コラム

【保存版】中古車の買取相場 早見表(年式×走行距離)—読み解き方と下落カーブ、3万/5万/10万kmの節目、同条件でも差が出る理由まで

なぜ年式と走行距離が中古車の買取相場を左右するのか?

結論から言うと、中古車の買取相場は「年式(どれだけ新しいか)」と「走行距離(どれだけ走ったか)」の2軸で大きく決まります。

これは単なる慣例ではなく、機械としての劣化・維持費の期待値・保証や規制といった制度・小売ニーズと資金調達の条件・流通(オークションや輸出)の事情まで、実務と合理性に裏づけられています。

以下、なぜこの2要素が相場を強力に左右するのか、その根拠を体系的に解説します。

1) 残存耐用年数とリスクを端的に表す指標だから
– 年式は「経過年数」に直結し、時間とともに進む経年劣化(サビ、ゴム・樹脂の硬化、塗装やヘッドライトの劣化、電子部品の寿命など)を示唆します。

– 走行距離は「使用量」に直結し、摩耗(エンジン内部、ターボ、AT/CVTやデフのギヤ・クラッチ、ハブベアリング、ブレーキ、足回りブッシュやショック、内装の使用感)の進み具合を示します。

– 買取店や販売店は「残りどれくらい壊れずに走れそうか」「再販後にどの程度の整備費や保証コストが発生しそうか」を見積もります。

年式と走行距離は、この見積りの最も説明力が高い一次情報であり、実務上も査定の基礎変数になっています。

2) 経年劣化と走行摩耗のメカニズム(物理的根拠)
– 走行距離に比例しやすい摩耗
・エンジン ピストンリング・シリンダーの磨耗、オイル消費増、補機(ウォーターポンプ、オルタネータ)疲労
・駆動系 AT/CVT内部のクラッチ・ベルト・バルブボディの摩耗、デファレンシャルのギヤ摩耗
・足回り ショックアブソーバーの抜け、ブッシュ・ボールジョイントのガタ、ホイールベアリング音
・制動系 ローター摩耗、キャリパー固着リスク
– 年式(時間)に比例しやすい劣化
・ゴム・樹脂・シール 硬化やひび割れ(ホース、ウェザーストリップ、エンジンマウント等)
・金属腐食 塩害地域や沿岸部で進みやすい
・電装・電子 コンデンサ劣化、はんだクラック、センサー類不調
・塗装・樹脂部品 クリア剥げ、ヘッドライト黄ばみ
– ハイブリッド車やEVでは、駆動用バッテリーの劣化が年数・距離・温度履歴に依存します。

容量劣化が進むと実用航続や燃費が落ち、交換費用が高額(数十万円規模)になり得るため、相場は敏感に反応します。

3) 期待整備費(コスト)と保証の閾値が価格に直結するから
– メーカーや整備業界が公表する点検・交換の推奨時期は多くが「年数」「距離」で管理されています。

例として、10万km付近でのタイミングベルト(旧来型)、ウォーターポンプ、スパークプラグ、足回りブッシュ・ショック、ブレーキローター、タイヤ一式、バッテリーなど、高額項目の交換が重なりやすい。

買取側はこれらの「近々発生し得る再商品化費」を見込み、仕入れ価格から控除します。

– 新車保証の一般条件(国内では一般保証3年/6万km、特別保証5年/10万kmが目安)は年式と距離で切れます。

保証が残っている個体は下取り後の販売リスクが低く、相場が上振れしやすい一方、保証切れ直後はディーラー修理時の自己負担増が見込まれるため割安が求められます。

販売店の延長保証商品やローン審査条件も年式・距離で制限が付くことが多く、超過車両は小売が難しくなり、買取価格が下がる根拠になります。

4) 市場(オークション・小売)の実務・データ上の根拠
– 国内の中古車オークションでは、出品票に年式・走行距離・評価点が明記され、成約価格はこれらに対して明確な負の相関を示します。

実務者は年式×走行距離のマトリクスをベースに、外装・内装状態、修復歴、色・装備、地域・季節性で加減点し、仕入れ上限を決めます。

– 統計・モデル化の観点でも、ヘドニック回帰や機械学習で価格を説明する際、年式と走行距離は最重要説明変数として採用されます。

相場予測サービスや買取店の社内査定ロジックがこの2軸に強く依存するのは、過去の大量の取引データで説明力が検証されているためです。

– 心理・商慣習としての「節目」効果も実在します。

国内では5万km・10万km、5年・7年・10年といった節目で需要が目に見えて変化する傾向があり、オークション価格も段差的に落ちやすい。

これは「高額整備が近いのでは」「保証が切れている」「次の買い手に売りづらい」といった流通側の判断・消費者の選好が重なるためです。

5) 技術進歩・規制・維持費が「年式」を通じて価格を動かす
– 新しい年式ほど、先進安全(自動ブレーキ、レーンキープ)、コネクテッド機能、燃費・排ガス性能が向上しています。

安全・快適・経済性の面で旧式が見劣りしやすく、年式が古いほど相対価格が下がる合理的根拠があります。

– 税制や環境性能割などの制度面でも、古い設計は購入時負担や燃費コストが相対的に重くなりやすく、需要面から中古相場を押し下げます。

6) 需要・資金調達・輸出といった「売りやすさ」の根拠
– 小売の最前線では、来店客の第一関心は「年式が新しい」「走行が少ない」。

この嗜好が仕入れ上限を規定します。

– ローン会社・保証会社は年式・距離に上限条件を設けることが多く、超えると商品化の間口が狭くなります。

結果的に買取価格は調整されます。

– 輸出市場は国ごとに年式制限や税制があり、ある年式を境に需要が急増/急減することが珍しくありません。

輸出比率が高い車種は、その国の年式ルールが国内相場にも波及します。

7) 「年式×走行距離」の組み合わせで読み解く
– 年式相応の走行距離の目安として、国内の一般的な年間走行は8,000〜10,000km程度と言われます。

これを大きく超えると「過走行」、大きく下回ると「低走行」と評価されやすい。

– ただし、低走行でも短距離・チョイ乗り中心だとエンジン内部の結露・燃焼残渣、触媒やDPFの目詰まり、12Vバッテリー劣化など逆効果の要素もあり、現車状態の確認が重要です。

