AISとJAAIの評価点は何が違い、どちらを基準に見るべきか?
前提の整理
– AISは、中古車の第三者検査を行う民間会社(株式会社AIS)。
Goo鑑定やカーセンサー認定の検査実務を担い、オークション基準に近い「点数(総合評価)+外装/内装評価+損傷マップ」でコンディションを可視化します。
– JAAIは、一般財団法人日本自動車査定協会。
中古自動車査定(価格算定)制度や走行距離管理システムを運用する公的性格の強い団体で、品質評価書の発行や走行距離の真正確認、修復歴判定を含む評価を行います。
– しばしばJAAIとJAAA(日本自動車鑑定協会)が混同されますが別組織です。
本回答はご質問のJAAI(日本自動車査定協会)前提で記します。
両者の評価点・基準の違い(要点)
1) 目的と設計思想
– AIS 販売現場(小売)での「現車のコンディション差」を分かりやすく示すことが主眼。
オークションのグレーディング文化を踏まえ、現状有姿の傷・凹み・補修歴を細かく点数化。
感覚的には“見た目と状態の良さの絶対評価”に近い。
– JAAI 本来は査定価格制度・流通健全化(特に走行距離・修復歴の正確性)が主眼。
品質評価も行うが、“年式・走行・使用歴に照らした適正な品質把握と不正防止”が軸。
相対的・制度的な妥当性の確認色が濃い。
2) 表記の仕方と粒度
– AISの典型
– 総合評価点 6・5・4.5・4・3.5・3・2・1・R(修復歴)などの段階。
高いほど良好。
S相当(ほぼ新車級)を設ける場合もある。
– 外装/内装評価 A(極上)〜E(要大幅手直し)などのランク。
– 損傷マップ A=擦り傷、U=凹み、W=波打ち、S=サビ、C=腐食等+1〜4の程度表記。
交換や板金の有無も記載。
– JAAIの典型
– 品質評価書(総合の点や星、外装/内装別の評価を付す形式が多い)。
修復歴有無、交換歴、走行距離の真正性判定(同協会の走行距離管理システム照合結果)を強調。
– 細かな記号体系はAISに比べ公開情報が少ないが、実査に基づく状態区分・部位別指摘・整備推奨などを記録。
制度的に重視するのは「修復歴判定基準の適用」「メーター改ざんの排除」。
3) 評価の偏り(分布)の体感
– AISでは、一般的な街乗り中古(無事故・中距離・年式相応)は総合4〜3.5に集中。
4.5以上は相対的に少なく、5〜6は極上・低走行・新しめ。
– JAAIはスケールの設計が異なり、平均域が“中位”に集まるよう調整される傾向がある(制度の信頼性重視)。
極端な高評価は希少。
走行距離・修復歴の判定結果が総合所見に強く響く。
4) バリューチェーンでの使われ方
– AIS ポータル(カーセンサー認定、Goo鑑定)や小売現場での掲示。
消費者が“見た目・状態差”を横比較しやすい。
– JAAI 下取・買取時の査定根拠、保険・金融の参考資料、オークション連携の走行距離管理(不正防止)に強み。
小売店頭に出る場合もあるが、背景は“制度的裏付け”寄り。
どちらを基準に見るべきか(目的別の結論)
– コンディションの可視化(板金・内外装の程度差で比較したい) AISが適しています。
理由は、(1)点数レンジと損傷マップが細かく、(2)小売現場に露出が多く横比較しやすい、(3)外装B/内装B以上・総合4〜4.5など、購入判断の“しきい値”を具体化しやすいからです。
– 走行距離の真正性・修復歴の確からしさを重視(特に輸出・リセール・保険/金融上の要件) JAAIの評価・証明が有用。
理由は、(1)JAAIが走行距離管理システムを運用し各種流通データと照合できる、(2)修復歴判定基準が制度的に整備され査定士資格制度で担保される、(3)対外説明に耐える“公的性格の強い根拠資料”として通用しやすいからです。
– 実務上は「両方見られるなら両方」を推奨。
AISで現状の傷・劣化の度合いを把握し、JAAIでメーター・修復歴の確からしさを担保する、という補完関係が最も安心です。
点数の目安(購入シーン別の実用ガイド)
– 通勤・ファミリー用途で故障リスクと見た目のバランスを取りたい
– AIS 総合4〜4.5、外装B以上・内装B以上を目安。
軽微なA1キズやU1凹み程度は許容。
R(修復歴)表記は避けるのが無難。
– JAAI 中上位評価+「走行距離に疑義なし」「修復歴なし」の明記を確認。
– 価格重視の実用車
– AIS 3.5でも実用は十分。
外装Cや内装Cでも機関系の指摘が軽微なら成立。
ただし消耗品・タイヤ・下回りサビの所見を精読。
– JAAI 中位評価でも、走行距離真正・構造部未修復が重要。
整備見積を事前に取る。
– ほぼ新車感を求める
– AIS 5〜6が目安(極めて良好。
年式新しめ・低走行)。
市場希少で価格は上振れ。
– JAAI 最上位帯。
初度登録からの期間・走行が短く、修復歴なしは大前提。
– 修復歴車を狙う(価格訴求や趣味車)
– AIS R点でも、交換・修正部位がボルトオン外板中心で骨格軽微、損傷マップの整合性が高ければ選択肢。
走行直進性・アライメントの実測推奨。
– JAAI 修復歴の基準適用結果を確認(どの骨格部位か)。
走行距離証明も併せて取得。
評価票の読み方のコツ
– AIS
– 損傷記号 A(擦り傷)/U(凹み)/W(波)/S(サビ)/C(腐食)/P(塗装)/X(交換要)/XX(交換済)など+1〜4の程度。
数が大きいほど重い。
– 補足欄の機関系指摘(オイルにじみ、下回りサビ、ブーツ破れ等)は価格影響は小さくても安全・整備費に直結。
– JAAI
– 走行距離照合結果(不一致・疑義・要確認の有無)を最重要視。
修復歴判定は“骨格(交換/修正)”に該当するかが境目。
– 部位別の減点・所見は、後整備の要否と費用見積の根拠になる。
“差が出る”注意点
– 同じ車でも検査日から展示・再整備で状態が変わることあり。
最新の評価票・再検査の有無を確認。
– 店舗間で表記ポリシーが異なる(軽微な補修済みキズをどこまで記すか等)。
写真・現車確認とセットで判断。
– 防錆領域(下回り・フロア・サブフレーム)は写真に写りづらい。
指摘がなくても念のためリフトアップ点検を。
根拠(なぜそう言えるか)
– 各団体の公表資料・現場運用
– AISは小売向け第三者検査を長年運用し、ポータル連携(Goo鑑定・カーセンサー認定)で“オークション準拠の評価点+損傷マップ”を一般消費者向けに開示してきた実績がある。
