣言することで各社が限界額を最初から提示しやすくなります。
– 4〜6社が効率的な理由 入札者が2社→3社→4社と増えるほど上振れ余地は伸びますが、7社を超えると期待上振れの逓減が大きく、時間・疲労・調整コストがリターンを上回りやすい。
大手・地域密着・輸出強み・事故車強みなど「販路の性格が異なる」会社を混ぜると、得意分野の差から価格差が出やすく、効率的に最高値を狙えます。
– 下取りも比較する理由 ディーラーは下取り価格単体で勝てなくても、車両値引きや付帯サービス(点検パック、延長保証、コーティング割引等)で総額メリットを作れます。
「売却益」だけでなく「乗り換えの総支出」を最終指標にすべきです。
進め方(実務ステップ)
1. 1〜2カ月前 相場把握と準備
– 相場の目安を把握 年式、走行距離、グレード、修復歴有無、色、オプションで相場は大きく変動。
Goo、カーセンサーの小売相場、買取相場系サイト、オークション参考値の記事でレンジを掴む。
– 買取に強い会社のリストアップ 大手(ガリバー、ビッグモーター等)、地域中堅、輸出系、事故車対応、スポーツ/輸入車専門など特性を分散。
– 書類と付属品を揃える 車検証、自賠責、リサイクル券、納税証明(普通車)、整備記録簿、取説、スペアキー、ナビ・ドラレコ・ETCの説明書や予備パーツ。
整備記録とスペアキーは査定アップに効きます。
– 車内外の簡易清掃 数千円の手間で印象差は大きく、減額回避につながることが多い。
大修理は費用対効果が低いので基本は不要。
小傷はそのままでOK。
2〜3週間前 事前ヒアリングと候補の絞り込み
– 電話/メール/LINEで事前見積レンジを取得 車台番号、グレード、純正オプション、社外パーツ、タイヤ溝、傷・修復歴、走行距離、車検残などを正確に伝える。
– 減額条件と契約条件を確認
– 修復歴の定義と減額ルール(どの程度で何万円引きか)
– 振込日(最短いつ、入金前引渡し可否)、名義変更期限の約束書
– 査定額の有効期限(多くは7〜14日)
– キャンセル料や再査定条件(引渡しまでに走行が増える、傷が増える場合)
– 自動車税の月割還付の扱い(普通車は還付相当を価格に含める運用が多い。
軽自動車は原則還付なし)
– 引渡し猶予や代車の可否(納車待ちの橋渡し)
– ディーラー下取りの初期提示も取得 車両値引きと抱き合わせで総支払額を提示させる。
7〜14日前 実車査定を同日競合で
– 同じ日に3〜5社+ディーラーを時間帯重ねで招集。
終了時間を合わせ「本日、最高額・即決。
名刺の裏に最終額を一斉に記入して提示してください」とルールを先に伝える。
– 価格の比較は総額で統一 消費税込、リサイクル預託金、未経過自賠責、未経過重量税、今月分自動車税の精算、陸送費、手数料など含むかを確認し、条件を揃えて比較。
– 重要書類や装備のアピール 整備記録、タイヤ残、禁煙、ワンオーナー、純正ナビ/安全装備、スペアキー等。
輸出向け適合(右ハンドル、排ガス基準、サンルーフ等)が強みになる車もあります。
その場での交渉のコツ
– 即決条件を活用 「本日中に最高値の会社に売却します。
追加で上げ余地があればこの場でお願いします」と伝える。
– 後出し合戦の設計 最終提示を一度封書やメモで同時提出→上位2社でワンモアコールの指名入札にする方法も有効。
– 価格の信憑性確保 口頭ではなく金額を紙に記入させる。
引渡し日、走行距離の増加許容、減額条件の明記を求める。
成約・引渡し
– 契約書のチェック 瑕疵担保(現状有姿)の範囲、減額・キャンセル条件、振込タイミング、名義変更期限の記載。
原則、入金確認後にキーと車両を引き渡すのが安全。
– ローン残債処理 残債がある場合は買取額で一括清算。
不足は自己負担。
買い取り店経由で抹消・移転の書類完了までフォローを受ける。
– データ消去 ナビ、ETC、ドラレコ、スマホ連携の個人情報をリセット。
何社にするかの具体例
– 時間をかけて最高値狙い 買取専門4社+地域中堅1社+ディーラー下取り=計6社。
状況によりオークション型(ユーカーパック、楽天Car、カーセンサーの出品型など)を1つ追加し、オンライン入札で市場チェック。
– 時間を節約 買取専門2社+輸出系1社+ディーラー=計4社。
あるいはオークション型1+ディーラー1+買取1〜2で計3〜4社に絞る。
– 車種特化 輸入車・スポーツ・希少車は専門店を必ず1〜2社入れる。
ミニバン・軽は大手と地域店のミックスが効く。
SUV/4WDは季節や地域性も踏まえ、雪国販路のある会社を入れる。
