コラム

年式・走行距離・修復歴でここまで違う!中古車査定相場のすべて—ボーダーラインとカンタン見積もり術

年式が中古車の査定相場に与える影響はどれくらいあるのか?

要点の先出し
– 年式は中古車査定で「ベース価格」を決める最重要因子のひとつ。

初期2〜3年の下落が最も大きく、その後は年を追うごとに緩やか→10年前後で下げ止まり傾向→13年超で税制の影響などにより再び弱くなる、というのが一般的な形。

– ただし車種・ブランド・パワートレーン・市場環境(新車納期、円相場、輸出需要)でカーブは大きく変わる。

SUVや人気軽は年式劣化が緩く、輸入高級セダンや一部EVは早い。

– 根拠は、査定実務で年式別の基準価格が設定されていること(査定協会の基準や業者オークションの落札相場に準拠)、リース・保証・車検・税制・モデルチェンジ・輸出需給など年式に紐づく要因が価格に直結するため。

年式が査定相場に与えるおおまかな規模感(目安)
以下は走行距離や修復歴が平均的と仮定した「年式のみの影響」の一般的なレンジです。

モデルや相場環境で上下しますが、相場感の土台として使えます。

登録後1年まで

国産大衆車 新車価格比で85〜95%
需要が強いSUV・軽(N-BOX、ヤリスクロス等) 90〜100%超の事例も相場過熱期には発生
輸入高級 75〜90%
理由 初期の需給歪み(新車納期、値上げ前後)と「ほぼ新車」プレミアムが残る一方、初期減価は大きい。

登録後3年(初回車検タイミング)

国産大衆 60〜75%
人気SUV・人気軽 65〜80%(人気・供給タイトで上振れ)
輸入高級 45〜60%
EV 40〜55%(世代交代・電池不安・新車値動きの影響を受けやすい)
理由 リース・社用の戻りで供給が増え、保証切れが近づく。

モデルチェンジ発表が重なると一段安。

登録後5年

国産大衆 45〜60%
人気SUV・ミニバン・軽 50〜65%
輸入高級 30〜45%
EV 25〜45%
理由 2回目の車検前後。

消耗品の年次劣化が目立ち始め、装備の世代差も拡大。

登録後7〜10年

国産大衆 25〜45%
人気SUV/クロカン・商用(ハイエース等) 35〜60%(輸出・実需で底堅い)
輸入高級 20〜35%
EV・初期HV 20〜35%(バッテリー保証/容量劣化の影響が顕在化)
理由 年次劣化と古さの見た目、装備の陳腐化。

ただし輸出需要が強い車種は底が形成されやすい。

登録後13年超

多くのガソリン乗用車で自動車税種別割の重課(13年超)がかかり維持費上昇。

相場がさらに弱含みやすい。

一方でランクル、プロボックス、ハイエース、ディーゼル4WDなどは海外実需が厚く、輸出フロアで価格が下げ止まることも。

目安 10〜25%前後で推移するが車種差が極端に大きい。

年式が価格を動かすメカニズム(根拠)
査定現場では、日本自動車査定協会(JAAI)等の基準や、業者オークション(USS、TAA、Aucnet など)の落札相場が「年式×グレード×装備」でベース価格を形成し、そこから走行距離・修復歴・状態で加減点します。

年式が強く効くのは、次の年式連動要因が価格に直結するためです。

保証・リース満了の波
新車3年でメーカー一般保証が切れ、5年で延長保証が切れるケースが多い。

3年・5年にリース戻りが集中し供給が増えるため相場が緩みやすい。

車検サイクルと直近の出費
初回3年、その後2年ごと。

車検残の長短は評価点に直結し、年式が古いほど近々の重整備リスクが意識される。

モデルチェンジの段差
フルモデルチェンジ(FMC)や大幅マイチェンの発表・発売前後で、旧型相場は5〜10%程度の下振れが起きやすい。

パワートレーン刷新(旧NA→新HVなど)は影響大。

装備・規制適合の世代差
衝突被害軽減ブレーキやコネクテッド機能など、安全・快適装備は世代交代の影響が大きい。

法規対応(AEB装備義務化段階的導入など)により、旧世代の魅力度が落ちる。

税制・保険料
13年超の重課、環境性能割、重量税の経年要素などが維持費期待を押し上げ、古年式の需要を削る。

一方で軽自動車は税負担が相対的に軽く需要が底堅い。

時間劣化(距離と独立した劣化)
ゴム類、シール、センサー、配線、内装材は「時間」で劣化する。

距離が少なくても年式が古いと整備前提コストが織り込まれ、価格は下がる。

輸出需要のフロア
右ハンドル圏・新興国で人気の高い耐久車種(トヨタの4WD/ディーゼル、商用バンなど)は10年超でも輸出で下支え。

円安時は国内相場が輸出玉に引っ張られて強含む。

マクロ要因
半導体不足や新車値上げ・長納期期(2021〜2023年)には若年式の中古が高騰、正常化すれば徐々に平常カーブへ回帰。

為替や貿易規制変更も年式別の輸出バスケットを動かす。

セグメント別の年式感度の違い(目安)

– 軽自動車(N-BOX、タント等)
3年 65〜80%、5年 55〜70%、10年 30〜45%。

維持費優位と需要の強さで年式劣化は緩め。

コンパクト/大衆セダン(ヤリス、カローラ等)
3年 60〜75%、5年 45〜60%、10年 25〜45%。

総じて標準的。

ミニバン(セレナ、ヴォクシー等)
人気グレード・装備は強い。

3年 60〜75%、5年 50〜65%、10年 30〜50%。

SUV/クロカン(ヤリスクロス、RAV4、ランクル等)
需要が厚く下落カーブは緩い。

ランクル・プラド・ハイラックスは例外的に強含み、年式が価格に与える負の影響が小さい(場合によっては上昇局面も)。

輸入高級セダン/クーペ
初期減価が大きい。

3年 45〜60%、5年 30〜45%、7〜10年 20〜35%。

維持費・故障リスクの織り込みが大きい。

電動車(EV、初期PHV/一部HV)
技術進歩・新車価格変動・電池保証の閾値(8年/16万km前後など)で年式感度が高い。

3年 40〜55%、5年 25〜45%、8年以降は保証切れで一段安になりやすい。

HVは実績の長いトヨタ系などは相対的に安定。

年式と走行距離のトレードオフ
実務では「年式で決まるベース価格」に対し、「距離(加点/減点)」「修復歴(大減点)」「装備・色・状態(個別加点/減点)」を積み上げます。

