メーカー保証の「継承」とは何で、中古車の購入・売却でなぜ重要なのか?
メーカー保証の「継承」とは、新車購入時に車に付いているメーカーの新車保証(一般保証・特別保証など)の権利を、所有者の変更後も残存期間・残存走行距離の範囲で引き続き使えるようにする正式な手続きのことです。
ポイントは「自動的には引き継がれないことが多く、正規ディーラーで所定の点検と名義変更登録を行う必要がある」という点です。
継承をしておけば、中古車の新しいオーナーもメーカー基準の無償修理サービスを受けられます。
なぜ中古車の購入・売却で重要か
1) 故障時の経済的リスクが大幅に下がる
– 一般保証(目安 3年/6万km程度)対象の電装品やスイッチ類、特別保証(目安 5年/10万km程度)対象のエンジン本体・トランスミッション・ステアリングなどの高額部位は修理費が大きくなりがちです。
継承済みならこれらが保証約款の範囲で無償修理となるため、購入後の思わぬ出費を抑えられます。
– ハイブリッドやEVの駆動用バッテリー・インバーター等にはメーカーごとに長期保証(例 5〜10年、10万〜16万kmなどの設定)のケースがあり、残存保証が有効だと高額な部品でも安心感が段違いです。
2) 「第三者チェック」を経ることで車両状態の信頼度が上がる
– 継承時にはメーカー指定の「保証継承点検」(法定点検相当+メーカー独自チェック)を正規ディーラーで受けます。
ここで重大な不具合やリコール未実施があれば整備・実施され、保証規定に適合する状態に整えられます。
結果として、購入側は見えにくいリスクを減らせます。
3) 価格形成への影響が大きい
– 販売側(買取店・中古車店)は仕入れ後に保証付販売や認定中古車化をしたいので、「すぐ保証継承できる個体」は再販が容易で評価が上がりやすいです。
特に新車登録から3年・5年の節目以前で残存保証が明確な車はプラス要因になります。
– 逆に、保証継承ができない(不正改造、重大事故による安全性不適合、保証失効の可能性が高いなど)車は、売却時にマイナス査定材料になりやすいです。
– 相場への具体的な上乗せ幅は車種・年式・市場状況で変動しますが、同条件であれば「保証継承済み・残存保証あり」は数万円規模で評価差が付くことが珍しくありません。
高額修理リスクが大きい車種(ターボ、高級輸入車、ハイブリッド/EV、エアサス装着車など)では差がさらに広がりやすい傾向です。
4) 交渉材料として強力
– 買う側は「保証継承費用込みで納車」を条件に交渉しやすく、売る側は「継承可能な状態であること」「保証残の明示」でアピールが可能です。
継承の具体的な手続きと必要書類
– 手続き先 当該メーカーの正規ディーラー(国産車・正規輸入車)
– 実施内容 メーカー所定の保証継承点検(目安1〜2時間)。
不具合やリコールがあれば整備・同時実施。
問題なければ保証書の名義を新オーナーに変更し、メーカー系の保証管理に登録。
– 必要書類 メンテナンスノート(保証書・点検整備記録簿)、車検証、本人確認書類。
場合によりリコール実施記録や前オーナーの整備記録が役立ちます。
– 費用 点検と事務手数料で数千円〜数万円程度が目安(車種・地域・ディーラーにより差あり)。
整備や部品交換が必要な場合は別途費用。
輸入車はもう少し高いことが多いです。
– 期間 点検自体は半日程度が多いですが、予約や追加整備で前後します。
– 注意点 初度登録日からの期間・走行距離で保証残は固定されます(継承で延長されるわけではありません)。
改造・事故・水没・過酷使用など約款で除外される原因があると、その部位は保証対象外になります。
購入時のチェックポイント
– 保証書の有無と内容 メンテナンスノート/保証書が揃っているか、保証開始日、一般保証・特別保証の残存期間/距離を確認。
– 継承の実施予定 納車前に販売店が継承してくれるか、費用負担は誰か、決めておく。
– 整備記録簿 定期点検やオイル交換履歴は、保証適用時の判断材料にもなります。
整備不良に起因する故障は約款上で対象外となることがあります。
– リコール・サービスキャンペーン 未実施がないか。
継承点検で同時に実施可能なことが多いです。
– 改造の有無 構造等変更や電装の後付けが保証に影響しないかディーラーに事前確認。
特に配線加工、サスペンションや排気系の変更は要注意。
– 並行輸入車 正規輸入ディーラーの保証継承対象外になることが多く、個別の保証制度になる場合があります。
売却時のコツ
– メンテナンスノート・保証書・記録簿を完備して提示。
これだけで査定の安心感が増します。
– 直近で正規ディーラー点検を受け、保証継承に支障がない状態にしておくと評価アップに繋がりやすいです(実際の継承名義変更は新オーナー側で行うのが原則ですが、「継承可能」の裏付けが重要)。
– 不正改造は純正戻しを検討。
リコールは先に実施。
これらは継承の可否や査定に直結します。
– 残存保証を明確にアピール。
例 「初度登録から2年半・走行3.5万km・一般保証残り6カ月/2.5万km・特別保証残り2年6カ月/6.5万km」など、具体的に示せると強いです。
「メーカー保証継承」と「販売店保証」の違い
– メーカー保証継承 メーカー基準の部品・工数で全国の正規ディーラー網で対応可能。
対象部位や免責が約款で明確。
– 販売店保証(中古車店独自) 期間・範囲は店舗規約次第。
全国対応や高額部位のカバーが弱い場合もあります。
両者は併用もあり得ますが、代替にはなりません。
よくある誤解の整理
– 継承は自動ではない 所有者変更後も自動継続するわけではなく、正規ディーラーでの点検と手続きが必要。
– 継承すれば保証期間が延びる?
いいえ。
新車時の起算からの残存分のみです。
– ディーラー整備でないと保証が無効?