タイミング戦略(季節・月・車両事情)
– 月末・期末は狙い目 多くの店舗が月次・四半期目標を追うため月末や3月・9月決算期は攻めた提示が出やすい傾向。
– 季節性 新生活需要(1〜3月)は全体的に相場が強め。
オープンカーは春〜初夏、4WD/スタッドレス強みは秋〜冬に強めなど車種特性もある。
– モデルチェンジ前後 フルモデルチェンジ前に売る方が安全。
新型発表・発売後は旧型相場が軟化しやすい。
– 車検・税のタイミング 車検残が多いと評価がやや有利。
普通車の自動車税は4月基準で月割還付があるため、抹消タイミングの設計で価格に反映される。
軽自動車は原則還付なし。
– 走行距離の閾値 5万km、10万kmなどキリ番を跨ぐ前に売ると心理的減額を避けやすい。
下取りと買取、どちらが高いかの整理
– 一般的には買取の方が高いことが多い。
理由は、買取専門店はオークション・自社小売・輸出と販路が広く、在庫回転重視で薄利多売の競争に晒されているため。
– ただし、ディーラーは値引きや下取りサポート、低金利やメンテパック等の付帯で総額優位を作れる。
新車の特別補助(他社乗換サポート、下取り強化月間)があると逆転することもある。
– よって「売却価格 −(納車までの代車費や保管費)」「新車総支払額(値引き・下取り込み)」の両方を試算し、実質の損得で判断。
一括査定・オークション型の使い分け
– 一括査定サイト 短時間で多社を呼べる反面、電話が多く煩雑。
電話対応が苦手なら申込数を絞るか、連絡手段をメール/LINE指定。
– 来店/出張の直依頼 やり取りは楽。
会社の特性を見極めてピンポイントで当てると強い。
– オークション型(ユーザー出品) 1回の検査で全国の業者がオンライン入札。
電話は比較的少ないが、出品〜落札〜引渡しで数日必要。
希少車や相場が読みにくい車に有効。
交渉・安全面の注意
– 価格の釣り上げに注意 高額提示でも、後から細かな傷を理由に減額を狙う業者もある。
査定時に傷・装備を一緒に確認し、契約書に「現状有姿・追加減額なし(引渡しまでの新たな破損を除く)」の文言を求める。
– 入金確認前の引渡しは原則避ける やむを得ず先引渡しの場合は預かり証と違約金条項、振込日確定の念書を取り、相手が大手か与信を確認。
– 名義変更の完了報告 コピーの送付期限を契約に記載。
完了連絡が来ない場合の追跡窓口も確認。
ケース別アドバイス
– 納車が数カ月先 相場下落リスクがあるため、価格保証や買取予約(◯月末引渡しまで◯◯万円保証)を提案してくる会社を優先。
契約金額の有効期限と減額条件を細かく詰める。
– 事故歴・修復歴あり 修復歴の定義は業者により差がある。
修復歴車に強い販路(輸出・専門店)を混ぜると有利。
虚偽申告は後トラブルのもと。
– ローン残債あり 所有権留保の解除手続きに慣れた会社を選び、精算スケジュール(残債照会→差額振込→抹消/移転)を確認。
– 法人・リース返却 原契約の違約金や原状回復範囲を確認し、相見積は事前に許可を取る。
なぜこのやり方が有効か(追加の根拠)
– 供給側(あなた)に時間制約がある中での最適化 査定の同時実施は「交渉コストを固定しつつ、入札者数だけ増やす」設計。
多くの市場で期待価格を最大化します。
– 販路の相補性 国内小売向きの車、輸出向きの車、パーツ価値が高い車など、買い手の強みはまちまち。
特性の異なる業者ミックスは価格の上振れを生みやすい。
– ディーラーの総合力 下取り単価で劣っても、販売側損益で調整できるため総額での逆転が起きる。
総額比較を入れることが合理的です。
最終的なおすすめプラン(標準ケース)
– T–6〜8週 相場把握、候補7〜8社を短冊化(大手2、地域2、輸出/事故車1、専門1、オークション型1、ディーラー1)
– T–3週 電話/オンラインで事前レンジと条件確認→5〜6社に絞る
– T–10〜14日 同日査定の招集、当日ルールを事前共有
– T–10〜0日 同日査定→上位2社の指名入札→その場で契約
– T–0〜7日 入金確認→引渡し→名義変更完了の写し受領
– 同時にディーラーの総支払額見積を更新し、最終比較で判断
この通り進めれば、無駄な時間を増やさずに市場の競争原理を最大限に活かして高値を狙えます。
目標は「最高価格」ではなく「条件含めた実質最高」を取ること。
価格の数字だけでなく、振込の確実性、減額条件の透明性、引渡し猶予や代車などの利便性も総合評価してください。
価格を最大化するための準備と交渉・キャンペーン活用のコツは?
