事故車・故障車は本当に買い取ってもらえるのか?
結論から言うと、事故車・故障車でもほとんどの場合は買い取り可能です。
金額は状態や車種によって大きく上下しますが、「走らない」「車検が切れている」「エアバッグが開いている」といった条件でも、適正に引き取り、売買される仕組みと需要が確立しているためです。
以下、その理由(根拠)と具体的な仕組み、価格がつく・つかない条件、売却時の注意点まで詳しく解説します。
1) 用語の整理
– 事故車 一般には事故により損傷した車。
中古車業界では、骨格(ラジエータコアサポート、フロントインサイドパネル、ピラー、フロア、クロスメンバー等)に損傷・修復がある「修復歴車」を指すことが多い。
– 故障車 エンジンブロー、AT故障、電装系トラブル等で正常に走行できない車。
– 不動車 自走不可。
バッテリー上がりやエンジン始動不可など。
– 冠水車・水没車 浸水歴がある車。
電装や内装ダメージが深刻で国内再販が難しいことが多い。
2) なぜ「本当に」買い取ってもらえるのか(市場と制度の根拠)
– 部品(リユース)需要の存在
多くのモデルで中古部品の需要は非常に旺盛です。
ドア、バンパー、ライト、アルミホイール、ミラー、エンジン、ミッション、コンプレッサー、オルタネーター、ECU、ラジエーター、ハブ、ナックル、シート、内装トリム等は、事故修理や整備コストの低減のために再利用されます。
ハイブリッド車の駆動用バッテリーやインバーター、触媒コンバーター(パラジウム・ロジウム等の希少金属を含有)も価値が高い代表例です。
– 素材(スクラップ)価値の存在
車体は鉄・アルミ・銅などの金属の塊です。
走らない車でも、解体・選別の後に素材として売却できます。
特にアルミホイール、ハーネス(銅)、ラジエーター(銅・アルミ)などは相場に左右されつつも安定した価値があります。
鉄スクラップ市況や為替により買取ベースが上下するのもこのためです。
– 国内外の流通経路が確立
国内オークションには「事故現状車」や「修復歴車」のセクションがあり、修理を前提に仕入れる鈑金工場や輸出業者が参加しています。
海外では、国内では修理費用が見合わない車でも部品調達や人件費の差により「修理して使う」経済合理性が成り立つ地域があり、日本車は信頼性の高さから人気です。
結果として、事故・故障車にも広い出口があり、買取が成立します。
– 制度面の裏付け(法的根拠)
日本では「使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)」に基づき、引取業者・フロン類回収業者・解体業者・破砕業者の登録制度や、エアバッグ・フロン・シュレッダーダスト等の適正処理が義務づけられています。
公益財団法人 自動車リサイクル促進センター(JARC)が運用する自動車リサイクルシステムで管理され、使用済自動車のリサイクル率は極めて高い水準にあります。
これにより、走行不能の車でも適法・適正に引取りできる基盤が整っています。
さらに、買取して再販・転売する事業者には古物営業法に基づく古物商許可が必要で、所有権確認や盗難防止の仕組みも整っています。
したがって、事故車・故障車の買取は制度的にも正当な商行為です。
– 金銭的根拠(還付・相殺)
廃車・抹消に伴い「自動車税種別割の月割還付」(普通車のみ)、「自賠責保険の解約返戻金」、条件により「重量税の還付」(解体届出・車検残ありの場合)が生じます。
これらが買取価格に上乗せされたり、別途オーナーに返金されることで、表面上は値がつきにくい車でも総合的にプラスになるケースが多いのです。
3) 具体的な買取プロセス(不動車でも対応可能)
– 事前情報と査定
車検証、走行距離、年式、グレード、損傷部位、始動可否、鍵の有無、エアバッグ展開の有無、冠水歴、改造・社外パーツ、車検残、リサイクル料金預託状況などを提示。
写真(四隅、損傷部位、メーター、エンジンルーム、下回り)が有効です。
– 引取り
自走不可でもレッカー車や積載車で回収可能。
多くの業者が出張引取・レッカー費用を込みにしており、遠方・山間部では追加費用のこともあります。
– 名義と手続き
普通車は印鑑証明・委任状・譲渡証明が必要(所有権留保がある場合はローン会社の解除書類)。
軽自動車は認印と申請依頼書で対応。
抹消登録(一時抹消または解体届出)まで代行するのが一般的です。
– 支払い
現金または振込。
税金・保険の還付をどう扱うか(業者が受け取り買取額に反映か、オーナー受け取りか)を事前に確認してください。
4) 価格がつく・つきにくい要素
– 価格がつきやすいケース
人気・希少車種、SUV・ミニバン・商用車、ハイブリッド/EVの主要部品が健在、外装パーツが多く再利用可能、海外需要が強いモデル、車検残がある場合、走行距離が比較的少ない場合。
– 価格が下がりやすい要素
骨格大破・曲がりが広範囲、火災・全焼、冠水(特に室内床上やECU浸水)、エアバッグ多数展開、腐食・塩害が重度、超過走行、内装の大きな破損や欠品。
島しょ部や過疎地での引取りコスト増も影響します。
– 市況要因
鉄・非鉄相場、触媒貴金属価格、為替(輸出向け)の変動に連動します。
同じ車でも月によってベースが数万円単位で動くことがあります。
5) 断られる可能性があるケース
– 必要書類が全く揃わず、所有権確認が取れない(盗難の疑いが拭えない)
– 危険物・産廃としてのリスクが高い(全焼・有害物質漏出等)で、処理コストが買取額を大幅に上回る
– 所有権留保の解除ができない、差押え中など法的に譲渡不可
これらを除けば、大抵は「金額の問題」であり、ゼロ〜数千円の提示になることはあっても、引取り自体を断られることは稀です。
6) 具体的な根拠の補足
– 保険会社は全損認定車両をサルベージとして売却する慣行があり、専門オークションや業者間取引の市場が成立しています。
これは事故・故障車に恒常的な需要があることの実証です。
– 自動車リサイクル法に基づく登録業者ネットワークとJARCのリサイクルシステム運用により、走行不能車の回収・解体・資源化の流れが制度化されています。
法令に支えられたルートがあるため、個人からの買取・引取りが日常的に行われています。