義務ではありませんが、整備不良が原因の故障は約款により対象外になり得ます。
記録が残っていると安心です。
根拠について
– 国産主要メーカー(トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバル、スズキ、ダイハツなど)は、新車保証を「一般保証(目安3年/6万km)」と「特別保証(目安5年/10万km)」に区分し、所有者が変わっても所定の手続き(保証継承点検と登録)により残存期間・距離の範囲で保証継続が可能である旨を各社公式サイトや保証書の約款で明示しています。
これが継承制度の一次的な根拠です。
– 継承に先立つ「保証継承点検」を正規ディーラーで受ける必要があること、点検で不適合があれば整備後に継承されること、事故・改造・天災など約款の免責事由は継承後も適用されることも、各社の保証約款に記載されています。
– ハイブリッド/EVなどの高電圧系・駆動用バッテリー等については、一般・特別保証とは別建てまたは特別保証の一部として長期保証が設定されており(例として5〜10年、10万〜16万kmといったレンジ)、継承の対象となることが各メーカーの保証案内で示されています。
具体の年限・距離はメーカー・車種・年式で異なるため、該当車の保証書やメーカー公式ページでの確認が必要です。
– 中古車の広告・契約実務においては、自動車公正取引協議会の表示基準等で「保証の有無・内容の明示」が求められており、保証の付帯(または継承可否)が価格・訴求に影響する運用が業界で一般化しています。
これが価格形成上の重要性の背景にあります。
まとめ
– メーカー保証の継承は、新しいオーナーが新車時の保証を残存分そのまま使えるようにする正式手続きであり、正規ディーラーでの点検と登録が必須です。
– 中古車の購入では、継承済み(または納車前継承予定)であることが故障リスクの低減と車両の信頼性向上に直結します。
売却では、継承可能な状態・書類完備・リコール実施などが査定アップの材料となります。
– 特に高額修理に繋がる部位(エンジン・ミッション・ハイブリッド/EV系・エアサス・先進安全装置など)を抱える車種ほど、継承の有無は価格に与える影響が大きいです。
– 具体的な期間・対象部位・免責はメーカー・車種・年式で異なるため、保証書の約款とメーカー公式情報での確認、そして正規ディーラーでの事前相談をおすすめします。
実務の一歩目としては、気になる中古車について「保証書の現物確認」「残存保証の明記」「納車前の保証継承実施」を販売店に依頼し、費用負担と日程を事前合意するのが最も確実です。
売却側はメンテナンスノートの保管・直近点検の実施・不正改造の解消・リコール対応の完了で、継承ハードルを下げておくと良いでしょう。
保証継承の手続きはどこで行い、必要書類や費用・所要時間はどのくらいか?
以下は、自動車のメーカー保証(新車保証)の「保証継承」について、どこで・どうやって行うか、必要書類・費用・所要時間、そして根拠(参照先)をまとめた実務的なガイドです。
国産車・輸入車ともに概ね共通ですが、細部はメーカーや販売会社(ディーラー)、車種や車両状態で変わるため、最終的には該当メーカーの正規ディーラーへ事前確認・予約をしてください。
保証継承とは何か
– 新車購入時に付いているメーカーの新車保証(一般保証や特別保証)を、次のオーナーも引き続き使えるようにする手続きです。
– 中古車として次オーナーに渡る前後のタイミングで、メーカー(または正規販売会社)が定める点検・確認を受け、保証書の名義や保証の有効化登録を行います。
– 目的は「その時点でメーカー所定の状態を満たす車か」を確認し、保証対象部分を明確にしたうえで保証を後継オーナーに引き継ぐことです。
どこで手続きするか
– 原則 車のメーカー正規ディーラー(販売会社)のサービス工場(指定・認証工場)で行います。
たとえばトヨタ車はトヨタのディーラー、ホンダ車はホンダのディーラーという具合です。
– 輸入車は正規輸入元(ブランド正規ディーラー)で行います。
並行輸入車は対象外のことが多いので要確認。
– 中古車販売店で購入する場合 販売店が提携・同系列の正規ディーラーで「保証継承点検」をセットで手配してから納車するケースが多いです。
個人間売買や一般買取店に売る場合は、次のオーナー側または販売店側が後日ディーラーで実施するのが一般的です。
いつ行うか(期限の考え方)
– メーカー新車保証が残っている期間内であることが大前提です。
国産乗用車の目安は、一般保証が新車登録から3年または走行6万kmまで、特別保証が5年または10万kmまで(多くのメーカーで共通の基準)。
軽商用・HV/PHV・EV・バッテリー等は別枠の期間設定がある場合があります。
– 名義変更(譲渡)後できる限り速やかに実施するのが通例です。
売却前に現オーナーが済ませておく必要は必ずしもありませんが、点検・是正が完了している車はその後の手続きがスムーズで、販売面・買取面で有利に働くことが多いです。
必要書類・持ち物
– 自動車検査証(車検証) 現車と一致していることが必須。
– メンテナンスノート(保証書を兼ねる冊子)または保証書 新車時に付属。
点検・整備記録欄があれば持参。
紛失時はディーラーで再発行やメーカー照会が可能な場合あり(本人確認書類が必要、再発行不可や時間・費用がかかる場合も)。
– 定期点検整備記録簿(過去の点検・車検記録) あれば提示。
メンテ履歴の確認に用いられます。
– オーナー本人確認書類 運転免許証など。
代行時は委任状が必要な場合あり。
– 車両キー一式 イモビ・スマートキーは本数も確認されることがあります。
– リコール・サービスキャンペーン通知等 未実施のものがあれば合わせて実施します(リコール対応自体は無償)。
– そのほか 取扱説明書、スペアタイヤ・車載工具、純正ナビやオーディオのコードカード等があると確認がスムーズです。
– 名義変更書類そのもの(譲渡書等)は通常不要ですが、購入直後で名義変更と同時進行の場合、販売店・ディーラー間で必要書類のやり取りが発生します。
手続きの流れ(標準的なケース)
– 予約 メーカー正規ディーラーのサービス窓口に「保証継承点検をお願いしたい」と予約。
車種・年式・走行距離・改造有無・保証残を伝えます。
– 事前確認 リコールやサービスキャンペーン未実施があれば同時に実施する段取りを組みます。
– 入庫・点検 保証継承に必要な点検を実施。
多くのメーカーでは法定12カ月点検相当の項目+保証上重要な部位の確認となります。
診断機によるECUエラー確認、漏れ・ガタ・異音、作動確認、消耗品の状態等をチェック。
– 是正・交換 保証継承条件を満たすために必要な整備・消耗品交換があれば見積りのうえ実施。
保証対象外の消耗品(ブレーキパッド、ワイパー、バッテリー、油脂類など)は有償です。
リコールは無償。
– 登録・証明 問題なければ保証書の継承欄に記入・押印、メーカーシステムへ登録。
点検整備記録簿に記載され、明細書・領収書が発行されます。
費用の目安(内訳と幅)
