JAAA鑑定とは何で、中古車購入や売却にどんなメリットがあるのか?
JAAA鑑定とは何か
JAAA鑑定は、日本自動車鑑定協会(Japan Automobile Appraisal Association JAAA)が行う中古車の第三者鑑定(車両状態評価)です。
販売店や個人の利害から独立した専門の鑑定士が、外装・内装・修復歴(事故による骨格部位の損傷や交換の有無)・機関系(エンジンや駆動系の状態)・走行距離の整合性などを多角的にチェックし、その結果を「鑑定書(車両状態評価書)」として可視化します。
中古車ポータルの一部(例 Goo鑑定)では、掲載車にJAAAの鑑定結果が紐づいて提示されるケースが広く見られます。
JAAA鑑定でチェックされる主なポイント
– 外装 キズ・ヘコミ・塗装ムラ・再塗装や板金の有無、パネルの交換痕跡など。
ボディ図面上に損傷位置と程度がマークされるのが一般的です。
– 内装 シートや内張りの汚れ・破れ・匂い、装備類の作動状態、使用感の度合いなど。
– 機関系 始動性、異音や振動、オイル漏れの有無、冷却系・電装系など日常使用に関わる基本機能。
必要に応じてテスターや目視・聴診・ロードテストを組み合わせます。
– 修復歴 車体の主要骨格部位(例 フレーム、サイドメンバー、ピラー、クロスメンバー等)への損傷・交換・修正の有無。
単なる外板交換や軽微な補修は修復歴に含めないという業界基準に沿って判定します。
– 走行距離の整合性 メーター指示値に矛盾がないか、点検記録簿、車検記録、ステッカー、整備履歴等の間接証拠を突き合わせ、巻き戻しや表示不明リスクの有無を判断します。
– その他 タイヤ残溝、ガラス・ライトの状態、下回りの腐食度合い、水没や塩害の痕跡の有無、純正/社外部品の有無など販売上重要な付随情報。
鑑定結果(評価書)の見方
– 外装・内装 段階的な評価(星・点数など)で総合状態を表示。
区分や表記は媒体により異なりますが、誰が見ても比較しやすいよう統一フォーマットで提示されます。
– 修復歴 あり/なしで明記。
あわせてどの部位か、どの程度かを示すことが多いです。
– 機関系 現時点での異常の有無、要整備所見などの注記。
– 走行距離 実走行と認められるか、表示不明かの区分。
– 損傷マップ 車体の展開図にキズや凹みの位置・程度をプロット。
– 鑑定日・鑑定士 いつ誰が評価したかが分かるため、鮮度や信頼性を判断できます。
中古車「購入」のメリット
– 見えないリスクの低減 修復歴やメーター不正、重大な機関不良の兆候など、販売店の説明だけでは分かりにくい情報が第三者のフォーマットで明確になります。
特に初めての購入者でもリスク箇所を把握しやすい点が大きいです。
– 比較が容易 複数台を同じ軸(外装/内装評価、修復歴の有無、要整備箇所など)で横並び比較でき、検討時間が短縮されます。
– 価格の妥当性判断 評価内容と市場相場を照らし合わせて「価格と状態のバランス」を判断しやすく、過大評価・過小評価の発見や、根拠に基づいた交渉が可能になります。
– アフタートラブル回避 購入後の「聞いていない」「説明と違う」といった齟齬が減り、万一の際も鑑定書が事実関係の確認材料になります。
– 非対面取引との相性 遠方購入やオンライン商談でも状態が伝わりやすく、現車確認前の一次スクリーニングとして有用です。
中古車「売却・販売」のメリット
– 信用力の可視化 自店の主観ではなく第三者評価で「誠実な開示」を示せるため、来店・問い合わせ率や成約率の向上が期待できます。
– 販売のスピード化 状態が明確な車は検討者の不安が小さく、意思決定が早まる傾向があります。
– 価格の適正化 良質車はその「良さ」を客観的に示せるため、安売り圧力を受けにくく、結果的に粗利の安定に寄与します。
逆に難有り車両も、リスクが明示されることで「相応の価格」に早期着地しやすくなります。
– クレーム・返品の抑制 事前の状態開示により販売後のトラブルが減少。
説明責任を果たした記録として鑑定書が機能します。
– 業務の標準化 仕入・商品化・掲載の各工程で評価フォーマットを使うことで、社内の品質基準が均質化され、ミスや見落としを抑制できます。
JAAA鑑定の活用法と注意点
– 鑑定書の鮮度を確認 鑑定日が古い場合、その後の使用や修理で状態が変わっている可能性があります。
必要なら再鑑定や最新写真の提示を依頼しましょう。
– 記録類との突合 点検記録簿や整備明細、車検証の記載と鑑定内容を相互に確認すると、走行距離や修復歴の整合性判断がより確かになります。
– 試乗・現車確認の補完 鑑定は強力な材料ですが、完全な保証ではありません。
異音の再現性や匂い、操作感などは自分でも確認するのが理想です。
– 保証条件の確認 販売店保証や有償保証の対象・上限額・免責条件を、鑑定結果と合わせて理解しておくと安心です。
– 改造車・特殊用途車 大掛かりな改造や競技使用歴のある車は、評価フォーマット上の「良否」だけでは語れない部分があります。
専門店の見立ても併用しましょう。
– 依頼と費用 JAAA鑑定は多くが販売店経由で手配され、費用は販売店負担(販促費)として内包されるのが一般的です。
個人売買での単発依頼が可能かは、地域の提携店やサービス提供体制によります。
JAAA鑑定と他制度の違い(混同しがちな点)
– JAAA(日本自動車鑑定協会) 車両の「状態」を第三者が評価し、鑑定書を発行。
小売現場や掲載媒体で用いられます。
– AIS(オークネット系の検査機関) 同様に第三者の状態評価を行い、オークション評価基準との親和性が高いフォーマットで広く流通しています。
カーセンサー認定などで見かけます。
– JAAI(日本自動車査定協会) こちらは価格査定制度や「中古自動車査定士」の認定で知られる公益性の高い団体。
主に「価格の査定(時価)」に軸足があり、JAAA/AISの「状態評価」とは役割が異なります。
いずれも中古車市場の透明性向上に寄与する枠組みですが、目的(状態評価 vs 価格査定)と発行物(鑑定書 vs 査定書)が異なる点を押さえておくと誤解がありません。
なぜJAAA鑑定にメリットがあるのか(根拠)
– 情報の非対称性を埋める経済学的効果 中古車市場は「売り手の方が車の状態をよく知っており、買い手は情報劣位にある」典型例です。
ジョージ・アカロフのレモン市場理論が示す通り、非対称性が大きい市場では良質車が退出し、平均品質と価格が下がる悪循環が起こり得ます。