– 一方で高年式×高走行(例 法人リース上がりで高速多用・整備履歴明瞭)の個体は、摩耗は進んでいても管理が良く総合点で評価される例もあります。

つまり、年式と距離は強力な指標ですが、最終的な相場は「組み合わせ+整備履歴・状態」で決まります。

8) 買取価格の実務式(根拠の見える化)
– 現場では概ね、次のような考え方で上限を決めます。

買取上限 ≈ 予想小売価格
− 再商品化費(整備・内外装仕上げ・部品)
− 保証原価(販売後トラブルの引当)
− 流通コスト(陸送・出品・金融)
− リスクマージン
− 目標粗利
– このうち予想小売価格と再商品化費・保証原価を最も強く動かすのが年式と走行距離です。

例えば10万kmが近い車は、前述の高額整備や保証リスクを厚めに見積もられ、仕入れ価格が抑えられます。

逆に年式が新しく距離が少なければ、整備・保証コスト見込みが軽くなり、上限が上がります。

9) 追加のエビデンス(制度・慣行)
– 保証 国内で広く見られる新車一般保証3年/60,000km、特別保証5年/100,000kmという枠組みは、年式と距離の閾値が購買リスクに直結している制度的根拠です。

– 整備スケジュール メーカーごとの点検・交換推奨は年数・距離で刻まれており、交換が近づくほど中古車の期待維持費(=買い手の負担)が上がるため、相場は低下します。

– オークション慣行 評価点表とともに年式・距離が価格形成の主要軸であり、データに基づく査定モデルが構築されています。

買取店も自社データや業者間相場(オークション成約事例)を参照し、年式・距離を基礎に価格を決めます。

まとめ
– 年式は「時間起因の劣化・技術陳腐化・保証や制度の閾値」を、走行距離は「使用量起因の摩耗・近未来の整備費・故障リスクの水準」を、簡潔かつ強力に表す変数です。

– この2軸は、物理的劣化のメカニズム、メーカー保証や整備スケジュール、オークション・小売の実務、買い手の嗜好、資金調達や輸出規制といった多面的な根拠に裏づけられており、中古車の買取相場を左右するのは合理的な帰結です。

– 実際の相場は「年式×走行距離の基準」から、修復歴・整備履歴・グレード/オプション・ボディカラー・地域・季節性などで微調整されます。

従って早見表は全体傾向を読むには有効ですが、個別車両の診断(状態・記録・タイヤ/ブレーキ/バッテリー等の残量)と合わせて評価するのが適切です。

年式×走行距離の早見表はどう読み解けばよいのか?

以下は「年式×走行距離の中古車・買取相場早見表」をどう読み解くかの実務的な手順と、なぜそう読むべきかという根拠を体系的にまとめたものです。

数値は一般則の説明であり、実勢は車種・時期・地域で変わりますが、相場表の使い方の精度は大きく向上します。

相場表の前提を理解する

– 縦軸=年式(初度登録年やモデル年)、横軸=走行距離帯(例 〜1万km、〜3万km、〜5万km…)で区切られ、各マスに「買取相場範囲(上限〜下限)」や「平均」が示されます。