結論(先に要点)
– 一般的には「買取(買取専門店・中古車店・輸出業者・オークション代行)」のほうが「下取り(ディーラー)」より高くなる傾向があります。
理由は、買取店は中古車を直接小売・輸出・業者オークションで回すため、在庫回転を前提に高値を提示しやすいのに対し、下取りは新車販売の値引きと通算で調整されやすく、単体の下取り価格は抑えられがちだからです。
– ただし、ディーラーの決算期の「下取り強化」や「最低保証・乗換支援金」などのキャンペーンが効くケース、極端な低年式・過走行・事故歴で買取相場が極端に弱いケースでは、実質的に下取りが有利になることもあります。
– したがって「車両価格の最大化」ではなく「乗り換えにかかる総支払額の最小化」で比べるのが正解です(下取り額+値引きの合計と、買取額+新車値引きの合計を同一条件で比較)。
価格を最大化するための準備(査定前〜当日)
1) 書類・付属品を揃える
– 点検整備記録簿、取扱説明書、スペアキー(本数で評価が変わります)、純正パーツ(社外から純正に戻せると加点しやすい)、リサイクル券、ナビの地図SD、ロック解除コード、ホイールナット、ドラレコの付属品等。
– 根拠 中古小売時に「次のユーザーへ安心して渡せる」車は販路が広がり回転が上がるため、買取上限が上がります。
スペアキー欠品や記録簿なしは再販難度が上がり減点対象です(業界の査定基準・実務慣行)。
2) クリーニングと匂い対策
– 手洗い洗車、室内清掃、フロアマット洗浄、灰皿・ペット臭の消臭(オゾン脱臭や活性炭消臭)。
シートのシミは簡易クリーニングまで。
過度なコーティングや高額ルームクリーニングは元が取れにくい。
– 根拠 第一印象は査定の「減点幅」を左右します。
匂いは再販で最も嫌われ、禁煙車は人気です。
高額施工は卸値(オークション・業販)にはほとんど上乗せされません。
3) 小修理とタイヤ
– タッチアップで補える小傷は対応可。
ただし板金・バンパー交換など中〜大修理はコスト回収が難しいため基本は現状で勝負。
タイヤは溝・年式が良ければ加点、スタッドレスは別売り(ネット・リサイクルショップ)した方がトータルで得な場合が多い。
– 根拠 業者は自社で再生コストを抑えられるため、ユーザー側で事前修理すると二重コストになりやすい。
スタッドレスは車両価格への上乗せが限定的。
4) 純正戻しと後付け品の扱い
– 社外マフラー・車高調・ナビなどは、純正に戻せるなら戻す。
ドラレコ・ETCは付けたままで「動作OK」を示すと小さな加点。
レーダー探知機などは外して個別売却も検討。
– 根拠 大衆車は「ノーマル志向」の再販が強く、改造は販路を狭めます。
一方、ハイエンド・希少車は適切な社外品がプラスに働く例外も。
5) 整備・警告灯・リコール
– 警告灯は点灯のまま渡さない。
安価に直る(バッテリー・センサー)なら修理してから査定。
メーカーリコールは無償なので事前に対応しておくと印象が良い。
– 根拠 故障箇所の不確実性は査定の安全マージンを大きくします。
リコール未実施は再販前に対応が必要で手間コストになるため。
6) 査定のタイミング
– モデルチェンジや年式繰り下がり前、3月・9月の決算期、ボーナス商戦期は強気の提示が出やすい。
4/1の自動車税課税基準日前に名義変更・抹消を終えると税負担を避けられる。
電動車は補助金・電池劣化指標(SoH)で相場変動が大きいので、情報が良い時期に売る。
– 根拠 業者の仕入れ意欲は決算や在庫薄期に上がります。
税の基準日(4/1)は実質的なコスト要因です。
交渉のコツ(価格を引き上げる技術)
1) 比較は「総支払額」で
– 例)ディーラー下取り80万円+新車値引き20万円=実質100万円。
買取店95万円+ディーラー値引き15万円=実質110万円。
数字は同日同条件で揃える。