第三者鑑定により情報が公開・標準化されると、良質車が正当に評価され、取引量・平均価格・満足度が改善することが理論的にも実務的にも確かめられてきました。
JAAA鑑定はまさにこの非対称性を縮小する装置です。
– 業界基準に基づく修復歴判定 修復歴の定義は、自動車公正取引協議会(中古自動車の表示に関する公正競争規約)や日本自動車査定協会(JAAI)が公表してきた「主要骨格部位に対する損傷・交換・修正の有無」を拠り所にするのが業界の通説です。
JAAAの現場でもこの一般的基準に則って判定されるため、販売店間や媒体間で「修復歴あり/なし」の意味が大きくぶれないよう統一が図られています。
– フォーマットの可視化効果 外装・内装の段階評価、損傷マップ、修理・再塗装の痕跡表示、走行距離の整合区分など、視覚的・定量的に示すフォーマットは、経験の浅い消費者にも理解しやすく、誤解を減らします。
Goo鑑定など媒体連携事例で、問い合わせ率や成約率の向上が販売現場で観察されているのは、この「可視化」が効いているためです。
– 認定鑑定士による標準化 鑑定員は所定の研修・基準に基づき検査を行います。
個々の主観を排し、同一基準で評価することで、地域や販売店による品質表示のばらつきが抑えられます。
これはクレーム低減や再発防止に実務的な効果をもたらします。
– 証跡としての機能 鑑定書は鑑定日時点の状態を示す証跡であり、万一のトラブル時に事実確認のベースになります。
売り手・買い手双方を不当な主張から守る「第三者の記録」としての付加価値が、係争の抑止に寄与します。
実務上のコツ
– 気になる箇所は「写真追加」と「具体的補修見積」を依頼する。
鑑定で軽微とされた傷でも、直すと数万円規模になることがあります。
– 修復歴「あり」の場合は、部位・修理方法・修理時期・修理後のアライメント数値や走行テスト所見まで確認する。
内容次第で実用・安全性への影響は大きく異なります。
– 走行距離は、記録簿の年次推移と車検満了のサイクル、直近整備明細のODO記載など複数ソースで裏取りする。
– 鑑定日が古い場合や、入庫後に追加整備・板金を行った車は、再鑑定や追記の有無を販売店に確認する。
まとめ
JAAA鑑定は、中古車の状態を第三者が標準化された手法で評価し、鑑定書として可視化する仕組みです。
購入者にとってはリスクの見える化と比較の容易さ、売却者・販売店にとっては信用の可視化と販売効率の向上という実利があります。
業界の修復歴定義や公正競争規約に則った判定、媒体での統一フォーマット提供、認定鑑定士による標準化などが、その有効性の根拠です。
完璧な保証ではないものの、「見えない情報」を埋めることで、レモン市場化のリスクを下げ、より公正で納得度の高い取引を実現する実務的なツールといえます。
評価点やランクはどのように決まり、どの検査項目がチェックされるのか?
以下は、中古車の第三者機関として広く流通している「JAAA(日本自動車鑑定協会)」の鑑定について、評価点・ランクの決まり方と検査項目、そしてそれを裏づける根拠(業界標準・公開資料・実務慣行)を整理した解説です。
なお、個々の車両の評価ロジックの細目(減点表や配点比率など)は、検査品質の毀損防止や不正回避の観点から一般には詳細非公開であるため、以下はJAAAの公開情報と、中古車業界の共通基準・ガイドラインに基づく「実務上の一般像」としてご理解ください。
1) JAAA鑑定とは何か
– 目的 販売店やオークションの自己申告に依存せず、第三者が現車を確認して「車両状態評価書(鑑定書)」を発行する仕組み。
購入者は車の内外装や修復歴、機関状態、走行距離表示の妥当性などを客観的に把握できます。
– 実査の基本 専任鑑定士が現車を実地でチェックし、定められたチェックシートと判定基準に従って評価。
結果は総合評価(点数やランク)と項目別所見、写真付きで提示されるのが一般的です。
2) 評価点・ランクが決まる考え方(全体像)
– ベース評価 外装と内装の状態を基礎配点として合算(または重み付け合成)し、さらに機関・電装・下回りの状態、消耗度、装備の作動状況などを加味して総合点やランクを決定します。
– 上限制御(キャップ)と重大マイナス 修復歴あり、冠水・塩害、メーター改ざん疑義などの重大事由がある場合は、総合ランクの上限が制限されたり、特定ランクに自動的に格下げされます。
これは消費者保護と情報の非対称性是正の観点で、業界共通の考え方です。
– 減点の基本ロジック キズ・凹み・色あせ・再塗装・交換パネルなど外装のダメージは、位置・大きさ・数・程度に応じて累積減点。
内装も汚れ・擦れ・破れ・匂い・天張りの垂れ等で減点。
機関・下回りはオイル滲み/漏れ、異音、にじみの程度、腐食進行度、足回りガタなどで減点。
電装類は不作動・作動不良の数と重要度で減点します。
– 表示のされ方(例示) 総合は数字またはS/A/B/C等のランク、内外装は個別等級(例 外装A〜E/内装A〜Eなど)で示す形が一般的です。
表示方法は提携プログラムや販売店の開示方針により、星表示や点数表示に変換される場合があります。
3) 主な検査項目(JAAA鑑定で見られる範囲の実務像)
– 修復歴判定
– ボディ主要構造部(サイドメンバー、クロスメンバー、ピラー群、ダッシュパネル、ルーフ、フロア、ラジエータコアサポートなど)への交換・切継ぎ・修正の有無、溶接痕、シーラー不整、歪み、計測値の不整合を確認。
– ここに該当すれば「修復歴あり」とし、総合評価の上限が制限されます(後述の根拠参照)。
– 外装(ボディ全周)
– 各パネルの凹み、えくぼ、線キズ、擦り傷、飛び石、塗装焼け、色ムラ、クリア劣化、再塗装痕、パネル交換痕、モールやレンズひび、ガラス傷/飛び石、ワイパー傷、ヘッドライトの黄ばみ/曇り。
– 下地の見え方、色差、オレンジピール、塗膜厚のばらつき(必要に応じ塗膜計利用)などで再塗装や交換の推定も行います。
– 内装
– シートの破れ・へたり・擦れ、ステアリングやシフトノブの摩耗、ダッシュや内張りの傷み、天井の垂れ、フロアマットやラゲッジの汚れ、水濡れ痕、タバコ臭・ペット臭など異臭。
社外品の取付状況や加工痕の品質も確認。
– 機関・駆動系・下回り
– エンジン始動性、アイドリング安定、加速時の吹け、排気煙、オイル/冷却水漏れやにじみ、補機ベルト、冷却ファン作動、異音(タペット、ベアリング、ポンプ)、ミッション変速ショックやすべり、クラッチ滑り、デフ/ハブ異音。