年式と距離は相関しますが、独立に評価します。

同一距離なら年式が新しい方が高いのが原則。

例えば5万km走行で3年落ちと5年落ちが並べば、後者は前者より10〜30万円程度低いことが多い(大衆〜ミドル級の概算)。

距離の減点感度は車種で異なり、1万kmあたり数千円〜数万円の幅。

年式が古くなるほど、同じ距離でも劣化リスクを加味して距離減点が大きくなりやすい。

ケース比較(あくまで一般論)

3年落ち・9万km vs 5年落ち・3万km 多くの大衆車で「5年・低走行」が上になる可能性が高い。

仕事車や高速長距離主体のディーゼルでは、高年式・多走行が選ばれるケースも。

実務で起きやすい「段差ポイント」

– 年の切替(12月登録と翌1月登録)
表記年式が1年違うだけで数万円〜十数万円の差が生じることがある。

年跨ぎ売却は要注意。

FMC・大幅MCの発表日
旧型相場は発表や試乗記事解禁のタイミングで先行して弱含む。

売却は「正式発表前」か「発表直後の在庫枯渇時」を狙うのがセオリー。

車検前後
車検残が長い方が売りやすく、同条件なら数万円〜十数万円の差。

直前に通すべきかは個体の整備必要額と相場を天秤に。

13年超の重課ライン
到達直前に動く個人売却が増え、直後は需要が弱る。

輸出銘柄以外は到達前の売却が無難。

売り手目線のアクションプラン

– 人気が高く年式劣化が緩い車(人気SUV・人気軽・耐久商用)は、相場が崩れていない限り「早めに売らなくても残価が残りやすい」。

ただしFMC・税制境目は意識する。

– 輸入高級・一部EVは「若い年式ほど有利」。

3〜5年を超えると減価が加速する局面があるため、早めの乗り換えで総コスト最小化を図る戦略が有効。

– どの車も「相場の山谷」を確認する。

カーセンサーやGooの相場グラフ、業者オークションの市況レポートを定点観測し、3年・5年・モデルチェンジ・年跨ぎの前後で最適タイミングを選ぶ。

– 複数社査定で「年式評価の差」を比較。

各社の在庫構成や輸出販路で年式の重み付けが異なるため、提示額に差が出やすい。

よくある誤解の修正

– 「走行距離が少なければ古くても高い」は半分正解。

極端な低走行であっても、古年式ゆえの時間劣化・税制・装備陳腐化は価格を抑える。

低走行プレミアムは5〜10年あたりで逓減する。

– 「モデルチェンジ直後は必ず安い」とは限らない。

旧型の玉不足や特定グレード人気で一時的に締まることもある。

– 「13年を超えると価値ゼロ」ではない。

輸出・趣味性・整備履歴が明確な個体はしっかり値が付く。

ただし裾野の広い大衆車は需要が薄くなりやすい。

まとめ

– 年式は中古車査定の中核で、価格カーブは「初期急減→中期緩やか→長期で底形成→税制等で再弱含み」という形が基本。

車種・市場で傾きは大きく変わる。

– 年式が価格に効く根拠は、保証・車検・モデルチェンジ・税制・時間劣化・需給(オークション/リース戻り)・輸出需要といった「年に連動する実コスト・実需の変化」が積み上がるため。

– 実際の売却では、年式だけでなく「走行距離・修復歴・装備・色・整備履歴」、さらに「直近の相場環境(新車納期、為替、輸出規制)」まで合わせて判断するのが肝要。

特に3年・5年・モデルチェンジ・年跨ぎ・13年超の節目は価格変動が起きやすいので、時期戦略が効きます。

参考にすべき情報源(具体的な数値は市場で日々変動)
– 業者オークションの市況レポート(USSなど)と落札分布
– 日本自動車査定協会(JAAI)の査定基準・教本(年式別基準価格と加減点の考え方)
– 大手ポータル(カーセンサー、Goo)の在庫相場グラフと過去推移
– メーカーの保証条件(一般/特別/電池保証)とモデルチェンジ計画の公式発表

この考え方をベースに、具体の車名・年式・距離・状態が分かれば、より狭いレンジで年式の寄与分を数値感でお伝えできます。

走行距離は何kmごとに相場が変動し、ボーダーラインはどこにあるのか?

ご質問の要点は「走行距離は何kmごとに相場が動くのか」「ボーダーはどこか」「年式・修復歴との関係と根拠」だと思います。

結論から言うと、日本の中古車相場では、走行距離はおおむね区切りの良いレンジ(万km単位)で買い手の需要が大きく変わり、特に5万km・7万km・10万kmに明確な段差が生まれやすいです。

年式や修復歴はこの距離の印象を強めたり弱めたりし、車種によって感応度も違います。

以下、実務で使われるボーダーと理由を体系的に解説します。

1) 走行距離の代表的なボーダーと相場の段差(乗用車全般)
– 〜5,000km
登録済未使用車〜極低走行帯。

ほぼ新車扱いのプレミアム。

年式が新しいほど強く、同一グレードでも1万km超と比べて明確に高値。

– 〜1万km
低走行の明確な区切り。

検索サイトの絞り込み(1万km未満)が多く、需要が厚い。

3万km帯に比べ価格差が付きやすい。

– 1万〜3万km
高年式の「状態良好」帯。

年式とのバランスが良く、相場の中心。

1万km刻みの微差はあるが段差は小さめ。

– 3万〜5万km
部品の初期摩耗(タイヤ・ブレーキ等)が出始めるが、まだ「普通に良い」。

5万km目前は売れ筋、5万kmを跨ぐと検索から外れることがあり、一段差が出る。

– 5万〜7万km
気にする買い手が増える帯。

5万km台は許容、7万kmを超えると次の段差に向けて下りが強まる。

– 7万〜10万km
中古車サイトや店頭で「7万km未満」「10万km未満」の線引きがよく使われ、7万km超で一段、10万kmを跨ぐ前後で大きな段差。

10万kmは心理的・整備的・保証的な「壁」。

– 10万〜15万km
高走行の扱い。

走行に強い車種(トヨタ系、ディーゼル、商用ベース)はまだ流通が厚いが、相場の下落幅は拡大。

15万kmでさらに絞られる。

– 15万〜20万km
モデル・コンディション依存。

整備履歴が明確でないと敬遠されやすい一方、ランクルやハイエース等は海外需要で相場が底堅い。

– 20万km超
国内小売は限定的。

輸出・業販・部品取りの相場要因が強くなる。

例外的に指名買いの強い耐久モデルは別。

2) なぜそのボーダーが効くのか(根拠・背景)
– 検索・販売現場のレンジ設定
Goo-netやカーセンサー等の絞り込みに「1万未満/1〜3万/3〜5万/5〜7万/7〜10万/10万以上」といった区分が採用され、買い手の行動がそのレンジで形成されます。