– 表は多くの場合、業者オークションの直近成約価格帯(卸値)をベースに、車種・グレードをある程度均した値として作られています。

したがって「小売り(店頭)価格」ではなく「買取(卸)相場」の目安です。

– 同じ年式・距離でも、グレード・状態・オプション・色・地域・季節などで大きく増減するため、表は土台(ベース値)と考え、そこに補正をかけて使います。

読み方の基本フロー

– ステップ1 車名・型式・グレードを確認。

相場表が「車種別」になっていない場合は、同セグメント(軽・コンパクト・ミニバン・SUV・セダン・輸入車など)の代表相場として参照します。

– ステップ2 年式の行を特定。

年式は「初度登録年」で見るのが一般的です。

モデルチェンジ境界(マイナーチェンジ/フルモデルチェンジ)を跨ぐと価格帯が段差的に変わることに注意。

– ステップ3 走行距離の列を特定。

日本の平均年間走行は約8,000〜12,000kmが目安。

年式に対して距離が少なければ「低走行プレミアム」、多ければ「距離減点」が入る前提で該当マスの価格帯を参照。

– ステップ4 価格帯の中で自分の車が「上限寄りか下限寄りか」を、状態・オプション・人気色・駆動方式などで判定。

– ステップ5 必要に応じて補正(加点・減点)を上乗せ/差し引き。

距離が帯の中間でなければ、帯の端を起点に「1万kmあたりの調整額」を推定して内挿します。

– ステップ6 時期・地域・輸出需要などの市況補正。

繁忙期(3月前後)や相場上昇局面では上振れ、逆に需給緩和時は控えめに見る。

走行距離帯の「閾値」の意味

– 多くの表は3万km、5万km、7万km、10万kmを節目に帯を刻みます。

理由は、中古車購入者の心理的な閾値と、主要部品の劣化確率が統計的に上がる局面が重なるためです。

– 〜3万km 新車に近い印象。

上質在庫の需要が強く、上振れしやすい。

– 〜5万km 一般的な良質中古のボリュームゾーン。

競争が最も活発。

– 〜7万km 価格に敏感な層が主。

状態差の影響が相対的に増す。

– 10万km超 一部の買い手が敬遠しやすく下落幅が大きくなることが多い。

ただし耐久性で評価の高い車種や輸出需要の強いカテゴリー(SUV・バン等)は底堅いことがある。

– 同じ1万kmでも、若い年式ほど「1万kmあたりの減額」が大きく、年式が進むと距離の減額単価は逓減するのが一般的です。

若年車は新車代替の競合になるため距離差の影響が大きく、年式が進むほど「時間劣化>距離劣化」になるためです。

年式の読み方と節目

– 新車登録3年・5年・7年・9年…は車検サイクルと重なり、需要が波打ちます。

車検前後で売買の動きが出るため、年式が1年進むだけで価格が段差的に動くことがあります。

– マイナーチェンジ(おおむね3年前後)やフルモデルチェンジ(5〜7年前後)は外観・安全装備・燃費・コネクテッド機能の差が付きやすく、相場が切り替わります。

– ハイブリッドやEVは年式の影響が相対的に強い傾向。

ハイブリッドバッテリーや高電圧系統の保証・劣化年数が価値に直結。

EVは走行距離よりもSOH(バッテリー健全性)の実測が価格を左右することがあります。

表から価格帯を推定する際の補正の考え方

– 車両状態(最重要)
– 修復歴あり(骨格部位交換・修正) 大幅減額。

車種・年式によるが数十万円規模も。

– 板金塗装歴(軽微)や小傷・内装汚れ 減額は小〜中。

内装タバコ臭・ペット臭は需要を狭めやすい。

– 記録簿・整備履歴・保証継承 不確実性を下げるため加点。

– タイヤ残溝、ブレーキ、消耗品交換履歴 直近コストを減らせるため加点。

– グレード・装備
– 安全装備(先進運転支援)、ナビ、全方位カメラ、レザー、サンルーフ、パワーリアゲートなどは人気が反映され加点傾向。

– 4WDは雪国・アウトドア志向の強い地域で加点。

逆に暖地での加点は小さい場合あり。

– カラーは白(パール)・黒が強く、奇抜色は弱い傾向。

ただし限定色・スポーツ系は例外あり。

– 駆動方式・ミッション
– スポーツ系のMTは希少性プレミアが乗る場合あり。

ファミリー車のMTは逆に需要が限られる。

– 地域・季節・輸出
– 雪国の下回りサビは減点要因。

繁忙期(1〜3月)は店頭回転が早く相場が底堅い。

海外需要が強い車種(SUV、ディーゼル、耐久性が評価されるミニバン・バン等)は為替・輸出規制で上下する。

具体的な内挿・補正の実務例(数値はあくまで考え方の一例)

– 仮に、2019年式・走行6.2万kmのA車種で、表の「2019×〜5万km=135〜155万円」「2019×〜7万km=120〜140万円」とあるとします。

– 6.2万kmは〜7万km帯に属するため、まず120〜140万円が基準。

– ただし6.2万kmは帯の上限7万kmに近くはないので、5万km帯と7万km帯の中間補間を考え、「1万kmあたりの減額」を仮に7〜10万円程度と置いて、5万kmから+1.2万kmの差分で約8〜12万円の距離減額、といった内挿を行います。

結果、概ね130万円前後を中央値に見る、といった要領です。

– ここから、修復歴なし・記録簿あり・タイヤ良好・人気色であれば上限寄り、逆に内外装ダメージや消耗品要交換、喫煙臭などがあれば下限寄りにシフト。

– 走行距離帯のまたぎ目では、心理的閾値で下がり幅が急になることがあるため、5万kmを1,000km超過(5.1万km)と4.9万kmの差でも、実務上は同じ帯に入るかどうかで価格感が変わる点に注意します。

セグメント別の読み分け

– 軽・コンパクト 需要層が広く、低走行・高年式ほど相場が堅い。

距離の影響は中程度、年式の影響は強め。

– ミニバン・SUV 装備・グレード差が価格に反映されやすい。

4WDや先進安全装備で上振れ。

– セダン(特に大排気量) 国内需要がやや弱いケースが多く、年式が進むと下落が早い。

輸出向け需要があれば底支え。

– 輸入車 初期の下落が大きく、その後は車種人気・保証・整備履歴で二極化。

走行距離の影響が国産より強めに出ることも。

– ハイブリッド・EV 年式・電池健全性が価格を支配。

EVは航続性能の実測(SOH次第)で表の距離軸を上書きするイメージで補正。

表を鵜呑みにしないためのチェックポイント

– グレード違いの混在 相場表が「車名くくり」の場合、廉価グレードと上位グレードが平均化されていることがある。

– 特別仕様車・限定車 表のレンジでは捉えきれないプレミアが付くことがある。

– 大規模修復歴・冠水・レンタ/法人過走行 表の下限を大幅に割る可能性。

– 改造・社外パーツ 評価が割れる。

ノーマル志向の市場ではマイナス、愛好家市場ではプラスも。

– 市況のタイムラグ 相場表の更新頻度(週次〜月次)と、直近の為替・金利・新車供給状況でズレが出る。

根拠(なぜこの読み方が妥当か)

– 業者オークションの成約価格分布に基づく統計的傾向
– 相場表は、USSなどの大規模オークションや買取店ネットワークの売買データをもとに、年式・距離・状態ごとの中心値とレンジを集計して作られます。

分布をみると、年式が1年進むごとに中心値が段階的に下がり、距離帯の境界で価格が層状に分かれるパターンが明確に出ます。

– 経済合理性(期待費用と不確実性の反映)
– 距離が増えるほど、エンジン・ミッション・足回り・ベアリング・ブッシュ・電装などの故障確率と保守コストの期待値が上がります。

買い手は将来の修理費を価格に織り込むため、距離ペナルティが生じます。

– 年式が進むほど、樹脂・ゴム部品の経年劣化、情報系・安全系の陳腐化、保証の切れ具合が反映されます。

新車・新型に近いほど代替需要との競合で価格感が高止まりし、年式が進むと加速度的に価値が逓減するのは耐用年数モデルに整合的です。

– 消費者心理・需給の閾値効果
– 「5万km未満」「10万km未満」といったわかりやすい閾値は検索条件や店頭POPでも区切りにされ、需要の厚みが急に変わるため、価格の段差が生まれます。

– 車検・モデルチェンジ時期は市場在庫の放出と買い替え需要が集中し、特定の年式に注目が集まって価格が動きます。

– 車種特性と輸出需要
– ミニバン・SUV・バンなど耐久性と実用性が評価されるセグメントは、距離が伸びても一定の需要が内外にあり、10万km超でも底堅さが観測されます。