– 下回りの錆・腐食(表面/進行/孔食レベル)、フロアやサブフレームの歪み、ブッシュ/ブーツ破れ、ショック抜け、アーム類のガタ。
– 電装・装備
– エアコン冷え/温まり、パワーウィンドウ、ドアロック、ミラー、ライト類、ワイパー、シートヒーター/ベンチレーション、電動スライド/テールゲート、オーディオ/ナビ/バックカメラ/センサー、先進安全装備(ACC、LKA、AEB等)の作動確認(路上走行を伴わない範囲で)。
– 走行距離・メーター表示の妥当性
– 車検証記録、定期点検記録簿、過去販売/出品記録、整備明細、場合により業界の走行記録データベース照合など複数ソースで整合性確認。
改ざん疑義やメーター交換履歴が推定される場合は注意喚起を記載し、評価上限を制限。
– 冠水・塩害・長期保管劣化
– 室内配線やシート下の錆、泥砂の堆積痕、シートレール/ボルトの赤錆、電装カプラの腐食、下回りの潮噛み痕、ラジエータやコンデンサ、ブレーキ配管の腐食状況を総合判定。
冠水歴が疑われる場合は重大事由として明記。
– タイヤ・ブレーキ・消耗品
– 残溝、偏摩耗、製造年週、ひび、スペア/修理キット、ブレーキ残量やローター摩耗・段差、バッテリー健全度(電圧・充電状態)、ワイパー、各種オイル・クーラントの状態。
– 書類・付属品・その他
– 取説、整備記録簿、スペアキー、工具、ジャッキ、純正部品の有無、後付装備の正規性、警告灯点灯有無(エンジン、ABS、エアバッグ等)。
4) ランク・点数の出し方(運用上の一般例)
– 総合評価は、外装・内装・機関/下回り・電装・消耗度の合成点から算出。
外装/内装は個別に等級(例 A〜E)を付し、総合は数値(例 5点/10点)またはランク(S/A/B/C 等)で示されることが多いです。
– 重大事由の扱い
– 修復歴あり 総合ランクの上限を制限(例 いかなる場合も最上位は付与しない)。
該当部位と修復の程度は所見に明示。
– 冠水・塩害・メーター不明/疑義 原則として厳しい評価、注意喚起を明記。
場合により鑑定対象外・要再整備の注記。
– 減点イメージ
– 外装 小傷/えくぼ等の軽微は小減点、複数面にわたる中大の凹み・再塗装・交換歴は大減点。
目立つ塗装劣化や色違いも大きく影響。
– 内装 匂い(喫煙・ペット等)や破れは減点が大きい傾向。
清掃で改善可能な汚れは中程度の減点。
– 機関/下回り オイル滲みは軽〜中、明確な漏れや異音は大減点。
腐食の進行度は安全性や将来コストに直結するため比重が高い。
– 電装 重要装備の不作動(エアコン、灯火類、安全装備等)は大きな減点、利便装備は中程度。
– 走行距離の影響
– 走行距離自体はコンディションの一要素として影響しますが、同距離でも保管・整備状況で差が出るため、「距離=機械的減点」ではなく、現状を優先評価しつつ距離は補正要素として扱うのが一般的です。
5) 根拠・準拠している業界基準(公開情報)
– 修復歴の定義
– 日本の中古車業界では「自動車公正取引協議会(公取協)の中古自動車の表示に関する公正競争規約・同施行規則」および「日本自動車査定協会(JAAI)の中古自動車査定基準・細則」により、修復歴の対象部位と判定基準が明確化されています。
JAAAを含む第三者鑑定でも、これらの定義を踏まえて主要構造部の修復有無を判定するのが実務標準です。
– 走行距離表示の適正化
– 走行距離の表示は公取協のガイドラインで厳格化されており、改ざんや不明時の表示方法が定められています。
鑑定では、車検記録、整備記録、過去出品情報等の複数ソース照合を行い、疑義がある場合は「不明」または注意喚起として明示する実務が一般化しています。
– 客観情報の表示
– 公取協のガイドラインは、重大事由(修復歴、冠水歴、メーター戻し等)の開示義務や表示方法を規定。
JAAA鑑定書も、消費者が誤認しないよう、これらの事実関係を見やすく表示する設計になっています。
– 評価ロジックの非公開性
– 具体的な減点表や配点は、検査の公正性確保と不正回避のために一般非公開とされるのが通例です。
これはJAAAに限らず、AISやオークション会場の評価システムでも同様です。
公開範囲は「評価項目の範囲」「重大事由の定義」「鑑定書サンプル」であり、実務での読み方が消費者に示されます。
6) 鑑定書の読み方・活用のコツ
– 総合点やランクだけでなく、外装/内装の個別等級、所見欄、写真を必ず確認。
点数が高くても、あなたにとって許容できない匂いや特定装備不良がある場合があります。
– 「修復歴あり」の場合は、どの部位か、溶接・交換・修正の別、影響範囲(直進性や異音の有無、タイヤ偏摩耗等の二次症状)を確認。
– 冠水・塩害の指摘がある車は、将来の電装トラブルや腐食進行のリスクが高いため、用途と予算、リスク許容度を慎重に検討。
– 走行距離に疑義がある場合は、乗り出しコスト(予防整備)と再販価値の影響を見込んで価格交渉・購入判断を。
7) 他制度との違い・留意点
– AISやオークション会場評価との違いは、表示形式(点数/ランクやコード体系)と開示の粒度。
JAAAでも業界標準に準拠しつつ、表示は消費者向けに分かりやすくまとめる傾向があります。
– 同じ車でも、時点・場所・検査員により軽微な評価差は生じ得ます。
疑問点は鑑定書を提示する販売店経由で再確認するのが確実です。
8) まとめ
– JAAA鑑定の評価は、外装・内装・機関/下回り・電装・走行距離の妥当性といった複数軸を、修復歴や冠水等の重大事由で上限制御しつつ合成して決まります。
– 検査項目は業界標準(公取協規約・JAAI査定基準)に準拠した修復歴判定を中核に、内外装の損傷や劣化、機関・電装・下回りの状態、書類整合、消耗品まで網羅します。
– 根拠は、公取協の表示ガイドラインとJAAIの査定基準という業界の共通ルール、およびJAAAが公開する鑑定書のサンプル・案内資料に見られる運用方針です。
採点の細目は非公開ですが、鑑定書には総合評価と重要事項が明示され、購入判断に必要な透明性が確保されています。
もし特定の車両の「JAAA鑑定書(評価点・所見・写真)」が手元にあれば、その読み解きと実車確認で注目すべきポイントを具体的にアドバイスできます。
鑑定書はどこを見ればよく、修復歴や走行距離の判定はどう読み解くのか?