– 中古部品の流通団体・リサイクル事業協同組合が全国に存在し、適合確認・品質基準(動作保証・グレーディング)を設けて流通しているため、部品取り目的の仕入れ価値が明確です。
– 公租公課・保険の還付制度(自動車税種別割、自賠責、重量税)により、廃車手続き自体に金銭的なリターンが見込める仕組みがあります。
7) よくある誤解
– 誤解1「走らない車はお金にならない」→部品・素材価値と還付があるため、総合ではプラスになることが多い。
– 誤解2「事故車は違法だから売れない」→違法ではありません。
修復歴の開示義務や古物営業法の遵守が前提です。
– 誤解3「レッカー代が高くつく」→買取額に含める業者が一般的。
条件により無料引取りが可能。
– 誤解4「冠水車は絶対に買い取られない」→国内再販は難しくとも、部品・素材・輸出向けで買取されることがあります。
8) 高く売るコツと注意点
– 事故・故障状況を正直に、かつ具体的に伝える(虚偽は後トラブルのもと)
– 写真・動画を充実させ、始動可否や警告灯表示、損傷部位を明確に
– 鍵・取説・整備記録・スペアタイヤ・純正パーツ等の付属品を揃える
– 海外販路や部品販路を持つ「事故現状車に強い」業者を含めて複数社に相見積もり
– 税金・保険の還付やレッカー費用、名義・抹消手続き代行の有無を契約前に書面で確認
– ローン残債・所有権留保がある場合は、解除手続きの段取りを事前に業者と詰める
– 市況が良い時期(スクラップ高、為替の追い風)や繁忙期前に動く
9) 目安感(あくまで一例)
– 大破した軽乗用の不動車 スクラップベースで0〜数万円前後
– エンジンブローのハイブリッド車 部品価値が高く10万〜数十万円になることも
– 人気SUVで骨格損傷・エアバッグ展開あり 輸出・修理前提で数十万円提示の余地
相場は車種・市況・地域で大きく変わるため、実査定が必須です。
まとめ
事故車・故障車は、「部品価値」「素材価値」「国内外の再販ルート」「税・保険の還付」と「自動車リサイクル法等の制度」によって、実需と法的基盤が支えられているため、原則として買い取り可能です。
値付けは状態や市況に強く依存しますが、適切な情報提供と複数査定、条件確認を行えば、走行不能でも納得感のある条件で売却できます。
つまり「本当に買い取ってもらえるのか?」への答えは「はい。
制度と市場がそれを可能にしています」。
買取相場はいくらで、価格を左右する要因は何か?
以下は、日本国内での事故車・故障車(いわゆる「現状車」や「修復歴あり」含む)の買取相場の目安と、価格を左右する要因、そしてその根拠(考え方の基盤)を整理した内容です。
地域差・時期差・車種差が大きいため、幅で示しつつ、なぜその幅になるのかをできるだけ具体的に解説します。
1) 用語の前提
– 事故車/修復歴あり フレーム(骨格)に損傷・修理歴がある車。
外板交換のみは「修復歴なし」になる場合もあり。
– 故障車 エンジン/ミッション/電装/ハイブリッド電池などの致命的な不具合で走行できない、もしくは警告灯多数で商品化に多額の費用を要する車。
– 冠水車/浸水車 水没・床上冠水履歴。
電装腐食リスクが高く、相場は大きく落ちる。
– 現状渡し 修理・整備を行わない状態での売却。
2) 買取相場の大まかな目安(日本国内、概況)
相場は「走行可か不動か」「ダメージの深さ」「人気・希少性」「部品価値」「輸出需要」によって大きく変動します。
以下は近年の傾向から導いたレンジです(季節・為替・鉄スクラップ単価などで上下します)。
軽自動車・小型コンパクト(例 N-BOX/タント/ワゴンR/フィット/ヴィッツ等)
走行可・軽度損傷(外装凹み・足回り小破程度) 5万~35万円
不動・重度損傷(骨格損傷/エンジンブロー等) 1万~15万円
人気・高年式・低走行であれば上振れ、過走行や冠水履歴で下限~ゼロ近辺へ
ミニバン/SUV(例 セレナ/ヴォクシー/アルファード/ハリアー/エクストレイル等)
走行可・軽度損傷 10万~80万円
不動・重度損傷 2万~30万円
大型・重量車は金属/部品価値が底支え。
アルファード等は需要が厚く幅広
セダン/高級・輸入車(例 クラウン/レクサス/メルセデス/BMW等)
走行可・軽度損傷 30万~200万円(人気/年式/グレードで大きく開く)
不動・重度損傷 0~60万円(部品需要が物を言う。
エアサス/AT故障は厳しい)
超高級車でも冠水・電装系重篤だとスクラップ水準まで下がることあり
ハイブリッド/EV(例 プリウス/アクア/リーフ等)
HV電池良好・走行可・軽度損傷 20万~120万円(年式新しいほど強い)
HV電池不良/不動 0~20万円(ただし電池・触媒の資源価値で底値は出る)
EVは駆動電池のSOH・冷却履歴・充電履歴で天と地。
重度劣化や水没は著しく低下
冠水車(床上冠水/水没履歴)
多くの場合 0~10万円(鉄・非鉄+触媒のみの評価に近い)
走行可でも電装リスクを嫌い「部品取り専用」前提の低評価になりやすい
エアバッグ展開あり
同条件比で▲10万~▲30万円程度の下押し(車種/個数により変動)
上記は「実動・再販」狙いか「解体・部品取り」狙いかで分かれます。
再販狙いのバイヤーが競ると上振れ、部品/スクラップ価値のみだと下限に張り付きます。
3) 価格を左右する要因(重要度の高い順のイメージ)
– ダメージの種類と深さ
– フレーム損傷/エアバッグ展開/冠水/火災は大幅減額。
– 外板・ボルトオン部品の損傷程度なら修理前提で値がつきやすい。
– 走行可否と自走距離
– 始動・移動可は査定が伸びやすい(搬出・検品・積載コストが下がる)。
– 年式・走行距離・グレード/装備
– 同じ「事故現状」でも母体価値が高い車は底値が高くなる。
– 車種の人気・部品需要
– 市場台数が多い=中古部品の回転が良く、高く買える(N-BOX、プリウス等)。
– 希少輸入車は新品部品が高いため「部品取り価値」が上がるケースも。
– 触媒・バッテリーなど資源価値
– 触媒(貴金属)、HV/EV電池、アルミホイール、銅ハーネス等の非鉄価値。
– スクラップ(鉄)相場
– 車体重量×鉄スクラップ単価が「最後の下支え」。
近年は概ねトン3~5万円で上下し、1.0~1.6tの小型~中型で2~8万円程度が理論値。
ただし解体・運搬コスト差し引きあり。