為替水準や輸出先規制はオークション成約価格に即時反映され、その集計が相場表に波及します。

– 電動化車両の特性
– HV/EVは電池劣化が再販価値を強く左右し、同年式・同距離でもSOHの差で価格が大きく振れることがオークション評価や買取現場で一般的に認知されています。

従って年式×距離表を鵜呑みにせず電池指標を別途補正するのが合理的です。

使いこなしのコツ(実務的なまとめ)

– 自車の「相場表上のマス」を起点に、距離を内挿し、状態・装備・色・地域で上限〜下限のどこに位置するかを決める。

– 年式の切り目(車検・MC/FC)や距離帯の閾値に対して、自車が「ギリギリ手前」なのか「少し超過」なのかで数万円〜数十万円の差が出る可能性を織り込む。

– 3社以上のオンライン査定や即時買取の見積りと、表の推計レンジを突き合わせ、外れ値があれば「輸出筋」「特定販路」の有無を疑う。

– EV/HVはバッテリー診断書やSOHを確認し、表の値に上乗せ・差し引きする。

– 小売相場(店頭価格)は買取相場+整備・運搬・保証・利益が乗った値である点を理解し、買取相場表と混同しない。

結論
年式×走行距離の早見表は、「業者オークションに基づく卸相場のベース」を視覚化したもので、読み解きの核は「該当マスのレンジを出発点に、距離内挿と状態・装備・市況の補正を重ねる」ことです。

距離は若年車ほど単価減が大きく、年式は車検・モデルチェンジで段差が出やすい。

閾値(3万・5万・7万・10万km)と年式節目(3・5・7年等)を意識し、車種特性や輸出需要、電動化の電池要素まで補正すれば、表の精度と実勢の整合が高まります。

以上が、実務に耐える読み方と、その背後にある市場メカニズム(根拠)です。

年式別に相場は何年目からどの程度下落するのか?

ご質問の「年式別に相場は何年目からどの程度下落するのか?」に絞って、国内の中古車買取市場(業者オークションや大手買取店の提示水準の傾向)をベースに、一般的な量販車(国産のコンパクト・ミニバン・SUV・軽など)を中心に解説します。

実際の買取額はグレード・装備・色・状態・事故修復歴・地域・時期(需給)で大きく動くため、以下は「新車時車両本体価格に対する買取相場のおおよその割合」とその下落ポイントの目安です。

年式別のざっくり早見目安(新車価格に対する買取相場の割合)
– 新車~1年(初回車検前) 70~85%
最初の1年で大きく下がります。

新車から「中古」へ格下げされる心理的・制度的な段差、初期登録の減価が要因。

半導体不足などで新車納期が極端に長いときは例外的に80~90%超のケースもありましたが、平常時はこのレンジ。

– 2年 60~75%
目に見える劣化は少ない一方で、販売店マージンや次オーナーの車検・保証残を織り込み、さらに下落。

フリート(法人・レンタカー)上がりがまとまって市場に出る年次でもあり、供給増が相場を押し下げます。

– 3年(初回車検) 50~65%
1つ目の“段差”がここ。

初回車検到来で買い替え・リース満了が重なり出回りが増える、保証(一般3年)切れが近い/切れる、という要因が価格に出ます。

– 4年 45~60%
モデル末期に差し掛かる車種も出始め、装備・安全機能の世代差が意識される段階。

– 5年(2回目車検前) 35~50%
2つ目の“段差”。

フルモデルチェンジ(5~7年周期)がぶつかることが多く、旧型の相場は一段下げ。

メーカー特別保証(多くは5年・10万km)切れも意識されます。

– 6年 30~45%
車歴・距離の個体差が価格を大きく動かし始めるゾーン。

内外装・消耗品の状態が査定に強く反映。

– 7年 25~40%
次の2年車検前。

先進安全装備の世代差(ACCやレーンキープ、LEDライト等)が広がり、新型相場とのギャップ拡大。

– 8~9年 18~35%
10万kmに届く個体が増え、距離閾値の影響が強くなります。

整備履歴・タイヤ・ブレーキ・足回りの状態で差が拡大。

– 10年 12~25%
一般には「過走行・年式相応」の扱い。

人気・耐久で差がつく(トヨタ系ミニバン/SUV、ハイエース等は相対的に強い)。

– 11~12年 8~20%
基本整備コストが価格に対して重くなり、次オーナーの負担見込みを織り込んで下落。

– 13年超 5~15%
3つ目の“段差”。

自動車税・重量税の重課(新規登録から13年超)により維持費が上がり、国内需要が細るため。

ここから先は輸出需要があれば下支え、なければ国内はほぼ下限圏。

年次ごとの下落率(イメージ)
– 1年目で一気に15~30%下落
– 2~3年目は年あたり約8~12%ずつ下落(累計で35~50%)
– 4~6年目は年あたり約6~10%ずつ
– 7~10年目は年あたり約5~8%ずつ
– 13年で追加の段差(数%~10%程度の下振れ)

根拠(市場構造・制度・実務データの背景)
– 業者オークションの供給サイクル
フリート・リース満了が3年・5年に集中し、出品台数が増えるタイミングで相場が緩みやすい。

オークション成約データは買取店の仕入れ基準になり、買取提示に直結。

– 残価設定・リースの残価テーブル
自動車販売の実務で用いられる3年・5年の残価率(量販国産で3年50~60%前後、5年30~45%前後)が流通相場のアンカーになり、買取相場もこれを大きく外れにくい。

– 車検と保証の節目
日本は新車初回3年、以後2年ごとの車検。

ここで買い替え需要と供給が動く。

メーカー一般保証3年、特別保証5年の節目は、故障リスクの市場評価にも反映。

– 税制の段差
新規登録から13年超で自動車税・重量税が増税(重課)。

維持費上昇は需要を弱め、国内相場の下落圧力に。

– モデルチェンジ
多くの車種が5~7年でフルモデルチェンジ。

安全・燃費・インフォテイメントの進化により旧型の相対価値が下がる。

– 技術進化と装備の世代差
自動ブレーキ、ACC、コネクテッドナビ、LED/マトリクスライト等は体感価値が高く、旧世代との差は年を追うほど価格に反映。

– 需給ショックの例外
2021~2023年の半導体不足・物流停滞では新車納期が長期化し、1~3年落ちの相場が高止まり、場合により新車時価格に迫る・超える例も発生。