評価レンジ(6〜R)や外装/内装のランク、損傷記号の体系は大手オートオークションの評価文化を踏襲しており、販売現場での横比較のしやすさが高い。
– JAAIは一般財団法人として中古自動車査定制度・査定士資格・走行距離管理システムを所管。
品質評価・修復歴基準・走行距離真正性の確認は同協会の制度設計に基づき、金融・保険・下取査定の場面で“対外説明が通る”資料として使われている。
– 流通実務の慣行
– 無事故・年式相応の車がAISで4〜3.5帯に集まること、極上が5〜6となること、R表記が修復歴車の指標となることは業界標準の運用。
– 走行距離の真正性はJAAIのデータベース照合(過去記録・点検整備記録・流通記録)による確認が広く用いられており、メーター不正排除に有効という評価が定着している。
– 消費者向け公開情報
– 各社の評価票サンプルや用語集(損傷記号、評価帯の意味、修復歴定義)が公開されており、ここに記した“見方”はそれらに即した一般的解釈である。
まとめ
– AISは「現状の見た目・状態の差」を細かく点数化してくれるため、購入比較の物差しとして非常に実用的。
– JAAIは「制度的な真正性(走行距離・修復歴)と対外説明力」に強く、資産価値・信用を重視する場面で頼れる。
– どちらか一方なら、用途で選ぶ。
可能なら両方確認し、AISで“どこがどれだけ傷んでいるか”、JAAIで“その車歴が正しいか”を二重で担保するのが最善です。
もし今回の「JAAI」がJAAA(日本自動車鑑定協会)を指していた場合は、評価スケールや露出媒体が異なるため、そちら版の比較も別途ご案内できます。
必要なら教えてください。
評価点「6・5・4.5・4・3.5…」や「R/修復歴あり」は具体的に何を示すのか?
以下は、中古車業界で広く使われる評価点基準(AISおよびJAAIが代表的)と、その点数が実際に何を示すのか、また「R/修復歴あり」の意味・根拠を整理したものです。
各オークション(USS、CAA、TAA、JUなど)や検査機関で若干の表記差はありますが、基本的な考え方は共通しています。
評価点(総合点)の意味と目安
評価点は、その車両の「総合的なコンディション」をひと目で把握できるように数値(ときに記号)で要約したものです。
基本は無事故・無修復の車両に0〜6点(多くは3〜5点台が中心)を付与し、骨格に関わる修理歴がある車は「R(またはRA)」と別建てで示します。
以下は一般的な解釈の目安です。
6点
ほぼ新車同等。
登録済未使用車や、初度登録から極めて浅く、走行もごく少ない(例 数千km程度以下)。
外装・内装ともに極上で、実質的なマイナス要素が見当たらないレベル。
無修復・事故歴なし。
再塗装や鈑金の痕跡も実質なし。
5点
年式・走行の割に非常に良好。
小傷・極小の飛び石程度はあっても目立つダメージはなく、内外装も非常にきれい。
修復歴なし。
軽微なタッチアップやごく小さな凹みの補修があっても、全体として新車感が残る。
4.5点
とても良い。
年式相応の小傷・薄い擦り傷や小さな凹みが数点ある程度。
内装の使用感も軽微で清潔。
修復歴なし。
板金歴・部分再塗装があっても良質に仕上がっており、走行・機能に違和感がない。
4点
平均的な「良質中古」。
擦り傷・小凹み・タッチアップ・磨きでは取り切れない小傷が複数箇所あり、内装にも使用感(薄い汚れやスレ)が見られる。
修復歴なし。
外板パネルの交換・再塗装が一部にあっても、骨格には影響していない。
点検・軽整備で十分に実用レベル。
3.5点
平均よりやや劣る。
目立つ擦り傷・凹み・色あせが複数、内装の汚れ・スレ・小切れ、ステアやシートのテカリなどが明確。
タイヤや消耗品の交換が近いことが多い。
修復歴なしだが、鈑金・再塗装箇所は比較的多め。
納車前に見栄え回復のための外装・内装リコンディションをある程度要する。
3点
状態は良くない。
大きめの傷・凹み・塗装劣化・サビ浮き等が複数。
内装も汚れ・破れ・臭い等のマイナスが目立つ。
修復歴なしの範囲でも、コストをかけた補修が前提になることが多い。
業販・現状販売向き。
2点(または1点)
かなり悪い。
強い腐食、広範な色あせ、内装の著しい損耗、過度な改造、過酷使用歴(過積載・長期屋外・塩害・喫煙強め・ペット臭など)が疑われるレベル。
走行や機能に不具合がある場合も多く、大規模な整備・補修が必要。
0点/評価無/記号のみ
メーター交換・走行不明・重大事故・冠水の疑いなど、通常評価の枠外。
部品取りや競技ベース等の特異車もここに入ることがある。
R/RA(修復歴あり)
骨格部位に損傷があり、修正・交換などの「修復」が施された車。
RAは一部のオークションで「修復歴はあるが比較的軽微」を示すサブグレードとして運用されることがある(例 修復範囲が小さく、走行に支障のないレベル)。
外板(ドア/フェンダー/ボンネット等)の交換・再塗装だけでは「修復歴」にはならないが、骨格に及ぶとR扱い。
補足 同じ総合点でも、別枠で外装・内装の個別評価(A〜E等のアルファベット)が併記されたり、展開図に傷凹みの記号(A=キズ、U=ヘコミ、W=歪み/補修跡、S=サビ、C=腐食、P=色あせ・塗装劣化、X=交換要、XX=交換済、Y=内装破れ 等)が詳細に記録されます。
最終判断はこの詳細図とコメントの確認が前提です。
「修復歴あり(R)」の定義と根拠
修復歴の有無は、中古車の価値や安全性評価に直結するため、AISやJAAIを含む業界共通基準に近い形で厳密に定義されています。
要点は「車体の骨格(重要構造部位)に損傷があり、修正または交換等の修復を行ったもの」を修復歴ありとすることです。
代表的な骨格部位(例)
– サイドメンバー(フレーム)
– クロスメンバー
– ピラー(A/B/C)
– ダッシュパネル(カウル・フロントバルクヘッド)
– フロアパネル(フロント・センター・リア)
– ルーフパネル
– リアインサイドパネル(クオーターインナー)
– トランクフロア/バックパネル
– ラジエータコアサポート(溶接一体型は骨格扱い。
ボルト留め構造は車種により扱いが分かれる)
– アッパー/ロアメンバー、アプロン(インナーフェンダー)
– サスペンション取付部(ストラットタワー等)
これらの部位に「修正(引き出し・歪み取り)」「交換(カット&溶接含む)」が確認されると修復歴となります。