– 車検残・自賠責・自動車税の未経過
– 名変や抹消のタイミングによっては返戻が発生し、実質手取りが上がる。
– 書類・鍵・改造有無
– 車検証/委任状関係の不備、鍵紛失、粗悪改造はマイナス。
良質な社外パーツは別評価になることも。
– 地域・搬送距離・保管状態
– 離島/遠隔地/路上不可保管は回送料金が乗る。
屋内保管・サビ少ないは有利。
– 為替・輸出需要
– 円安時は海外相場が取りやすく、走行可の軽損傷は上振れしやすい。
– 季節性
– 4~6月は小売動意が出やすく、年末は在庫圧縮で弱含み…といった循環要因。
4) 根拠(なぜその価格になるか)
– 中古部品ビジネスの原価計算
– 買取上限 ≒(中古部品売上+鉄/非鉄スクラップ+触媒/電池の資源価値)-(仕入・運搬・保管・解体・検品・在庫リスク・販路手数料)。
– 事故・故障車は「直して売る」より「分解して売る」計算になりやすい。
よって部品の回転率が高い車種は高く買える。
– オークションの裁定
– 業者間オークション(USSやJU等の現車会場、事故現状専門の会場)で、同条件の落札レンジが存在。
買取店はこの落札見込みから逆算して提示するため、大きく乖離しにくい。
– スクラップ相場の下支え
– 最悪でも金属・非鉄・触媒等の資源価値はゼロにならない。
鉄単価や貴金属価格が上がると下限値が持ち上がる。
逆に相場軟化時は下限が沈む。
– 修理費用と母体価値の比較
– 修理費>修理後の市場価値−利益 の場合、修理再販は合理的でない。
従って「再販狙い」の上限は自ずと低くなり、結果「部品取り評価」が基準になる。
– 輸出の需給
– 右ハンドル圏や新興国で需要の厚いモデル(トヨタ/日産の一部SUV・ミニバン等)は、軽損傷・走行可ならFOB相場から輸送費・整備費・マージンを引き戻して買取上限が決まる。
円安期は上振れ。
5) ケーススタディ(イメージ)
– 2015年 プリウスS 10万km 前部小破・走行可・エアバッグ未展開
– 国内/輸出再販狙いが競合。
見込み小売150万、修理/整備/運送/手数料で50~70万要とすれば、業者の仕入上限は概ね60~90万。
実勢は40~80万円レンジに収まりやすい。
– 2013年 N-BOX 12万km エンジンブロー・不動
– 再販不可前提。
部品売上+鉄・触媒で7~15万円のレンジが座りやすい。
搬送費次第で数万円に圧縮される可能性も。
– 2017年 BMW 5シリーズ 7万km AT故障・警告灯多数・走行不可
– 正規修理コストが高く再販難。
国内小売より「部品取り」優位。
需要のある外装・内装・ライト・足回り次第で10~40万円程度。
輸入車は上振れ下振れが大きい。
– 2014年 フィット 冠水(床上)・始動可
– 電装腐食リスクで敬遠され、鉄・非鉄・触媒ベース。
0~8万円あたりが目安。
– 2016年 リーフ 8万km SOH大幅低下・航続100km未満
– 駆動電池の再利用・資源価値、インバータ/モーターの部品価値が評価軸。
数万円~十数万円。
電池の健康度証明があれば上振れ。
6) 簡易査定の思考フレーム
– 部品取り前提
– 上限価格 ≒ 予想部品売上(速く確実に売れる上位部品の合計)+金属/非鉄+触媒/電池 - 解体/運搬/人件費/在庫リスク/マージン
– 再販(国内/輸出)前提
– 上限価格 ≒ 予想小売orFOB価格 -(修理/整備/輸送/通関/各種手数料/在庫金利/マージン)
この逆算が業者間でほぼ共通のため、複数社査定でも中央値に収れんしやすい一方、販路に強みがある業者(輸出直・自社解体・自社小売)はコストが低く出せる=高値を提示できることがあります。
7) 高く売るための実践ポイント
– 複数社から同日相見積もりを取る(当日成約前提の価格と翌日価格が違うことがある)
– 状態の正直な告知と現車確認の効率化(写真/動画/故障コード/水位痕など)
– 走行可に整える小整備はコスパが良い場合が多い(バッテリー充電・空気圧・最低限の始動確認)
– 鍵/書類を整える(スペアキー/取説/記録簿/リサイクル券)
– 付属パーツの扱いを事前に決める(社外ホイール等は別査定or純正戻しで競わせる)
– 引取費用・名義/抹消手数料・キャンセル規定を事前確認(「当日減額」回避)
– 車検/自賠責/自動車税の未経過返戻の取り扱いを明確化(どちらの取り分か)
8) 注意点・リスク
– 冠水歴・修復歴の申告義務違反はトラブルの元。
のちに減額・返金請求の可能性。
– 出張買取での「現地減額」手口(電話口の高額提示→現地で大幅減額)に注意。
事前に減額条件を文書化。
– レッカー費用の上乗せ、名変/抹消の不履行リスク。
手続き完了書類の控えを必ず受け取る。
– 高額輸入車は故障診断が不十分だと、後日トラブル化しやすい。
スキャンレポートを共有すると透明性が上がる。
9) よくある費用・返戻の取り扱い
– リサイクル料金 既払いであれば再販業者へ移転。
買取価格に内包されることが多い。
– 自賠責保険 抹消時に未経過分の返戻あり。
買取店が代行して価格に反映する場合と、所有者が別途請求する場合がある。
– 自動車税(種別割) 普通車は月割で還付(軽は原則還付なし)。
抹消月で按分。
10) 相場のブレやすい特殊要因
– 触媒の貴金属相場(パラジウム等)の上げ下げ
– 為替(円安→輸出強、円高→国内依存)
– 地政学・航路運賃(輸出向けRORO運賃上昇で仕入上限が下がる)
– 季節在庫(決算・盆暮れの在庫調整)
まとめ
– 相場は「走行可/不可」「ダメージの質」「部品価値」「輸出需要」「鉄/非鉄相場」で決まる。
– 事故・故障車の買取提示は、部品取りor再販どちらで回収するかの採算式から逆算される。
これが最大の根拠。
– 具体的な金額は上記レンジ内に収まることが多いが、写真/診断情報/搬送条件で数万~数十万円単位で動く。
– ベストプライスの近道は、販路に強みのある業者を含めて複数同時査定し、減額条件と諸費用を事前に透明化すること。
もし車種・年式・走行距離・故障/損傷内容・走行可否・地域・書類の有無(車検証/鍵)・車検残などを教えていただければ、上記の考え方に即して、より具体的なレンジで目安をお出しできます。
高く売るために査定前にやるべき準備は何か?