平常化局面では是正が入りやすい。

セグメント別のズレ(同じ年式でも落ち方が違う)
– 軽自動車(N-BOX、タント等)
国内需要が厚く税負担が軽いため相場は強め。

3年で55~70%、5年で45~60%、10年で15~30%目安。

人気グレード・カラーパール白/黒は強含み。

– ミニバン・大衆SUV(シエンタ、ヴォクシー、ヤリスクロス等)
需要安定。

3年で50~65%、5年で35~50%、10年で12~25%。

装備(両側パワスラ、先進安全)で差が出やすい。

– 耐久・輸出需要が強い車(ランドクルーザー、ハイエース等)
例外的に落ちにくい。

5年で50~70%、10年でも25~40%を維持する個体も。

海外需要が下支え。

– 輸入プレミアム・大型セダン
初期下落が大きい。

1年で15~35%下落、3年で35~55%、5年で20~35%(新車価格比)。

維持費・故障リスクの織り込み、モデルチェンジ感度の高さが要因。

– ハイブリッド・EV
ハイブリッドは耐久評価が定着し相場は底堅い一方、走行距離・保証残で個体差が拡大。

EVは新車値付けの変更(値下げ)と電池劣化の不確実性に敏感で、モデルによって3年で45~60%程度とブレが大きい。

電池保証(多くは8年程度)の残りが重要。

走行距離による補正(年式に上乗せ/下押しする要因)
– 年間1万km前後が「標準」感。

これを大きく超えると年式同等比でマイナス評価、下回るとプラス。

– 閾値になりやすい距離帯
3万km、5万km、7万km、10万km。

各閾値をまたぐと一段評価が落ちやすい(特に5万と10万)。

– ざっくり補正感
5年落ちまでのゾーンでは、1万km超過ごとに新車価格比で0.5~1.5%程度の下押しが目安。

10万km超は「一段下の市場」扱いとなり、個体や需要次第で大きく変動。

概算イメージ(例)
– 新車本体価格300万円の量販SUVの場合
1年 210~255万円
3年 150~195万円
5年 105~150万円
10年 36~75万円
同条件でも、人気色・高需要グレード・装備充実・ワンオーナー・点検記録簿あり等は上振れ、事故歴・補修多数・社外改造強めは下振れになりやすい。

なぜ「1年」「3年」「5年」「13年」に段差が出るのか(整理)
– 1年 新車プレミアムの剥落。

中古としての市場価格形成へ移行。

– 3年 初回車検+一般保証3年の節目+リース/法人返却の集中=供給増。

– 5年 特別保証切れ、消耗・修理費の顕在化、フルモデルチェンジ影響が重なる。

– 13年 税制重課により国内保有コスト上昇、需要縮小。

輸出需要があれば別トレンド。

注意点・実務のコツ
– 直近の需給は強烈に効きます。

新型の値上げ/値下げ、マイナーチェンジ、燃料価格の変動、輸出規制などで一時的にレンジが動きます。

– 同じ年式でも個体差が最大。

内外装の状態、修復歴、下回り錆、タイヤ残り、キー本数、記録簿、ワンオーナー、禁煙などは買取査定の加点要素。

– 相場確認は、同条件(年式・距離・グレード・色)の小売価格から販売店マージン・整備コスト等を逆算する方法、あるいは一括査定やオークション代行での実勢把握が有効。

まとめ
– 年式だけで見ると、相場は「1年目」「3年目」「5年目」「13年目」に段差が出やすく、平常時は新車価格比で1年70~85%、3年50~65%、5年35~50%、10年12~25%、13年超5~15%が概ねの目安。

– このカーブの根拠は、オークション供給サイクル、リース残価、車検・保証・税制の節目、モデルチェンジや装備の世代差という制度・市場の構造的要因。

– 実際の買取額は年式と同等かそれ以上に「走行距離」と「個体の状態」、そして直近の需給ショックで動くため、最終判断は同条件の実勢相場確認と複数査定が肝心です。

上記のレンジを「基準線」として把握し、セグメント特性(軽は強い、輸入高級セダンは早落ち、SUV/商用は輸出で底堅い、EVは新車価格改定に敏感)と距離・状態の補正を掛け合わせると、年式別の下落度合いをより現実的に見積もれます。

走行距離の節目(3万・5万・10万km)で相場はどう変化するのか?

要点の先取り
– 3万kmの節目 需要の第一関門。

中古車検索の人気フィルター「3万km以下」を外れるため需要が細り、同条件なら相場は概ね3〜7%下振れしやすい。

– 5万kmの節目 メーカー系認定中古や延長保証の条件、主要消耗品の更新時期と重なりやすく、同条件比較で相場は5〜10%下がりやすい。

– 10万kmの節目 再販チャネル(国内小売・輸出・保証適用)の線引きに直撃。

一般的な乗用車では10〜20%、場合によっては30%以上の段差が生じることもある。

以下、なぜそうなるのか、年式との掛け合わせ、車種別の違い、実務的根拠、そして数値イメージを詳しく説明します。

1) なぜ「段差」が生まれるのか(相場形成メカニズム)
– 検索フィルター効果 多くの中古車サイトは「〜3万km」「〜5万km」「〜10万km」のプリセットで在庫を絞ります。

可視性が高い距離帯に車が属している方が問い合わせ数が伸び、業者間でも仕入れ値が強含むため、節目を超えると一段安くなりやすい。

– 保証・認定条件 国産各社の一般保証はおおむね3年(または一定距離)、特別保証は5年または10万km目安が多い。

メーカー系認定や延長保証の商品設計では「走行5万km以下」「10万km未満」などの判定が使われるため、閾値をまたぐと付帯価値が薄れ、買取側は想定再販値を下方修正する。