逆に、ドア・ボンネット・トランクフード・フロントフェンダー等のボルトオン外板交換や単純な再塗装は、骨格に及ばない限り修復歴にはなりません。
根拠
– AIS(Automobile Inspection System)の検査基準では、骨格部位損傷・修正/交換の有無を厳格に点検し、該当すれば「R」区分とする運用が明記されています。
– JAAI(日本自動車査定協会)の公開する「修復歴の定義」でも、上記とほぼ同趣旨で「骨格部位に損傷があり、修正・交換等を行ったもの」を修復歴として定義。
具体的骨格部位の列挙や、ボルトオン外板の交換は修復歴に該当しないことが示されています。
– 大手オークション(USS、CAA、TAA、JU等)の出品規約・検査ハンドブックも、骨格損傷=修復歴の基本枠組みで統一。
RA表記はオークション独自運用で、骨格修復の程度が比較的軽微な場合に用いられます。
点数と年式・走行の関係(目安)
評価点は「状態」が主ですが、状態は年式・走行距離との相関が大きいため、目安として以下がよく見られます(あくまで一般的傾向)。
– 6点 初度登録から極短期・走行数千km以下が中心。
– 5点 低走行(例 1〜2万km台中心)で小傷レベル。
– 4.5点 低〜中走行(例 数万km)で軽微な外傷。
– 4点 中走行(例 5〜10万km)で年式相応のキズ・消耗。
– 3.5点以下 中〜多走行、または外装・内装のマイナスが目立つ。
走行が少なくても、保管や扱いが悪ければ点は下がりますし、走行が多くても手入れが行き届いていれば4点台に乗ることはあります。
つまり「距離」より「実際の状態」が優先されます。
AISとJAAIの違いと共通性
– 共通点 いずれも第三者検査により、外装・内装・機能・骨格の有無を体系化して評価。
修復歴の定義はほぼ同じで、骨格損傷・修正/交換が基準。
– 相違点 表示方法(評価点の丸め方、内外装の表記、コメントの記述スタイル)や、各オークションでの運用(RAの使い方、評価無の扱い等)に差異がある。
とはいえ、6〜3点台の感覚とRの概念は業界横断でおおむね共通。
実務での読み解き方(失敗しないコツ)
– 数字は「入口」。
実際は図面(キズ・補修記号)と検査員コメントで中身を精査する。
– 同じ4点でも、外装B/内装Aの“見栄え良し”と、外装A/内装Cの“内装難あり”は性質が違う。
用途(店頭展示、ネット販売、業販)によって重視ポイントを決める。
– Rでも実走行・整備履歴が確かで仕上がりが良ければ実用上問題ない個体も多い。
反面、非Rでもサビや水害の痕跡、粗い補修があれば避けるべき。
定義と実物の整合を確認する。
– 迷ったら骨格部位の修復範囲(何を、どの程度)・測定値(ボディアライメント等)・走行時の直進性/異音の有無まで確認。
販売側の開示資料を依頼する。
まとめ
– 6〜5点は「極上〜とても良好」、4.5〜4点は「良質中古の標準」、3.5以下は「目に見えるマイナスが多く補修前提」というのがおおまかな目安。
– 「R/修復歴あり」は骨格部位に及ぶ修正・交換が行われた車。
RAは軽微修復のサブ区分(運用はオークションにより差)。
– 根拠はAISの検査基準、JAAIの修復歴定義、および大手オークションの評価ガイドに基づく共通実務。
外装・内装の個別評価と展開図、コメントの併読が不可欠。
この基準を理解しておくと、数値やR表記の意味を誤解せず、価格妥当性や仕入れ・購入判断の精度を高めることができます。
納得感をもって選ぶためには、最終的に「評価点=要約」「図面とコメント=本編」と捉え、両方を確認するのがもっとも確実です。
外装・内装評価(A~D)や減点方式の算出基準はどうなっているのか?
以下は、日本の中古車流通で広く用いられているAIS(Automobile Inspection System)およびJAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)の評価点や、内外装評価(A~D)、減点方式の考え方を、実務での運用と公知情報をもとに整理した解説です。
両者は目的や出力が異なる面もありますが、現場では「第三者検査による品質グレード(オークション等での評価点)」と「査定協会の減点法による価格算定」という2つの考え方が相互に参照され、結果として似た見え方(点数・A~D・損傷記号)になっています。
なお、具体的な減点配点や点数の閾値の一部は各団体の内部基準・会員資料に属し全公開ではないため、以下では公表されている定義と、流通実務で一般に共有されている目安の範囲で説明します。
1) AISとJAAIの位置づけと共通点・相違点
– AIS
– 立場・役割 オートオークション会場やディーラー系流通で用いられる第三者検査会社。
車両を実車確認し、外装・内装・機関・下回り等を点検、損傷を記号化し、総合評価点(数値)と内外装評価(A~D)を付与。
修復歴の有無も判定。
– 出力 評価点(例 6、5、4.5、4、3.5、3、2、1、0、RA、R)、内外装評価(A~D[会場によりEまで])、展開図(A1/U1などの損傷記号)。
– JAAI
– 立場・役割 中古自動車査定制度を運営する公的色彩の強い団体。
会員資格をもつ査定士が「基準価格」から減点法で金額を算出する価格査定がコア。
加えて、オークション会場等で「JAAI検査(品質評価)」を提供するケースもあり、その場合はAISに近いグレード表現(評価点+内外装評価+記号)で出力される。
– 出力 本来は「査定額」を出す制度だが、品質評価を出す枠組みもあり、実務ではAIS方式と互換的に読めることが多い。
2) 総合評価点(数値)の目安と意味(AIS/JAAI系の品質評価)
– 6点 新車同等に極めて近い。
登録間もない/走行極少/鈑金歴・再塗装なしが通例。
実流通では非常に稀。
– 5点 極上車。
修復歴なし。
小傷レベルにとどまり再塗装・板金の無い(またはごく軽微な)個体。
走行少なめ。
– 4.5点 良質車。
修復歴なし。
小~中程度の小傷・微小凹み等はあるが総じて良好。
走行距離は平均~やや少なめ。
– 4点 一般的な良質中古。
修復歴なし。
小傷や補修跡が複数あっても実用上問題なし。
平均的な走行距離帯。
– 3.5点 傷・凹み・色違い/再塗装箇所が目立つなど、見た目の使用感が増えるレンジ。