事故車・故障車でも、査定前の準備次第で評価は大きく変わります。
特にこの市場では「動作確認の可否」「再商品化コストの見通し」「情報の確度」が価格を左右します。
以下、査定前にやるべき準備を実務的に整理し、各ポイントの根拠も併記します。
相場と出口(売却先のタイプ)を先に把握する
– 何をするか
– 同型・同年式・近似走行距離の「事故車」「不動車」の取引傾向をリサーチ(事故車専門店の事例ページ、解体業者の買取実績、輸出向けバイヤーのSNSや相場投稿など)。
– どの出口が強いかを仮決め(国内修理再販、部品取り、スクラップ、海外輸出)。
– 根拠
– 事故・故障車の評価は「走るか」「骨格損傷の有無」「主要部品の生存率」「輸出適性」で決まります。
出口によって加点ポイントが違うため、準備の優先順位も変わります(例 輸出先で人気の排気量・駆動方式・AT/MT、パーツ取り市場で高いヘッドライト/エアバッグ/触媒等)。
書類と情報をフルセット化する
– 何をするか
– 車検証、リサイクル券、自賠責保険証、整備記録簿、取扱説明書、保証書、スペアキー、純正ロックナットアダプター、ナビの解除コード等を用意。
– 事故・故障発生時の見積書・修理明細、交換部品の領収書、リコール作業記録があれば添付。
– 所有権留保(ローン残債等)があれば解除手続きの段取りを事前に確認。
– 根拠
– 書類欠品や所有権問題は引取り不可や減額要因。
整備記録・修理明細は「隠れ故障リスク」を下げ、再商品化コスト見通しを立てやすくするため加点または減額回避につながります。
スペアキー・取説は再販時の付加価値。
外装・内装のベーシック清掃と臭気対策
– 何をするか
– 洗車、室内清掃、ゴミ・ペット毛・カビの除去、簡易消臭(活性炭シート、換気)。
– 水没や雨漏り跡は正直に申告しつつ可能な範囲で乾燥・清掃。
– 根拠
– 事故車でも「見た目の荒れ」は再商品化コスト(内装クリーニング、臭い除去)に直結。
査定員の一次印象や写真映えは業者間転売価格に影響し、減点抑制に効きます。
安価で効果の大きい“動作可”の確保
– 何をするか
– バッテリー充電/交換、タイヤ空気圧確保、燃料補給、ヒューズ点検、電球・ワイパーの最低限交換。
– パーキング解除・サイドブレーキ固着の事前チェック。
車両の押し引きができるように準備。
– 根拠
– 「始動可」「自走可」「移動可」かで評価は段階的に上がります。
積載車の手配・荷役リスク・現地での動作確認可否がコストに直結し、査定テーブルが変わるからです。
高額修理は不要でも、低コストで“動く・かかる・転がる”は価格を押し上げます。
逆効果になりやすい高額修理はしない
– 何をしないか
– 骨格(フレーム)修正、エアバッグ・SRS系の復旧、エンジン/ミッションのオーバーホールなど高額修理。
– OBDエラーのリセットや漏れ隠し等、状態の偽装。
– 根拠
– 高額修理費は売却価格に転嫁しにくく、むしろ修復歴が確定して市場価値が下がるケースも。
状態の偽装は引取時の減額・契約解除・トラブルの原因。
正直申告の方が最終手取りが安定します。
付属品・純正戻し・パーツ分離の判断
– 何をするか
– 純正パーツ(車高、マフラー、テール、ステアリング、足回り等)が手元にあるなら、社外品から純正へ戻すか検討。
– 高価な社外ホイールやオーディオ等は別売りのほうが得な場合も。
戻す純正が無い場合は事前申告。
– 根拠
– 事故車の出口は「純正・ノーマル」が広く、社外品の加点は限定的。
パーツ単体の二次市場の方が高く売れることが多い一方、純正欠品は減額要因。
総額最大化の観点で分離が有利です。
正確な損傷・不具合リストと写真・動画を準備
– 何をするか
– 360度外装、ダメージのクローズアップ、メーター表示(走行距離・警告灯)、エンジン始動動画、電装(ウインドウ、ライト、エアコン)の動作動画、下回りの錆やオイル漏れの写真。
– 車台番号(VIN)刻印・コーションプレート、タイヤ残溝、ブレーキローター錆、触媒有無の確認。
– 根拠
– 遠隔・事前査定の精度が上がり、引取り当日の減額リスクが下がります。
部品取り・輸出のバイヤーは写真情報で買付可否を即断するため、情報量=交渉力です。
タイミング戦略を取る
– 何をするか
– 月末・四半期末の買取強化期、繁忙期(新生活前の3〜4月、中古車動く9〜10月)を狙う。
– スクラップ相場や為替(円安時は輸出強気)をニュースで確認。
– 根拠
– 事故車は鉄・アルミ・触媒(貴金属)相場の影響を受けます。
また業者の目標達成期は提示が上がりやすく、輸出の採算は為替に連動。
需要期とコスト環境が価格に反映されます。
データ消去と個人情報・防犯対策
– 何をするか
– ナビ・オーディオの個人情報、Bluetoothペアリング、ETC情報、ドラレコのSDカードを消去・回収。
スペアキーの所在を明確化。
– 根拠
– 個人情報流出トラブル防止はもちろん、名変・輸送の段取りがスムーズになり、余計な交渉を招きません。
引取り当日の動線と環境を整える
– 何をするか
– 積載車が入れるスペース確保、車両前後に2〜3mの余裕、ロックナットアダプターの準備、ブレーキ固着があれば事前に少し動かす。
– 根拠
– 引取り作業が難しいと追加費用・時間ロスが発生し、実質手取りが下がります。
作業性の良さは業者コストを抑え、価格に反映。
複数社の相見積りと同日アポイント
– 何をするか
– 事故車専門、輸出強い業者、解体直販、一般買取の少なくとも3タイプから見積り。
可能なら同日に時間をずらして現車確認を設定。
– 見積の内訳(引取費、名変・抹消手数料、減額条件)を必ず文書化。