– 基本点検料 目安で1〜3万円台が多く、車種・地域・ディーラーごとに設定。
輸入車や高級車はもう少し高めのことがあります。
– 消耗品・整備費 状態次第。
ワイパーゴム・オイル・ブレーキフルード等の交換や、球切れ・バッテリー弱りなど是正が必要なら数千〜数万円追加。
タイヤやブレーキ周りの摩耗が大きいとさらに増えることも。
– 代行・事務手数料 中古車販売店が手配する場合、数千円〜1万円前後の手数料が計上されることがあります。
納車整備費用に内包されるケースも。
– リコール対応 無償。
– 重要な注意点 ディーラーが「保証継承点検」を無料キャンペーンで実施する時期もありますが恒常的ではありません。
費用は必ず見積りで確認してください。
所要時間の目安
– 点検作業 おおむね1.5〜3時間程度。
同時に法定12カ月点検を兼ねるともう少しかかる場合あり。
– 当日完了の可否 消耗品交換程度なら当日完了が一般的。
部品取り寄せやリコール作業が多い場合、半日〜1日、長いと数日。
– 予約〜実施まで 繁忙期(決算月・連休前後)は予約が先に埋まりやすく、実施まで1週間以上待つこともあります。
保証継承ができない・断られる主なケース
– 保証期間がすでに満了、または走行距離条件を超過。
– メーカー純正の安全性や耐久性を損なう改造(ECU書き換え、車高・排気系の保安基準不適合、構造等変更未申請など)。
車検に適合していても、保証範囲に制限がかかる場合があります。
– 事故や水没などで保証対象部位に重大な損傷歴がある場合。
– リコール未実施や必要是正に同意いただけない場合。
– メンテナンスノート紛失・履歴不明で、メーカー側の確認ができない場合(多くは対応可能ですが時間がかかります)。
買取価格(査定)との関係
– 保証継承が可能な車は再販時の「商品力」が上がるため、一般に査定で好材料です。
特に年式が新しく、メーカー保証が十分残っている車はプラス評価になりやすいです。
– 逆に、保証継承に必要な整備コスト(消耗品劣化、リコール未実施等)を買取店が見込む必要があると、その分は査定から差し引かれる傾向があります。
– 売却前にディーラー点検を受け、リコールや軽微な消耗品を解消して「保証継承がスムーズな状態」にしておくと、交渉で有利に働くことが多いです。
明細・記録を残し、提出できるようにしておくと効果的です。
実務のコツ・よくある質問
– どのディーラーでもできる?
基本的に全国どの同一メーカー正規ディーラーでも可能。
地域をまたいでも大丈夫です。
– 先に名義変更が必要?
保証継承自体は車両の状態確認が中心なので、名義変更前でも実施自体は可能な場合がありますが、保証書への記載は最終的に現オーナー情報が必要になります。
販売店経由なら段取りを組んでくれます。
– 保守履歴がバラバラ メンテ履歴が一部欠けていても直ちに不可ではありません。
現状点検で基準を満たせば継承可能。
過去の記録が多いほどスムーズです。
– 延長保証や中古車独自保証との関係 メーカーの新車保証とは別物。
延長保証(メーカーの延長プラン)が付帯している場合は、継承可否・追加手続きの要否がプランごとに異なります。
中古車販売店独自の保証は販売店の規約に従います。
根拠・参照先(代表的な公式情報)
以下の公式ページ群で、新車保証の基本枠(一般保証3年/6万km、特別保証5年/10万kmが国産乗用車の標準的目安)、保証対象外、保証の引継ぎ(保証継承)と点検の必要性、実施窓口が正規ディーラーであること等が確認できます。
具体の記載・表現は各社で異なるため、対象メーカーのページを直接ご確認ください。
– トヨタ アフターサービス 保証制度
https://toyota.jp/afterservice/maintenance/warranty/
– 日産 保証について
https://www.nissan.co.jp/OWNER/CARCARE/WARRANTY/
– ホンダ 四輪製品 保証
https://www.honda.co.jp/auto-owners/warranty/
– マツダ 保証
https://www.mazda.co.jp/support/warranty/
– スバル 保証制度
https://www.subaru.jp/afterservice/guarantee/
– スズキ アフターサービス 保証
https://www.suzuki.co.jp/car/aftersales/warranty/
– ダイハツ 保証
https://www.daihatsu.co.jp/service/warranty/
– 三菱自動車 保証
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/support/maintenance/warranty/
– リコール情報(国交省ポータル)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/carrecall.html
参考横断サイト(消費者庁/国交省)
https://www.recalls.go.jp/
補足(根拠の読み方)
– 各社の「保証制度」「新車保証」ページには、保証期間・対象・対象外、保証の引継ぎ(中古車における保証の継承)や、そのための「所定点検」や「正規販売店での手続き」が示されています。
たとえば「保証を継承するには正規販売店で点検(保証継承点検)を受けてください」「点検の結果、必要な整備を実施してから保証が引き継がれます」といった趣旨の説明が見つかります。
– 法定点検との関係は道路運送車両法に基づく12カ月点検等が別に存在し、保証継承に際してはこれに準ずる点検項目で実施されるのが一般的です。
費用はメーカー一律ではなく各ディーラーが設定するため、見積りが公式な根拠となります。
– リコールは法制度に基づき無償対応であり、保証継承の前提として未実施リコールの解消を求められるのが通常です(上記リコール情報サイトで該当有無を検索可能)。
まとめ(要点)
– 実施場所 必ず同一メーカーの正規ディーラー(輸入車は正規輸入元ディーラー)。
– 必要書類 車検証、保証書(メンテナンスノート)、整備記録、本人確認書類、キー等。
紛失は早めに相談。
– 費用 点検基本料は概ね1〜3万円台+必要な消耗品・是正費。
リコールは無償。
代行手数料が乗る場合あり。
– 時間 作業1.5〜3時間が目安。
部品待ちや繁忙期で数日も。
予約推奨。
– 査定への影響 保証継承可能・スムーズな車は再販性が高くプラス評価になりやすい。
未実施リコールや劣化放置はマイナスに作用。
– まずは対象メーカーの正規ディーラーへ予約し、車台番号・走行距離・保証残を伝えて所要費用と必要書類を確認するのが最短経路です。
ご希望があれば、車種・年式・走行距離・メーカー名をお知らせいただければ、より具体的な費用目安や必要項目(延長保証やHVバッテリー等の特記事項を含む)に絞ってお伝えします。
継承できる条件や期限は?点検記録や走行距離の不足があるとどうなるのか?