修復歴は基本なし。
– 3点 外装劣化が多い、内装ダメージが強い、装備不良が複数など。
実用は可だがコンディションは低め。
– 2点以下 大きな劣化や改造が顕著、腐食が進行、機関系の不具合等。
輸出用・素材車扱いになることも多い。
– RA/R 修復歴あり(後述の骨格部位に修正・交換・切継ぎ等がある)。
RAは比較的軽微な修復、Rは修復の程度が大きい場合に使われることが多い。
評価点6~3.5などの「無修復レンジ」とは別枠扱い。
補足
– 走行距離改ざん・不明・メーター交換歴などは、表示区分や注記が付与され、評価点が制限される(高点数が付かない)運用が一般的。
– 事故歴の有無は「修復歴の定義」に基づくため、見た目の傷の大小とは独立に評価(R/RA)へ直結する。
3) 内外装評価(A~D[会場によりEまで])の意味
– 外装評価
– A 目立つ傷・凹みがほぼ無く、艶・面の状態が極めて良い。
補修跡があっても軽微。
– B 小傷・小凹み・飛び石・小タッチアップなどが点在するが、全体として良好。
– C 小~中傷や補修跡が複数、色ムラ・艶引け・モール劣化など見栄え上の減点要素が増える。
– D 大きな傷・凹み・複数パネルの再塗装・錆目立ち等で見た目のダメージが顕著。
再補修を考えるレベル。
– E(使う会場のみ) 広範な再塗装が必要、腐食進行など、商談上の大幅手当が前提。
– 内装評価
– A 新車に準ずる清潔感。
擦れ・汚れ・異臭なし(ごく軽微は許容)。
– B 軽度の擦れ・汚れ・小傷・小さな焦げ跡等があるが、通常使用の範囲で良好。
– C 汚れ・擦れ・破れ・焦げ跡・内張りの傷み等が複数。
清掃・補修が欲しいレベル。
– D 大きな破れ・ベタつき・強い臭気(タバコ・ペット等)・欠品など、内装ダメージが顕著。
– E(使う会場のみ) 張替え・部品交換が広範囲に必要。
ポイント
– 総合評価点(数値)と内外装評価(A~D)は別物です。
例えば総合4.5点でも、外装B/内装Cのような組合せがあり得ます。
– 内外装は「見た目・質感」の訴求、総合点は「車両全体の品質(骨格、機関、損傷総量等)」の指標、という補完関係です。
4) 減点方式(減点法)の算出基準と流れ
両者に共通する骨子は「損傷・劣化・欠品などを定義済みのコードとサイズ区分で記録し、標準減点を積み上げ、合計減点と各種補正から総合点(品質評価)または査定額(価格評価)を決定する」というものです。
大枠の流れは以下の通りです。
損傷コード(代表例 オークション票・AIS/JAAI品質評価で広く用いられる表記)
A1/A2/A3 線キズ(軽/中/重)
U1/U2/U3 ヘコミ(小/中/大)
W1/W2/W3 歪み・波打ち(軽/中/大)
S1/S2/S3 サビ(軽/中/進行)
C1/C2/C3 腐食(軽/中/進行)
P 塗装劣化・色あせ(段階を付す会場もあり)
B バンパー傷(専用区分を使う会場)
Y ひび・割れ(樹脂・レンズ等)、ガラスはX線状・飛び石等の専用記号を使う場合あり
X/XX 交換済みパネル/要交換パネル
そのほか、室内の焦げ・破れ、装備不良、タイヤ溝、ホイール傷、下回りオイル滲み等にも定型の記号・所見が付く
算出手順(品質評価=点数の決定)
1) 車両全周・室内・下回りを実車検査し、各パネル・部位ごとに損傷コードとサイズ区分を付与。
2) 各コードに対応する「標準減点」を合算して「外装減点」「内装減点」「機関・下回り等の減点」を求める。
3) 交換歴・要交換(X/XX)・複数パネル再塗装など、大きなマイナス要素は加重点(大きめの減点)で反映。
4) 骨格部位の修正・交換・切継ぎが確認されれば「修復歴あり」と判定し、総合点はR/RA枠へ自動的に振り分け(無修復レンジとは別扱い)。
5) 年式・走行距離・改造(純正外の大径アルミ/ローダウン/社外足回り等)・臭気などの補正要素を加味(会場・検査方式により扱いが異なる)。
6) 合計減点に閾値(レンジ)を当てはめて最終の総合評価点を決める。
減点から点数への目安(公開情報と実務の通念に基づく一般論)
合計減点がごく小さい(外装にA1やU1が少数、内装A~B)なら5~4.5点帯。
小傷・小凹みや再塗装がいくつかあり、内装B~Cが混じると4点帯。
目立つ傷・凹み・再塗装複数や内装C~Dが目立つと3.5~3点帯。
交換パネル多数、腐食進行、装備不良複数などは3点以下。
重要 具体的な「A2は何点減点」「合計◯点以下で4.5点」といった数値は、会場・検査主体により違いがあり、詳細は内部資料に属します。
したがって上記は“目安”であり、絶対的な共通数値は公開されていない点にご留意ください。
5) 修復歴の定義(R/RAの根拠)
– 定義の骨子(JAAIや自動車公正取引協議会のガイドラインに準拠)
– 車台骨格(ボディ骨格)に該当する部位において、交換・修正・切継ぎ等の作業が行われた車両は「修復歴あり」とする。
– 骨格部位の代表例 サイドメンバー、クロスメンバー、フロントサイドメンバー先端部、ピラー(A/B/C)、ダッシュパネル、ルーフパネル、フロアパネル、トランクフロア、インサイドパネル、リアフェンダー(骨格一体構造の場合)、ラジエータコアサポート(ボルト止めは除外扱いとする基準もある)、バックパネル等。
– ボルトオン交換で骨格強度に影響しない部位(フェンダー外板、ボンネット、ドア等)は原則「修復歴」には該当しない(ただし交換・要交換は評価や減点としては大きく響く)。
– 実務では、修復歴の判定が付いた時点で評価点はR/RA枠に移行し、無修復の数値レンジ(6~3.5等)とは比較しない扱いが一般的。
6) JAAIの「価格査定」における減点法(参考)
– 基本フロー(公開されている制度概要)
– 車種・年式・グレード等から導かれる「基準価格」を起点に、走行距離・装備・色・オプション等で加点・減点。
– 外装・内装・機関・下回り・タイヤ・ホイール・ガラス・電装など、部位ごとに定義された減点を合算。
– 修復歴は大幅減点(別建てのマイナス)で反映。
– 結果として「査定額(買取や下取りの根拠)」を算出。
– ポイント
– 減点の配点や細目は「中古自動車査定基準・細則」(会員向けテキスト)に明記され、査定士資格に基づき運用。
– つまりJAAIは本来「金額」を出す体系だが、品質評価(点数・A~D・損傷記号)での見せ方も併存し、オークション等ではAISに近い帳票で共有されることがある。