– 根拠
– 出口の違いによって査定テーブルが変わるため、提示差は大きくなります。
同日相見積りは競争が働き、即決前提の高値提示を引き出しやすい。
隠れコストの有無で実質価格が変わるため、条件の透明化が肝心。
車検・税・保険の取り扱い確認
– 何をするか
– 車検残・自賠責・重量税の還付相当を「買取額に含むか/別手続きで還付するか」を明確化。
– 一時抹消は自分でせず、基本は業者に名義変更・抹消を委託(事前に書類を整える)。
– 根拠
– 二重手続きや還付の取りこぼしを防ぎ、総手取りを最大化します。
書類不備は減額・後日の追加請求の火種。
事故・修復歴の正直申告
– 何をするか
– いつ・どこを・どの程度・どう直したか(未修理含む)を時系列で整理。
エアバッグ展開、骨格部位の損傷有無、浸水や冠水の有無を明示。
– 根拠
– 修復歴の有無は中古車市場での価値を大きく左右しますが、事故車専門の出口では「情報の確度」が何よりの武器。
正直申告は当日の減額やトラブル回避に直結します。
やらない方がよいこと(減額・トラブルの典型)
– OBDコード消し、漏れ止め剤での一時しのぎ、メーター不正、事故隠し。
– 高額な板金やフレーム修正の先行実施(費用対効果が低い)。
– 純正欠品のまま社外品だけ外して引渡し(むしろ減額)。
外すなら純正に戻すか、事前にその前提で見積りを。
状態別の準備優先順位(例)
– 不動車(電源も入らない) バッテリー電圧の確保→タイヤ空気→押し引き可の確保→写真・動画で状態説明を厚く→引取動線の確保。
– エンジン始動可・自走不可 始動動画・警告灯表示・ギアが入るかの確認→漏れ・異音の録画→外装損傷範囲の明確化。
– 事故で外装大破・骨格損傷疑い 骨格部位の損傷申告(ラジサポ、フロア、ピラー等)→エアバッグ展開有無→走行系の直進性・足回り曲がりの有無。
– 水没・冠水 水位ラインの写真、エンジン吸気経路の水侵入有無、ECU位置、シート下配線の腐食状況を開示(隠すと大幅減額の元)。
交渉のコツ(短く)
– 最初の電話・オンライン査定で「始動可否」「自走可否」「エアバッグ展開」「骨格損傷」「書類完備」「付属品有無」を端的に伝える。
– 見積りの有効期限、当日減額条件、引取・名変完了報告の期限を明文化。
– 即決を迫られても、相見積りの最終提示を待つ姿勢を崩さない。
まとめのチェックリスト
– 書類・鍵・付属品はフルセットか
– エンジン始動・移動可の最低ラインを確保したか
– 高額修理を先にしていないか
– 事故・故障情報を整理し、写真・動画も撮ったか
– 個人情報を消去したか
– 引取スペースと動線を確保したか
– 3タイプ以上の業者で相見積りを取り、条件を文書化したか
– 還付・手数料・減額条件まで含めた実質手取りで比較したか
根拠の総括
– 事故車・故障車の価格は「動作可否」「骨格・安全装置損傷」「部品の生残」「再商品化・輸送コスト」「情報の確度」「出口需要(国内・輸出・金属相場)」の関数です。
準備でコストと不確実性を下げ、買い手のリスクを小さく見せるほど価格は上がります。
逆に、情報の欠落・偽装・作業性の悪さは、見積り段階でのリスク見込み(安全サイドの減額)や当日減額につながります。
以上を実行すれば、同じ車でも数万円〜十数万円レベルで手取りが変わることは珍しくありません。
できる準備から着手し、情報の透明性と作業性を高めることが「高く・気持ちよく」売る最短ルートです。
買取業者はどう選べばよく、悪質業者を見分けるポイントは何か?
事故車・故障車の買取は、一般の中古車買取とは相場の出方も流通経路も異なります。
適正な業者を選べば思った以上に値がつく一方、手続きを曖昧にする悪質業者に当たると「名義が残ったまま」「追加請求」「不法投棄」など深刻なトラブルになりかねません。
ここでは、業者の選び方と悪質業者の見分け方、あわせて根拠(関連法制度・公的機関のルール)まで整理して解説します。
1) 事故車・故障車の買取業者の種類と選び方の基本
– 専門性で選ぶ
– 廃車・事故車専門業者(引取業者/解体業者直営や提携型) パーツ取り・輸出・スクラップまで視野に入れて査定できるため、状態が悪い車でも値付けが出やすい。
– 一般の中古車買取店 再販前提のため、重度の事故・不動車は評価が低くなりがち。
– ディーラー下取り 手間は少ないが事故・不動はほぼゼロ査定か持ち込み費用が発生しやすい。
– 相見積もりを必ず取る(3〜5社)
– 事故・故障車は評価基準が業者の販路(輸出・スクラップ・部品販路)で大きく変わります。
電話・オンライン査定時に情報を正確に伝え、現地での「減額前提」の見積もりを避ける。
– 査定の前提条件を明文化させる
– 引取費用(レッカー・積載車)、手続代行費、リサイクル料金の扱い、税金・保険の還付、所有権解除費、ナンバー返納、キャンセル料の有無と上限、支払い時期(引取時・抹消後など)を見積書に明記。
2) 許認可・登録の確認(最重要)
事故車・故障車の「適正処理」には法的な許認可が必要です。
以下を最低限確認してください。
– 古物商許可(古物営業法)
– 中古自動車を買い取るには都道府県公安委員会の古物商許可が必須。
サイトや見積書に「古物商許可番号(例 第●●●号)」を表示し、会社名との一致を確認。
疑わしければ都道府県警の公開リストで照合。
– 自動車リサイクル法に基づく登録
– 引取業者登録(都道府県知事等への届出) 引取→移動→解体→破砕までの各段階で、電子マニフェスト的に「引取報告・移動報告・解体報告」が義務付けられています。