以下は、日本自動車鑑定協会(JAAA)の中古車鑑定書(鑑定証明書/車両状態評価書)を前提に、どこを重視して見るべきか、特に修復歴と走行距離の判定をどう読み解くか、その根拠や背景基準まで含めて詳しく解説します。
JAAAに限らず、主要鑑定機関(AIS、JAAI、JUなど)で大きな考え方はほぼ共通ですが、表記や凡例の細部は書式の世代・提携先によって微差があるため、現物の「凡例」「注意書き」を必ず併読してください。
まず「ここだけは必ず確認」する7点
– 車両基本情報の一致
車名、型式、グレード、年式、車台番号下4桁、初度登録、色コード、車検満了日、装備などが、販売車両・見積書・車検証(コピー)と一致しているか。
ここがズレていると、以降の評価も参照先を誤ります。
– 総合評価(車両状態の総合点やランク)
書式により星や数値、ランクで表示。
新車に近いほど高評価。
外装・内装の減点、年式・走行距離、修復歴有無などを総合し、相場感の目安になります。
等級のレンジや用語は紙面の凡例で確認してください。
– 修復歴の有無(事故歴の判定)
「修復歴なし/あり」または「骨格部位損傷なし/あり」などの明示を最優先で確認。
後述の“骨格部位”の修正・交換があれば修復歴ありとなります。
– 走行距離の判定欄
「実走行」「走行不明」「メーター交換車(交換歴あり)」「距離管理システム照会済」などの表示と、表示距離(○○km)。
整備記録や業界システム照会の結果が反映される重要欄です。
– 車両状態図(展開図)と凡例
外板の傷・凹み・塗装・交換・修正等のマーキングが図示されます。
A(傷)、U(凹み)、W(歪み)、S(錆)、P(塗装)、X(交換)等の凡例が多いですが、紙面の伝説を優先。
部位と重症度を把握します。
– 付属品・消耗品・書類の有無
取扱説明書、保証書、記録簿、スペアキー、ジャッキ、工具、ナビ・ETC、タイヤ溝残、ブレーキ残、バッテリー状態など。
追加費用や整備の要否に直結します。
– 注記・免責・保証条項
鑑定の実施日(鮮度)、鑑定時点での状態であること、見落とし時の対応可否、適用外範囲など。
販売店や発行スキームにより保証の有無・期間が異なるため裏面表記を必ず確認。
修復歴の読み解き(定義・部位・実車での見方)
– 修復歴の定義(業界統一基準の要点)
中古車分野では「車体骨格(フレーム)部位に損傷があり、修正・交換したもの」や「骨格部位に損傷が残存するもの」を修復歴車(事故車)と定義します。
ドアやボンネット等の外板パネル交換だけでは、骨格に及んでいなければ修復歴には該当しません。
– 骨格部位の代表例
サイドメンバー(フレーム)、クロスメンバー、フロント・リアインサイドパネル、ピラー(A/B/C)、ダッシュパネル、ラジエータコアサポート、ルーフパネル、フロアパネル、トランクフロア、バックパネル、リアフェンダーインナー等。
これらの歪み・曲がり・カット交換やスポット増し打ち等の修正痕が対象です。
– 表示の見方
「修復歴なし」=骨格部位に損傷・修正なし(外板の補修や再塗装はあってもOK)。
「修復歴あり」=上記骨格部位で修正・交換が確認されたもの。
図示で対象部位にXやW等が付き、コメント欄に「フロントインサイド交換」など明記されることが多いです。
「軽微修正」などの文言があっても、骨格に及べば修復歴です。
逆に、バンパー交換やフェンダー再塗装だけなら修復歴ではありません。
– 状態図の凡例(よくある例)
A 傷、U 凹み、W 歪み・うねり、S 錆、P 塗装、X 交換、B バンパー傷等。
数字で大きさや程度(1〜3など)が付く書式もあります。
必ず用紙の凡例で対応付けを確認してください。
– 実車確認のコツ(鑑定を補完)
スポット溶接痕の不自然な間隔、シーラーの割れ・塗り直し、コアサポートやインサイドパネルの波、溶接跡、塗膜段差やオーバースプレー、ボルト頭の再塗装・回し痕、パネル隙間の左右差、床下・トランクフロアの打ち出し痕。
骨格に関連する違和感があれば販売店に「どの部位」「いつ」「どの程度」を追加で確認し、契約書へ明記してもらうのが安全です。
走行距離の判定の読み解き(ラベル・根拠資料・注意点)
– 表記の種類と意味
実走行(距離管理システム照会済)
車検・点検記録や業界データベースとの整合が取れており、巻き戻し・交換矛盾がない状態。
もっとも信頼度が高い。
メーター交換車
過去にメーター交換歴があり、交換時点の距離が記録等で裏付けられている。
合算の実走行が推定できる場合と、交換後の走行のみ明確な場合があるため注記を読む。
走行不明/要確認
記録の空白や矛盾、旧車での記録欠落、輸入時点からの履歴不足等。
相場は下がるのが一般的で、購入後の売却時にも不利になり得ます。
– 何を根拠に判定しているか
車検・点検整備記録簿(年次ごとの走行距離記載)
過去のオートオークション出品履歴(出品時の距離)
業界の走行距離管理システム(公的・業界団体が運用する履歴照会)
メーター交換記録(ディーラー伝票、交換シール)