7) 根拠・参考になる公的情報源(概要)
– AIS公式の評価基準紹介(評価点の意味、内外装評価、展開図記号の見方等) AISのコーポレートサイトや、提携オークション会場・ディーラー認定中古車サイトの「AIS検査とは」解説ページで公開されています。
– オートオークション各社のグレード解説
– USS、CAA、NAA、TAAなど主要会場は、評価点(6~0、RA/R)と内外装A~D/Eの概要、損傷記号(A/U/W/S/C/X等)の凡例を一般公開しています。
特にUSSの英語ページなどは簡潔なレンジ解説があり、国際的にも参照されています。
– 一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)
– 公式サイトに「中古自動車査定制度の概要」「修復歴の定義」「査定士制度」等の基本方針が掲載。
詳細配点は会員資料ですが、修復歴の考え方や査定プロセスの骨子は公開されています。
– 自動車公正取引協議会(公取協)
– 「中古自動車の表示に関する公正競争規約・同施行規則」等で、修復歴の表示基準や骨格部位の定義が明文化。
業界横断の基準としてAIS/JAAIでも踏襲。
8) 実務での読み解きのコツ
– 同じ総合評価点でも、外装A/Bと内装C/Dの組合せで印象は大きく変わります。
必ず展開図の損傷記号(A1/U1など)と注記(臭気、改造、補修履歴)を確認してください。
– R/RAの車両は、修復歴の内容(どの骨格部位か・作業の程度)と修理品質で商品性が大きく変わります。
評価点だけで判断せず、実写確認が重要です。
– 会場・検査主体により「厳しめ/甘め」の傾向があります。
同系統(同会場・同検査)の点数を横比較するのが基本で、他会場と単純比較は避けるのが安全です。
– JAAIの価格査定は相場変動・地域性も加味されるため、「品質評価点」と「査定額」は一致しません。
品質は高いが人気薄の仕様は査定額が伸びにくい、などの乖離は普通に起こります。
まとめ
– AIS/JAAIに代表される第三者検査は、損傷を定義済みコードで可視化し、減点を積み上げ、一定のレンジで総合評価点(数値)と内外装評価(A~D)を決める「減点法」の考え方で運用されています。
– 点数のレンジ(6~R)と内外装A~Dの意味は各会場でほぼ共通認識があり、公表資料で骨子を確認できますが、個々の損傷の配点や点数への閾値は内部基準であり公開されない部分もあります。
– 修復歴(R/RA)の定義はJAAI・公取協のガイドラインに基づく「骨格部位への作業の有無」が根拠です。
– 実務では、総合評価点と内外装評価に加え、展開図の損傷コード、注記(臭気・改造・メーター等)、修復部位の内容まで合わせて読み解くことが、妥当なリスク評価につながります。
(参考として確認先の例 AIS公式「評価基準のご案内/検査の流れ」、USS/CAA/NAA等の「グレード基準・記号凡例」ページ、JAAI公式「中古自動車査定制度」「修復歴の定義」、自動車公正取引協議会「中古自動車の表示に関する公正競争規約・施行規則」。
各ページのURLは時期により変更される場合があります。
)
評価点は相場価格やリセールバリューにどれほど影響するのか?
以下は、日本の中古車取引で広く用いられている評価点基準(AIS/JAAI)の概要と、「評価点が相場価格やリセールバリューにどの程度影響するのか」を実務の視点で整理したものです。
特に「どれくらい価格が動くのか」の目安を、国内オークションや小売現場での一般的な傾向として具体的に示します。
なお、オークション会場や銘柄・車種により運用や許容範囲がわずかに異なるため、以下はあくまで代表的な基準・経験則(レンジ)とお考えください。
AIS評価(オークション/第三者検査)の基本
– 位置づけ
– AISは第三者検査機関として、主要オークション会場やメーカー系認定中古車で用いられる検査・評価書式を提供します。
評価は「総合評価点」と「内外装評価(A〜Eなど)」「修復歴の有無」などで構成されます。
検査票には損傷図やコメントも付され、価格判断の土台になります。
– 総合評価点の目安(代表的な例)
– S/6 ほぼ新車同等(登録後間もない、極小走行)
– 5 とても良好(年式の割に極めて軽微な傷・修理歴なし、低走行)
– 4.5 良好(小傷や浅い線傷・飛び石程度、機関良好)
– 4 標準的に良好(年式相応の小傷・小凹、軽微補修あり得る)
– 3.5 傷・凹み・内装使用感がやや目立つ、補修前提の範囲
– 3 外板複数パネルに目立つ傷や色あせ、内装ダメージ大きめ
– 2/1 著しい劣化・要大規模加修(商用・部品取りに近い)
– R/RA等 修復歴あり(骨格部位の修正・交換歴あり)。
外観がきれいでも構造修復の履歴がある旨を明示
– 内外装評価の例
– インテリア/エクステリア別にA(きれい)〜E(要大幅加修)などの段階で付与。
臭い(喫煙・ペット)や内装破れ等は内装評価とコメントに強く反映され、小売では価格・販売速度に直結します。
JAAI(日本自動車査定協会)の基準と「点数」の考え方
– 位置づけ
– JAAIは中古車査定の公的な基準づくり・査定士の資格認定を担い、実務では「基準価格(年式・走行距離・相場反映)」に対して、装備加点・損傷減点(部位・大きさ・必要加修の難易度に応じた減点表)で「査定価格」を導きます。
– AISとの違い
– AISの「評価点」はコンディションを一目で伝える“等級”であり、JAAIは“減点法に基づく価格算定”が主軸です。
小売現場では「JAAI基準で査定済」の表示があっても、AISのような単一の総合点に完全互換するものではありません。
– 実務的意味
– 買取・下取ではJAAIの減点合計=再商品化コスト見込みに近く、結果としてオークション評価点のレンジとも高い相関を示します。
つまり、JAAIの減点が多い個体はAISの評価点が下がりやすく、逆も同様です。
評価点が相場価格・リセールバリューに与える影響(相場面の実務レンジ)
– 前提
– 同一車種・年式・グレード・装備・色・走行距離という条件をなるべく揃えたうえで、評価点のみが違うケースを想定。
以下は国内オークションの落札(卸)相場ベースの感覚値レンジです。
人気度、季節、輸出需要、在庫環境で上下します。