– 予防整備コストの織り込み 距離が進むほど店頭に出す前の整備・消耗品更新コスト(タイヤ、ブレーキ、ダンパー、補機ベルト、プラグ、バッテリー、AT/CVTフルード、冷却系、ブッシュ類)が嵩む。

特に10万km前後は「一気に手を入れる」部位が増え、業者は見込整備費を仕入れ値から差し引く。

– 輸出需要の線引き 一部輸出先では「10万km未満」を好むバイヤーが多く、10万kmを超えると輸出向け需要が減る。

輸出が受け皿にならない個体は国内相場のみに依存し、価格が下押しされる。

– 金融・リース残価の階段 リース・残価設定ローンの残価表は距離帯ごとに段差がある。

リース満了流通(大量供給)の評価軸が業者の目線に波及する。

2) 3万kmの節目の動きと理由
– 相場感 同年式・同装備で3万km→3.5万kmに跨ぐだけで、店頭訴求力は体感で一枚落ちる。

買取では数万円〜十万円弱(車格次第)、率では3〜7%程度の下方調整が入りやすい。

– 背景
– 初回車検(3年)直後の優良玉ゾーンと重なりやすく、3万km以下は「元デモカー・元社用車・ワンオーナー・禁煙」といった付加価値が乗りがち。

– 内装・外装の微細なヤレが可視化し始める距離帯を境に、写真映え・現車確認での印象差が出やすい。

– 例外
– スポーツ/趣味車は「低走行プレミア」の効きが強く、3万kmの段差がより大きくなることがある。

– 商用バン・トラックは距離耐性が評価され、3万kmの節目は相対的に軽微。

3) 5万kmの節目の動きと理由
– 相場感 5万kmを超えると、保証や認定の上限条件から外れやすく、5〜10%の調整が入りやすい。

タイヤ・ブレーキ・ダンパーなどの交換時期が近づき、整備原価が上がる。

– 背景
– メーカー系認定や延長保証の加入条件で「走行5万〜6万kmまで」のメニューが残るケースがあり、条件内に収めたい業者が競って仕入れるため、閾値前が強含む。

– ハイブリッドは補機バッテリーやインバーター冷却系メンテの気配りが必要となる時期に差し掛かる。

電池本体は長寿命化しているが、素性不明の高走行は説明コストがかさむ。

– 例外
– 高年式・高走行(例 2年で5万kmの法人リース返却)は整備履歴が明確で外装も良ければ、実用車として一定の需要があり、下げ幅が相対的に緩む。

4) 10万kmの節目の動きと理由
– 相場感 一般的な乗用車で10〜20%の段差、人気薄セグメントや粗いコンディションでは30%超の急落も。

逆に、耐久に強い商用ディーゼルやクロカン系は下げ幅がやや緩い。

– 背景
– 多くのメーカーの特別保証は「5年または10万km」を一区切りとする目安。

これを越えると保証価値が切れ、販売側のリスクヘッジ費用が上乗せされる。

– タイミングベルト車なら交換推奨が10万km近辺。

チェーンでもテンショナーやオイル管理の説明が必要。

足回りブッシュ、ショック、ハブベアリング、ウォーターポンプ、ラジエーター、O2センサー等の加齢・走行起因の不具合確率が上がる。

– 輸出の主要バイヤーが「10万km未満」を基準に在庫化することが多く、越えた瞬間に入札層が薄くなる。

– 例外
– ランドクルーザー等の耐久イメージ車、ディーゼル商用、MTの趣味車は10万km超でも値崩れが緩慢。

– 逆にCVT主体のコンパクトやハイト系軽でメンテ不明・高走行は嫌気されやすい。

5) 年式との掛け算(早見の考え方)
– 若年×低走行(例 3年/2.5万km) 相場最強ゾーン。

3万km未満を死守すると入札が厚い。

– 若年×高走行(例 3年/6万km) 節目5万kmを超過でも、保証・整備履歴が明瞭で内外装良好なら需要は堅調。

比率ダウンはあるが絶対額は高止まり。

– 高年×低走行(例 8年/2.5万km) 年式劣化(樹脂・ゴム・電子部品)や車検サイクルの影響で、距離プレミアはあるが期待ほどは伸びない。

– 高年×高走行(例 10年/10万km) 10万kmの段差を強く受ける。

輸出・業販解体の受け皿が価格の下限を形成。

6) 車種・用途別の差
– 軽自動車/コンパクトCVT 3万・5万の段差が出やすく、10万越えは需要が急減しがち。

– ミニバン/SUV(ファミリー需要) 3万・5万の効きが強いが、装備や内装コンディションで上振れも。

– ハイブリッド 走行が伸びても実燃費メリットで一定需要。

ただし保証・電池説明のしやすさから5万・10万の線は意識される。

– 商用/貨物/ディーゼル 距離許容度が高く、節目の段差は相対的に小さい。

– 趣味性の高いスポーツ/旧車 距離より希少性・個体の質が支配要因。

3万km以下は強烈なプレミア、10万kmでも整備履歴次第で堅調。

7) 実務的な根拠の整理
– オークション現場の価格帯 国内大手オークションでは出品票に走行距離が大きく表示され、入札者は距離帯ごとの再販チャネル・保証付帯可否・整備原価を即座に織り込む。

下見での「3万未満」「5万未満」「10万未満」の在庫は入札が厚く、超過車は相対的に薄くなる傾向が定常的。

– 保証・金融の規程 多くのメーカーが一般保証3年、特別保証5年または10万kmを目安としており、延長保証商品も距離上限を設定。

リース/残価の査定表も距離帯で段差設計が一般的。

– 整備・消耗の費用構造 5万km前後でタイヤ・パッド・ダンパー、10万km前後でベルト/ポンプ/ブッシュ/センサー類など、まとめて費用が発生しやすい。

販売店はこれを見込んで仕入れ値を調整する。

– 小売サイトの行動データ ユーザーの検索・絞り込みUIが距離節目に沿っており、可視性の差がそのまま成約率・在庫回転率の差→仕入れ相場差に波及。

8) 数値イメージ(あくまで一般例)
– 新車時300万円クラスの大衆車を想定。

装備・事故歴なし・内外装良好・同年式内での相対比較。

– 3年/3万km 買取180〜210万円(60〜70%)
– 5年/5万km 買取135〜165万円(45〜55%)
– 7年/7万km 買取105〜135万円(35〜45%)
– 10年/10万km 買取45〜90万円(15〜30%)
– 節目直前と直後の差分(同条件で距離のみ跨ぐイメージ)
– 2.9万→3.1万km −3〜7%
– 4.9万→5.1万km −5〜10%
– 9.9万→10.1万km −10〜20%(車種や販路で±)