OBD/ECUに記録される累積距離(車種により参照)
これら複数のソースを突合し、時系列で距離が単調増加しているか、矛盾がないかを確認します。
– 注意点・例外
旧年式や並行輸入車は記録が薄く「不明」になりやすい。
5桁→6桁へのメーター桁変更期の車種は記載方法に要注意。
ECUが距離を持たない車種も多いため、ECU照会は補助的。
距離不明は価格に反映されるのが通例です。
– 買い手としての追加アクション
記録簿の現物・コピーで年次と距離を追う
業界システムの照会結果(証跡)を見せてもらう
メーター交換の場合、交換時距離と合算根拠を明文化
契約書に「走行距離計表示値」「実走行(不明)」の別を明記し、相違時の取り決めを記載
総合評価点や内外装評価の使い方
– 外装評価は傷・凹み・塗装歴、内装評価は汚れ・擦れ・臭い・加修跡などを集計。
総合評価はこれらに修復歴の有無、年式、距離、消耗品状態などを加味して決まります。
– 同じ総合評価でも、加点・減点の内訳が違うことがあるため、状態図とコメント欄を必ず読むのがコツ。
例えば「外装小傷多数の4点」と「外装良好・ルームやや使用感の4点」では、手直しコストと満足度が変わります。
鑑定書の信頼性を上げる読み方(鮮度・整合・保証)
– 鑑定日が直近か 古いと現況とズレる可能性。
長期在庫は再鑑定を依頼可。
– 他データとの整合 見積書や販売サイトの記載と数字・評価が一致か。
相違は理由を質問。
– 保証スキーム 発行元や提携販売店によって「記載相違時の対応(返金・買取・補修)」の有無と条件が異なる。
裏面・約款を確認。
– 二重チェック 可能なら別機関鑑定や整備工場でのリフトアップ点検を組み合わせると安心度が増します。
よくある誤解の是正
– 「バンパー交換=事故車」ではない 骨格に及ばない外装部品の交換・補修は修復歴ではありません。
– 「ボルトに回し痕=修復歴」ではない 整備や社外パーツ取り付けでも回し痕は付きます。
骨格部位の修正・交換かが本質。
– 「再塗装がある=悪い個体」ではない 外装再塗装は美観回復手段。
塗膜厚や下地処理の質の方が重要です。
根拠・基準について(なぜその読み方になるのか)
– 修復歴の定義や表示の基準
一般社団法人 自動車公正取引協議会(公取協)の「中古自動車の表示に関する公正競争規約・施行規則」および運用基準で、修復歴(事故歴)の定義と表示義務の考え方が示されています。
骨格部位の損傷・修正・交換が修復歴該当という業界の統一解釈はここに依拠しています。
一般財団法人 日本自動車査定協会(JAAI)の「中古自動車査定基準」でも、骨格部位の範囲と修復歴の判定方法が具体化されています。
主要鑑定機関はこれらの基準を踏まえて自社の評価運用を定めています。
– 走行距離の判定根拠
車検・点検整備記録簿の走行距離記載、オートオークション出品時の記録、業界団体が運営する走行距離管理システム(公取協やオートオークション協議会等のデータベース)を突合し、時系列整合性で「実走行/不明/交換歴」等を判断するのが標準実務です。
メーター交換は記録等で交換時距離が裏付けられるかで取扱いが変わります。
– 鑑定の技術的根拠
外板や骨格の判定では、目視・触診・ライト照射に加え、塗膜厚計で再塗装やパテ厚みの偏差を検出、スポット痕・シーラー形状・溶接痕の整合で骨格修正の有無を判断します。
下回り・ラジエータコアサポート・インサイドパネル等の波打ちや歪みは、事故入庫経験のある検査員の重要観点です。
実務で使えるチェックリスト(購入前の最終確認)
– 鑑定日の新しさは3カ月以内が理想。
古い場合は再点検を依頼。
– 「修復歴なし」表記と状態図の骨格部位にXやWがないかを両方確認。
– 走行距離は「実走行」かつ「距離管理システム照会済」の明記があるか、記録簿で年次推移が単調増加かを確認。
– メーター交換車は、交換時距離・合算根拠・誰がいつ交換したかを書面で取り寄せ。
– 状態図のA/U/Wなどのマーキング部位が自分の許容範囲か(板金・コーティング費用見積もりで判断)。
– 付属品・消耗品は追加コスト化しやすいので、現物確認と値引き・整備内容の交渉材料に。
– 契約書の特記事項に「修復歴の有無」「走行距離計表示値・実走行の別」「納車前整備内容」「保証範囲・期間」を明記。
最後に
JAAA鑑定書は「骨格に及ぶ損傷の有無(修復歴)」と「走行距離の信頼性」を第三者が定義に基づいて可視化した資料です。
見るべき順番は、基本情報の一致→修復歴→走行距離→状態図→内外装評価→付属品・消耗品→免責・保証。
修復歴は“骨格部位”に及んだかが核心、走行距離は“時系列整合と記録裏付け”が核心です。
公取協の表示規約やJAAIの査定基準に準拠することで、各鑑定機関間でも大筋の解釈が揃うよう設計されています。
鑑定書を基に、実車確認・記録簿・契約書の記載を三位一体で突合すれば、購入判断の精度は大きく向上します。
AISやJAAIなど他の第三者鑑定と比べてJAAAは何が違うのか?