– 総合評価点の差による影響(卸=落札価格の目安変動)
– 5 → 4.5 おおむね -3〜-7%
– 4.5 → 4 おおむね -5〜-10%
– 4 → 3.5 おおむね -8〜-15%
– 3.5 → 3 おおむね -10〜-20%
– 無事故(4〜4.5相当) → R/RA(修復歴あり) おおむね -10〜-30%
– スポーツ・高額輸入車など「無事故志向」が強いセグメントではディスカウントが拡大しがち(-20〜-40%に達することも)。
一方、商用バン/軽トラなどでは相対的に縮小する傾向
– 内外装サブグレード・個別要素の影響
– 外装A→B -1〜-3%(小傷の範囲なら補修コストで吸収可能)
– 内装A→B -1〜-4%(喫煙・ペット臭は小売影響が大きく、回転率に不利)
– タイヤ/消耗品状態 -1〜-3%(4本交換必要なら更にコスト上乗せ)
– 記録簿/ワンオーナー/禁煙明記 +1〜+5%(車種・販路で差)
– 小売価格・リセールへの波及
– 高評価点は「再商品化コストの低さ」「保証付与のしやすさ」「返品・クレームリスクの低さ」に直結するため、店頭では粗利率を維持しやすく、在庫回転も早い傾向。
結果的に同一仕入れ条件でも「高評価=強気の定価設定+短期販売」「低評価=値ごなし優先」の価格戦略差となり、将来の下取り(再販)でも有利に働きます。
– 実務では仕入れ時に想定する「再商品化コスト(板金塗装、内装クリーニング、タイヤ/ブレーキ、整備費)」+「在庫日数リスク」を評価点から逆算します。
評価点が0.5下がるごとに、上記コスト見込みが数万円〜十数万円単位で積み上がるイメージです(車格・部品単価で大きく変動)。
なぜ価格に効くのか(根拠とメカニズム)
– 基準の公開性・普及度
– AISの検査基準やオークション各社の評価基準は公開され、業界で共通言語化。
JAAIの査定基準書(減点表)も査定士教育を通じて普及。
これにより、評価点や減点は「修理費用・再商品化コスト・潜在リスク」の要約として機能します。
– 競争的な卸市場での即時反映
– 大手会場(例 USSなど)では、同一モデルが評価点違いで大量に流通し、落札結果が毎週蓄積されます。
バイヤーは直近の成約事例と評価点・損傷図を突き合わせて入札額を決めるため、評価点と価格は高い相関を持ちます。
特に修復歴の有無は、保証・ローン・輸出適格性にも波及するため価格差が大きくなります。
– 統計/モデル化の裏付け(実務)
– 大手買取店・小売チェーンは、年式・走行距離・評価点・内外装評価・修復歴・色・装備などを説明変数にした価格モデル(ヘドニック回帰等)を運用しており、評価点は有意な係数を持つケースが一般的です。
公開の個別データは少ないものの、オークションリポートや社内KPI(落札率・粗利・在庫日数)で評価点の影響が継続的に確認されています。
– 輸出需要の影響
– 国・地域によって「修復歴不可」「メーター改ざん厳罰」などの受入条件があり、一定の評価点・無事故条件を満たす個体の需要が強く、相場を押し上げます。
逆に低評価・修復歴ありは輸出の販路が限定され、国内の価格弾力性も弱まりやすいです。
具体的な目安シミュレーション(例)
– 前提 同一車種・同年式・同グレード・6万km、人気色、無改造
– 評価5(内外装A/B) 卸相場100を基準。
小売定価は仕入+再商品化5〜8+販管費+粗利で、定価は概ね「卸×1.20〜1.35」レンジ。
回転が速いため粗利率を維持しやすい。
– 評価4.5(A/B〜B) 卸相場は95〜97(-3〜-5%)。
小売では再商品化コストがやや増え、定価水準は「卸×1.18〜1.32」程度。
– 評価4(B) 卸相場は90〜95(-5〜-10%)。
小売は板金・クリーニング費が積み上がり、定価は「卸×1.15〜1.28」。
販売日数は若干延びる。
– 評価R(修復歴あり、見栄え良好) 卸相場は70〜90(-10〜-30%)。
小売は販路が限定され、保証条件も厳しくなりがち。
定価は「卸×1.12〜1.25」でも回転確保のため最終値ごなしが必要な場面が多い。
– コメント
– 同じ評価4でも「小傷多数(板金費少)」と「大傷少数(板金費大)」で最終利益は変わります。
評価点は“入口の目安”であり、損傷部位・範囲・塗装難度の内訳確認が不可欠です。
実務での着眼点(買う/売る双方)
– 評価点だけでなく、検査票の損傷図・コメント・内外装評価・臭いの有無を必ず確認する(小売では販売速度・口コミに直結)。
– JAAI査定では減点内訳(どの部位で何点の減点か)を確認し、修理費見積と突き合わせる。
見た目は軽微でも、骨格部位や下回り腐食は価格インパクトが大きい。
– 色・装備・改造有無の影響は評価点と同等かそれ以上に効くことがある(人気色、先進安全装備、有償色はプラス。
過度な改造は販路が狭まりマイナス)。
– リセール重視なら「評価4.5以上・無事故・記録簿・禁煙・人気色」を軸にし、定期的なメンテ・純正維持で次回売却時の評価点低下を防ぐ。
まとめ
– AISの評価点は「車両コンディションの圧縮情報」で、卸相場に直接的な相関を持ち、小売価格とリセールにも波及します。
一般的には評価点が0.5下がるごとに卸で数%〜十数%のディスカウントが生じ、修復歴の有無は二桁%の価格差になりやすいのが実務の感覚値です。
– JAAIは減点法で査定価格を導き、再商品化コストの見込みやリスク評価を数値化します。
AISの評価点とは形式が異なりますが、両者は「加修コストと品質リスクを価格に織り込む」という思想で一致しており、結果として価格との相関が強くなります。
– 根拠としては、公開された評価基準(AIS/オークション各社の評価要領、JAAIの査定基準書)と、競争的なオークション市場での成約実績、ディーラーの価格モデル運用、保証・ファイナンス・輸出要件といった制度面の整合によって、評価点が市場価格に体系的に反映される構造が挙げられます。
最後に、評価点は強力な指標ですが“万能”ではありません。
個別の損傷部位・臭い・下回り状態・電装作動・タイヤ年式など、検査票の細部が最終価格と満足度を左右します。
評価点を入り口にしつつ、検査コメントと写真・実車確認(可能なら)で裏取りを行うことが、価格とリセールを最適化する近道です。
検査シートのどこを見ればよいのか、失敗しないチェックポイントは何か?