9) 売却時の実践アドバイス
– 3万・5万・10万kmの直前で動く 次の節目まで待つ理由がなければ、直前のうちに査定依頼を。

複数社同日査定で競わせると閾値プレミアを取り込みやすい。

– 整備記録簿・保証書の整備 節目越えでも履歴の透明性が価格を底上げする。

消耗品を直前で替えるより「見積りの提示」で原価を見える化すると有利な場合もある。

– 再販チャネルを意識 輸出向きが強い車種・グレードは10万km未満が特に効く。

逆に国内趣味層向けは距離より個体差を磨く(内外装仕上げ、純正戻し等)。

まとめ
– 3万kmは「低走行イメージの境目」、5万kmは「保証・消耗の節目」、10万kmは「再販チャネルと保証の大節目」。

この3点で相場は段差的に変化する。

– 段差の大きさは車種・年式・コンディション・販路で変動するが、概ね3万で3〜7%、5万で5〜10%、10万で10〜20%がひとつの経験則。

– 根拠は、オークション入札の厚薄、保証・金融の距離上限設計、整備費用の発生帯、そして小売サイトの検索行動に基づく需要の偏りにある。

この理解をベースに、ご自身の車の年式・車種・装備・修復歴・地域流通を掛け合わせて、最適な売却タイミングと交渉材料を組み立てるのが実務上の最良手です。

同じ年式・走行距離でも相場が違うのはなぜか?(車種・グレード・事故歴・地域など)

結論から言うと、中古車の買取価格は「次にいくらで売れるか(想定の小売価格やオートオークションの落札見込み)から、販管費や整備費・輸送費・利益を差し引いて逆算する」仕組みです。

年式・走行距離が同じでも、その“売れる価格”を左右する要素が多岐にわたるため、買取相場に差が生じます。

主な要因と、その根拠をできるだけ具体的に整理します。

1) 車種・ボディタイプ・ブランド(需要の大きさ)
– 人気車種は小売価格が下がりにくく、結果として買取価格も高くなります。

ミニバン・SUV・軽スーパーハイト(N-BOX等)は需要が厚く、セダンは相対的に弱い局面が多いなど、ボディタイプの需給バランスが価格に直結します。

– 同じ年式・距離でも、トヨタやスバルの一部SUV、ハイエースなどは海外需要が強く、円安局面では輸出バイヤーの仕入れが活発になり、国内買取相場が押し上げられることがあります。

– 根拠 買取店はオークション落札相場(USS、TAA、ARAIなど大手会場の成約データ)を参照します。

会場別・週別で人気セグメントの成約単価が明確に異なり、残価の高い車種ほど買取提示も高くなります。

各社の「リセールバリュー」指標や残価設定比率でも、車種間の価値維持力に差が出ることが知られています。

2) グレード・装備・駆動方式・カラー(仕様の違い)
– 同一モデルでも、上級グレードや特別仕様、レザー内装、先進安全装備(トヨタセーフティセンス、プロパイロット等)、サンルーフ、両側電動スライドなどは需要が強く、買取に上乗せされがちです。

一方、ベースグレードやオプションが少ない個体は相場が下がりやすい。

– 4WD/E-Four、ターボ有無、寒冷地仕様、メーカー純正ナビ・ドラレコ・ETC2.0など、実需に直結する装備は評価されやすいです。

色も影響が大きく、パールホワイトやブラックは安定、個性色は地域・季節で振れます。

– 根拠 オートオークションでは同日同会場で「年式・距離が近い同型車」でも、評価点や装備差で数十万円の開きが日常的に発生します。

小売市場でも上位グレード・人気カラーは在庫回転が速く、仕入れ競争が価格を押し上げます。

3) 事故歴・修復歴・災害歴(構造的リスク)
– フレーム修正や交換を伴う修復歴(骨格事故歴)は、同条件の無事故車と比べ明確に下がります。

目安として1~3割程度の減額になるケースが多く、部位・修復品質・車種人気で上下します。

エアバッグ展開歴や水没・冠水歴はさらに敬遠されます。

– バンパー交換や軽い板金のような軽微な傷直しでも、作業痕や色味の違いが残っていれば減点対象です。

– 根拠 AISやJAAA(第三者検査)の評価点・修復歴判定がオークション出品票に明記され、落札価格に強烈に反映されます。

買取店はその再販価格(無事故車と修復歴車の乖離)を逆算して査定します。

4) 個体差(状態・メンテ履歴・使用環境)
– 記録簿の有無、ディーラー整備履歴、ワンオーナー、禁煙車、ペット臭なし、下回りサビの少なさ、タイヤ溝・ブレーキ残量、ガラスやレンズの傷、内装の擦れ、補機バッテリーやハイブリッドバッテリーの状態など。