段差がつくのは、単に機械的劣化だけでなく「見られやすさ・選ばれやすさ」の問題です。

– 査定の減点法(日本自動車査定協会等)
実務の査定は年式ごとの標準走行距離(目安は年1万km=月1,000km)を基準に、超過分は減点、下回ると加点する「距離減点」の考え方になっています。

車種区分で係数が異なり、年式と距離のバランスが良い個体は有利。

具体の係数は公表資料・最新版で異なりますが、仕組みとして「標準からのズレ」で評価が動くため、年式に対する距離の多寡が価格に直結します。

– リース・残価・保証の閾値
残価設定ローンやオートリースの多くが「年1万km」を標準とし、3年3万km・5年5万〜6万kmが一般的な残価設計。

メーカー保証・延長保証も「年数」または「10万km」上限が多く、10万kmを跨ぐと保証外になる心理的抵抗が強まります。

ハイブリッドはHVバッテリー保証(例 トヨタで8年/16万km相当)が効き、16万km前後も意識されます。

– 整備費の発生ポイント
タイミングベルト(旧来型)10万km交換、補機類・ショック・ブッシュ・ベアリング・CVTフルードなどの交換推奨帯が5〜10万kmに集中。

交換済みの証拠があると高走行でも評価が持ち直すのは、この費用読みの不確実性を解消できるためです。

– オートオークションの評価慣行
USS等の評価点は外装・内装・機関と併せ走行距離も総合判断。

高年式・低走行は4.5点以上が出やすく、10万km超は評価Rでなくても点数が伸びづらい傾向。

業者はこの落差を前提に仕入・小売価格を組みます。

– 輸出需要の影響
一部車種は国内の距離忌避より輸出相場が勝ち、15万〜20万kmでも強いことがあります(ランクル、ハイエース、プロボックス等)。

国内小売相場とズレる理由です。

3) 年式との相互作用(距離だけでは決まらない)
– 基本式は「年式×距離のバランス」。

年1万km前後が標準。

– 例1 3年落ち3万km=優等生。

需要が厚く価格は強い。

– 例2 3年落ち7万km=距離超過で明確に割安。

フリート落ち等の可能性も吟味されます。

– 例3 10年落ち2万km=低走行だがゴム・樹脂の経年劣化、タイヤ・ホースの硬化など懸念。

距離だけで大幅なプレミアムは付きにくい。

– 車検残・保証残の段差
初回車検(登録後3年)・以降2年ごと。

車検残が多い個体は同等条件より高く売れ、車検切れ間際は値引き要因。

メーカー保証3年・5年などの切れ目、延長保証の有無も段差要因。

– 税制の節目
13年超で自動車税・重量税が重課されるため、年式13年の壁は相場面で不利。

距離が少なくてもこの年式壁の影響を受けます。

4) 修復歴との相互作用
– 修復歴の定義
ピラー・クロスメンバー・ラジエータコアサポート・フロアなど骨格部に達する損傷修復があると「修復歴あり」。

ボンネット・フェンダーの交換は通常「修復歴なし」。

– 相場への影響
同条件で「修復歴なし」に比べ、修復歴ありは一般に10〜30%程度のディスカウントが起こり得ます(部位・修復品質・車種で振れ幅大)。

低走行・高年式でも修復歴があると、距離プレミアムは大きく相殺されます。

– 透明性の重要性
修復部位・修理方法の開示、修理明細・画像・測定データがあると不確実性が下がり、価格下落を緩和できます。

5) 車種・用途別の距離感応度
– 軽自動車・コンパクト
距離感応度が高め。

5万・7万・10万の段差がはっきり出る。

低走行ほど売れが早い。

– ミニバン・SUV(ガソリン)
需要は厚いが、7万・10万の壁は意識される。

整備履歴が価格を左右。

– ハイブリッド・EV
走行そのものよりバッテリーの健全性が鍵。

HVは16万km保証帯、EVはSOH(残存容量)と急速充電使用状況が重要。

10万kmの心理的壁は残る。

– ディーゼル・商用ベース
高走行許容度が高い。

10万km超でも整備記録が堅ければ評価は相対的に良い。

– 輸入車・高級車
保証切れ後の修理費リスクが敬遠され、7万km付近で需要が落ちやすい。

整備記録・保証継承・認定中古の有無が価格を大きく左右。

6) 実務的な「距離ごとの動き方」の目安
– 5万km
初めての明確な段差。

5万未満で探す買い手が多く、5.1万kmと4.9万kmで成約スピードが違うことも。

– 7万km
次の段差。

7万超の在庫は同条件の6万台より長期化しやすい。

– 10万km
大きな壁。

10.1万kmと9.9万kmで来店数が変わる現場感は強い。

保証・整備の不安をどう解消するかが鍵。

– 15万km
国内小売の裾が狭まり、輸出・業販の影響が強くなる。

特定車種は底堅い。

7) 価格を守る/上げるための打ち手
– 整備・消耗品の予防交換と記録の提示(タイミングベルト/ウォーターポンプ/ATF・CVTF/ブレーキ・タイヤ等)
– 記録簿・点検履歴・ワンオーナー証跡の整備
– ハイブリッドはHVバッテリー診断結果(ディーラー発行)の用意
– 修復歴ありは部位と修復品質の透明化(測定値・写真・見積書)
– 距離の大台を跨ぐ前(特に5万・7万・10万)に売却タイミングを検討