以下は、日本国内の自動車を前提にした「メーカー保証の継承(保証継承)」の条件・期限、点検記録や走行距離に不備がある場合の扱い、そして買取価格への影響を体系的にまとめたものです。
最後に、根拠(条項の考え方や参照すべき情報源)も示します。
1) まず前提 メーカー保証と保証継承の基本
– 新車保証の一般像
– 多くの国内メーカーで「一般保証(消耗品を除く電装・内外装等)=新車登録から3年または6万kmのいずれか早い方」「特別保証(エンジン・動力伝達・安全装置などの基幹部品)=5年または10万kmのいずれか早い方」という構成が一般的です。
実際の期間・対象はメーカー・車種で異なります。
– 保証継承とは
– 新車保証の残存期間・残存距離がある中古車を、次のオーナーが正規ディーラーで所定の点検(保証継承点検)を受け、保証書の名義変更登録を行うことで、メーカー保証を引き継ぐ手続きです。
– 中古車販売店の独自保証(期間短い簡易保証)とは別物です。
メーカー保証は全国の正規ディーラーで対応が可能で、中古車の価値に直結します。
2) 保証継承の主な条件
– 保証期間・走行距離内であること
– 継承時点で新車保証の期限と距離上限を超えていないことが大前提です。
期限は最初の登録(初度登録・新車登録)日から起算し、所有者の変更で延長・停止されることはありません。
– 正規ディーラーでの「保証継承点検」の受検
– メーカーの点検要領に沿った有償点検です。
故障診断機でのチェック、ブレーキ・下回り・油脂類等の確認、必要なアップデートやサービスキャンペーン・リコールの実施などを含みます。
– 重大な改造・不正がないこと
– 競技使用、指定外の改造(保安基準不適合、不正改造)、事故・災害による大きな損傷を適切に修復していない場合などは、保証適用除外あるいは継承不可の判断になり得ます。
– 適切な保守管理がされていること
– 取扱説明書・メンテナンスノート記載の点検整備(法定12カ月点検等を含む)を怠ったことが原因と考えられる不具合は保証対象外になるのが一般条項です。
継承自体は点検を受ければ可能なことが多いですが、過去の整備不履行が原因の故障は対象外になり得ます。
– リコール・サービスキャンペーン未実施の解消
– 未実施がある場合は、継承点検の過程で無償実施されます。
これが完了しないと継承登録が進まないことがあります。
3) 手続きの流れと必要書類・費用
– 事前準備
– メーカー保証書(保証書兼点検整備記録簿、メンテナンスノート)
– 自動車検査証(車検証)
– リコール作業実施記録(あれば)
– 前オーナーの点検整備記録簿(抜けがあっても可。
あるほどスムーズ)
– 手順
– 正規ディーラーに「保証継承点検」を予約
– 点検実施(1~2時間程度が目安。
追加整備が出ると半日~)
– 必要な整備・更新(油脂・消耗品は有償、リコールは無償)
– メーカーシステム上の保証名義・車両情報更新、保証書に記載・押印
– 費用と日数感
– 点検料は目安で1~3万円台+必要部品・油脂代。
ブランドや車種、地域で差があります。
リコール対応は無償。
– その日のうちに継承完了するケースが多いですが、部品待ちや追加整備が出ると数日かかることがあります。
4) 期限・タイミングについて
– 法的な「継承の期限」は明記されないことが多いものの、保証の残存期間内に実施する必要があります。
実務上はオーナー変更後できるだけ早く(購入後すぐ、遅くとも数週間以内)に予約・実施すると、万一の故障にも間が空かず安心です。
– 中古車販売店経由で購入する場合、店舗によっては「納車前に先方が継承点検を済ませてから引き渡し」または「納車後に購入者自身が最寄りディーラーで実施」のどちらかになります。
後者の場合は、納車時にもらう書類の抜けがないか確認が重要です。
5) 点検記録や走行距離に不備がある場合の扱い
– 点検記録簿の欠落・不足がある場合
– 一部の期間の記録が欠けていても、現時点での継承点検をパスすれば継承自体は可能なことが多いです。
– ただし「適切な点検整備を怠ったことが原因」の不具合は保証対象外となるのが通例です。
例えば、オイル交換推奨を大幅に超えての使用が明らかなエンジン内部損傷などは、継承後でも対象外判断になり得ます。
– ディーラーは記録が薄い車両ほど、現状点検を厳密に行い、必要な予防整備の提案(有償)をする傾向があります。
これに応じておくと将来の保証申請がスムーズです。
– 記録簿が全くない場合
– 保証書そのものが無いと、継承登録の可否はメーカーのシステム照会とディーラーの裁量に依存します。
保証情報がオンラインで引けるブランドでは保証の存在確認が可能な一方、証憑がないと本人確認・車両同一性確認に時間がかかることがあります。
– 継承点検をパスしても、前述同様「整備不履行が原因の不具合」は対象外扱いになりやすい点に注意。
– 走行距離に関する不備・不明・疑義
– メーター交換歴がある場合 交換時の走行距離証明が残っていれば、累計走行距離として取り扱い、上限距離内なら継承可能です。
証明がないと「走行不明」扱いになり、継承を断られる、または保証申請時に厳格審査となることがあります。
– 走行距離改ざんが疑われる場合 メーカー保証規程では不正・改ざんは適用除外の代表例です。
ディーラーが継承手続き自体を拒否する、あるいは保証の適用に強い制限が掛かる可能性が高いです。
– 上限距離の解釈 保証は「年数」か「走行距離」の早い方で終了します。
距離が上限を超えていれば、年数内でも保証は終了しており継承はできません。
– リコール未実施の放置
– リコールは無償ですぐに実施されますが、継承点検と同時に解消するのが原則です。
未実施のままでは継承登録が保留になることがあります。
6) 継承できない・制限されやすい主な例
– サーキット走行・競技使用、定められた使用条件を大きく逸脱
– 不正改造・保安基準不適合、認証外部品の使用が原因の不具合
– 災害(冠水・火災)や重大事故歴が適切に修復されていない
– オーナーの故意・重過失、整備指示無視による故障
– グレイ輸入・並行輸入車で国内正規ネットワークの保証対象外
– 営業用・特殊用途など、メーカーが保証対象外として定める使用形態(該当する場合)
7) 買取価格への影響
– プラスに働く要素
– メーカー保証が「継承済み(もしくは継承可能)」で、かつ残期間・残距離が十分にある車は、再販性が高く評価が上がります。
特に登録後3~5年以内の車、電装が複雑な輸入車や高年式のEV/PHVでは影響が大きい傾向。
– 点検整備記録簿が完備、リコール完全実施、故障歴なしといった「保証申請リスクの低さ」は査定で加点されます。
– マイナス要素と目安感
– 保証継承に必要な書類欠落や記録不足がある場合、買取側は「継承コスト」「申請却下リスク」を見込んで減額します。
実務上、数万円規模の差(例 3~10万円程度)が生じることは珍しくありません。
高額車や保証価値の高い車種ではそれ以上の差も。
– 走行距離不明・改ざん疑義は、大幅減額か買取不可(オークション評価が大きく下がる)になることがあります。
– 保証残が僅少(残り数カ月・距離も上限間近)の場合、継承メリットが小さく、価格への寄与も限定的です。
– 売却前の実務的アドバイス
– 可能なら先に正規ディーラーで保証継承点検を済ませ、保証書に継承記録を残す。
少なくとも「保証継承が可能で、見積もり・予約済み」であることを示せると査定にプラス。
– 点検記録やメーター交換証明は一か所にまとめ、提示できる状態に。
リコールは先に実施しておく。
– 車両の改造は、純正に戻せるものは戻し、戻せない改造は正直に申告し、保証上の影響をディーラーに事前確認しておく。
8) よくある誤解の整理
– 車検が残っていれば保証も残っている?