以下は、中古車の第三者鑑定としてよく比較されるJAAA(日本自動車鑑定協会)、AIS、JAAI(日本自動車査定協会)について、JAAA鑑定の特徴と他機関との違いを、実務での使われ方・基準・表示・データ連携・中立性といった観点から整理したものです。
最後に根拠(参照先)もまとめます。
1) 提供主体と立ち位置の違い
– JAAA(一般社団法人 日本自動車鑑定協会)
– 立ち位置 小売段階(店頭・ポータルサイト)での「車両状態の見える化」に特化した第三者鑑定機関。
– 実務面 中古車情報サイトのグー(Goo-net)における「グー鑑定」の実施主体として広く知られ、店頭在庫車を対象に出張鑑定し、鑑定書を発行するモデルが中心。
– 特徴 消費者が直感的に理解しやすい表示(外装・内装の評価点、修復歴有無、車両状態図、写真群など)を標準化。
AIS(株式会社AIS)
立ち位置 業界標準のオークション評価基準をベースにした厳格な第三者検査会社。
ディーラー系認定中古車やカーセンサー認定などでも採用されることが多い。
実務面 専任の検査員(社内資格制度)による細かな減点・評価点方式で、業者間取引(オークション)の評価票に近い粒度で可視化。
特徴 検査粒度が細かく、業者側のリスク管理・再販品質の担保に強い。
JAAI(一般財団法人 日本自動車査定協会)
立ち位置 中古自動車の「査定(価格算出)」制度と査定士資格を所管する公的色の強い財団。
第三者鑑定というより「公正な査定基準の維持・普及」が主軸。
実務面 買取・下取の現場で使われる査定基準(減点査定)と査定士制度の教育・認定、さらに一部では車両状態証明や輸出前検査等の公益的業務も担う。
特徴 価格査定の標準化が強み。
消費者向け販売ページでの「見やすい鑑定書」よりも、事業者の査定・コンプライアンス基盤としての性格が強い。
2) 検査(鑑定)基準・表示形式の違い
– 共通点
– 修復歴の定義は、骨格部位(ラジエータコアサポート・フレーム・クロスメンバー・ピラー・ルーフパネル等)の損傷・交換・修正の有無を軸に、業界ルール(自動車公正取引協議会の表示ルール等)に準拠して判定するのが一般的。
JAAA・AIS・JAAIはいずれもこの枠組みを踏襲します。
– 走行距離の整合性確認は、点検記録・車検記録・オークション履歴・業界の走行距離情報照会システム等との突合を行うのが通例。
JAAAの表示
消費者に直感的な「外装」「内装」の評価点(段階評価)を掲示し、修復歴の有無、機関・骨格の状態、気になる加修箇所を車両状態図で示す見せ方が標準。
Goo-net上での「グー鑑定」では、鑑定書番号と写真・状態図がセットで公開され、ネット閲覧前提の視認性が高い。
検査は販売店在庫の現車に対する出張型が中心で、撮影・状態図作成までパッケージ化されているのが実務上の特徴。
AISの表示
オークションの評価票に近い減点・評価点方式を採用し、微小傷・補修跡まで拾い上げる粒度が高い傾向。
ディーラー認定車やカーセンサー認定等で「車両品質評価書」が用いられる。
媒体によってはAISの検査結果を消費者向けに読み替え(要約)表示するが、元の評価はより細かい。
JAAIの表示
本丸は査定(価格)であり、状態確認は「減点査定」の考え方が基礎。
車両状態証明や品質評価を行う場合も、査定金額の根拠づけや業務監査的な色合いが強い。
消費者向け販売ページのビジュアル表示は簡素になりがちで、事業者側の帳票や証明書での運用が中心。
3) 第三者性・ガバナンスの違い
– JAAA
– 一般社団法人として第三者性を掲げ、販売店とは独立の検査員が現車を鑑定。
鑑定番号付きの書式・写真で改ざん防止を図る。
– 小売現場と密接に連携するため、消費者が比較しやすい統一フォーマットを重視。
AIS
民間の専門検査会社として、検査員の社内資格・研修・監査を制度化。
オークション準拠の厳格な検査を担い、ディーラー系を含む幅広い販路で利用。
事業者の在庫品質管理・リスク管理のインフラとしての中立性・再現性を重視。
JAAI
一般財団法人として公共的役割を持ち、査定士制度・査定基準の維持管理で業界の公正取引を担保。
輸出前検査業務など、行政や海外当局と関係する分野も扱う。
「第三者鑑定」そのものより、査定とコンプライアンスの中核機関というポジション。
4) データ連携・不正防止(走行距離等)
– 各機関とも、整備記録・車検記録・オークション履歴・業界の走行距離情報照会といった複数ソースを突合して、メーター改ざんの疑義をチェックするのが一般的です。
– 実務上は、JAAAは小売媒体(Goo等)と、AISはカーセンサーやディーラー網、JAAIは査定ネットワークや会員制度と親和性が高く、それぞれのデータ流通圏で整合性確認が行われる点が異なります。
5) 運用(依頼形態・異議申立・再鑑定)
– 依頼の起点
– JAAA 販売店が在庫車を対象に依頼(撮影・鑑定・公開までワンストップ)。
– AIS 販売店・ディーラー・オークション事業者等が品質証明のために依頼(検査の厳格さに定評)。
– JAAI 買取・下取の査定現場や会員事業者の業務フローに組み込み。
異議申立・再鑑定
各機関とも、検査結果に関する問合せや再確認の窓口を設け、販売事業者と第三者機関の三者での事実確認を行う運用が一般的。
JAAAは消費者側からの照会(鑑定番号ベース)を受ける導線が比較的整備されています。
6) 厳しさ・向き不向きの「肌感」
– 厳しさの傾向
– AISはオークション準拠の厳格さで、微小な傷・補修も細かく拾い上げる傾向。
業者間の共通言語として強い。
– JAAAは消費者向けに分かりやすく整理した表現で、購入判断のしやすさを重視(可視化・写真・状態図)。
– JAAIは価格査定の一貫として市場影響(減点)を重視するため、金額根拠の明確さに強み。
向き不向き(目的別)
購入検討者にとって見やすい可視化・ネット掲載重視 JAAA
ディーラー・業者側の品質管理やリスク低減、認定中古車の裏付け AIS
買取・下取での価格の妥当性確保、社内統一基準・コンプライアンス JAAI
7) 誤解しやすいポイントと補足
– 「修復歴」の定義は機関ごとに大きくは変わらず、骨格部位の損傷有無で判定する業界ルールに準拠します。
どの機関でも「板金歴=修復歴」ではありません(骨格に及ばない外板の補修は一般に修復歴扱いになりません)。
– 「第三者性」は、検査員の所属や検査の独立性だけでなく、運用(改ざん防止、鑑定番号、写真保管、異議申立てルール)で担保されます。
JAAAは小売向けの公開性、AISは検査制度の厳格性、JAAIは査定基準と資格制度でそれぞれ第三者性を補強しています。
– 媒体の表示仕様により、同じ検査でも消費者向けの見せ方(評価点の段階表示や要約)が異なることがあります。
原本の車両状態書(鑑定書・品質評価書)を確認するのが確実です。
根拠・参考(確認先の例)
– JAAA(日本自動車鑑定協会)およびグー鑑定の公式案内
– グー(Goo-net)内の「グー鑑定とは」等の解説ページで、JAAAが実施主体であること、表示項目(外装・内装評価、修復歴、車両状態図、写真等)が説明されています。
– JAAAの公式サイト(協会概要・業務内容・鑑定基準の概説)。
– AIS(株式会社AIS)
– 公式サイトの会社案内・サービス紹介で、第三者検査事業、検査員制度、検査票(車両品質評価書)や評価方法の概要が示されています。
– カーセンサー認定の公式解説で、第三者検査としてAIS(場合によりJAAAも)が採用されている旨や、消費者向けの品質評価書の表示例が確認できます。
– JAAI(日本自動車査定協会)
– 公式サイトの協会概要・業務内容で、中古自動車査定制度、査定士資格、減点査定の考え方などが明記されています。
加えて、同協会が関与する各種検査・証明(輸出前検査を含む)の案内が掲載されています。
– 業界の共通ルール
– 自動車公正取引協議会等による表示ルール(修復歴の定義・表示基準)や、走行距離の適正表示に関する業界ガイドライン。
各第三者機関はこれらに準拠して運用しています。
まとめ
– JAAAは「小売段階の見える化」に特化し、わかりやすい鑑定書・写真・状態図で消費者が比較しやすいのが強み。
– AISは「オークション評価準拠の厳格さ」と検査員制度で、ディーラー認定や業者間の共通言語としての信頼性が高い。
– JAAIは「査定基準と資格制度」という公共的役割が中核で、価格の妥当性・コンプライアンスの土台を提供する立ち位置。
購入や販売の目的に応じて、どの第三者機関の結果を重視するか(見やすさ・厳格さ・価格根拠)が変わります。
実際に比較する際は、媒体上の要約表示だけでなく、原本の鑑定書(評価点の定義、修復歴の基準、状態図、写真、鑑定日・鑑定番号)を確認すると、JAAA・AIS・JAAIそれぞれの「違い」がより明確に把握できます。
購入・販売の場面でJAAA鑑定を賢く活用するにはどんな注意点や落とし穴があるのか?