8) まとめ(ボーダーラインの再掲)
– 走行距離の主なボーダーは、〜1万、〜3万、〜5万、〜7万、〜10万、〜15万、〜20万km。

特に相場段差が大きいのは5万・7万・10万。

– 年式とのバランス(年1万kmが一応の基準)、車検・保証の切れ目、整備費の発生ポイントが、距離の印象を強める。

– 修復歴は距離のプレミアムを打ち消しやすく、情報の透明性で緩和可能。

– 車種によって距離感応度は異なる。

ディーゼル・商用・輸出強いモデルは高走行でも底堅い一方、軽・コンパクト・一部輸入車は距離に敏感。

根拠は、国内中古車検索サイトの距離レンジ設定とそれに基づく買い手の挙動、査定協会の減点法(標準走行距離基準による加減点の考え方)、リース・残価やメーカー保証の閾値設計(年数と10万km上限)、整備・消耗品の交換推奨距離、国内オートオークションの評価慣行と実際の落札分布、そして輸出需要の存在という複合的な市場実務にあります。

個別の車種・コンディションで最適解は変わるものの、上のボーダーを意識して売買タイミングと情報開示を整えることで、相場面での不利を最小化しやすくなります。

修復歴(事故歴・交換歴)の有無で査定はどれほど下がるのか?

結論から言うと、「修復歴(事故による骨格部位の損傷・修復)がある」と判定された車は、同程度の無修復車に比べて、相場が概ね10〜30%下がるのが一般的な目安です。

年式が新しい・人気が高い・損傷部位が大きい(骨格交換や歪みが強い)ほど下落幅は拡大し、ケースによっては30〜40%超まで広がることもあります。

一方で、外板(ドア・フェンダー・バンパー等)の交換・板金塗装のみで骨格に影響がない「交換歴・事故歴(軽微)」であれば、値落ちは0〜数%程度にとどまることが多いです。

以下、定義、下落の幅、条件別の違い、そして根拠を詳しく整理します。

1) 用語の整理(事故歴・交換歴・修復歴の違い)
– 交換歴(外板交換・塗装等)
ボルト留めのドア、フェンダー、ボンネット、バンパー、ライト等の交換や外装修理。

骨格(車体の主要構造)に損傷・修復が及んでいないもの。

原則「修復歴」には該当しません。

– 事故歴(広義)
事故に遭った事実全般を指す日常用語。

外板のみの損傷も含むため、「事故歴あり」だからといって必ず「修復歴あり」になるわけではありません。

– 修復歴(業界基準)
日本自動車査定協会(JAAI)の査定基準や自動車公正取引協議会の表示基準では、骨格部位(例 フレーム/サイドメンバー、フロントインサイドパネル、ピラー、ダッシュパネル、クロスメンバー、ルーフパネル、フロア、トランクフロア等)に損傷・修復(交換・切継・修正)があるものを「修復歴車」と定義します。

ラジエーターコアサポート等も、車種や構造(溶接/ボルト)により骨格扱いになる場合があります。

要は「走行安全性に関わる骨格に手が入ったかどうか」が線引きです。

2) 査定相場の下落幅(全体感)
– 修復歴あり(骨格に損傷・修理あり)
一般的な目安で10〜30%マイナス。

新しい年式・人気SUV/ミニバン・スポーツ/高級車では20〜40%まで広がることも。

逆に、低年式・多走行・低価格帯では5〜15%程度にとどまることが多いです。

– 軽微な事故・外板の交換歴のみ(修復歴なし)
0〜5%程度のマイナスが目安。

塗装肌や色違い、パネルのチリ不良が目立つ場合はもう少し下がることがあります。

エアバッグ展開歴は修復歴の有無に関わらず敬遠されやすく、別途マイナス評価になりやすい点に注意。

– 重大損傷(骨格交換/歪み大、複数骨格損傷、修理品質が低い等)
25〜40%超の下落もあり得ます。

直進性やアライメントに違和感がある、ウォータリークや異音が残る等の症状があれば一段と敬遠されます。

3) 年式・走行距離・車種による違い
– 年式が新しいほど下がりやすい
2〜5年落ちの人気車は無修復の流通母数が豊富で、販売店も「無修復」を優先仕入れします。

そのため修復歴ありは再販スピードと利益確度が落ち、仕入れ値は強めに調整されます。

– 走行距離が多いほど差は相対的に縮む
10万km超などでは、もともとの相場が低めかつ距離要因の影響が大きく、修復歴による上乗せマイナスは相対的に圧縮されがちです。

– ボディタイプ・人気度・希少性
人気SUV/ミニバンやスポーツ/高級車は無修復へのこだわりが強く、修復歴によるディスカウントが大きい傾向。

逆に軽商用や低価格帯の実用車ではインパクトがやや小さくなることがあります。

– 輸入車・EV/ハイブリッド
輸入車は修理費・部品代が高く、修復歴敬遠が強まりやすい。

EV/ハイブリッドは高電圧系・バッテリー周辺の損傷歴があると下落幅が大きくなる場合があります。

4) 修理部位・程度・品質による差
– 軽微(RA相当)
骨格にごく軽度の修正・交換があるもの。

マイナスは10〜20%程度に収まることが多い。

– 中程度(R相当)
ピラーやサイドメンバー等の骨格修理が明確で、複数部位に及ぶもの。

15〜30%程度が目安。

– 重度
骨格交換や大規模修正、溶接痕が粗い、パネル波打ち、アライメント不良等。

25〜40%超の下落も。

– 外板交換のみ
基本は「修復歴なし」。

ただし、交換点数が多い、塗装ムラや色違いが目立つ、事故の痕跡が推測されると数%のディスカウント。

5) 相場が下がる根拠(市場メカニズム)
– 定義と開示義務が明確
自動車公正取引協議会の表示基準やJAAIの査定基準で「修復歴車」の定義が統一され、販売時の告知義務があります。

小売段階で「修復歴あり」と明記されるため、購買抵抗が可視化され、無修復に比べて販売スピードが遅くなりやすい=仕入れ値は下がる。

– オークション評価と買い手層の縮小
大手オートオークション(USS等)では、修復歴車は評価点R/RAとして区分され、無修復(評価点4以上等)と別プールで比較されがち。