– 根拠 下取り額と新車値引きはトレードされやすく、個別比較はミスリード。
2) 同日・同条件で相見積もり
– 2〜4社に出張査定を同時刻または連続で設定し「入札方式」にする。
名刺の裏に価格を書いてもらい、最終ラウンドで「この金額以上なら即決」と明確に示す。
– 根拠 業者は他社の存在を意識すると上限に近い提示を出しやすい。
時間差をつけると最初の提示が低くなりがち。
3) 即決条件のコントロール
– 「今日決めてくれたら◯万円UP」はよくある手。
応じるのは最終ラウンドだけ。
巡回の途中での即決は避ける。
– 根拠 即決条件は交渉力の源泉。
早すぎる即決は上限に到達しません。
4) エビデンス提示とアンカリング
– 中古車サイトの同型・同走行・同条件の小売価格を印刷・スマホで提示、整備記録・ワンオーナー・禁煙等の強みを箇条書きで渡す。
理想価格と最低許容価格を自分の中で決め、理想価格から話を始める。
– 根拠 査定は再販期待値の見積もり。
情報の非対称性を埋めると安全マージンが縮み、上振れしやすい。
5) 減額条項と名義変更期限を契約に明記
– 契約書の「減額条件(事故・メーター改ざん・重大な瑕疵)」を限定的にする。
引き渡し後の減額やキャンセルペナルティの条件を確認。
名義変更の完了期限と完了報告書の送付を文面で約束。
– 根拠 一部の業者では引取後の「後出し減額」トラブルが起きるため。
名義変更が遅れると違反金・税通知が旧所有者に来るリスク。
6) 走行距離・燃料・引き渡し準備
– 査定まで走行距離を増やさない(1万km、10万kmの閾値で評価が変わる)。
燃料は入れすぎない(返金されない)。
純正戻し・付属品同梱を事前に準備。
– 根拠 距離・装備・付属品は査定表の定量項目。
無用なマイナスを避ける。
キャンペーン活用のコツ
– ディーラーの決算期「下取り強化」「最低◯万円保証」「乗換支援金」。
小型・軽・HVで強いことが多い。
条件の注記(年式・走行距離上限、修復歴不可、オプション同時購入など)を精読。
– 買取店の「来店予約◯万円UP」「即日成約UP」「レビュー投稿特典」「紹介制度」。
即決UPは前述の通り最後に使う。
– 輸出相場の波(円安時、海外需要が強いSUV・ミニバン・HV・ディーゼルは上振れ)。
輸出販路を持つ業者を含めて相見積もり。
– 3月(税・決算)と9月(中間決算)は強気の提示が出やすい。
モデルチェンジ発表前後は旧型の値崩れに注意。
発表前に動くのが基本。
– 根拠 業者は販促費をキャンペーンに投下し、月次・四半期KPIで仕入量を追うため。
「最低保証」は相場が低い個体で威力を発揮しますが、他の値引きが相殺されることもあるので総額で比較。
下取りが有利になりやすい例
– 相場が極端に弱い車(超過走行・年式相応で小売が難しい・事故歴あり)に対する「最低保証」や「乗換支援」。
– メーカー系ディーラーで同一ブランド乗換のロイヤリティ施策が厚いとき。
– 急ぎで手間を最小化したい(代車・納車までの乗り続け可、手続きワンストップ)。
– 根拠 下取りは新車粗利の中で調整できるため、特定の販促局面でユーザーに有利な「見せ方」が可能。
買取が有利になりやすい例
– 人気車・高年式・ワンオーナー・禁煙・低走行・整備記録完備で小売需要が強い個体。
– 輸出銘柄(ミニバン、SUV、ディーゼル、ハイブリッド等)で為替追い風。
– 希少グレード・限定車・MT・特定の人気色など、専門販路を持つ業者が争う場合。
– 根拠 業者オークション(USS、CAA、JU等)の相場上限を意識しつつ、自社小売・輸出ならオークション手数料・物流費を省ける分、上限が切り上がる。
注意しておきたい法・費用まわり
– 自動車税(種別割)は4/1時点の所有者に課税。
3月中の名義変更・抹消で翌年度の負担を避けられます。
廃車(抹消)なら月割還付あり。