以下は、中古車の第三者機関による評価点基準(AIS/JAAI)と、検査シート(いわゆるオークション・評価シート)のどこを見ればよいか、そして「失敗しないためのチェックポイント」を体系立てて解説したものです。
評価点の意味や記号の見方は会場・機関で若干表記が異なりますが、AIS/JAAIや大手オークションで共通する考え方に基づいています。
最後に根拠もまとめます。
AIS/JAAIの評価点と点数の目安
– 総合評価点(外装・内装・機関・修復歴などを総合したもの)
– 6点 ほぼ新車同等。
ごく浅い小傷レベル。
初度登録から短期間・低走行が前提。
実質的に新古・デモカー級。
– 5点 非常に良好。
ごく小さな擦り傷や薄い小凹みはあるが、補修不要〜ごく軽補修で店頭に並べられるレベル。
事故歴・修復歴なし。
– 4.5点 良好。
目立たない小傷や小凹みが点在するが総体として良質。
軽い外装修理をすれば仕上がる。
修復歴なし。
– 4点 並〜やや良。
パネルに小〜中傷や小凹みが複数、バンパー擦り傷などが見られる。
整備・軽板金前提で店頭レベルに。
修復歴なし。
– 3.5点 並。
傷・凹み・塗装劣化が目立つ箇所あり。
必要に応じ板金塗装・部品交換が発生。
修復歴は基本なし(ただし会場により小修理を含むケースあり)。
– 3点 粗い。
外装劣化・内装痛みが顕著。
再生コストがそれなりに掛かる前提。
仕入れ向け・業販向け。
– 2点以下 著しい劣化・腐食・雨漏り・走行過多・複数箇所の不具合。
業者の部品取り・本格仕上げ前提。
– R/RA/修復歴あり 構造部位に修理・交換歴がある車。
RAは比較的軽微な修復(例 ラジエーターコアサポート交換のみ等)を指すことが多いが、最終判断は個別の修復部位と質。
– 走行不明/評価点なし メーター交換で整合が取れない、事故大、冠水疑義等で採点不能。
特価だがリスク大。
内装評価(A〜D)
A 非常にきれい。
使用感ごく僅少。
臭い・破れ・大きな汚れなし。
B きれい〜並。
小汚れ・小スレはあるが販売に支障なし。
C 目立つ汚れ・スレ・タバコ焦げ・内装加修跡などが複数。
D 破れ・ベタつき・強い臭いなど、要大幅リコンディション。
修復歴の定義(共通的な考え方)
インナー骨格(ラジエーターコアサポート、サイドメンバー、ピラー、クロスメンバー、ダッシュパネル、フロアパネル、ルーフパネルの交換溶接、トランクフロア、バックパネルなど)に修理・交換があると「修復歴あり」。
ボルトオン外板(ボンネット、フェンダー、ドア、バンパー等)の交換・板金は修復歴に含まない。
この定義はAIS/JAAI等の公開基準と、中古車公取協ガイドラインの共通理解に沿うもの。
検査シートのどこを見るべきか(見る順序)
– 1) 総合評価点と修復歴欄
– まず総合評価(点数)と「修復歴の有無」を確認。
修復歴がある場合は、後述の展開図・コメントで「どの骨格」「どの程度」かを掘り下げる。
2) 基本情報欄
初度登録年、型式、グレード、エンジン種別(HV/EV/ディーゼル)、走行距離、車検残、色、所有形態(レンタ/リース/自家用/法人)、取説・保証書・記録簿の有無。
走行距離の「管理システム照合済み」「メーター交換歴と交換時距離」などの記載は重要。
3) 内装・外装評価
外装は数値(総合評価に織り込み)+展開図、内装はランク(A〜D)。
タバコ臭・ペット臭・芳香剤強などはコメント欄に出ることが多い。
4) 展開図(パネル図)の記号
記号は会場により差異があるが、概ね次の意味で使われる。
A1〜A3 傷(薄い擦り傷〜深い傷)
U1〜U3 凹み(小〜大)
B1〜B4 ヘコミ傷(凹みと傷が混在、または成形が必要)
W1〜W3 波(板金・パテ・再塗装の痕跡=補修歴の度合い)
P 塗装劣化・色あせ・クリア剥げ
S1〜S3 サビ(表面〜進行)
C1〜C3 腐食(進行サビ、穴あきリスク)
E エクボ(小さなドアパンチ等)
X 要交換(パネル・ガラス等)
XX 交換済(そのパネルは既に交換されている)
ガラスは A=飛び石、X=ヒビ交換要 などの記載が一般的
ルーフやピラー、コアサポート周辺のW/X/XX表記は修復歴に直結しやすく、要注意。
5) コメント欄(特記事項)
機関系 エンジン異音、白煙、オイル漏れ、AT変速ショック/すべり、ミッション異音、冷間時症状、警告灯履歴。
下回り サビ多、腐食、オイル滲み、ブーツ切れ、マフラー腐食、フロア波、ジャッキアップポイント潰れ。
電装・安全 ADAS(カメラ・ミリ波)要校正、エアバッグ作動歴、パワスラ不調、スマートキー不足。
車歴・臭い 喫煙、ペット、芳香剤強、荷室キズ多(業務使用痕)、塩害地域使用等。
タイヤ・ブレーキ 残溝、片減り、ひび割れ。
交換費用に直結。
6) 付属品・オプション
スペアキー、ナビ/TV、ETC、サンルーフ、レザー、シートヒーター、レーダー/360カメラ等。
後付けか純正かも価格に影響。
失敗しないチェックポイント(具体例と理由)
– 修復歴の線引きを実物レベルで確認
– 展開図で「XX」がフェンダー等の外板にあるだけなら修復歴には該当しないが、ラジエーターコアサポート、インサイドパネル、ピラー、フロアにW/X/XXがあれば「修復歴あり」またはそれに準じる。
根拠はAIS/JAAIの修復歴定義。
ルーフWやピラーWは軽視しない
ルーフW1でも広範囲だとロールオーバーや雹害補修の可能性。
溶接・シーラーの痕跡があれば構造修理。