R/RAは入札者数が減り、落札競争が弱くなることで価格が下がる傾向になります。

– 再販リスクとコストの上昇
クレーム発生率、保証付与コスト、整備・手直し費用、在庫日数の増加(資金コスト)が高まりやすく、販売店はそのリスク・コストを見込んで仕入れ値をディスカウントします。

– ファイナンス・残価の制約
一部の残価設定ローンや保証プログラムでは修復歴車を対象外としたり、残価・保証条件を厳しくすることがあり、販売先が狭まりやすい=仕入力低下につながります。

– 顧客の選好
同価格帯であれば無修復が選ばれやすく、修復歴車は価格優位性を付けないと売れにくい。

結果として小売価格を下げざるを得ず、仕入れ値も連動して下がります。

6) 条件別のイメージ例(目安)
– 5年落ち・走行5万kmの人気コンパクト
無修復 卸相場=100とすると、
・軽微修復(RA) 80〜90(−10〜20%)
・明確な修復(R) 65〜80(−20〜35%)
– 2年落ち・走行2万kmの人気SUV
無修復=100
・RA 77〜88(−12〜23%)
・R 60〜82(−18〜40%)
– 12年落ち・走行12万kmの実用ミニバン
無修復=100
・R 80〜90(−10〜20%)
あくまでレンジ感の参考で、実勢は車種人気、色、グレード、装備、修理品質、時期(相場局面)で変動します。

7) 「交換歴のみ」の扱いと注意
– ドア・フェンダー・バンパー・ボンネット等の交換や板金は、骨格無傷なら「修復歴なし」。

減額は0〜数%が一般的。

– ただし、色違い・塗装ムラ・パネルのチリ不良・異音などの品質問題があると、体感価値の低下として追加のマイナス。

– フロントパネル(コアサポート等)は、溶接一体構造の車種では骨格扱いになる場合があり、交換・修正で修復歴になる可能性があります。

車種構造と修理方法の確認が重要。

8) 下落を抑える実務的ポイント
– 修理記録の整備
修理箇所、方法(交換/修正/切継)、使用部品(新品/中古/OEM)、アライメント測定結果、フレーム修正機のデータ、作業写真を残し提示できると、品質不安が和らぎ、ディスカウントの過度な拡大を防ぎやすい。

– 第三者鑑定の活用
AIS/JAAA等の第三者鑑定書があると、状態の透明性が高まり、買取店や小売店のリスク見積もりが保守的になり過ぎるのを抑制できます。

– 複数社査定
修復歴車の評価は店舗の販路や許容度でブレが大きい分野。

専門販路(修復歴車も積極販売)を持つ業者は相対的に高値を提示することがあるため、最低でも3〜5社の比較が有効。

– 小売向けPR
実走行・ワンオーナー・禁煙・記録簿多数・タイヤ/消耗品新品等、プラス要素の可視化で総合評価を底上げ。

9) よくある誤解と補足
– 「事故歴=即、大幅減額」は誤解
外板のみの修理・交換は、修復歴に該当しない限り、大幅な値落ちには直結しません。

減額の本丸は「骨格に影響が及んだかどうか」です。

– エアバッグ展開は別軸のマイナス
骨格無傷でも、展開歴は心理的抵抗・コスト増要因として個別に減額されることがあります。

– 修理の新旧は重要
直近修理で仕上がりが粗いとマイナスが大きく、適切なショップでの高品質修理・時間経過で不具合なしの履歴は相対的に評価が安定しやすい。

10) 根拠の要点まとめ
– 制度面の根拠
自動車公正取引協議会の「修復歴車の表示」やJAAIの査定基準で骨格損傷・修理の定義が明確化され、販売時の告知義務があること。

– 市場面の根拠
業者オートオークションの評価区分(R/RA等)により買い手層が縮み入札競争が弱まること、販売店側の在庫・保証・クレーム・資金コスト増を見込む必要があること、顧客の選好が無修復に偏ること。

これらが合算され、無修復比で平均10〜30%程度のディスカウントが形成されやすいという業界慣行がある、というのが価格メカニズムの実態です。

まとめ
– 骨格に手が入った「修復歴あり」は、同条件の無修復車に対し概ね10〜30%の下落が目安。

新しめ・人気車・重度修理・仕上がり不良で下落幅は拡大し、30〜40%超もあり得ます。

– 外板交換・板金等の「交換歴のみ(修復歴なし)」は影響が軽微で、0〜数%程度が中心。

品質次第で増減。

– 定義の明確化と告知義務、オークション評価、買い手層縮小、再販リスク・コスト、顧客選好といった制度・市場の両面が、値落ちの根拠です。

– 実車の相場は車種・年式・距離・装備・色・タイミング・修理品質で変わるため、修理記録の整備、第三者鑑定、複数査定でディスカウントを最小化するのが実務的な対応策です。

もし具体的な車種・年式・走行距離・修理箇所(見積書や写真)が分かれば、その条件に即した想定レンジをもう少し精密にお伝えできます。

年式・走行距離・修復歴の組み合わせで相場はどう変わるのか?