正規登録がないと法的に使用済自動車を扱えません。
– 解体業登録・破砕業許可・フロン類回収業登録 自社で解体まで行う場合はこれらの許認可が必要。
買取のみの場合でも、提携先の登録・許可の明示が望ましい。
– 自動車リサイクルシステム(自動車リサイクル促進センター=JARCのシステム)で事業者名・登録番号の検索が可能。
– 産業廃棄物収集運搬許可
– エアバッグ、フロン、シュレッダーダスト等の適正処理に関わるため、工程によって必要。
少なくとも提携体制の明示があるかをチェック。
– 事業実体の確認
– 会社名・所在地(地図で実在確認)・固定電話・担当者氏名・会社概要ページ・適正処理のフロー説明・利用規約・プライバシーポリシーの整備。
名刺・会社印のある書類を交付できるか。
根拠
– 古物営業法 中古自動車の買取には古物商許可が必要。
– 自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律) 引取・解体・破砕の各工程に登録・許可と報告義務。
– 警察庁・都道府県公安委員会、公的検索での許可番号照会が可能。
– 自動車リサイクル促進センター(JARC)が事業者登録を運用。
3) 価格が決まる要素と見積もり時の伝え方
– 主な評価軸
– 海外輸出需要(年式・型式・ディーゼル・MT・SUV・トラックは強いことが多い)
– 部品価値(エンジン・ミッション・触媒・アルミホイール・エアバッグ・電装品)
– スクラップ価値(鉄・非鉄金属相場、触媒の貴金属相場、為替)
– 損傷範囲・水没歴・エアバッグ展開・鍵の有無・書類の有無・タイヤ状態
– 正確な事前情報
– 車検証記載の型式・グレード・初度登録・走行距離
– 始動可否・走行可否・事故部位・水没や火災
– 欠品(触媒・バッテリー・タイヤ・座席等)
– 写真(四隅、損傷部、メーター、エンジンルーム、下回り)
– 価格保証の確認
– 「現地減額なし」「減額条件と上限の明記」「引取費込みの総額表示」を求める。
4) 書類・手続・支払いの安全策
– 普通車(登録車)
– 必要書類 車検証、実印・印鑑証明、譲渡証明書、委任状、リサイクル券、(所有権留保なら)ローン会社の承諾書等
– 抹消登録 永久抹消は解体報告後に運輸支局で。
抹消完了後の「登録識別情報通知書(抹消登録証明)」または「解体届出受理」の写し送付を業者に義務付ける。
– 還付金 自動車税(種別割)は抹消後に都道府県から所有者へ還付。
重量税は永久抹消で残存期間に応じて還付申請可。
自賠責は保険会社で解約返戻。
これらを「業者が当然に取得する」説明は誤り。
手数料を請求する場合は金額の明示が必要。
– 軽自動車
– 多くの自治体で軽自動車税の月割還付はなし。
解体→返納の確認書類を受け取る。
– 支払い条件
– 支払時期(引取時・抹消後何営業日)と方法(振込/現金)を契約書に明記。
高額現金の受け渡しは避け、振込記録を残す。
– 証跡を残す
– 契約書・見積書・引取証明・抹消(解体)完了書類の写し。
車両状態の写真。
やり取りはメールやチャットでログを残す。
5) 悪質業者の「見分けポイント」(レッドフラグ)
– 許認可・所在地が不明瞭
– 古物商許可番号や引取業者登録番号の掲示がない、番号と社名が一致しない、固定電話がない、倉庫の実体が不明。
– 口頭のみ・書面交付を拒む
– 見積の内訳や契約内容を書面化しない、領収書・引取証明を出さない。
– 釣り査定→現地大幅減額
– 電話で相場より高額提示し、現地で「想定外の損傷」などと数十%減額。
減額条件・上限の事前合意がない。
– 追加費用の後出し
– 引取後にレッカーや手続費の請求、保管料名目の追加。
あらかじめ総額提示がない。
– 書類先渡しを執拗に要求/名義残し
– 書類だけ先に送らせ、抹消や名義変更の完了書類を出さない。
結果として税金・交通違反が元所有者に来る。
– 還付金の不当な取り込み
– 「税金・重量税・自賠責の還付は業者が受け取るのが普通」と説明。
実際は所有者の権利であり、委任・手数料の明示が必要。
– その場の即決・脅し
– 事故現場で「今すぐサインしないと高額なレッカー代」「今日だけの価格」などの心理的圧力。
– 怪しい保管・解体実務
– 住宅街の「違法ヤード」でのばらし、フロン・エアバッグの不適正処理。
不法投棄リスク。
– 高額なキャンセル料条項
– 依頼直後でも高額な違約金を課す条項。
合理的な実費相当を超えるものは不当の可能性。
根拠
– 自動車リサイクル法 引取・移動・解体の各報告義務。
不適正処理や不法投棄は行政処分・罰則対象。
– 道路運送車両法 抹消登録の手続。
抹消未了のままの名義放置はリスク(課税・違反通知等)。
– 税・保険の還付制度 普通車の自動車税は抹消後に所有者宛へ。
重量税・自賠責は申請により所有者へ返戻(業者が受領するには委任が必要)。
– 国民生活センター等の消費生活相談事例 名義残し・後出し請求・釣り査定のトラブルが反復報告。
– 特定商取引法の訪問購入規制は中古自動車が対象外でクーリングオフ不可(=その場の即決には特に注意が必要)。
6) 実務的チェックリスト(問い合わせ時に聞く・伝える)
– 許認可
– 古物商許可番号は?
引取業者登録番号は?
提携解体業者の登録・許可は?
– 価格と費用
– 引取費込みの総額はいくら?
減額条件と上限は?
キャンセル料の発生条件と上限は?
– 支払いと書類
– 支払時期と方法は?
抹消(解体)完了の書面はいつ、どの方法で受け取れる?
還付金の扱いと手数料は?
– スケジュール
– 引取可能日、抹消までの目安日数は?
緊急の場合の保管費は発生する?