以下は、中古車の「JAAA鑑定(一般社団法人 日本自動車鑑定協会による第三者検査)」を、購入・販売の場面で賢く活用するための注意点と落とし穴、そしてそれらの根拠や背景に関する解説です。
実務での使いどころ、限界、法令・業界基準との関係まで含めて整理します。
そもそもJAAA鑑定とは何か(前提の整理)
– 位置づけ 中古車の状態を、販売店とは独立した第三者が現時点の目視・計測中心の検査で記録・評価し、鑑定書(車両状態の評価・キズ位置図・コメント等)として発行するサービス。
一般に、外装/内装/機関/骨格(修復歴判定)といった項目がチェックされる。
– 目的 購入者の情報非対称性を緩和し、売買の透明性を高めること。
鑑定書は「現状の客観記録」であり、製品保証や将来状態の確約ではない。
– 限界 分解整備や長時間試走は通常行わない。
経年劣化や今後の故障リスクをゼロ化するものではない。
評価点や表現は基準に基づくが、検査員間の主観差が一定程度あり得る。
購入時の賢い活用法と落とし穴
– 真偽と最新性の確認
– 鑑定書に記載の発行日、車台番号(少なくとも下4桁等)、走行距離、装備の一致を実車と突き合わせる。
発行から時間が経っていると現状との乖離が起きる(事故・キズ追加・消耗進行)。
– 多くの鑑定書は番号やQR等で照合できる設計がある。
販売店経由で真偽確認の手段があるか、更新版の提出が可能かを確認。
古い鑑定書やコピーのみの提示はリスクサイン。
– 評価点の「意味」と「限界」を理解する
– 評価は総合点だけでなく、外装/内装の別評価、指摘一覧、板金歴・部品交換歴の位置など、明細が肝。
総合点が高くても、局所に高額修理が必要な損傷が潜むケースはある。
– 逆に総合点が標準でも、軽微な線キズが広範にあるだけ(機関良好)ということも。
金額インパクトが大きい指摘(骨格・足回り・油漏れ・ハイブリッド系統・ADASセンサー等)に着目。
– 「修復歴」と「事故歴」の違いに注意
– 日本の中古車公取協ガイドライン等では、骨格部位(ラジエータコアサポート、フロントサイドメンバー、クロスメンバー、ピラー、ルーフパネル、フロア、トランクフロア等)の交換/修正があると「修復歴あり」とするのが一般的。
– バンパー交換や外板の板金塗装は修復歴に該当しない場合が多い。
よって「修復歴なし」でも「事故(接触)経験なし」を保証しない。
骨格に達しない事故は鑑定書の指摘欄を読まないと見落とす。
– 冠水・水没・塩害の見落としリスク
– 鑑定では内装下部の泥・錆・臭い・電装痕跡なども見るが、軽度の冠水や時間が経った事案は痕跡が薄いことも。
海沿い保管の塩害や洪水地域歴は履歴情報の入手が重要。
– 購入時は下回りの錆、ハーネス端子の腐食、シートレール周りの汚れ、ライト内結露跡などを実車で再確認。
可能ならリフトアップ点検を追加。
– 走行距離の信頼性と記録の整合
– 鑑定はメーター改ざん痕の有無や記録簿整合を見ても、100%の断定は困難。
点検記録簿、車検時の走行距離記載、整備履歴、テレマティクス/ECU読取(可能車種)など複線で整合性を確認。
– 実車確認・試乗を省略しない
– 鑑定は時点観測。
エアコンの冷え、CVT/ATのジャダー、ハイブリッドのバッテリ健全度、ADAS(ACC/LKA)の実動作、異音/振動の温間時症状は試乗でしか拾えない。
– 納車前整備の範囲(バッテリ・ブレーキ・タイヤ・油脂類)と消耗品の残量(ブレーキ/タイヤ/ワイパー)を具体的数値で確認。
– 価格交渉への活用
– 鑑定の指摘項目を金額換算して交渉根拠に。
例 タイヤ4本要交換、ブレーキパッド、オイル漏れ修理見積、バンパー補修。
見積書を持参すればロジカルに下げられる。
– 逆に評価が高く消耗が少ない個体は、相場より高めでも妥当性がある。
相場比較はグレード/年式/走行/色/装備(安全装備・OP)で厳密に。
– 保証・返品条件との組み合わせ
– 鑑定は保証ではない。
販売店の法定保証/延長保証/返品ポリシー(初期不良対応、電装保証、ハイブリッド保証範囲、免責金)を確認。
鑑定で拾いにくい電装不具合に備えて保証拡張の費用対効果を検討。
– 他社鑑定・点検の併用
– AISやメーカー系認定中古車の「車両状態証明」、第三者の出張点検(リフトあり)を併用するとブラインドスポットが減る。
販売店が拒む場合は、その理由でスクリーニングできる。
販売(売却・出品)時の賢い活用法と落とし穴
– 導入の費用対効果を見極める
– 個人間売買やネット出品、輸出向けや高価格帯では第三者鑑定の信頼性が価格/成約率の押し上げに効きやすい。
一方、下取り/買取店相手だと自社査定が優先され、効果が薄いこともある。
販売チャネルに合わせて発注可否を決める。
– 鑑定前の下準備で点数と印象を底上げ
– 内外装の徹底クリーニング、簡易デントリペア、ホイール小傷補修、フロアマット交換、ヘッドライト黄ばみ除去、記録簿/スペアキー/取説の揃え、社外品の純正戻しなどは費用対効果が高い。
機関系は不具合申告の上で修理記録を残す。
– タイミングと有効期限
– 発行から時間が経つと嘘にならないよう広告修正が必要。
再鑑定のコストも考慮。