→ 別物です。
保証は年数・距離で判定され、車検の有無とは無関係。
– 前オーナーが法定点検を受けていないと継承不可?
→ 多くのケースで「現時点の継承点検をパスすれば継承自体は可能」。
ただし過去の不履行が原因の故障は対象外になり得る点に注意。
– 継承は無料?
→ 点検は基本有償(リコールは無償)。
費用は販売店や車種により幅があります。
9) 根拠・参照すべき情報源の考え方
– メーカー新車保証書・保証規程
– 各社の保証書には「保証期間(年数・距離)」「対象部品の範囲(一般保証・特別保証等)」「保証適用除外事由(不正改造、競技使用、整備不良起因など)」「所有者変更時の取り扱い(保証の継承と手続き)」が明記されています。
保証継承点検の必要性や、点検整備を怠ったことに起因する不具合が対象外である旨が記載されるのが通例です。
– 具体的には、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバル、スズキ、ダイハツなど各社の「新車保証制度」「保証書」の一般条項に準じます。
輸入車(メルセデス・BMW・VWなど)も同様に、保証移転の条件や点検要件を定めています。
– ディーラーでの保証継承点検要領
– 正規ディーラーが用いるメーカー指定の点検チェックリスト・診断プロセスがあり、これをクリアしてシステム登録されることで継承が成立します。
未実施のリコール/サービスキャンペーンの解消も同時に進みます。
– 道路運送車両法に基づく点検整備の義務
– ユーザーには定期点検(法定12カ月点検など)を実施する義務があります。
メーカー保証規程は、取扱説明書や点検整備基準に沿わない使用・整備不履行に起因する不具合を適用除外とする運用が一般的で、これが「記録簿不足がある場合の扱い」に影響します。
– 走行距離の表示・改ざんに関する業界基準
– 中古車の公正な表示に関しては、自動車公正取引協議会(自公協)の表示基準が広く参照され、走行距離計の改ざんや走行不明の扱いは厳格です。
改ざん疑義がある車はオークション評価や流通で大きく不利になり、結果的に買取価格が下がる根拠になります。
– リコール制度
– リコールはメーカーの無償修理義務であり、未実施がある車両は速やかに実施されます。
保証継承点検で未実施が判明すれば、まずこれを解消することが前提となります。
10) まとめと実務ポイント
– 継承の可否は「保証の残存(年数・距離)」「継承点検の実施」「改造・不正の有無」「整備不履行起因の不具合がないか」で決まるのが基本。
– 記録簿不足があっても、現時点の点検をパスすれば継承自体は可能なことが多いが、原因が整備不履行にある故障は対象外になり得る。
– 走行距離不明・改ざん疑義は継承・価格ともに致命的なマイナス。
メーター交換は証明書類を必ず保管・提示。
– 買取価格は「継承済み・継承可能・記録完備・リコール済」が強い。
数万円~十数万円規模の差になることもあり、売却前に継承を済ませておくのが得策。
– 具体的条件・費用はメーカー・車種・地域で異なるため、最寄り正規ディーラーで「車台番号」と「保証書」を提示して確認するのが最短・確実です。
もし該当車のメーカー・初度登録年月・現在走行距離・手元にある書類(保証書・記録簿の有無、メーター交換歴など)を教えていただければ、その情報に即した継承可否の見立てと、買取での有利な進め方をさらに具体化してお伝えできます。
保証を継承しているかどうかで買取価格はどの程度変わり、査定でどう評価されるのか?