– こちらからの情報提供
– 車検証情報、事故・故障の状態、写真、欠品や改造の有無、鍵・書類の有無。
7) 事故現場・路上での緊急対応のコツ
– まずはレッカーで自宅や信頼できる保管場所へ。
現場での即決買取は避け、落ち着いて相見積もり。
– 事故対応の同意書・委任書に安易にサインしない。
保険会社・家族に相談してから判断。
8) 価格を上げやすい小ワザ
– 触媒・アルミホイール・カーナビ等の付属品の有無を正確に伝える。
勝手に外すと逆に減額・トラブル要因。
– 鍵・書類の完備は評価アップ。
簡単な清掃・荷物の撤去で印象が良くなることも。
9) まとめ
– 許認可(古物商・自動車リサイクル法の登録・解体許可)と事業実体の確認が選定の土台。
– 見積は総額表示・減額条件明示・支払い時期・抹消完了書面の交付までセットで確認。
– 悪質業者の典型は「釣り査定→現地減額」「書面拒否」「還付金の取り込み」「名義残し」。
一つでも当てはまれば避ける。
– クーリングオフが効かない領域であることを踏まえ、即決は避けて証跡を残す。
これらは、古物営業法・自動車リサイクル法・道路運送車両法、各税・保険の還付制度、および国民生活センター等の相談事例に基づく実務的な要点です。
上記のチェックを踏まえて3〜5社で比較すれば、価格面・安全面ともに「外れ」を大きく回避できます。
万一不審点があれば、取引前に都道府県の自動車リサイクル担当窓口や消費生活センターに相談すると安心です。
必要書類や手続き・引き取りまでの流れはどうなっているのか?
以下は、日本で事故車・故障車を買取に出す際の、必要書類、手続き、引き取りまでの流れをできるだけ実務に即して詳しくまとめたものです。
普通車(白ナンバー)と軽自動車(黄ナンバー)で異なる点、ローン中や所有権留保、書類紛失、相続・法人名義といった特殊ケース、税や保険の還付、引取方法、トラブル防止策、そして根拠となる法律・制度も併記します。
まず押さえる全体像(売却か廃車か)
– 事故車・故障車でも売却は可能です。
行先は主に「中古車としての再流通」「部品取り・解体」「海外輸出(部品/車両)」のいずれかに分かれます。
– 手続きは大きく二通り。
– 移転登録(名義変更) 車として再利用される前提。
買取業者名義などに変更。
– 抹消登録(廃車) 一時抹消(普通車)または解体抹消(永久抹消)。
軽自動車は「返納」。
– 多くの買取業者が、名義変更・抹消・税申告・リサイクル関係を代行します。
必要書類を準備し、委任状に署名捺印するのが基本です。
必要書類(基本パターン)
A. 普通車(自家用普通・小型)の名義変更で一般的に必要
– 自動車検査証(車検証)
– 譲渡証明書(譲渡人の実印押印)
– 委任状(手続きを業者に委任する場合、譲渡人の実印押印)
– 印鑑証明書(発行後3カ月以内が通例)
– 住民票(住所変更が多段階ある場合などに求められることあり)
– ナンバープレート(他管轄への変更や希望番号取得の場合は返納が必要)
– 自動車税・自動車取得税申告関係は現在は電子化(OSS)されており、運輸支局での窓口申告が不要なケースが多いですが、業者が対応します
– 自賠責保険証明書・自動車納税証明書は「名義変更自体の必須書類」ではなくなっているのが一般的ですが、車両の状態確認・保険/税の清算のために一式を求められることがあります
B. 普通車の抹消(廃車)で一般的に必要
– 自動車検査証(車検証)
– ナンバープレート(前後2枚)
– 所有者の印鑑証明書
– 委任状(業者代行時、実印)
– 解体抹消の場合は、解体業者の「解体報告記録(自動車リサイクルシステム上の報告)」が前提
– 一時抹消の場合は解体は不要で、後日解体抹消に移行も可能
C. 軽自動車(名義変更・返納)
– 自動車検査証(車検証)
– 軽自動車届出済証記入申請書等(業者準備)
– 手続きは軽自動車検査協会で実施
– 認印で対応可(印鑑証明は不要が通例)
– 返納(廃車)ではナンバープレート返納が基本
D. 共通であると望ましいもの
– 自賠責保険証明書(解約返戻金の清算や引取時の確認)
– 自動車リサイクル券(預託証明書。
紛失時は車台番号で検索可)
– 本人確認書類(運転免許証等)—業者側の本人確認義務に基づく
– 自動車税(種別割)の情報(未納がある場合は清算が必要になることあり)
E. 特殊ケースの追加書類
– 所有権留保(ローン中・所有者がディーラー/信販の名義) 所有権解除に必要な書類(完済証明、譲渡承諾書など)。
まず完済して所有権解除→譲渡が原則
– 法人名義 登記事項証明書(3カ月以内)、会社実印、委任状(社判)、担当者の本人確認書類
– 相続 被相続人の戸籍除票、相続人の戸籍謄本、遺産分割協議書(実印・印鑑証明)、相続による名義変更後に売却が原則
– ナンバー紛失 警察への遺失届→運輸支局で再交付または抹消手続の指示に従う
– 車検証紛失 運輸支局で再交付(本人または委任状で業者が代行可)
– 自賠責・納税証紛失 保険会社や税事務所で再発行(または電子確認)
引き取りまでの標準的な流れ
– 1) 相談・申し込み
– 車両情報(車台番号、年式、走行距離、事故・故障内容、鍵の有無、車検の有無、保管場所、書類有無、所有者名義)を伝える
– 相見積もりを取り、レッカー費や手数料の有無、減額条項の有無、支払時期を必ず確認
– 2) 仮査定
– 電話・写真・オンラインで概算。
事故の程度(骨格損傷/エアバッグ展開/冠水・塩害/エンジン不動)を正直に申告
– 3) 出張査定・現車確認
– 実査定で最終金額を確定。
相違があると減額対象になるため、事前申告が重要
– 4) 契約(売買契約・委任状・譲渡証明)
– 「現状有姿渡し」「引取後の減額なし(重大な申告漏れ除く)」等の条項を確認
– 支払方法(現金/即時振込/後日振込)と期日を明記
– 5) 引き取り手配
– レッカー・積載車で回収。
車検切れ・不動車は公道走行不可のため搬送が基本
– 事故現場・月極・マンションなどは管理者許可や時間帯の調整が必要
– 6) 支払い
– 契約時・引取時・名義変更完了時など、業者ルールにより異なる。
高額現金受領は避け、振込の証跡を推奨
– 7) 名義変更または抹消手続
– 業者が運輸支局/軽協で実施