リサイクル預託金は売却代金に上乗せされるのが通例。
– 車検を通しても買取額が大幅に上がることは稀。
未経過の自賠責・重量税相当は解体還付の仕組みが別で、通常の「乗れる中古車」売却では価格反映が限定的。
– ローン残債・所有権留保は事前に確認。
残債一括精算か、買取代金からの精算段取りを業者と詰める。
– 根拠 国内の税・登録制度、買取契約の一般実務。
数字イメージ(概念図)
– 業者オークション相場(落札予想価格) − 手数料・輸送・整備・在庫コスト − 利幅 ≒ 買取上限
– 下取りは「新車値引き+下取り額」の合算で調整可能。
見せ方が異なるだけで、支払総額での実質比較が必須。
よくある誤解と補足
– 「雨の日査定は傷が目立たず有利」は限定的。
プロは照明・手触りで把握します。
むしろ明るく乾いた環境のほうがトラブルが少ない。
– 「高額な社外ナビ・足回りはそのままで高く売れる」は多くの大衆車で誤り。
純正回帰が原則。
– 「車検を通せば高く売れる」より「残期間がそこそこあれば十分」。
車検費用ほどの上振れは出にくい。
さらに攻める選択肢(参考)
– 個人売買(フリマ・オークション)は理論上、最も高く売れる可能性がありますが、手続き・代金決済・クレーム/瑕疵対応のリスクが大きい。
時間と法的な備えが必要。
– 「委託販売」や「オークション代行」は高値期待と時間・手数料のバランス案。
根拠のまとめ(仕組みベース)
– 中古車の価格形成は、業者オークション相場(USS等)と自社小売・輸出の販売力が上限を決め、そこからコスト・利益を差し引いたものが買取提示の天井になります。
買取事業者は回転を重視するため、相場の強い個体には上限近い価格が出ます。
– ディーラー下取りは新車販売の粗利と合わせて「総額最適化」されるため、単体の下取り額は抑え、値引きで見せる(またはその逆)などの調整が起きます。
この構造上、価格を最大化したい場合は相見積もりと総額比較が合理的です。
– 決算期・在庫薄・為替などマクロ要因で「仕入れ意欲」が上下し、同じ個体でも提示が動きます。
時期選び・競争環境の設計が成果に直結します。
– 査定は「減点法」が基本(日本自動車査定協会等の基準運用が背景)。
整備記録・禁煙・修復歴なし・付属品完備といった「減点を減らす準備」が実効性の高い対策です。
修復歴の定義は骨格部位の修理で、バンパー交換など外装パネルは修復歴に当たりません。
実行チェックリスト(簡易)
– 付属品・書類を全て揃える(スペアキー、記録簿、純正品)。
– クリーニングと消臭。
小傷は軽く整える。
大修理はしない。
– 純正戻し。
余剰品は別売り検討。
– リコール対応・軽整備・警告灯消し。
– 3〜4社を同日査定、入札方式、最終ラウンドで即決カード。
– 契約の減額条項、名義変更期限、キャンセル条件を明記。
– ディーラーの下取りキャンペーンも同条件で総額比較。
– 税・ローン・所有権・リサイクル券の確認。
まとめ
– 「買取が高くなりやすい」のは構造的な傾向ですが、「下取り+値引き」の合算やキャンペーンで逆転は普通に起きます。
準備(減点を減らす)、相見積もり(競争を作る)、即決カードの使い方(上限を引き出す)、キャンペーンの読み解き(注記・併用可否)を押さえれば、多くのケースで数万〜数十万円規模の差を作れます。
最終判断は、金額だけでなく手間・時間・リスク許容度とのトレードオフで行ってください。
【要約】
ディーラー下取りは新車販売成立が目的。下取り額は新車値引きや販促施策と一体で調整され、名目が高くても総支払額は変わらないことがある。下取車は認定中古で再販またはオークションへ。手続き一括対応で利便性は高いが、評価は厳しめで事故歴・改造車は低く出やすい。時期によってサポート上乗せで強気になることも。ローン残債処理や名義変更、納車までの引取調整も任せられる。