以下は、中古市場での「メーカー保証の継承(引き継ぎ)」が買取価格にどの程度影響するか、査定現場でどう評価されるか、そしてその根拠についての詳説です。
ジャンルごとの目安や、手続きの実務、費用対効果の考え方までまとめています。
1) なぜ保証継承が買取価格を押し上げるのか
– 期待損失の低減 買い手(次のユーザー)が保証で修理費を回避できる期間が残っていれば、潜在的な修理コスト分だけ「安心料」として価格が上がります。
査定側は統計的な故障率と修理費のレンジを見て、残存保証期間に応じたリスク低減分を上乗せします。
– 流通チャネルの拡大 保証が残っていれば「保証付き」として販売でき、購入検討層が増え、回転も速くなります。
買取店は回転の速さ(在庫リスク低下)を価格に反映します。
– 品質証明・真正性の担保 保証書・カード・記録簿の存在は、並行品・改造・不正品のリスクを下げ、真贋や整備状態の証左になります。
特に高単価品(車・高級時計・カメラ)では顕著です。
– 付随コストの差し引き 継承に検査や名義変更費が要る場合、買取側がその費用を見込み、すでに継承済みならその分の減額を避けられます。
2) 査定現場での評価ポイント(共通)
– 保証の種別と残期間 メーカー純正か、販売店延長か、第三者保証か。
残り何カ月か。
高額修理をカバーする範囲(例 車の特別保証、時計のムーブメント、PCのロジックボード等)が残るか。
– 継承の可否と条件 メーカー規約上、名義変更が必要か自動移転か。
購入証明(レシート・インボイス)や保証カード、シリアル照合の有無。
– 継承コスト 継承点検や名義変更手数料、未実施リコールの是正費用など。
買取店が後で負担するなら、その想定コストを差し引く。
– 付属品の完備度 保証書・保証カード・箱・取説・記録簿が揃うか。
欠品は転売単価と販売スピードを下げ、減額要素。
– 状態と整備履歴 改造、非正規修理、過走行(車)、防水性能喪失(時計)、水没履歴(スマホ)など、保証の適用外事由があると継承価値は毀損します。
3) 分野別の価格差イメージと根拠
以下は国内中古マーケットでの実務的な観測に基づく、おおよそのレンジです。
モデルや相場、時期で大きく変動するため、目安として捉えてください。
自動車(新車保証継承)
概要 国産車は新車登録から一般保証3年/特別保証5年が一般的。
中古で次オーナーに引き継ぐには正規ディーラーで保証継承点検を受け、保証書に継承記録を残します(点検費目安1~2万円台、ブランドにより相違)。
価格影響 保証継承済み(記録簿・保証書完備)だと、同条件の非継承車より数万円~最大10万円超の上振れが見られることがあります。
特に登録3年以内・走行少・人気グレードでは顕著。
プレミアムブランドや電動化車(修理費が高額になりがち)では上振れ幅がさらに大きくなるケースも。
根拠 業者オークションで「保証書/記録簿あり」「保証継承可/済」は評価項目として扱われ、店頭では「保証付き」の見出しで販売回転が早く、仕入れ上限を押し上げる要因になります。
また、未継承だと買取側が継承点検費用・未実施リコール是正の手間を見込み、差し引くのが通例です。
スマホ/PC/タブレット
概要 メーカー1年保証がシリアルで管理されることが多く、AppleCare+等の延長保証は名義変更手続きにより移転可能(支払形態や国・時期の条件に依存するため要確認)。
価格影響 残保証のみで+1,000~10,000円程度、延長保証(AppleCare+等)残があると、機種・残月数に応じて+5,000~20,000円前後のプレミアムがつくことが多いです。
高額修理(画面/基板)の回避期待が価格に織り込まれます。
根拠 リユース店の査定表では「保証残〇か月」「AppleCare有無」が加点項目。
フリマ相場でも同型・同コンディションで保証残ありが数千円~1万円以上高い落札が散見されます。
高級時計
概要 メーカー国際保証(例 ロレックス/オメガ等は5年)が保証カードで証明され、カードがあれば所有者が変わっても適用されるのが一般的。
正規カード欠品は真贋・並行差・防水/ムーブメントの安心感低下に直結。
価格影響 保証カード完備・保証残ありで、同一モデルでも5~15%程度の上振れがみられることが多く、人気モデルではカード欠品が二桁%の減額要因になります。
保証が切れていても「付属完備」は評価加点です。
根拠 国内大手中古時計店は「箱/保証書完備」を強く評価し、販売価格・買取価格テーブルでも付属有無で差を設けています。
高額修理(OH、パーツ交換)回避の期待が価格に反映。
カメラ/レンズ
概要 メーカー1年保証がカードやレシートで確認。
名義縛りが弱い場合が多く、実質的に次所有者も利用可能なケースが一般的。
価格影響 保証残ありで+3,000~15,000円程度。
特に高額レンズやボディではセンサー/AF/手ぶれ補正等の高額修理を回避できるためプレミアムがつきやすい。
根拠 大手中古カメラ店の査定項目に「保証残」が明記され、販売ページでも保証残ありの在庫が先に売れやすい動きが観測されます。
生活家電
概要 冷蔵庫・洗濯機・テレビ等。
メーカー保証1年、量販店の長期保証は会員や購入者本人限定で非譲渡が多い。
価格影響 メーカー保証が残っていれば数千円程度の上振れ余地。
量販店延長保証は譲渡不可が多く、買取評価には基本的に乗りません。
根拠 販売店規約上の非譲渡条項、そして中古家電は運搬・設置の手間が支配的で、保証の相対的価値が小さいため。
4) 保証継承の手続きと実務のコツ
– 自動車の保証継承手順
1. 正規ディーラーで「保証継承点検」を予約
2. 車検証・保証書・点検記録簿を持参
3. メーカー指定の点検を受け、未実施リコールがあれば是正
4. 保証書へ継承の記録(スタンプ等)を受ける
費用は車種・ブランドで差があり、1~2万円台が目安。
売却前に済ませておくと、買取店側の手間・費用控除がなくなる分、結果的に有利に働きやすいです。
スマホ/PC
保証カード/購入証明を保管。
AppleCare+は公式手順に従い名義・連絡先の更新を行う(支払形態によって可否が異なるため最新規約確認)。
シリアルで自動認識される場合は、査定時に残期間が確認できるようにしておく。
時計
正規保証カード・箱・付属を完備。
磁気帯びや防水不良があると保証の適用可否に影響するため、状態の自己申告も正直に。
並行輸入でもメーカー国際保証が正規発行であれば評価は落ちにくいが、カード欠品は大幅減額リスク。