中古車の査定相場は「年式(経過年数)」「走行距離」「修復歴(事故による骨格部位の修理歴)」の3要素で大きく決まります。

3つは独立ではなく相互に影響し合うため、同じ車種でも組み合わせ次第で相場は大きく動きます。

以下では各要素の基本、組み合わせで何が起きるか、その根拠や現場での考え方まで詳しく解説します。

まずは各要素の基本的な効き方
– 年式(経過年数)
– 新車から3年までは値落ちが大きく、3~5年で緩やか、5年以降は車種差が拡大します。

一般的な残価の感覚は、3年で新車価格の60~70%、5年で40~55%、7年で30~45%、10年で10~30%程度(車種・人気度・電動化の有無で大きく変動)。

– 理由はメーカー保証や初回~2回目の車検サイクル、モデルチェンジによる商品力差、法定整備で必要になる消耗品更新コストの顕在化など。

– 走行距離
– 1年あたり5千~1万kmが「標準使用」の目安。

これを大きく外れると加点・減点が入ります。

– 新しい年式ほど距離ペナルティが強く、古くなるほど1万kmあたりの影響は逓減します。

目安として、登録後3年以内では基準から1万km多いごとに相場−3~5%、5~7年で−2~3%、それ以降は−1~2%程度に弱まることが多い。

10万kmの大台を超えると心理的・整備コスト面で段差的に−5~15%の追加下落が入りやすい。

– 理由は残存寿命(エンジン・ミッション・サスペンション・ベアリング・電装)の想定、近い将来の整備出費リスク、保証・延長保証の対象外化など。

– 修復歴(いわゆる事故歴)
– 日本の流通では骨格部位の損傷・修正・交換があると「修復歴あり」。

外板の交換のみは通常「修復歴なし(交換歴あり)」に留まります。

– 相場への影響は最も大きく、同条件比で−10~30%が一般的。

スポーツカー・高級輸入車・年式が新しい個体では−30~50%に達する例もあります。

逆に年式が古く相場自体が低い大衆車では−10%前後に留まることも。

– 理由は安全性・直進性・異音・タイヤ偏摩耗などのリスク懸念、下取り時の再減額、保証やローン審査での不利、業者オークションでの評価点(R/RA)による買い手層の限定化。

将来売却時にも「買い叩かれる」ため、購入側はその分を価格に強く反映させます。

組み合わせでどう変わるか(代表パターン)
– 新しい×低走行×修復歴なし
– 需給が最も強い組み合わせ。

相場は同型・同グレードの平均より上振れしやすく、装備・色が人気ならプレミア価格。

3年落ち1~2万kmなどは残価が高止まり。

– 新しい×高走行×修復歴なし
– 年式の割に距離が伸びているため過走行ペナルティ。

例えば登録2年2.5万kmは、同年式1万km比で−5~10%の調整が入りやすい。

ただしディーゼルやハイブリッドの長距離適性車は下げ幅が緩む。

– 古い×低走行×修復歴なし
– 希少性プレミアが出やすい領域。

10年落ちでも2~3万km台・屋内保管・整備記録簿完備・ワンオーナーなら、同年式平均より10~30%高いことも。

軽自動車、趣味性の高いスポーツ、人気SUVで顕著。

– 古い×高走行×修復歴なし
– 相場の下限ゾーン。

ただし輸出需要が強い小排気量ATやトヨタ系耐久性の高い車は、10万km超でも一定の底値を形成。

国内より海外需要の影響を受けることも。

– 低走行だが修復歴あり
– 低走行のメリットより修復歴のデメリットが勝ちやすい。

たとえば5年2万km・修復歴ありは、5年5万km・修復歴なしと同等かそれ以下に評価されるケースが多い。

新しければ新しいほど「事故歴の痛手」が重い。

– 高走行だが修復歴なし
– 同年式低走行・修復歴ありと比べ、後者より前者(高走行・無修復)が選ばれることが少なくない。

再販時の安心感が強いため。

– 修復歴あり×高年式(新しい)
– ディーラー系保証や認定中古の対象外になりやすく、買い手が一気に狭まるため下落幅が大きい。

高額帯ほど下げ幅が拡大。

– 修復歴あり×低年式(古い)
– もともとの相場が低いため絶対額の下げは小さく見えるが、流通先が限定(業販・事故車専門店)され、成約まで時間がかかる傾向。

相場感の目安(モデルケースによる直感のつかみ方)
基準 同一車種・同一グレード・5年落ち・5万km・修復歴なし=相場100とします。

– 5年・3万km・無修復 +5~8 → 105~108
– 5年・8万km・無修復 −8~12 → 88~92
– 5年・5万km・修復歴あり −15~25 → 75~85
– 3年・2万km・無修復 +15~25 → 115~125
– 3年・5万km・無修復 −5~10 → 90~95
– 3年・2万km・修復歴あり −25~40 → 60~75
– 10年・8万km・無修復 −25~40 → 60~75(車種で差大)
– 10年・8万km・修復歴あり −35~50 → 50~65

あくまで一般則であり、以下の補正で上下します。

– 車種・人気度・新車時の希少性(限定車、スポーツ、SUV、ミニバン、軽、商用)
– パワートレイン(ディーゼルは長距離耐性が評価される。

EV/ハイブリッドはバッテリー劣化・保証の有無で大きく変動)
– グレード・OP(安全装備、ナビ、サンルーフ、本革、寒冷地仕様、4WD、先進運転支援)
– 色(白・黒・パールが強く、奇抜色は弱い傾向。

ただしスポーツは原色が強い場合あり)
– メンテ履歴(記録簿、ディーラー整備、消耗品更新歴 タイヤ、ブレーキ、ベルト、バッテリー等)
– 使用状態(禁煙、ペット無、下回り錆なし、ガレージ保管)
– 車検残・保証残・ワンオーナー・事故歴の内容(コアサポート/ピラー損傷など重い部位か、軽微か)

なぜこのような相場になるのか(根拠・考え方)
– 業者オークションの評価体系
– 国内の大手(例 USSなど)では「評価点」と「展開図(キズ・凹み・交換/修理部位)」で取引されます。

骨格修正がある車はR/RA評価となり、入札者層が限定され平均落札価格が下がるのが実務の現実です。

走行距離が増えると同評価点でも指値が下がる傾向がデータ上明確。

– 販売時のリスクと保証
– 修復歴ありは販売店の保証対象外や保証範囲縮小が一般的。

将来のクレームコスト・仕入れ資金回収リスクを価格に織り込みます。

高年式ほど販売価格が高く、保証・クレーム単価が大きくなるため減額が拡大。

– 消費者心理としきい値
– 10万km・5年/7年など、わかりやすい節目で需要が変化します。

広告媒体での絞り込み条件(「修復歴なし」「走行距離5万km以下」など)が価格形成に直結。

– 残存寿命と整備費の期待値
– 走行距離が増えるほど、サスペンションブッシュ、ダンパー、ハブベアリング、補機、触媒、インジェクター、CVT/ATフルード関連などの更新が近づき、将来出費の期待値が上昇。