季節要因(スタッドレス/オープンカーの旬)も踏まえて、公表タイミングを計る。
– 情報開示の一貫性
– 自己申告と鑑定内容が食い違うと信頼失墜。
軽微な指摘も写真とセットで開示して、買い手の「想像リスク」を削ると成約が早い。
– 表現の法令・業界基準順守
– 「無事故=修復歴なし」のみでなく、骨格非該当の損傷歴の表現にも注意。
景品表示法・自動車公正競争規約に反しない記載(誇大・断定回避)。
鑑定マークの使用条件(改変禁止、期限、対象車両の限定)も遵守。
– 改造車・事故修復車の評価戦略
– 社外足回り/マフラー/電装追加等は評価点が下がりやすいが、ターゲットによっては価値。
鑑定書は状態の担保として使い、価値説明は別途(パーツ明細・純正有無・車検適合)で補完。
– 複数プラットフォームでの使い回し注意
– トリミングや加工で鑑定書の一部だけを掲載すると誤認のリスク。
原本の全ページ(個人情報はマスキング)を提示するほうがトラブル予防になる。
共通の落とし穴(買い手・売り手とも)
– 鑑定=保証だと思い込む
– 鑑定は現状の客観的記録で、将来故障の不発生や全項目の完全性を保証しない。
保証や返品条件は別枠で設計する。
– 定量データの欠落
– バッテリSOH、アライメント値、ブレーキロータ厚み、排気ガス値などは鑑定の標準対象外であることが多い。
必要に応じて追加点検。
– 検査員・会場・天候によるばらつき
– 屋外薄暗所/雨天での検査は小傷が埋もれがち。
ばらつきを前提に、写真・動画・再点検で補う。
– ロゴ・ステッカーの乱用
– 実車と無関係な車両に鑑定ロゴを付ける、古い鑑定書を最新のように掲示する、といった不当な表示はトラブルの温床。
真偽確認導線(番号/QR/連絡先)を併記する。
実務で使えるチェックリスト(購入側)
– 鑑定書の発行日・車台番号・走行距離・装備と実車の一致を確認
– 指摘一覧のうち「骨格・足回り・油漏れ・電装」にマーカー
– 下回り・室内下部・トランク/スペアタイヤハウスの錆/泥跡確認
– 記録簿・車検記録・リコール/サービスキャンペーン対応状況を照合
– 試乗でAT/CVT/ハイブリッド/ADASの挙動をチェック
– 交渉用に消耗品・補修の見積を取得
– 保証と返品条件を書面で確定
実務で使えるチェックリスト(販売側)
– 鑑定前に軽微補修と清掃で印象改善、記録類を整備
– 鑑定書は最新発行、全ページを透明性高く提示(個人情報はマスク)
– 広告文言は鑑定内容と一致、誇大表現や断定は避ける
– 問い合わせには原寸写真/動画/見積/整備記録で即応
– ターゲットに応じて、鑑定+保証/返品制度で不安低減
根拠・背景(なぜこう言えるのか)
– 第三者鑑定の性質
– JAAAをはじめとする第三者鑑定は、現状有姿の非分解・短時間検査を前提としており、鑑定書は「現時点の客観的所見」である旨を明記するのが通例。
保証ではないこと、将来不具合の不発生を約束しないこと、検査範囲外項目があることも注意書きに記載される。
– 修復歴の定義
– 中古車の表示に関する公正競争規約や業界ガイドラインでは、骨格部位に及ぶ修理・交換を「修復歴」と定義し、外板やボルトオン部品の交換は通常含まない。
よって「修復歴なし」≠「無事故」の構造的なギャップが生じる。
– 検査のばらつき・環境依存
– 目視中心の検査は、照度・天候・設置環境の影響を受けやすい。
検査員間の所見差も一定あるため、再現性を担保する目的で写真・部位図・コメントを併記している。
– 市場実務の経験則
– 鑑定の有無は、個人間売買や高額帯・輸出向けで特に成約率/価格に寄与する一方、買取店やディーラー下取りでは自社査定が優先されやすい。
鑑定書を交渉材料にする場合でも、最終価格は消耗品・修理費・相場推移の見積で論理立てると通りやすい。
– 走行距離・冠水の限界
– 走行距離改ざんは記録簿・車検記録・電子的記録の多面的照合で抑止されるが、完全な保証は難しい。
冠水は痕跡が軽微化される場合があり、複数箇所の物理的痕跡確認が推奨されるのは業界の一般的実務。
まとめ
– JAAA鑑定は「現状の見える化」をしてくれる強力なツールだが、万能の保証ではない。
購入側は真偽・最新性の確認、指摘内容の金額インパクト評価、試乗・保証の併用で盲点を埋める。
販売側は最新の鑑定書を透明に提示し、軽微補修と情報整理で信頼を最大化する。
両者とも「修復歴 ≠ 無事故」「鑑定 ≠ 保証」の二つの誤解を避け、明細を読む姿勢が価格と満足度を大きく左右する。
もし具体的な車両(年式・グレード・走行・鑑定の指摘項目)があれば、指摘項目の修理費シミュレーションや相場レンジ、交渉の落としどころまで個別に試算できます。
【要約】
記録の現物(点検記録簿・整備明細・車検記録)の写真またはテキストをご提示ください。200文字程度で要約します。参考のサンプル要約(約200字)
点検記録簿・整備明細・車検記録を突合。走行距離の連続性、法定点検の実施日と内容、交換部品(油脂・ブレーキ・ベルト等)と費用、故障歴と対処、リコール対応、直近指摘の有無を確認。欠落期間や社外改造の記載、保証修理、消耗品残量も確認。整備は推奨間隔に沿い実施。記録は連続し信頼性良好。