カメラ/レンズ
保証書とレシート原本/コピー。
購入店名が明記されていると確認がスムーズ。
オンライン購入でも注文履歴の提示で代替可能な場合あり。
5) ROI(費用対効果)の考え方
– シンプルな目安式
保証プレミアム ≈ 期待修理費(残期間)と第三者保証の調達コストの低い方 − 継承に要する費用/手間
例 車で残2年、平均的な故障・是正の期待値が年2~3万円相当、継承点検が1.5万円なら、純粋な期待値で3.5~4.5万円の上振れ余地。
実際には市場の需給やモデルの信頼性で上下します。
残期間が長いほど有利
同じ手続費用なら、残期間が長いほど単位期間当たりの安心価値が高まり、買取側の上乗せが大きくなります。
高額修理リスクの高い品ほど有利
EV/ハイブリッドの駆動系、薄型ノートの基板、ハイエンド時計のムーブメント、大口径レンズの補正機構など、修理単価が高い領域は保証の経済価値が大きいです。
6) 逆に、継承が効きにくい/評価されにくいケース
– 規約上、保証が譲渡不可(量販店の延長保証、会員限定保証)
– 改造・非正規修理・水没等で保証適用外が明白
– 保証書・カード・レシートの欠品(真贋・来歴の不透明化)
– 低単価・旧年式で、保証の相対価値が小さい場合
– 並行輸入で国内正規の保証が受けられない/制限がある場合
7) 根拠の整理(理論+実務観測)
– 経済的根拠 保証は将来の修理費リスクをメーカーに移転する制度。
中古の理論価格は「無保証時の価格+保証がもたらす期待値(回避できる修理費)− 継承/手続き費用」。
リスク回避志向の強い消費者層を取り込めることで需要曲線が右にシフトし、同一在庫の限界収益が上がるため、買取上限も上がります。
– 実務的根拠 オークション票/査定票では「保証」「記録簿」「付属完備」が独立の評価項目として存在し、店頭でも「保証付き」は回転率の向上に直結。
フリマ・ヤフオク等の相場観測でも、同モデル・同コンディションで保証残のある出品が一貫して高値/早期落札になりやすい傾向が見られます。
8) 実践アドバイス
– 先に継承を済ませるか、買取店に任せるかの判断
継承費用が明確で、残期間が十分なら先に済ませる方が有利になりやすい。
査定時に見積根拠を提示でき、交渉材料になります。
– 比較対象の作り方
同一モデル・年式・状態で「保証あり/なし」の成約実績(相見積もり・過去販売ページ)を2~3件用意すると、査定員の裁量幅が狭まり、保証価値が反映されやすい。
– 付属の管理
保証書・カード・レシートの紛失は最大の機会損失。
箱・付属一式の保管はコストゼロで高い効果が出ます。
9) ざっくりとした金額レンジまとめ(再掲)
– 自動車 +数万円~最大10万円超(条件により)
– スマホ/PC 残保証で+1,000~10,000円、延長保証で+5,000~20,000円程度
– 高級時計 付属・保証カード有無で5~15%程度の差が生じることが多い
– カメラ/レンズ +3,000~15,000円程度
– 生活家電 +数千円程度(延長保証の多くは非譲渡で無評価)
最後に
具体的な上乗せ幅は、個別のモデル、時期の相場、保証の残期間、状態、付属完備度で大きく振れます。
可能なら売却予定ジャンルで、保証あり/なしの成約相場を直近3カ月分ほど横並びで比較し、継承費用との差額を見て意思決定すると良いでしょう。
一般に「高額・高修理費・需要の強い商品」で「残保証が十分」かつ「継承コストが小さい」ほど、買取価格への寄与は大きくなります。
高く売るために今すぐできる保証継承・メンテ履歴の整え方と注意点は何か?
高く売るための「メーカー保証の継承」と「メンテ履歴の整え方」は、中古車市場での評価をダイレクトに押し上げる“効く手段”です。
理由は、再販側(買取店・販売店)が「保証付き」「記録簿あり」「ワンオーナー・整備履歴明確」として安心を売れるから。
以下、今すぐできる実務の手順と注意点、そしてそれが価格に効く根拠を詳しく解説します。
なぜ価格が上がるのか(短い理由)
– 再販時の売り文句が増えるから 保証付き/記録簿あり/ワンオーナーは検索でも目立ち、来店・成約率が上がる。
– リスクを数値化して下げられるから リコール未実施、故障リスク、前オーナーの扱い不明は再販側のコストとリスク。
保証継承と履歴整理で“不確実性”が減り、査定の安全マージンが縮む。
– 流通チャネルが広がるから 認定中古や大手販売網は保証と履歴の要件があり、条件を満たす車は高値で回しやすい。
今すぐできる保証継承の実務(ステップ順)
1) 保証残・期限の確認(最優先)
– 一般保証(多くの国産で3年/6万km前後)、特別保証(5年/10万km前後。
動力系・安全系)、輸入車は3〜5年の設定が主流。
実際の条件はメーカー・年式で異なるため、保証書と正規ディーラーで確認。
– 継承は“保証有効期間内”に限るのが原則。
期限が迫っているなら、即予約。
2) 必要書類の収集
– メーカー保証書(保証書/メンテナンスノート)
– 車検証、自賠責、点検整備記録簿(紙/電子)、取扱説明書
– オーナー確認書類(身分証・認印)
– リコール・サービスキャンペーンの実施状況(ディーラーにて照会可)
– 可能ならスペアキー、ナビ/ETCのコードカード・SD・セキュリティカード
3) 正規ディーラーで「保証継承点検」を受ける
– 実務は法定12ヶ月点検相当+リコール/サービスキャンペーン実施+保証条件確認。
– 点検後、保証書への継承記録(ディーラー印・日付)とシステム登録が行われる。
– 費用目安 1〜3万円台+必要な部品交換費(車種・地域で差)。
輸入車や高級車は上振れしやすい。
4) リコール・消耗品の対応方針
– リコール/サービスキャンペーンは“必ず実施”。
未実施は査定で嫌われ、流通制限がかかる場合あり。
– 消耗品(バッテリー、タイヤ、ブレーキ、ワイパー、エアコンフィルター等)は、安全・始動性・異音/振動に直結するものを優先。
費用対効果をディーラー/独立系整備工場で相見積りし、回収見込みが薄い重整備は無理にやらない。
5) 証跡を整える(“見える化”)
– 保証継承完了の記録(保証書の押印ページ・整備明細)をクリアファイルに保存。
– 実施した整備の請求書・明細(部品名・走行距離・実施日)を走行距離順に並べる。
– ハイブリッド/EVは高電圧バッテリー診断レポートやSOH等が出せる場合は印刷して同封。