ハイブリッドやEVは駆動用バッテリーの保証/劣化が相場へ強く反映。

– 融資・保険の制約
– 修復歴あり・高走行は残価予測が取りにくく、金融機関のローン審査や残価設定に不利。

結果として買い手の裾野が狭まり価格が下がる。

実務で使える見立てのコツ
– まず「年式×距離」の基準ラインを決め、年5千~1万kmからの乖離を距離係数で補正。

次に修復歴の有無で大きめの係数(−10~30%)を適用する。

最後に車種・人気・装備・色・状態で微調整する、という順序が現場の感覚に近いです。

– 同一条件で3~5台の成約(販売済)価格を確認し、中位値を基準に上記係数で補正するのが精度を上げるコツ。

掲載価格ではなく「成約に至った価格」を重視。

– 修復歴の内容は評価票や第三者機関(AIS/JAAA等)の鑑定で細部まで確認。

骨格のどの部位か、交換か鈑金か、修理品質(溶接痕・歪み・塗装肌)を把握するほど価格のブレが小さくなります。

注意点(例外や補足)
– モデル末期やフルモデルチェンジ直後は相場が一時的に動きます。

旧型は下落、新型はプレミア。

– 供給ショック(半導体不足、為替、天候災害による需要増)で短期的に距離・年式の係数が崩れることがあります。

– EVは走行距離よりも充放電回数・劣化度合い(SOH)や急速充電利用比率のほうが効きやすい場面があり、従来の距離係数が通用しにくいことがあります。

– 業者オークションの落札相場と小売店頭価格の間にはマージン(整備・保証・諸費用・利益)が乗るため、直接比較は注意。

まとめ
– 年式は価値の「基礎体力」を決め、走行距離は新しいほど効きが強い減点、修復歴は最も強いディスカウント要因です。

– 組み合わせでは「新しい×低走行×無修復」が最強、「新しい×修復歴あり」は痛手が大きく、「高走行でも無修復」は再販しやすさから相対的に健闘します。

– 根拠は業者オークションの評価・実勢、保証とクレームリスク、消費者のしきい値心理、残存寿命に基づく合理性にあります。

もし具体的な車種・年式・距離・修復歴の情報があれば、その条件に合わせて相場帯と調整幅の目安を算出してお伝えできます。

複数の候補がある場合も組み合わせ比較を作成します。

自分の車の査定相場を簡単に見積もるにはどうすればよいのか?

自分の車の査定相場を「簡単に」見積もる手順と、そう見積もれる根拠をまとめます。

年式・走行距離・修復歴の3大要素を中心に、補正の考え方や具体的な数値目安も示します。

最後に手元で素早くできる計算例も載せます。

まずは結論(最短ルート)
1) 中古車販売サイトで同条件の「店頭価格の中央値」をつかむ
– カーセンサーやグーネット等で、年式・グレード・走行距離・修復歴なし・地域をできるだけ合わせて検索し、10台以上出るなら中央値(極端に高い/安いものは外す)を取る。

これが小売相場(店頭表示価格)。

– 実際の成約価格は店頭表示から5〜10%低いことが多い(値引きや下取り調整が入るため)。

2) 小売相場を「買取相場」に換算する
– 小売価格の70〜85%が概ねの買取レンジ。

– 人気・流通量多・輸出需要が強い車は80〜90%寄り、普通は75%前後、不人気セダンや輸入車高年式は65〜75%になりがち。

3) 自車の個別補正をかける(年式・走行距離・修復歴ほか)
– 走行距離 基準は年1万km。

基準より多い分は1kmあたり−10〜20円、少ない分は+5〜15円を目安に調整(高級車や商用人気車は影響が大きめ)。

– 修復歴(骨格部位の修理・交換がある車) −10〜30%が目安。

軽度の板金は−数万〜十数万円。

水没・冠水は大幅減額か買取不可のことも。

– 年式は残価率で捉える(後述)。

同年式・同走行の比較をしていれば大枠はカバーできる。

– さらに車検残、タイヤ/ブレーキ/バッテリー等の消耗、色(白/黒/パールは強め)、4WDや安全装備、サンルーフ/レザー等オプション、禁煙・記録簿・ワンオーナーなどを加減点。

ここから詳しく

A. ベース相場を取る際のコツ
– 条件合わせが命です。

年式(初度登録年)、グレード、駆動方式(2WD/4WD)、カラー、内装色、走行距離レンジ(±1万km程度)、修復歴なしでまず揃える。

地域はできれば同一都道府県か隣接県。

販売店保証や修復歴あり車は除外して中央値を取ります。

– 台数が少ない場合は条件を少し緩め、外れ値(極端に高い希少装備/極端に安い事故歴や過走行)はのける。

– 複数サイトで同条件の中央値を突き合わせるとブレが減ります。

B. 小売→買取に落とす理由(根拠)
– 小売価格には、仕入れ(オートオークション等)→整備・内外装仕上げ→保証・広告・在庫コスト→販売経費→利益が上乗せされています。

逆に買取は、その後に業者が負担するコストとリスクを差し引いた金額になるため、店頭価格より低く出ます。

– 実務的には、業者は業者向けオートオークション(例 USS等)の直近落札相場をベンチマークに「オークション落札見込み−諸経費−利益=最大買取価格」を決めます。

店頭価格とオークション価格の差が概ね15〜30%程度あるため、「店頭×0.70〜0.85」という換算が経験則として機能します。

人気・回転の速い車種ほど差は小さくなりやすいです。

C. 年式・走行距離・修復歴の補正(目安)
1) 年式(残価カーブの目安)
– 新車時からの一般的な残価率(普通車の平均レンジ。

SUV/トヨタ/軽は高め、輸入車・大型セダンは低め)
– 1年落ち 80〜90%
– 3年落ち 55〜70%
– 5年落ち 40〜55%
– 7年落ち 25〜40%
– 10年落ち 10〜25%
– ただしこれは「新車価格ベース」。