– 完了後、「新車検証のコピー」「抹消登録証明書のコピー」「ナンバー返納証明」などが送付される
– 8) 税・保険・リサイクルの清算
– 自賠責は解約で月割返戻
– 普通車で解体抹消・輸出抹消なら重量税の還付あり(月割)。
軽は原則なし
– 自動車税(種別割)は月割還付(抹消時点での所有者に還付)
– リサイクル預託金は車体に紐づき、売却時は預託金相当分が査定に反映(未預託なら引取時に徴収される場合あり)
料金や条件でよくあるポイント
– レッカー費用は「無料」をうたっていても、過走距離や特殊作業(溝落ち・横転・鍵なしロック・車輪固着)で追加費用がかかることあり。
事前申告で回避
– 事故の申告漏れ・メーター改ざん・冠水歴の隠匿は後トラブルの原因。
わかる範囲で誠実に申告
– キャンセル規定(出張後や積み込み後のキャンセル料)を事前確認
– 代金支払いのタイミングと名義変更完了の証憑送付期限(例 2週間以内)を明記
– ローン残債がある場合、完済・所有権解除の段取りを先に決める
書類がない・名義が違うときの対処
– 車検証紛失 運輸支局で再交付(手数料小)。
本人か委任状を持つ業者が可
– ナンバー紛失 警察遺失届→運輸支局で再交付または抹消の指示に従う
– 自賠責・納税証明・リサイクル券紛失 各窓口・システムで再発行・検索可能
– 名義が前オーナーのまま まず名義変更(移転)手続が必要。
前オーナー協力が要るため、早めに相談
– 相続 一度相続人に名義変更した上で売却するのが原則(相続関係書類が必要)
引取当日のチェックリスト
– 鍵(メイン・スペア)、スマートキー電池、セキュリティ解除方法
– 車検証・印鑑証明・委任状・譲渡証・本人確認書類
– リサイクル券、自賠責証、ナビ・ETCのカード抜き忘れ
– 個人情報(ナビ履歴・ドライブレコーダー・書類)の削除・回収
– 付属品(スペアタイヤ、ホイールナット、取扱説明書、整備記録簿)
– ナンバープレートの扱い(その場で外すか、業者が支局で返納)
事故・故障内容ごとの注意
– 全損・エアバッグ展開・骨格損傷 部品価値とスクラップ価値が中心。
エアバッグ作動歴は必ず申告
– 冠水・塩害 電装系ダメージが大きく、再生困難なことが多い。
冠水・浸水レベルを申告
– エンジン・ミッション不動 レッカー必須。
ギア位置やサイドブレーキ固着の有無を申告
– 鍵なし ハンドルロック解除や積み込みが難航するため、事前に相談
– 現場保管 保管料が発生するレッカー業者・修理工場と日程調整が必要
よくある質問
– 車検切れでも売れる?
→可。
公道走行不可のため積載車で搬送
– 自動車税はどうなる?
→普通車は抹消月の翌月分以降が月割で還付(所有者に)。
軽自動車は還付制度なし
– 自賠責は?
→解約で月割返戻。
契約者に返金
– クーリングオフは?
→自動車の買取取引は一般にクーリングオフの対象外。
契約前に条件を十分確認
– 代金はいつもらえる?
→業者により、引取時即日現金/即時振込/名義変更完了後など。
契約で明確化
根拠・制度の概要(主要なもの)
– 道路運送車両法・同施行規則・自動車登録規則・軽自動車届出規則
– 車両の登録・移転登録・抹消登録の手続、ナンバープレートの返納、封印等のルールを定める基本法令。
普通車は運輸支局、軽は軽自動車検査協会で手続
– 使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)
– 使用済自動車は「引取業者」「解体業者」「破砕業者」等の許可・登録制度のもとで適正処理。
解体報告記録後に解体抹消が可能。
リサイクル料金の預託・管理も本法に基づく
– 古物営業法
– 事業者が中古車を買取る場合の許可制度と本人確認義務、取引記録の作成・保存義務を定める。
買取業者は古物商許可が必要で、本人確認を行う義務がある
– 地方税法(自動車税種別割)・自動車重量税法関連
– 普通車の抹消に伴う自動車税の月割還付、解体抹消・輸出抹消に伴う重量税の還付等の根拠。
軽自動車税は原則還付なし
– 自動車損害賠償保障法(自賠責)
– 自賠責保険の契約・解約・返戻の基本枠組み。
廃車・譲渡等による解約返戻が可能
– 印鑑証明法・国交省告示等
– 普通車の譲渡・委任で実印・印鑑証明を要する実務運用の根拠は、自動車登録規則や国交省の様式等に基づく
– 道路交通法・地方自治体の臨時運行許可制度
– 車検切れ車両の移動は原則不可。
臨時運行許可(仮ナンバー)で限定目的の走行が可能だが、事故車・不動車は積載搬送が一般的
実務上のコツと注意点
– 相見積りは「同条件」(レッカー費・引取場所・書類有無・支払時期)で比較する
– 引取後の一方的な減額や長期の支払留保を避けるため、契約書の条項を確認。
「現状有姿」「重大な隠れた瑕疵を除き減額しない」等
– 名義変更/抹消の完了書類の提出期限(例 14日以内)と、未達時の取り決めを盛り込む
– 所有権留保は最も時間がかかる。
車検証の所有者欄が販売会社・信販会社になっていないかを最初に確認
– 事故による保険全損時は、保険会社の支払・サルベージ売却の流れと、所有権の帰属を担当者に確認してから手続きを進める
まとめ(簡易フロー)
– 相談・概算査定→現車査定→契約(必要書類の案内)→引取・支払→業者が名義変更/抹消→完了書類受領→税・自賠責清算
– 普通車は実印・印鑑証明が基本。
軽は認印で簡素。
特殊ケース(ローン中・相続・法人名義)は追加書類が必要
– 引取費用・減額・支払時期・完了報告期限を明確にし、トラブルを防止
最後に、運用の細部(印鑑証明の有効期間、納税証明の要否、OSSの適用、必要様式など)は運輸支局・軽自動車検査協会の実務や時点の制度変更により差異が出ます。
お住まいの地域の運輸支局/軽協、または依頼予定の買取業者(古物商許可・リサイクル法の引取業者登録がある会社)に最新要件を確認されることをおすすめします。
【要約】
事故車・故障車でも多くは買取可能。中古部品や金属スクラップの価値、国内外の流通、リサイクル法などが根拠。査定は車検証・損傷情報と写真で行い、不動車も回収可。名義・抹消は業者代行。自動車税・自賠責・重量税の還付が買取額や精算に反映され、総額でプラスになりやすい。