6) 延長保証の検討(費用対効果)
– 一部メーカーは新車時・1年点検・初回車検時などに延長保証へ加入可能。
譲渡可否や加入期限はメーカーごとに異なる。
– 残期間が長い高年式・高額車種・輸入車では訴求力が高く、買取側の評価が上がりやすい。
低価格帯や短期残では無理に入らなくてよい。
メンテ履歴の整え方(信頼を設計する)
– 紙の点検整備記録簿が全て揃っていない場合
– 正規ディーラーや整備工場で「整備履歴の発行(過去明細の再印刷)」を依頼。
電子整備記録がある場合は出力してもらう。
– オイル交換・タイヤ・バッテリー・ブレーキ等のレシートも補助資料として有効(店舗名・日付・走行距離が分かるとベター)。
– 事故・板金歴の扱い
– 交換部品・修理部位の明細があれば保管。
骨格(フレーム・ピラー・クロスメンバー等)無交換・無修正が明確なら、「修復歴なし」の判断に寄与。
隠すより資料で説明できる方が減点を最小化できる。
– 付属品を揃える
– 取扱説明書、保証書、点検記録簿、スペアキー、ナビ/ETCの媒体・セキュリティカード、ジャッキ/工具、ホイールナット、牽引フック。
欠品は減点対象になりやすい。
– 外装・内装の“履歴”の整え
– ルームクリーニングの領収書、消臭・除菌施工、コーティング施工証明。
禁煙・ペット無の証跡があれば添付。
– 社外パーツ・コーディング
– 取付・戻しの履歴を明確化。
純正戻しが可能なら純正パーツを同梱。
セキュリティや車検適合に関わる改造は戻しておく。
費用対効果(ROI)の考え方
– 高年式・走行少・人気車種・輸入車ほど「保証継承」「履歴明確」のプレミアムが効きやすい。
– 低価格帯や車齢が進んだ車、保証残が極小の場合は、重整備や有償延長保証は回収が難しいことが多い。
最低限の安全項目+リコール実施+清潔感に絞る。
– 車検を通してから売るかはケースバイケース。
車検2年付きは訴求力が上がるが、車検費用>上乗せ額となることも。
相見積り時に「このまま/車検取得後」で査定差を聞くと判断しやすい。
注意点(やりがちなミス回避)
– 偽装・改ざんは厳禁 走行距離・記録簿・修復歴の虚偽申告は契約解除・損害賠償のリスク。
査定会社のチェックを前提に、正直に資料で説明。
– 個人情報の取り扱い 整備明細の住所・電話は売却時にマスキング可。
ただし車台番号・走行距離・実施日は残す。
– 保証継承の条件確認 並行輸入車、改造内容、記録不備で継承不可のことがある。
事前に正規ディーラーで可否と必要作業を確認。
– テレマティクス/アカウント コネクティッドサービス、ナビID、ETCセットアップ、ドラレコクラウド等は初期化・譲渡手続き。
防犯上の観点からも重要。
– 名義・オーナー数の扱い 無用な一時抹消や名義変更は“オーナー数増”と捉えられ得る。
売却先が一括で名義変更する流れを優先。
– 過度なコスメ整備 広範囲の再塗装は“事故隠し”と誤解されることも。
ポイントは機関・安全・衛生の基礎品質。
すぐ使えるチェックリスト(実務用)
– 保証書・記録簿・取説・スペアキーを探して一式を揃える
– 正規ディーラーで保証継承点検を予約(期限確認を最優先)
– リコール・サービスキャンペーンを全実施
– 消耗品は安全に関わるものを優先して交換し、明細を保管
– 過去整備の明細・レシートを走行距離順にファイル
– 事故・板金の資料も正直に添付(骨格無修理の根拠になる)
– 内外装を清掃・消臭、写真や対面で“清潔さ”が伝わる状態に
– テレマ・アカウント・ETC等の初期化/譲渡準備
– 相見積り(買取店・ディーラー下取)で“保証継承後の評価”を確認
根拠・背景(業界の評価ロジック)
– 査定・検査基準での扱い
– 業界の査定は減点法が基本。
付属品欠品(取説・保証書・スペアキー等)、リコール未実施、整備不備は減点対象。
– 第三者検査(AIS等)のシートでも「記録簿/取説/保証書の有無」「修復歴判定」「リコール対応」が明記され、広告表記の根拠に使われる。
– 販売現場の実務
– 大手販売網・認定中古は「保証付き」「記録簿あり」「ワンオーナー」「リコール実施済」を推す。
条件を満たせば来店率・成約率が上がり、在庫回転が速くなるため、仕入れ(買取)段階で評価を上乗せしやすい。
– 消費者行動の実感値
– 中古車購入者の不安は「故障リスク・修復歴・前オーナーの扱い」。
保証継承と履歴の透明化はこの不安を直接緩和し、価格弾力性を高める。
– 法令・安全面
– リコールは安全関連であり、未実施車は流通段階・販売段階で扱いづらい。
実施済にすることで評価の“前提”をクリア。
– 価格形成の現実
– オークション票や販売サイトで「記録簿・取説・保証書・スペアキー」の有無が明記され、検索・比較の起点になっている。
素材価値が同等なら、安心材料が多い個体ほど入札競争が起きやすい。
車種別の小ネタ(効きやすい追加資料)
– HV/EV 高電圧バッテリー診断・SOH、インバータや充電系点検の記録。
– ターボ・直噴 早めのオイル交換履歴、カーボン対策整備の記録。
– 走行少の高年式 ガレージ保管、ボディコート、下回り防錆の証跡。
– 4WD/SUV 下回り洗浄・防錆施工の記録は沿岸部や降雪地域で加点的に働くことあり。
最後に(まとめ)
– 保証継承は「期限内に正規ディーラーで点検・リコール実施・保証書押印」。
まずはここを即実行。
– メンテ履歴は「証跡化」が命。
紙が揃わなければディーラー/工場で履歴出力、レシートや診断レポートで補完。
– 費用対効果は車齢・車種・残保証で判断し、過剰投資は避ける。
– 正直さと透明性が最も安くて強い“価値向上策”。
資料の揃った一台は、査定者も買い手も迷わないため結果的に高く売れます。
不明点(メーカーごとの継承要件・延長保証の加入期限・必要費用等)は、車台番号を手元に、正規ディーラーへ電話確認すると最短で確実です。
これだけでその日のうちに“売れる状態”へ大きく近づきます。
【要約】
保証継承は新車保証を次オーナーへ正式に引き継ぐ手続き。正規ディーラーで点検と名義変更が必要。故障時の負担軽減と第三者チェックで安心、再販価値向上や交渉材料にも。費用は数千〜数万円、保証期間は延長されない。改造等は対象外の恐れ。購入時は保証書・整備記録・リコール確認を。並行輸入は対象外が多い。ハイブリッド/EVの長期保証も残存分を使える。点検は半日程度。リコール対応も同時実施可。保証は条件により失効も。