これらは実整備コストやクレームリスクに直結し、買取価格に反映されます。

– 99,000kmと101,000kmのような“キリ”でも心理的・広告的に差が出やすい、車検残月数が多いほど再販が容易など、細かな要素も作用します。

– 根拠 オートオークションの評価点(例 4.5/4.0/3.5…)や内外装評価、展開図の減点が価格と相関。

整備見積が高くなる個体は業者間で敬遠され、仕入力が下がります。

5) 地域性・季節性
– 北日本・山間部では4WDやスタッドレス付にプレミアが乗りやすい一方、都市圏では2WDでも十分という層が厚く、相場が違います。

反対に雪国は下回りサビの発生率が高く、同年式でも減額されがちです。

– オープンカーやスポーツは春~初夏に動き、SUVや4WDは冬前に動くなど、季節需要で買取価格が上下します。

地域間の陸送コストや離島輸送費も仕入れ価格に織り込まれます。

– 根拠 地域会場のオークション結果や小売在庫回転に季節トレンドが明確に表れます。

買取店は自社販路の地域顧客ニーズに合わせて評価します。

6) 市況・マクロ要因(新車供給、為替、燃料価格、金利・税制)
– 新車の納期遅延や半導体不足が生じた時期は中古に代替需要が流れ、中古相場全体が上がりました。

反対に新車が潤沢で値引きが大きい局面は中古が相対的に割高になり、相場が軟化します。

– 円安時は輸出が活発化し、海外で人気の車種(SUV/ピックアップ/商用等)を中心に国内買取が上がりやすい。

燃料価格高騰時はハイブリッド・軽が強く、大排気量やハイオク指定は弱まりがち。

– 根拠 業界全体の落札指数や相場グラフ(各オークション主催者・相場サービス提供会社が公表)で、為替や原油価格、新車供給状況と中古相場の連動傾向が観測されます。

7) 販路と事業者の戦略(誰がどこで売るか)
– 自社小売力が強い店舗は中間マージンを省けるため、高く買いやすい。

逆にオークション卸前提の買取店は、手数料・輸送・再商品化コスト・在庫金利を差し引くためオファーが下がることがあります。

– 輸出販路を持つ業者は海外で強い需要があるモデルを相対的に高く買えます。

買取強化キャンペーンや決算月は仕入れ枠を広げ、相場より高めの提示が出ることも。

– 根拠 同一車両で一括査定すると数十万円単位の差が生じる実例が多く、これは各社の販路・在庫方針・目標在庫回転率の違いに起因します。

8) モデルライフ・改良差・限定性
– 前期/後期で安全装備やナビ世代が変わる、特別仕様車の専用装備が人気、最終型や限定カラーが評価される、といった“中身の新しさ”が相場を動かします。

マイナーチェンジでACCやLED化、コネクテッド対応などが入ると同年式・距離でも価格差が出やすい。

– 根拠 カタログ年次改良の有無は小売訴求力に直結し、消費者が比較検討時に後期型を選好するため在庫回転が速く、仕入れ競争が起きやすい。

9) カスタム・改造・純正パーツの扱い
– エアロ・ローダウン・マフラー・大径ホイールなどは、車検適合性や乗り心地、好みの分かれで需要が狭まり、相場を下げることが多いです。

例外は、人気ブランドやプロショップ施工、サーキット歴なし等の明確な価値訴求ができる場合。

– 社外ナビは型落ちになると評価が伸びません。

純正戻し可能で純正パーツ同梱だとプラスに働きやすい。

– 根拠 ノーマル重視の小売店・保証付販売が増えており、再商品化コストや販売クレームリスクを嫌うことで、改造車の仕入力が相対的に下がる傾向がオークション価格にも反映。

10) 細かな実務要素
– 車検残(長いほど再販が容易で名義変更後すぐ乗れる)、メーカー保証の継承可否、リコール対応済みか、スペアキー・取説・記録簿の完備、スタッドレスやルーフキャリア等の付属品(地域による評価差)、喫煙・芳香剤・ペット毛などの車内臭気。

これらは小さく見えて、実際の小売現場では成約率を左右し、買取側の計算にも織り込まれます。

– 根拠 小売現場の販売期間(在庫日数)と値引き発生率の統計をみると、付属品や書類完備の車両は初動での問い合わせ数が多く、回転が良い=仕入れ競争が働くことが経験則として確認されています。

総合的な根拠の整理
– オートオークションの落札結果が業界の実勢価格のベースであり、出品票に記録される評価点・修復歴・装備差・色・付属品・地域会場ごとの需要が、そのまま価格差となって反映されます。

買取店は最新の成約データと自社の販路(国内小売・業販・輸出)における販売想定価格から逆算して買取額を提示します。

– 市場環境(新車供給、為替、燃料価格、季節、税制・規制)が需要構造を揺らし、特定セグメントの仕入れ競争を強めたり弱めたりします。

この変動は月単位・週単位でオークション平均単価に現れ、買取相場も連動します。

– 車両個体の状態差は第三者検査機関の評価点や整備見積に反映され、短期の整備費・リスクが高い個体ほど、業者は粗利を厚めに見込む=買取は抑えめになります。

売却側の実務アドバイス(差を埋めるためにできること)
– 記録簿・保証書・スペアキー・取説・純正パーツを揃え、内外装を清掃。

軽微な凹みや消耗品の交換は、費用対効果を見て判断(高額板金は回収困難なことが多い)。

– 地域や季節を意識(4WDは冬前、オープンは春)、需要が強い時期に売る。

輸出向き車種は為替・海外情勢もチェック。

– 複数社査定で販路が違う業者(自社小売強い店、輸出、専門店)から相見積り。

写真・装備・状態を正確に共有し、減点リスクを先に潰す。

– 事故歴・修復歴・改造は正直に開示。

純正戻しができるなら同梱をアピール。

まとめ
年式・走行距離はあくまで相場の「土台」にすぎず、実際の買取価格は、車種人気・グレード装備・事故歴と状態・地域や季節・市況(新車供給、為替、燃料価格)・販路戦略といった多層の要因が作る「再販可能性とコスト」の総和で決まります。

買取店はオートオークション等の最新成約価格を根拠に逆算しており、その前提となる需要とリスクが同じ年式・距離でも大きく変わるため、相場に差が生まれるのです。

【要約】
中古車の買取相場は年式と走行距離で大きく決まる。経年・走行に伴う劣化や故障リスク、近々の整備費と保証の残存、融資・延長保証の適用、オークション実績と5万/10万kmなどの節目効果が価格に直結。HV/EVは電池劣化も影響。新しい年式は安全装備・コネクト・燃費/規制適合で評価が高い。

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