中古相場では同年式の実在在庫の中央値を拾えば、年式効果はほぼ織り込めます。

2) 走行距離(年1万kmが基準)
– 基準超過分 1kmあたり−10〜20円(過走行の度合い・車格で振れ幅)。

例 基準より2万km多いなら−20万〜−40万円。

– 基準未満分 1kmあたり+5〜15円。

ただし極端な低走行はメンテ不安や放置劣化リスクで加点が伸びにくいことがあります。

– 商用で需要が強い車(ハイエース等)や高級車は距離の影響が大きく、軽自動車や低価格帯はやや影響が小さめです。

3) 修復歴(骨格修正・交換の有無)
– 修復歴ありは同条件の無修復車に比べて−10〜30%が目安。

フレーム交換・ピラー/フロア修正など重度なら−30〜40%に達するケースも。

– 交換や板金が外板パネルに留まる軽度なものは−数万〜十数万円程度。

– エアバッグ展開歴や冠水・水没歴は大幅減額または買い取り不可もあり得ます。

– 業界ではJAAI(日本自動車査定協会)等の減点基準やオートオークションの評価点(4.5/4/3.5…)が参照され、価格に反映されます。

D. その他の重要補正
– 車検残 1ヶ月あたり3,000〜8,000円の加点が目安(普通車で車検総コストを24ヶ月で按分)。

– タイヤ/ブレーキ/バッテリーなど消耗品 交換が必要なら実費相当をマイナス。

タイヤはサイズ次第で4〜12万円程度。

– 装備・オプション 先進安全装備、サンルーフ、レザー、メーカーOPナビ、寒冷地仕様、4WDなどは加点傾向。

ただし古いナビや社外品は加点が小さい/ゼロも。

– 色 白・黒・パールは強め。

鮮色や特殊色は車種次第でプラスにもマイナスにも。

– 使用状態 禁煙、ペット臭なし、内装の傷み少、下回りサビ少、記録簿・取説・スペアキーあり、ワンオーナーはプラス要素。

– 地域・季節 雪国で4WDが強い、オープンカーは春に強い、スタッドレス付は冬前有利など。

– マーケット要因 新車供給や為替、輸出需要、モデルチェンジ直前直後で相場が動きます。

最新動向は月次で確認を。

E. 超簡易の計算フォーマット(自分で5分でできる)
1) 同条件の店頭中央値(A)を2サイト以上で確認し平均する。

2) 買取換算率(r)を車種感で決める
– 高需要・回転早いSUV/ミニバン/軽(トヨタ系、ハスラー等) 0.80〜0.88
– 一般的国産コンパクト・セダン 0.72〜0.80
– 輸入車・不人気セダン・高年式EV 0.65〜0.75
3) 走行距離補正(Δkm)
– 基準=年1万km。

超過分×(−10〜20円)、不足分×(+5〜15円)
4) 修復歴補正(Δacc)
– 無修復=0、修復歴あり=A×(−10〜30%)
5) その他補正(Δetc)
– 車検残、タイヤ・ブレーキ、オプション、色などの合計

概算買取相場 ≒ A×r + Δkm + Δacc + Δetc

F. 具体例(数値はあくまで目安)
– 2017年式 トヨタ プリウス S、走行7万km、無修復、白パール、車検残12ヶ月、関東
1) 店頭中央値A 複数サイトで170万円
2) r 需要高めとして0.78 → 170×0.78=132.6万円
3) 走行距離 2017→2026で年9年。

基準=9万km。

実走7万kmは2万km少ない → +(2万×10円)=+20万円
4) 修復歴 0円(無修復)
5) 車検残12ヶ月 +5,000円×12=+6万円、タイヤ6分山→補正0、白パール色+3万円、軽微線傷補修−2万円
合計概算=132.6+20+0+6+3−2=約159.6万円
レンジとしては155〜165万円程度を目安に、実際の査定で状態確認により±数万円動く、という見立て。

G. さらに精度を上げる簡便ワザ
– サイト横断で「成約事例」や「価格推移グラフ」を見る(過去相場の中央値がわかるサービスもあります)。

– 一括査定系や即時相場提示サービスで、電話を避けたいなら「オークション型(入札式)」を使い相場の上限感をつかむ。

– 同型同走行で「修復歴あり」の店頭中央値も別に調べ、無修復との差をそのまま減額として採用する(体感に合いやすい)。

H. よくある落とし穴
– 同じ「年式」でも前期/後期や特別仕様で相場が数十万円違うことがある。

型式・グレードコードまで確認。

– 低走行でも長期放置の消耗(タイヤひび、オイル滲み、下回り錆)で加点が相殺される。

– 社外エアロ/足回り/マフラー等の改造は、車種次第でプラスにもマイナスにも。

純正戻し可なら純正パーツの有無が効く。

– 「今日決めればこの価格」は相場急変がない限り交渉術の色が濃い。

複数社で同日査定して比較するのが安全。

– モデルチェンジ直後や決算期は相場や買取姿勢が動きやすい。

最新動向の確認を。

I. ここで示した目安の根拠
– 価格形成の土台は業者オートオークションの落札相場で、買取店・販売店ともにこれを基準に意思決定しています。

小売価格はオークション相場に整備・仕上げ・保証・在庫・販売経費・利益を加えたもの、買取価格はその逆算で決まるため、店頭価格に対する買取比率が70〜85%に収れんしやすいというのが実務上の経験則です。

– 年式・走行距離・修復歴の影響は、JAAI等の査定基準(減点法)やオークション評価点体系が広く使われ、距離は年1万km基準、修復歴の有無で大幅に価格差がつくことが一般的に観察されます。

– 走行距離の1kmあたり単価、修復歴の率減、車検残の月割、消耗品の減額は、業者仕入れ後に発生する実費・在庫回転リスクをカバーするための社内ルールとして各社が持つ水準で、ここでは複数事業者の公開情報や市場慣行に基づくレンジを示しました。

車種・時期・地域でブレるため幅を持たせています。

最後に
– 最短では「同条件の店頭中央値を出す→買取換算率をかける→距離/修復/車検/装備を足し引き」で、かなり実勢に寄った概算が出せます。

– 2〜3社の実査定と照合すれば、あなたの車の「売れる上限と下限」のレンジが見えてきます。

– 相場は需給で常に動くため、売却予定の1〜2週間前から毎日1回は同条件検索で中央値の変化をメモしておくと、交渉時の裏付けになります。

必要なら、車種・年式・走行距離・修復歴・地域・主な装備を教えていただければ、この手順で具体的な概算レンジを一緒に算出します。

【要約】
年式は中古車相場のベースを決める最重要因子。登録後2〜3年の下落が大きく、その後は緩やか、10年前後で下げ止まり、13年超は税負担で弱含み。SUV・軽は強く、輸入高級や一部EVは弱い。保証・リース返却、車検、モデルチェンジ、装備・法規、税制、時間劣化、輸出需給、半導体不足や新車納期・円相場などマクロも左右。

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