静粛性・雨漏り・下取り評価に響く。
走行距離の整合性
走行管理システム照合済の明記、記録簿の連続性、メーター交換時距離の記載有無を確認。
不明だと評価点が良くても再販売時に不利。
下回りサビ/腐食の度合い
S(サビ)とC(腐食)の差は大きい。
Cや「下回り腐食多」はシャシ整備・保安部品交換の頻度が上がり、次回車検コストや異音発生リスクが高い。
豪雪・沿岸・商用歴に多い。
ガラス・ADAS関連コスト
フロントガラスX(要交換)はADAS付車だと純正ガラス+エーミングで高額化。
社外不可のケースも多い。
コメント欄に「要校正」記載があれば費用見積もり必須。
エンジン・ATの定性コメント
「軽い異音」「にじみ」など軽微表現でも年式・距離によっては即修理級に発展。
ATの「ジャダー」「変速ショック」はクラッチ・ソレノイド・オイル交換歴で改善幅が異なる。
ハイブリッド/EV固有の劣化
HVバッテリー劣化の示唆(警告履歴、アイドリング変化、SOC不安定等)やインバータ・電動コンプレッサ異音。
EVはSOH情報の有無、急速充電履歴の多寡、熱履歴を確認。
内装臭いは写真で分かりにくい
コメントの「喫煙」「ペット」「芳香剤強」は消臭難易度が高く、クレーム化しやすい。
B評価でも臭い由来で販売難になることがある。
タイヤ・ブレーキ・消耗品の累積費用
タイヤ溝3〜4mmは早期交換前提。
4本交換+バランス・廃タイヤ代で国産15〜20万円(サイズ次第)。
ローター段差やフルード漏れの記載も要加算。
鍵の本数・記録簿の有無
スマートキー1本は追加で数万円〜10万円超(輸入車)。
記録簿なしは距離・整備の信頼性低下につながる。
パネルギャップ・色差の指摘
「色違い」「チリ不良」は再塗装の質が低いサイン。
将来の下取り評価や再販速度に直結。
点数別の実務的な「目安」と仕上げ費用感(あくまで目安)
– 4.5〜5点
– 仕上げ費用 0〜5万円程度(タッチアップや簡易磨き)。
保証販売向け。
– 4点
– 5〜20万円(小板金1〜2パネル、バンパー1本塗装、軽整備)。
一般小売の中心帯。
– 3.5点
– 15〜40万円(複数パネル補修、タイヤ交換、内装クリーニング強、機関小整備)。
在庫回転や粗利設計に要配慮。
– 3点以下/R
– 30万円〜(補修規模次第で青天井)。
事故歴の内容により小売難・相場ブレ大。
注 実費は車格・塗色・部品価格・ADAS有無で大きく変わります(例 三層パールは塗装割増、輸入車は部品高騰、ガラス・センサー再校正で追加等)。
実際の検査シートを見る時のおすすめ手順
– 手順1 総合評価点と修復歴の有無を確認
– 手順2 走行距離と「管理システム照合」「メーター交換歴」を確認
– 手順3 コメント欄の機関・下回り・電装のネガティブ項目を先に読む
– 手順4 展開図でW/X/XXの位置と数、S/C(サビ・腐食)の有無を確認(特に骨格近傍)
– 手順5 内装評価と臭いに関する記載を確認(クレーム回避)
– 手順6 タイヤ・ガラス・鍵・記録簿の有無を確認(費用直結項目)
– 手順7 オプション装備の有無を確認(再販価値にプラス)
根拠(出典に基づく一般原則)
– 評価点レンジの意味
– AIS(株式会社AIS)が公表する評価点の考え方、および国内大手オークション(USS/TAA/JU等)の評価点定義と概ね整合。
6〜1とR/RAの区分、内装A〜Dの運用は広く流通業界で共通理解。
– 修復歴の定義
– JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)や業界団体が示す「修復歴車の範囲」に準拠。
ボルトオン外板の交換は含まず、骨格部位(コアサポート、メンバー、ピラー、フロア、ルーフ、バックパネル等)の交換・修理を含む。
– 展開図の記号
– 会場ごとの表記差はあるが、A=傷、U=凹み、W=補修波、S=サビ、C=腐食、P=塗装劣化、X/XX=交換要/交換済、E=エクボ、ガラスA=飛び石/X=ヒビは各オークションの記号表で共通的に使われる。
– 実務的注意点
– ADASのエーミング費用増、ハイブリッド/EVの高電圧系劣化、塩害地域の下回り腐食の深刻度、臭いの是正難易度の高さは、近年の販売現場・整備現場での共通課題として共有されている。
まとめ(短い指針)
– まず「修復歴の有無」と「走行距離の信頼性」を確定し、そのうえで総合評価点を解釈する。
– 展開図はW/X/XXとS/Cの位置と数を見る。
骨格周辺の表示は特に慎重に。
– コメント欄のネガ要素(機関・下回り・電装・臭い)は費用とクレームに直結。
先読みしてリスクを定量化。
– 内装評価と鍵・記録簿・ガラス・タイヤは「地味に高い」出費。
見落としやすいが粗利に効く。
– 4.5〜5点は薄利多売、4点は主戦場、3.5点は仕上げ想定、R/3点以下は出口設計ができる場合のみ。
この流れで検査シートを読めば、評価点の数字に引っ張られずに実質的なコンディションとコストを見積もりやすくなります。
もし具体的な検査シート画像や記載(例 展開図の記号、コメント欄の文言)があれば、個別に「どこが価格・リスクの肝か」をさらに掘り下げてアドバイスできます。
【要約】
AISは民間の第三者検査で、オークション基準に近い点数・外内装評価・損傷マップで現車の見た目/状態差を可視化。JAAIは公的性格が強く、走行距離の真正性や修復歴判定を重視。店頭での状態比較はAIS、メーター/修復歴の裏付けはJAAI。両方併用が最も安心。